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★★ストレイト・ストーリー

ストレイト・ストーリー06

MovieWalkerより
2000年3月25日(土)公開

【作品情報】
老人の旅を見守る美しい自然に注目。夕焼けに染まるトウモロコシ畑、とこまでも続く一本道など雄大な風景が旅のゆるやかなテンポと相まって心地よい空気を醸し出す。芝刈り機の故障など、道中で様々な困難にあう。旅で出会う人々は彼を奇妙に思いながらも、ある者は助けを惜しまず、ある者は諮詢に満ちたその老人の言葉を得る。

【ストーリー】
アイオワ州ローレンス。73歳の老人アルヴィン・ストレイト(リチャード・ファーンズワース)は家で転倒、杖の世話になることに。そんな矢先、十年前に喧嘩別れをして以来音信不通だった兄ライル(ハリー・ディーン・スタントン)が心臓発作で倒れたという知らせが入る。兄が住む隣のウィスコンシン州マウント・ザイオンまでは350マイル(約540キロ)。車なら1日の距離だが、アルヴィンは車の免許もないうえに足腰が不自由なのでバスにも乗れない。頑固にも自分の力だけで兄の元を訪ねると決めたアルヴィンは、一緒に暮らす娘ローズ(シシー・スペイセク)の反対を押し切り、なんと芝刈機に乗って荷車を引いて出かける。一度は芝刈機の故障で戻ったものの、再び小型のトラクターを買って再出発。かくして、アルヴィンは時速5マイル(約8キロ)の歩みで、6週間の長旅の末、ようやく兄の元へたどりつくのだった。

ストレイト・ストーリー12

【作品データ】
原題 The Straight Story
製作年 1999年
製作国 アメリカ フランス
配給 コムストック配給
上映時間 111分

【スタッフ】
監督 デイヴィッド・リンチ
脚本 ジョン・ローチ 、 メアリー・スウィーニー
EP ピエール・エデルマン 、 マイケル・ポレア
製作 アラン・サルド 、 メアリー・スウィーニー 、 ニール・エデルスタイン
撮影 フレディ・フランシス
美術 ジャック・フィスク
音楽 アンジェロ・バダラメンティ

【キャスト】
Alvin Straight リチャード・ファーンズワース
Rose Straight シシー・スペイセク
Lyle Straight ハリー・ディーン・スタントン


ストレイト・ストーリー08

【マイレビュー】
1994年に「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された実話を基にしているとのこと。
この映画に出ているほとんどが「ジジイばかり」だったが、なんとまあ素晴らしい映画だったこと。
映画はゆったりとこうあるべきだと思う。
人によっては退屈極まりない映画だと思うだろう。また観ながら眠ってしまうかもしれない。
心地よい時間の流れに僕さえもウトウトとしてしまった。

いま僕らが生きるこの時代は何から何まで慌しく世知辛い世の中になったものだと逆に痛感する。
人と人とのつながりが希薄で、個人主義で隣の人と話もしない、かといってネットやスマホはプライバシー情報を欲しがり、会った事も無い遠くの人とやたら繋げたがる。とどめは家庭の電化製品までもが「時短」という目的に向かって突っ走っている。
それらがすべて「先進的」な「美徳」のような錯覚をしていて、僕らもその流れの中で踊らされている。

この映画を観て生き急いできた現実を見つめなおすことも出来ると思う。
実は「人生にはもっともっと大切なことが他にいっぱいあるんだよ」ってことをこの映画は教えてくれる。
言い換えれば「人生には何が必要で何が不要なのか」この映画を観ればわかると思う。

トラクターのスピードと同じほどのスローな時間の流れがこの映画全体を包み込んでいる。

ストレイト・ストーリー25

ところで、唐突だが「アメリカという国は本当に大きい。」
アイオワ州の「ローレンス」からウィスコンシン州の「マウントザイオン」までがこの映画の舞台になっていて、観た後に地理を調べてみた。道路が整備された現在でも約300マイルで「約480キロ」の距離の長旅だということがわかる。けっして平坦な道ばかりではなくしかも改造したリヤカーを牽引しての時速7~8キロのおんぼろトラクターでの旅である。
日本なら「東京から」国道1号線でだいたい滋賀県の「琵琶湖」までの距離にあたる。普通なら気が遠くなる。
GoogleMapでストリートビューを使って見てみたが、見渡す限りのトウモロコシ畑の田園風景である。どこまで進んだのかさえよくわからないほどの広大なフィールドである。


少女との会話で行き先である「ウィスコンシン州」の話になったとき「チーズ」が有名な州であることがわかった。
調べたところヨーロッパからの移民がチーズを作りいまや2800ものチーズ工場がウィスコンシン州にあるらしい。アメフトで応援する時もウィスコンシンのチームはチーズ帽子をかぶるようだ。
有名な名産品らしいが、僕ははじめて知った。人と話をすることでアメリカの産業や歴史みたいなものもこの映画で知ることが出来た。



ストレイト・ストーリー20

この映画は、目的地である兄の住む家にたどり着くことが映画の主題では無いと僕は思った。
アルヴァンも決して喧嘩別れした兄と仲直りするために早く会いたかったわけではない。彼自身の話した言葉にもあるが自尊心に逆らいながら旅をすることで、彼自身のわだかまりが解けるまでの時間を必要としていたのである。

「袖すり合うも多生の縁」と言う言葉がある。
それこそがこの旅の大きな糧であり、この映画が伝えたかったことであると思う。

長いたびの途中でいろんな人たちとふれあい、自分よりも若い人には人生訓を教えると同時に、些細なことで兄とけんか別れをしていてそんな昔のことにまだ蟠りを持っている自分にも同じ言葉を言い聞かせてきたのである。老人になろうがまだまだ達観できず人間としての成長過程にあるということである。
そうやって6週間後、晴れて兄に会うことができたのだ。時速8kmのあのおんぼろトラクターのおかげで。

ストレイト・ストーリー16

この映画の中で家出少女との出会いがある。焚き火にあたりながら、持ってきたウインナーソーセージを少女に渡して、小枝に刺して焼いて食べるシーンだ。表情にはあまり出さなかったが彼女はとても美味そうに食べた。少女が妊娠していることがすぐにわかったアルヴィンは「誰もあんたやその子を失っていいほど怒っていない」と諭し、家族とはどういうものかを教える。とてもジーンとするシーンだった。


ストレイト・ストーリー09

また自転車に乗った若者の集団との夜のキャンプのシーンでは
「歳を取って何か良いことってありますか。」とストレートな質問する若者に対して
「目も腰も足も悪くなりいいことは何も無いが、「実」と「殻」の区別がつくようになり、細かなことは気にせんようになる。」
と言ったあとに
「ただ厄介なのは若いころを思い出すってことさ」
と続くのだ。
僕もすこししみじみとしてしまった。

ストレイト・ストーリー22

ついにたどり着いたマウントザイオンの兄の家、兄を呼ぶ声、弟を呼ぶ声。そのあとのたった二言の兄弟の会話、その最後の会話には僕も泣いた。
皆様にはそこは観てのお楽しみということで。

とてもゆったりとした時間の流れの中で「交わす言葉以上に人の想いが伝わる映画」だったと思う。

純粋にただひたすら純粋に 秀逸オススメ映画でした。★★

ストレイト・ストーリー27
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Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



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