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★★★海の上のピアニスト

海の上のピアニスト06

1999年12月18日(土)公開
【作品情報】
豪華客船の上で生まれ育ち、一度も船を降りなかった天才ピアニストの一生を描いた感動作。アレッサンドロ・バリッコの同名戯曲(白水社刊)を、「明日を夢見て」のジュゼッペ・トルナトーレの監督・脚本で映画化。出演は「ライアー」のティム・ロス、「エンド・オブ・バイオレンス」のプルート・テイラー・ヴァンスほか。

【ストーリー】
第二次世界大戦の終戦直後、マックス・トゥーニー(プルット・テイラー・ヴィンス)は愛用のトランペットを金に換えるため古い楽器店を訪れる。安い代金でしぶしぶ手を打ったが最後にもう一度だけトランペットを吹かせて欲しいと頼む。彼の演奏を聴いた店主は、同じ曲がピアノで刻まれたレコード原盤を持ち出し、曲と演奏者の名前を尋ねた。すると彼は生涯ただ1人の親友である「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」という名の男の物語を語り始める。
大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号には自由の国アメリカを夢見るヨーロッパからの移民で溢れていた。その船上で産み捨てられた赤ん坊を拾った黒人機関師のダニー・ブートマン(ビル・ナン)は、その子に自分の名前、捨て置かれていた箱の名前、生まれた西暦などから「ダニー・ブードマン・T.D.レモン・1900」と名付けて大切に育てていた。しかしある日ダニーは機関室のクレーン事故で帰らぬ人となる。1900は船上での葬儀で流れた音楽に惹かれ、ピアノを弾き始める。1927年、成長した1900(ティム・ロス)は嵐の夜、船内のダンスホールで運命的にマックスと出会い、共にバンド演奏をすることになる。天才的なピアノ弾きの噂は乗客を通じて瞬く間にニューヨークの街に広がった。
ある日、レコード会社が1900の音楽を商売にしようと録音にやってきた。録音中、偶然窓越しに美しい少女(メラニー・ティエリー)の姿を捉えると彼は一瞬で恋に落ち、同時に奏でたピアノの旋律には愛が溢れていた。

海の上のピアニスト14

【作品データ】
原題 The Legend of 1900
製作年 1999年
製作国 アメリカ イタリア
配給 アスミック・エース エンタテインメント=日本ビクター
上映時間 125分

【スタッフ】
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
原作 アレッサンドロ・バリッコ
音楽 エンニオ・モリコーネ 、 ロジャー・ウォーターズ
編曲 マッシモ・クアリア

【キャスト】
Novecento ティム・ロス
Max プルット・テイラー・ヴィンス
The Girl メラニー・ティエリー
Danny Boodmann ビル・ナン
Music Store Owner ピーター・ボーガン
Jelly Roll Morton クラレンス・ウィリアムス・サード



海の上のピアニスト08

【マイレビュー】
長く映画鑑賞をしてきた経験から、冒頭のタイトルバックを観た瞬間から秀逸シネマだと直感する映画がある。
この映画がまさにそうだった。
もう本当に素晴らしい映画である。久々の3つ★映画である。

まだ観ていない皆様には是非観てほしい映画なのでストーリーとかもあまり映画解説サイトからの丸写しはせず肝心な部分や後半のストーリー記述はカットした。

もしかしたら実話なのかとも思ったが、そうでは無いらしい。それにしてはものすごくストーリーがしっかりしているし、脚本も秀逸である。映像もセピアがかっているように、とても雰囲気がある。

海の上のピアニスト16

イタリア映画とのことだが全くイタリア映画っぽくない。英語だし、むしろアメリカ映画のような印象だった。また画面を通じアイルランド映画のような「埃っぽさ」も感じた。
まだなお残る階級制度が根強い時代設定で、痩せた大地のスコットランドやアイルランドから、自由の国アメリカに新天地を求めてやってきた3等客室の移民たちは早々とデッキに溢れ、靄にかかった自由の女神に向かって「アメリカだ!」と一様に歓声を上げる。

この映画で全編に亘り流れるのがピアノの旋律である。
1900(ナインティーンハンドレッド)の弾くピアノは彼の指先からほとばしる情熱の旋律だ。もうそれだけでも特筆モノの素晴らしさなのだが人物像がとにかく魅力的この上ない。
まず頭脳明晰かつ純真無垢で、人間観察力が鋭く、鼻っ柱が強くて、素っ頓狂で、そのくせ感傷的で臆病な井の中の蛙である。だが法律上に戸籍もなく下船したことも無い彼の特殊な境遇のことを僕の軟弱な頭で精一杯考えたとき、切な過ぎるというか気の毒に思えてきてしかたがなかった。

親友のコーン(コーン社製のトランペットを吹く男マックス)も彼をどうにかして助けたかっただろう。その気持ちも痛いほど伝わってきた。掛け値なしで二人の友情に泣けるシーンも多かった。

海の上のピアニスト09

■ すこし脱線 ■

海の上のピアニスト10

■著作権は何を守るもの?

