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★★鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offerta

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2013年12月13日(金)公開

【作品情報】
若き女性からの鑑定依頼を受けた美術競売人が不可解な事件に巻き込まれていく姿を描く、『ニュー・シネマ・パラダイス』のイタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督によるミステリー。『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュが主人公を演じるほか、ドナルド・サザーランド、ジム・スタージェスら多彩な顔ぶれによる一作だ。

【ストーリー】
ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、世界中で活躍する一流オークショニア。人間嫌いで結婚もせず友人もいない彼の唯一の楽しみは、自宅の隠し部屋の壁一面に飾った女性の肖像画鑑賞だった。自分が仕切るオークションでパートナーのビリー(ドナルド・サザーランド)と組んで自分のコレクションにしていたのだ。ある日そんな彼の元に、クレア・イベットソン(シルヴィア・ホークス)と名乗る女性から電話が入る。1年前に亡くなった両親が遺した家具や絵画を鑑定してほしいという依頼だった。“広場恐怖症”と呼ばれる病気により、“15歳から外へ出ていない”と告白したクレアに同情したヴァージルは壁越しのやり取りに同意する。自由な出入りを許され彼女が屋敷の隠し部屋で暮らしていることに気付くとある日、陰に隠れて彼女を覗き見してしまう。その一方でヴァージルは鑑定のたびに地下室の床に落ちている歯車のような機械部品を密かに持ち帰り、すご腕の修理屋ロバート(ジム・スタージェス)に調査と組み立てを依頼していた。

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【作品データ】
原題 La migliore offerta
製作年 2013年
製作国 イタリア
配給 ギャガ
上映時間 131分

【スタッフ】
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
プロデューサー アルトロ・パグリア 、 イザベラ・コカッツァ
撮影監督 ファビオ・ザマリオン
美術 マウリツィオ・サバティーニ
音楽 エンニオ・モリコーネ
編集 マッシモ・クアッリア
衣装 マウリツィオ・ミレノッティ

【キャスト】
ヴァージル・オールドマン:  ジェフリー・ラッシュ
ロバート:  ジム・スタージェス
クレア・イベットソン:  シルヴィア・ホークス
ビリー:  ドナルド・サザーランド
フレッド:  フィリップ・ジャクソン



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【マイレビュー】
いやーミステリー映画でこんなに良い映画は久々に観た。
映画を全部観た後に作品データをチェックするのが僕の習慣になっているので気付かなかったが、あの「★★ニュー・シネマ・パラダイス」「★★★海の上のピアニスト」の監督であるジュゼッペ・トルナトーレ作品だった。
脚本がまたすばらしい。たぶん原作や脚本に惚れて監督が自ら腰を上げるのだろう。ジュゼッペ・トルナトーレ監督は原作や脚本を自分の思い描いたように映像にしてゆく天才だと思う。

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この映画では数多くの美術品が使われている。映画なのだから本物は使っていないと思うが実際あったらその価値は相当なものだ。
名画コレクターっていう人種にしかその気持ちはわからないものだと思うが、得てしてこういう自宅美術館みたいな部屋を彼らは持っているんだろうな。どういうルートで手に入れたものかは公には出来ない人が殆どだと思う。

オールドマンは『所有物』以外には素手で触れられないという完璧&潔癖主義のオークショニアだ。
手袋専用クローゼットまである。ちょっとしたカモフラージュになっていて、この映画ではそこが逆に何だかとても物悲しいのだ。
その奥にある部屋は彼の『心の扉』でもある。そこで絵の女性達に囲まれることが女を知らない彼にとって唯一の『解放』の瞬間なのだ。まあおおむね「変態じじい」と言える(笑)

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あまりインパクトが無い顔つきなので僕も見逃しているだけかもしれないが、主役ヴァージル・オールドマン役のジェフリー・ラッシュについてはそれほど知らなかった。
調べてみると1996年「シャイン」という映画でアカデミー主演男優賞受賞も獲っている。「英国王のスピーチ」にも出てるし、「パイレーツ・オブ・カリビアン」ではヘクター・バルボッサという海賊役でも出ている実力派俳優だった。

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とにかくヨーロッパの名画や彫刻そんな優雅な趣味をお持ちの方にはたまらないミステリーだろう。そんな高尚な趣味の無い僕にとってもとても素晴らしい映画だった。フリとなるシーンをわざと盛り込み、展開をある程度予測できる匂わせ方をするところとか視聴者にとても親切に作られたミステリーだった。B級映画とかサスペンスにありがちないや~な間とか脅かし系はまったく挟んでいない。

キャストは少ないが、脇役がとてもいい。若手のジム・スタージェスとか、ヤな感じ満載のドナルド・サザーランドとか、個性溢れている。準主役のクレア役シルヴィア・ホークスはこの映画では表情があまりない役だがそこが逆にとてもミステリアスでいい。

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配給会社にちょっとした苦言

「タイトルも作品の一部である」

この映画は僕はとても好きな映画だし、ものすごく秀逸で良い映画だと思う。
ただひとつ、難点がある。それが邦題である「鑑定士と顔のない依頼人」である。邦題をつける際の ”いちばんやっちゃいけない悪い例” である。

誰がつけたか知らないけれど、作品への冒涜行為にも匹敵する愚行であると言いたくなる。だいいち宮崎駿かハリーポッターかお前は! センスのかけらも感じないダサダサな邦題だ。僕はたまたま日本語吹き替え版で観たのだがタイトルバックはちゃんと「The Best Offer」となっていた。

「OFFER(オファー)」の意味は色々ある。
テレビタレントへ出演依頼によく「オファー」という言葉を使っている。日本では「要請」とか「依頼」とか、ある意味ビジネスライクでお互いが対等の立場でのやり取りで使われる言葉だが、英語圏での本当のニュアンスは若干違う。
相手に対してもう少し丁寧で、尊敬あるいは謙譲的な意味合いがある。
申込み・進呈・提供、献納、奉納、供え物、貢物とか、はたまた「据え膳食わぬは男の恥」の『据え膳』とかもこの『OFFER』の意味である。だから「The Best Offer」という映画のタイトルはとても意味が深い。

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英語というのは日本語に比べて単語数が少ないから単語に数多くの意味が含まれる。だからセリフでも文字でも会話としても奥行きで引き立つのであって、日本語のように具体的な意味合いに限定してしまうと映画全体の深みすら損ねてしまう。この邦題だと「美術品の」鑑定依頼に完全に限定してしまっている。
もっと彼にとっての”最高の据え膳”があったでしょうが。
もう本当に残念な気持ちになる。

「The Best Offer」・・・・この英語の題名にどれほどの深い意味が隠されているのか、それが映画でちゃんとわかるようになっているのに、である。「The Best Offer」(本当はイタリア映画なので「La migliore offerta」)、せめてそれに忠実につけるべきである。

”題名も作品の一部” であり、そこにもしっかり文化的価値があるものだってことを、日本の配給会社はちゃんと認識したほうがいい。タイトルをわざわざ変えて消費者へインパクトを与えようとするPRの一部にして、映画の興行収入とかDVD売上向上を目論んでいるのが本当にミエミエである。そんな ”余計な商魂” は一切見せるなってこと。
映画は芸術作品である。上映権利を得たからって映画のタイトルにまで手を加えちゃいけないものなんだ。

わかったか!ジャンジャン。

2015.01.17 力蔵



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Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
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好きな女優:
シアーシャ・ローナン
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