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★Love Letter

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Love Letter (1995)
1995年3月25日(土)公開

【作品情報】
天国の恋人に向けて送った一通のラヴレターがきっかけで、埋もれていた二つの恋が浮き彫りになっていくラヴ・ストーリー。監督・脚本はこの長編劇場作品がデビュー作であった岩井俊二。撮影は篠田昇。主演は中山美穂で一人二役に挑戦し、数多くの主演女優賞を獲得した。共演は豊川悦司と、映画初出演だった酒井美紀、柏原崇ほか。95年度キネマ旬報ベストテン第3位、同・読者選出ベストテン第1位。

【ストーリー】
神戸に住む渡辺博子(中山美穂)は、山の遭難事故で死んでしまった恋人・藤井樹の三回忌の帰り道、彼の母・安代(加賀まりこ)に誘われ、彼の家で中学の卒業アルバムを見せてもらった。その中に樹の昔の住所を発見した博子は、今は国道になってしまったという彼の小樽の住所に手紙を出してみることを思い付く。数日後、博子の手紙は小樽に住む藤井樹(中山美穂:二役)という同姓同名の女性のもとに届いていた。まったく心当たりのない樹は、好奇心から返事を書いてみることにした。届くはずのない手紙に返信が届いたのに驚いた博子は、樹の登山仲間でガラス工房で働いている秋葉茂(豊川悦司)に事情を打ち明ける。博子に秘かな恋心を抱く秋葉は、天国の樹から返事が来たと喜んでいる博子に心を痛めるのだった。秋葉の介入で一度は収束しかけた文通だったが二人の間で何度かの手紙のやり取りが続いてゆくうちに不思議だったお互いの事情を理解しあえるようになってゆく。そして同じクラスで「藤井樹」という同姓同名の少年(柏原崇)と少女(酒井美紀)の間にあった数々のエピソードに博子の心が次第に解きほぐされてゆく・・・。

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【作品データ】
製作年 1995年
製作国 日本
配給 ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
上映時間 117分

【スタッフ】
監督:  岩井俊二
脚本:  岩井俊二
製作総指揮:  松下千秋 、 阿部秀司
撮影:  篠田昇

【キャスト】
渡辺博子、藤井樹:  中山美穂
秋葉茂:  豊川悦司
少女・藤井樹:  酒井美紀
少年・藤井樹:  柏原崇
藤井晶子:  范文雀
藤井剛吉:  篠原勝之
藤井安代:  加賀まりこ
及川早苗:  鈴木蘭々
浜口先生:  中村久美
梶親父:  塩見三省



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【マイレビュー】
この映画、たしか当時観たはずだ。

だが95年の当時の僕の感性にはまったく響かなかった。人間形成的には今でも僕自身まだまだだと自覚しているが、当時は人としても自立していなかった。人の心の機微などあまり深く考えないで、のほほんと脳天気に生きていたからに違いない。

普通は、「幸せ」だったことに気付くのはずっと後になってからだ。
人は、自分や愛する人が 「無事で居ることの幸せ」や「不自由の無い生活のありがたみ」 なんて普段から考えてはいない。だから ”リアルタイムで幸せを味わえること”、それが一番の幸運だと僕は思う。

そんなことを改めて感じる映画だった。


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ちょっと脱線
『便利さ』と引き換えに失くしたもの

この映画を今観てみて感じることは、良い意味でこの95年当時の時代背景で ”こそ” の映画だと思う。
言い換えれば 「この時代までは良かった~」 としみじみ思う。

まだ「我慢すること」、「じっと待つこと」が ”美徳” だった。
その結果「奥ゆかしさ」や「懐の深さ」が醸し出されるものだ。
ある意味、それがもともとの日本人の特長であり、変な言い方だが国際的にも、”最も誇らしいこと” だと僕は思う。

95年当時の日本には携帯電話は一般に普及していない。もちろんあるにはあったがメールもインターネットも一般的ではなかった。

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今は何かあればすぐにどこからでも情報が得られる。
このバブル時代から加速度が付いたように情報処理能力は肥大化し、携帯は大普及し、ネット環境はほぼBBとなり、そのおかげで何もかもが早くなり、使いやすくなり、何もかもが手に入り、どんどんサービス過剰反応して、中国産の大量消費モノがバカ売れし、しかも価格破壊している。

人は急ぎ、会話を嫌い、皆うつむき、一様に手のひらのスマホをめくる。
まるでそれが幸せへの唯一の手掛かりであるかのように。

天変地異のような時代の流れで、僕らが求めてきたものが間違っていたのかもしれない。
人間の行動の本質がいつのまにか変わってしまっている。
『便利さと引き換え』に大事なものを失ってきたことに、まだ殆どの人々は気付いていない。



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中山美穂さんが二役をやっている。
山で死んだ彼のことを忘れられなくて次の恋に踏み出せない女と、自分の恋心を恋とすら気づいていないサバサバした屈託の無い女性とそれぞれ性格の違う二人を演じているが、化粧がすこし違うだけでショートカットの髪型もほぼ同じ。それが最初は殆ど分からなかったのだが、徐々にちゃんと見分けが付いてくるから不思議だ。
それに何と言ってもあの涼しげな目元や横顔。本当に「超」キレイだ。


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酒井美紀演ずる少女時代の藤井樹役もとても良かった。自身が委員を務めている図書室での鈴木蘭々との変な友情シーンとか、陸上競技会のときにカメラを構えるシーン、アイスバーン上になった坂を靴のままスノボーのように滑り降りるシーンとか全般にわたる女子としての屈託の無さがとてもキュートだった。

いろんなエピソードが二つの恋にまつわって周りに張りめぐらされていてとても秀逸だった。

冒頭に95年当時観たときに何も感じなかったと書いたが、人間と言うのは成長してゆくのだろうか、退化した結果なのだろうか、果たしてそれは何なのだろうか。郷愁のような思いがこみ上げてきて最後のシーンでは変な風にボロ泣きしてしまった。


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たぶん岩井俊二監督は『失われた時を求めて』というマルセル・プルーストが書いた本も読んだことがあるはずだ。時代を交錯して脱線しながらも物語がすすむと言う経緯はこの映画にしっかり反映している。

改めて観てとてもいい映画だった。


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力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
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ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
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