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★君を想って海をゆく / WELCOME

君を想って海をゆく16

2010年12月18日(土)公開

【作品情報】
各国の映画祭で評判を呼び、セザール賞の主要10部門でノミネートされるなど、フランスで大ヒットを記録した感動ドラマ。イギリスに住む恋人に会うため、泳いでドーバー海峡を渡ろうとするクルド難民の青年と、ひょんなことから彼に泳ぎを教えることになったフランス人水泳コーチとの心の交流をつづる。

【ストーリー】
2008年2月、17歳のイラク国籍のクルド難民ビラル(フィラ・エヴェルディ)は、恋人ミナが住むロンドンを目指し、フランス最北端の都市カレにやってくる。イギリス渡航を望む多くの難民が、カレの港で住居を持たずに暮らしていた。ビラルは偶然再会した同郷の友人とともに密航を図るが、失敗する。イラクが戦争により荒廃しているため送還を免れたビラルは、英仏海峡を泳いで渡る決心をする。かつては高名な水泳選手だったフランス人シモン(ヴァンサン・ランドン)は、今は市民プールで子供や老人に指導している。ビラルはシモンにレッスン料を払い、クロールの指導を仰ぐ。

君を想って海をゆく01

【作品データ】
原題 Welcome
製作年 2009年
製作国 フランス
配給 ロングライド
上映時間 110分

【スタッフ】
監督 フィリップ・リオレ
脚本 フィリップ・リオレ 、 エマニュエル・クールコル 、 オリヴィエ・アダム
撮影 ローラン・ダイアン
音楽 ニコラ・ピオヴァーニ 、 ヴォイチェフ・キラール 、 アルマンド・アマール

【キャスト】
シモン:  ヴァンサン・ランドン
ビラル:  フィラ・エヴェルディ
マリオン:  オドレイ・ダナ
隣人:  パトリック・リガルド
ブルーノ:  ティエリー・ゴダール
警察代理官:  オリヴィエ・ラブルダン
ミナ:  デリヤ・エヴェルディ



君を想って海をゆく12


【マイレビュー】
フランス映画独特の雰囲気の映画だった。
人はみな苦しみや悲しみを抱えて生きている。平たく言えばそういう映画である。

テーマが重たそうな感じがするかもしれないが、実際遠い国で起きているその移民や不法滞在の実態が垣間見れて勉強にもなる。

中国や韓国、フィリピンなどからの移民も多い現在の日本でも他人事では無いし、対岸の火事でもない状況に来ているのだ。


君を想って海をゆく14


この映画の原題タイトルは「WELCOME」という。
なぜそのタイトルにしたのかは僕なりの解釈をしたいと思う。

この映画には人種差別、国の移民政策、不法入国に関する法律、支援ボランティア、地域社会コミュニティーやそれぞれの国柄などすべてのものが映し出されていた。

中近東、アフリカなどから内戦を逃れ多くの不法難民が、トルコを経由して、フランスを北上し、イギリスを目指してイギリスに最も近い最北端の港付近で寝泊りをしている。

イギリスのほうが国籍とか民族に対する差別意識を表わすことはタブーとされ、移民に対する政策が緩和されていて同胞も多いため貨物自動車に紛れての不法入国人気(?)が高いのである。

まだまだ勉強不足なのでわからないが、フランスでは人種や不法入国者、宗教への差別が顕在化している。記憶に新しいがつい先日も宗教を揶揄した風刺漫画がもとで銃の乱射事件があったばかりである。



君を想って海をゆく05


この映画のように、現在でもフランスでは不法滞在者に対する援助を行ってはならないという法律になっているらしく、ボランティアの配給サービスにも取締りの触手がきている状況にある。

市民のなかには肌の色や風体など不法滞在者や移民やフランス国籍を取得済みの外国人の区別をすることも無くあからさまに蔑視する人たちも増えている。

現在のフランスは日本人がフランスと聞いてイメージするような白人は、すでにマジョリティ(大多数)ではない。
戦後の出生率低下から労働力の確保という観点でフランス国内への外国人労働力としての移民を認め、家族の呼び寄せも認めてきたフランス国策によって、フランス国内の18歳未満の子供は移民が50%を超えているとのことだ。

フランスでは右派や左派の政権交代がここ30年の間でコロコロと変わっており、いままでの移民政策や法律の不備から一貫性が無く、現在は移民そのものの制限をおこなっており労働移民も認めていない。

出生率が減った大戦後はと労働力受け入れのために移民に多くの労働力を頼った。
現在の日本と同じ状況が戦後のフランスにあったということだ。日本の移民政策は戦後フランスの移民政策の歴史と実態に学ぶのが一番適切だと思う。



君を想って海をゆく09


この映画の中に出てくるシモン(ヴァンサン・ランドン)の隣に住む住人はそういった多くの差別主義者のフランス人の一人である。だが玄関マットには「WELCOME」と書いてある。

原題の「WELCOME」とは、過去は快く受け入れ現在は締め出すようなフランス移民政策そのものへのバッシングの意味もあり、「WELCOME」とロゴが入った玄関マットを敷いているくせに、多くのフランス民が持つ差別意識を皮肉った原題であることが解る。
とても意味のあるタイトルだ。

邦題はそれに比べてなんてチープなタイトルだろう。
もう何度目だろう。タイトルにも文化的価値があることを知れ!勝手にタイトルを変えるな、と日本の配給会社に声を大にしていいたい。この映画ではそんなロマンチックな邦題は要らない。ロマンスは二の次、三の次である。



フランス映画はセリフが少ない。
特にこのシモン役のヴァンサン・ランドンは無口な役が多い。
小説で言えば ”行間を読む” ように、映画鑑賞をしたというより、セリフのないところに想いが漂うようなそんな憂いある空間を僕は観ていた気がする。

どんな経緯で17歳のクルド人の彼が海を渡る決意をしたのか、どんな夢を持っていたのか。
そうしてどうしてシモンは彼に手をさしのべたのだろうか。

そのあたりはやっぱり観て感じていただきたい。

  
君を想って海をゆく07

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Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



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