「著作権」というのは本来その創作物および創作者の財産を守るための権利であり、「著作権者」を守るための法律が「著作権法」である。音楽に関していえば”音楽文化の発展を目的として”著作権法が存在する。

ほとんどの楽曲の著作権はアーティスト(作詞者・作曲者・実演者)本人ではなく、レコード会社が持っている。著作権をレコード会社に譲渡しているからだ。音楽を出版し商業路線に乗せるための契約である。(この契約が後のトラブルになることがしばしば見られる。)
すなわち創作者であるアーティストに著作権が無い以上、自分が作詞作曲した曲だからといって気軽にテレビや路上ライブでさえ歌うことも許されない。これが殆どの音楽アーティストの実態だ。

「著作権法」は著作権者および著作物に関わる者の権利を多く認める、いわゆる『商業主義を是』としたものである。平たく言えば本来の創作者よりもむしろそれを商売とするレコード会社や出版社、あるいは管轄する協会(JASRAC)を保護するための法律が「著作権法」なのである。アーティスト本人は蚊帳の外である。既得利権を認めた最悪の法律といっていい。

音楽産業とは『芸術や文化』とはまったくかけ離れている商業主義と欺瞞に満ちた集団なのである。
才能に群がるハイエナを保護するのが著作権法だからである。

(ちなみに著作権ビジネスは大正時代から続いている大きな利権である。総元締めは『JASRAC(日本音楽著作権協会)』である。JASRACは文化庁管轄であり文部科学省OBの天下り機関となっているのが実態である。)

海の上のピアニスト17


■誰かのために創作する それが芸術家

今は汚れた政治家だって誰もが最初は純粋で崇高な政治思想があったはずである。名声や財産目当てではなかったはずだ。(あの号泣会見の市議会議員だって、最初から経費をごまかす目的で政治家を目指したわけじゃない。社会を少しでも良くしようとして立ち上がったはずだ。立場が変わると人も変わるという悪い見本の典型ではあるが。)

誰かのためだけに書いた音楽や小説を、特定のレコード会社や出版社の誘いで魂を売り渡し、あわよくば名声や富を得ようとした時点で『芸術家(アーティスト)』では無くなっていると僕は思う。

もはやその人たちにとって創作物とは「芸術」ではなくお金を得るための「飯のタネ」であり、売り上げに応じた「印税」を貰いその収入で生活の糧としているという「仕事」なのである。

素人からすればそれこそ夢のような印税生活であり、音楽をやる理由にもなるのだろうが、動機が不純である。最初からそれはちと違うんじゃねと僕は思う。

僕がここでどうしても言いたかったのは、「真の芸術家」とは沸き立つ情熱に従順に純粋に自分のためあるいは愛する人のためにこの世でたった一つのものを作り上げる人のことを指すのであり、それは間違っても名誉とか富を目的としていないものだということだ。

むしろ本当の芸術とは金儲けとは無縁のところにあると僕は思う。

※作家であり詩人の 高村光太郎 は『知恵子抄』の中でこう書いている。
『製作の結果は或は万人の為のものともなることがあらう。けれども製作するものの心はその一人の人に見てもらひたいだけで既に一ぱいなのが常である。』



海の上のピアニスト02

この映画を観て特に僕が感じた部分にちなんで脱線をしてしまった。
ここで映画の話に戻る。ひとつだけネタバレをお許しいただきたい。ごめんなさい。
僕がいちばん好きなシーンがある。

この映画の中で、演奏のあとでレコード会社の契約を一方的に破棄し原盤を奪うシーンである。
理由は「これは僕の曲だ」それだけである。
なんと美しいことか!

彼「1900」が一目ぼれした彼女への気持ちを表した旋律である。愛しの君だけに捧げたい曲なのだ。
その純粋な音楽を、どこの誰かも知らない不特定多数の人に広めようなどとは思わないし、もちろん名声も富にも何の興味も無いし要らない。
自分の音楽を冒涜されたような気分になって嫌悪の気持ちを表すシーンである。

前述したようにそういう意味では彼は音楽家というより画家のほうがはるかに近い。
頑固な陶芸家が窯から取り出したばかりの出来の悪い壷をたたき割るみたいなものかな。

海の上のピアニスト11

いろいろ見どころたくさんの映画でものすごく楽しめる映画だ。

僕が今まで観てきた中で最高の映画だと思う。




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力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
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ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
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