★消えた天使 The Flock
- Date
- 2014/03/18/Tue 07:53
- Category
- サスペンス・ミステリー・スリル
2007年8月4日(土)公開
【作品情報】
「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウ監督がハリウッド進出を果たした、戦慄のサイコ・サスペンス。リチャード・ギア扮する監察官が、少女誘拐犯の心の闇に迫る。
【ストーリー】
性犯罪登録者の監察官である公共安全局のエロル・バベッジ(リチャード・ギア)は、18年間続けてきたその仕事を退職するように言い渡されていた。納得できないバベッジだが、後任となるアリスン・ラウリー(クレア・デインズ)の指導を任された。バベッジはアリスンを連れ、担当している登録者たちの元を訪れる。強姦罪で摘発された男、バラバラ殺人で死刑になった男の妻……執拗とも思える尋問や前科者に対する偏見にアリスンは嫌悪感を覚える。そこにバベッジの担当地域での誘拐事件の知らせが入ってくる。被害者の名前はハリエット・ウェルズ(クリスティーナ・シスコ)で大学近くの線路脇で乗馬ブーツが発見されたのだ。バベッジは「自分が監視し続けている登録者たちの中に犯人がいる」と確信していた。バベッジの強引で自己中心的な行動にアリスンはついていけないと激しい言い合いを重ねるが、彼の心の葛藤を知り、渋々ながら共に犯人を追うことになる。
【作品データ】
原題 The Flock
製作年 2007年
製作国 アメリカ
配給 ムービーアイ
上映時間 105分
【スタッフ】
監督 アンドリュー・ラウ
脚本 クレイグ・ミッチェル 、 ハンス・バウアー
製作総指揮 デイヴィッド・ゴートン 、 カリン・ベア他
【キャスト】
エロル・バベッジ: リチャード・ギア
アリスン・ラウリ: クレア・デインズ
ビオラ・フライ: ケイディー・ストリックランド
ベアトリス・ベル: アヴリル・ラヴィーン
ボビ・スタイルズ: レイ・ワイズ
エドマンド・グルムス: ラッセル・サムズ
グレン・カスティス: マット・シュルツ
ハリエット・ウェルズ: クリスティーナ・シスコ
【マイレビュー】
う~ん、リチャード・ギア。とても渋い役者さんになった。以前はダブルのスーツをびしっと来たダンディーな役柄ばっかりだったが、この映画での彼は男の僕が観ても憧れだ。こんな風に年齢を重ねたいと思う。
物言わぬ寂しげな目が、人生の苦しみや挫折を味わいつくし、悟りの境地にいるような優しい雰囲気を醸しだしている。
エロル・バベッジ(リチャード・ギア)は性犯罪登録者の監察官(公務員)である。職務に実直で持ち前の正義感から執拗で行き過ぎの監視・監察を繰り返す。そのせいで性犯罪登録者からの苦情が殺到し、上司には煙たがられクビを言い渡されていて、後任も決まっている。たいした仕事もしない同僚には陰で笑われる。そんな役柄である。
性善説を尊び、更正を信じる後任のアリスン(クレア・デインズ)に対する引継ぎで、性犯罪の前科がある者らは「決して更正しない」と断言し、「必ず再犯する」と教える。次の犯罪がおきてからでは遅いということである。
彼は卑劣な性犯罪者を心から憎んでいる。彼らを心理的に執拗に追い込み、時には善悪の境目の区別が出来ず、銃も持ち、憎しみが弾けてバットも振り回す。両刃の剣だ。
監察官にはそこまでの権限は無い。警察官でもないため、捜査もできない。
だから最大限の範囲で「性犯罪を未然に防ぐ」。それが本来の監察官の役目であり、彼の使命なのである。
身の危険も顧みず、犯人を追い詰めるのだ。
「アメリカでは2分に1人、女性や児童が性的暴行を受けている」
「監察官は1人あたり1000人の性犯罪者を監視しなければならない」と冒頭でテロップが流れる。
その監視システムなのだが、
「性犯罪登録者サイトは市民より性犯罪者たちの役に立っている」や、
「外面はすべてを隠す。目に見える生活態度や外面では何もわからない」というセリフも出てくる。
アメリカのたどる道を日本もたどるとしたら、このような性犯罪もこんな狭い日本で増えてゆくのだろうか。昔に比べて確かに「悪の温床」がたくさんある時代になったとは思う。アメリカほどの攻撃性は日本人には無いような気はするが、セリフにもあるとおりこういう犯罪だけは「見た目」とか「生活態度」ではわからない。
現にそういう犯罪も起きている。
性犯罪者は卑劣で卑怯で陰湿で姑息で男として最低最悪だと僕は思う。
だから罰はすべて「陰茎切除術」がよい。
命は助けてやるかわりに、お前の不要なチンポを根元から切って再犯の可能性を極限まで下げてやるってことだ。もしもこんな罰だったら怖くて絶対犯さないと思うし、余計な監視システムなんか不要だ。人間としての尊厳は全うできるけど男の尊厳は与えないってことだ。
詐欺も窃盗も性犯罪も「なにもかも一律に懲役刑」にしてどうするって思う。罪に応じた罰になっていない。それで更正して真っ当な人間になるはずが無い。日本は死刑がある国なんだからそんな罰だって実現可能だろって。
警視庁や警察による検挙率が上がったとか、そんなのはたいしたことじゃない。
「犯罪が起きている」って事のほうが問題なわけだ。
大事なことは、システムとかナントカ機構とか、そういう形じゃなくて、2分に1回こんな犯罪が起きる前にやはり「人間と人間の関わりの中で犯罪を未然に防ぐこと」それが一番大切なんだと思うのだ。
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