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★★バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

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PG12指定
4月10日(金)公開

【作品情報】
『バットマン』シリーズで主人公を演じたマイケル・キートンが、かつてヒーロー映画で人気を博した俳優に扮し、再起をかけてブロードウェイの舞台に挑む姿を描くブラック・コメディ。人間ドラマに定評のあるアレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ監督が『ゼロ・グラビティ』で撮影を担当したエマニュエル・ルベツキを迎え、ほぼワンカットの映像で見せる。

【ストーリー】
俳優リーガン・トムソン(マイケル・キートン)は、かつて『バードマン』というスーパーヒーローを演じ一世を風靡したものの、シリーズ終了して20年経った今ではすっかり落ち目となってしまった。彼はレイモンド・カーヴァーの小説『愛について語るときに我々の語ること』を自ら脚色・演出・主演を手がけ舞台化、ブロードウェイで上演し、再び喝采を浴びようとする。しかし起用した実力派俳優のマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)ばかりが注目される上に、娘サム(エマ・ストーン)との溝も深まる一方。リーガンは精神的に追い込まれていく……。

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【作品データ】
原題 BIRDMAN OR (THE UNEXPECTED VIRTUE OF IGNORANCE)
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 120分

【スタッフ】
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ 、 ニコラス・ヒアコボーネ 、 アレクサンダー・ディネラリス・Jr. 、 アルマンド・ボー
撮影 エマニュエル・ルベツキ
音楽 ホセ・アントニオ・サンチェス
編集 ダグラス・クライズ 、 スティーヴン・ミリオン

【キャスト】
リーガン・トムソン:  マイケル・キートン
マイク・シャイナー:  エドワード・ノートン
レズリー:  ナオミ・ワッツ
サム:  エマ・ストーン
ジェイク:  ザック・ガリフィアナキス
ローラ:  アンドレア・ライズボロー
シルヴィア:  エイミー・ライアン



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【マイレビュー】
直近のアカデミー賞作品賞を獲った作品で、日本でも鳴り物入りで公開された映画だ。

本物の『舞台劇』を観ているような臨場感あふれる素晴らしい映画だった。
ワンカットのカメラワークが実に素晴らしく、それに加え寸分狂わぬ役者の演技、それを構成する演出の凄さが特に際立っていた。
製作前段階からものすごく地道にコツコツと丹念な練りこみと計算を感じさせる映画だった。


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NYブロードウェイという世界一の演劇の殿堂にあっても、今の時代、観劇を好む人たち、映画を好む人たちは完全に二分している。個人の嗜好として舞台演劇と映画が『大衆文化』という括りで共存することなくむしろ相反しているという現実だ。
舞台演劇はエンターテインメント性において今や映画に主流を奪われている。


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舞台演劇は舞台セットと演者のセリフ主体でそこに観に来た少数の人だけが楽しめるものだ。客層も徐々に高齢化している。
映画は若年齢化したビューワーの好みに左右され、次第にエンターテインメント性だけを追い求め、CGやVFX技術を駆使し、プロモーションも派手にお金も掛けた映像・画像ファイルの繋ぎモノが主流になっている。
そのうえインターネットが主流な世の中にあって、人々の映画に関する口コミはほとんどがネット上に刻み込まれている。
この先演劇に勝ち目は殆ど無いと言ってよい。
そういう物悲しい現実をこの映画では皮肉っているシーンが数多い。


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ちょっと関連した脱線話
「さまぁ~ず」

ちょっと関係ない話だが、「内村さまぁ~ず」というTOKYO-MXテレビの番組で、「さまぁ~ず」がとても良いことを言っていた。
僕は芸人の中で『さまぁ~ず』がいちばん好きだ。
その番組の中で若手のコンビ芸人に
「こんなに売れているのになぜネタを作ってライブを続けていられるんですか?そのモチベーションって何ですか?」
と質問されていた。

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いつもはふざけている『さまぁ~ず』の大竹さんも三村さんも真面目に口をそろえて、『お客さんの笑いが欲しいから』だと言う。『それが嬉しいから』だと言う。こんな当たり前のこととも思える発言にとても僕はとても感激した。
「テレビに出て売れたからと言ってネタをやらなくなって良いのか」といつも思っている。そういう鼻高々なテレビ芸人と比べて根本的に「向いている方向が違う」ということだ。常に舞台でお客様の反応に直に触れていたいという考えなのだ。
そういう芸人としての「原点」にいつでも還れる二人なのである。

僕はそれを観ていて改めてファンになったし、とても嬉しくなった。



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ヒーローものに出演して大ヒットして一世を風靡した映画俳優が辿るその後の苦しみがものすごく分かる。
心の中にいるもう一人の自分や、まったく放任していた娘のサム(エマ・ストーン)にも、新聞記事にも現実を突きつけられる。
年を取り体力も衰え体型も維持できなくなり、人々の記憶からも忘れられている往年のヒーロー映画スターの悲哀溢れる末路。それにまだまだ衰えていない役者魂がブラックユーモアたっぷりに描かれていた。

主演のマイケル・キートンも『バットマン』という永遠ともいえるヒーローのイメージが拭えないでやはり20年以上も苦労してきた。そういう皮肉もたっぷりだ。


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特に気に入ったシーンがある。
”超能力”を使って降板させた大根役者の後釜を選ぶ際に、その選びかたがとても面白かった。それを匂わすセリフも役者の実名でキッチリと組み込まれていた。
ハート・ロッカーに主演したジェレミー・レナーの実名が候補に出たが、やはりアベンジャーシリーズでヒーロー役をやってしまったことで舞台には出演させれれない現実とか云々、そういう諸々の舞台裏や楽屋での描写、いわゆる”大人の事情”もとても興味深かった。


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後釜に選ばれたのはマイク・シャイナー(エドワード・ノートン)だった。
実はこの演劇でブロードウェイ舞台デビューを果たすレズリー(ナオミ・ワッツ)の同棲相手で、ずっとインポだったのだが、客も入っているプレ公演で彼女とのベッドシーンで完全に勃起してしまい、シーツを剥がされたラストシーンでは下着にデカい●ンポの形がくっきりと浮かんでいた。まずこのシーンは誰も見逃さないだろう(笑)。
彼も勃起してしまったせいで役を降ろされそうになるシーンもある。
『どうせ、ライアン・ゴズリングを選ぶんだろう!』と叫ぶ。なるほど雰囲気も似ていて適役だ(笑)

そんなせいで悲しいかな「R12指定」になってしまった。


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ワンカットでのカメラワークのおかげで、ぶっつけ本番の舞台のような緊張感も漂いつつ、映画が持つエンターテイナー性を批判しつつしっかりCGやVFXも使っているという逆転的ユーモア、オシャレなセリフ、親子や夫婦関係における人生観などがとても上手く描かれていた。
やはりさすが、アカデミー賞受賞作品だと思った。





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コメント

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突然ですが…

ブログ読んでる内に…ファンになってました(o゚▽゚)o
なんかこう純粋な優しさを感じたんです。
少し冷静さを取り戻せた気がします
今の私は、思い足枷が足のみならずなんかもう両足両腕にはめられてるんじゃないかと思うぐらい心だけじゃなくて体までしんどくて…。

力蔵さんも日々、苦労や悩みお持ちだと思うのですが相談とまで言わないので私の話聞いてもらえたりしませんか?

耳を傾けて頂けるだけで有難いです
お返事を本当に心から待ってます。
ご迷惑ならコメント事私のことも消してください。すみません。
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力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
ニコール・キッドマン
ルーニー・マーラ
ナタリー・ポートマン

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