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●2ガンズ

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2013年11月1日(金)公開

【作品情報】
デンゼル・ワシントン&マーク・ウォールバーグ主演のアクション大作。お互いの素性を知らずに麻薬組織で潜入捜査を行っていた男たちが度重なるピンチに遭遇しながらも、力をあわせて乗り越えていく姿が描かれる。監督は実在の海難事故を描き話題を呼んだ『ザ・ディープ』のアイスランド人、バルタザル・コルマキュル。

【ストーリー】
麻薬取締局(DEA)の捜査官ボビー・トレンチ(デンゼル・ワシントン)と海軍情報部将校のマイケル・スティグマン(マーク・ウォールバーグ)は、潜入捜査のためお互いの正体を知らぬまま、メキシコの片田舎でマフィアの手先としてコンビを組んでいた。そんな中、ようやく組織のしっぽを掴み、4000万ドル(約40億円)という大金を強奪した二人。だが、その大金は忽然と消失、ボビーはマイケルの裏切りを知るのだった。ところが、マイケルも海軍の上司の裏切りから大金を失ってしまう。実はこの金はCIAの裏金でもあった。汚れた4000万ドルを取り戻すべくボビーは再びマイケルと手を組むが、麻薬取締局や海軍情報部、CIA、マフィアが二人を追い詰めていく……。

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【作品データ】
原題 2 Guns
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 109分

【スタッフ】
監督 バルタザル・コルマキュル
脚本 ブレイク・マスターズ
原作 スティーブン・グラント

【キャスト】
ボビー・トレンチ:  デンゼル・ワシントン
マーカス・スティグマン:  マーク・ウォールバーグ
デーブ:  ポーラ・パットン
アール :  ビル・パクストン
クインス:  ジェームズ・マーズデン
トゥウェイ提督:  フレッド・ウォード
パーピ・グレコ:  エドワード・ジェームズ・オルモス




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【マイレビュー】
アメリカならではの痛快アクション映画だった。作風やストーリーは使い古されてはいるが、この二人の凄腕コンビが流石の個性を保っていていい。

僕が観た順になるので映画の製作年が前後するが、デンゼル・ワシントンは『イコライザー』を、マーク・ウォールバーグは『テッド』と『ローン・サバイバー』を足して2で割ったようなキャラ設定である。

デンゼル・ワシントンは何をやってもどんな役柄にも安定感抜群である。彼を想定して原作や脚本が書かれているような感じさえする。
マーク・ウォールバーグは『ディパーテッド』での助演振りが好評で、その後いろんな役柄に抜擢されほとんどが高評価でいまや引っ張り凧の脂の乗りまくった俳優である。顔つきは優しそうで繊細な感じも受けるが、腕や胸の筋肉とかすごく鍛え上げている。意外だが若いころは暴力事件で警察に何度もお世話になっているほど結構ヤンチャだったようだ。


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この二人のコンビ映画がどれほどの興行成績だったかはウィキを調べてないので分からないが、類似する『リーサル・ウェポン』シリーズのように、あと2~3作は続くかといえば・・・う~ん、て感じかな。

麻薬取締局、アメリカ海軍情報部、それにメキシコの麻薬マフィアおまけにCIAが絡んだ大金をめぐる争いという大風呂敷を広げておいて、「マスコミ」も「FBI」も「政治家」も登場しない、地元の警察がちょろっと顔を出す程度である。やたらと草原とか砂漠とか牛小屋みたいな田舎風景ばかりが決闘舞台になる。結局最後は私利私欲だけの戦いになってしまっていたのがとても残念。


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この映画では往年の「アメ車」が数多く登場する。車は銃弾や爆弾でボッコボコにされたり吹っ飛ばされたりするのだが、アメ車好きの製作側の意思とこだわりが強く感じられる。
ドイツ車を揶揄したりして車に関する会話もあるので、そのあたり車好きの方はツボに嵌るかもしれない。

二人のコンビネーションは抜群だったが、あまりにもCIA捜査官のアール役のビル・パクストン、彼の持ち味である「チンケ」さがこの映画全体を薄っぺらくしてしまったように思うが、それはコメディー部分とかユーモアとしての狙いなのだろうか。だったら分かりづらいから意味が無い。とにかくカラダ全体にCIA独特の異質な”スゴミ”がまったく無い彼にあの役は絶対に向かない。

僕の評価としては●「まあまあ映画」ってとこで。スカッとしたい方にはおススメかな。


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★★her 世界でひとつの彼女

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PG12指定
2014年6月28日(土)公開

【作品情報】
鬼才スパイク・ジョーンズ監督の『かいじゅうたちのいるところ』以来4年ぶりの長編作は、ホアキン・フェニックスを主演に迎え、人工知能の女性にひかれていく男の姿を描くラブストーリー。物語のカギを握るキャラクターで、主人公を魅了する最新型人工知能サマンサの声を担当するのは、スカーレット・ヨハンソン。

【ストーリー】
近未来のアメリカ・ロサンゼルス。顧客の想いを代筆することを仕事にしているセオドア(ホアキン・フェニックス)は、妻キャサリン(ルーニー・マーラ)に去られ失意の日々を過ごしていた。見かねた友人のエイミー(エイミー・アダムス)が彼に女性を紹介しようとしても、断る始末だった。そんな中、街で見かけた新発売の人工知能型OSに目が留まり早速家に帰り初期設定をする。“サマンサ”(声:スカーレット・ヨハンソン)と自分に名前をつけた彼女は、実態を持たないものの話してみると驚くほど個性的で人間味に溢れていた。以来サマンサに魅了され、相談事や寝る前のささやかなやりとりをし、携帯電話に移して外出するなど、彼女と会話するひとときがかけがえのないものになる。

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【作品データ】
原題 HER
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 アスミック・エース
上映時間 126分

【スタッフ】
監督 スパイク・ジョーンズ
脚本 スパイク・ジョーンズ
製作総指揮 ダニエル・ルピ 、 ナタリー・ファーレイ 、 チェルシー・バーナード
音楽 アーケイド・ファイア 、 オーウェン・パレット
主題曲/主題歌 カレン・O

【キャスト】
セオドア:  ホアキン・フェニックス
エイミー:  エイミー・アダムス
キャサリン:  ルーニー・マーラ
ブラインド・デート:  オリビア・ワイルド
サマンサ(声):  スカーレット・ヨハンソン



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【マイレビュー】

やっと映画レビューを更新できる。そんなステキな作品だった。

ちょっと古いが、 「惚れてまうやろ~~!!!」

なんていうか観たことのないジャンルの映画だった。奇想天外でいて現実的にありそうな感じもする。
観ていて今まで味わったことの無いような感覚の連続で総合的にとても心地よい映画だった。

実体の無い 「彼女」 からの優しさと癒し溢れる言葉の数々、それに対する純粋な恋心がなんだかとても切ない。


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妻であるキャサリン(ルーニー・マーラ)とは感情や生活観など、言葉やお互いに求めるものの行き違いとかで離婚寸前のセオドア(ホアキン・フェニックス)がふと街角で目にした最新型人工知能OSプログラム。
彼の世界観を変えてゆくストーリーである。

とても秀逸な彼の仕事ぶりにも注目してほしい。人並みはずれた才能の持ち主の彼なのだが、自分の言動となると何ともダサい彼になってしまう。しかし・・・。


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「もう僕は人生で味わう感情や感覚のすべてを知ってしまっていて、この先はそれらの劣化版しか味わえないんだろうね。」

セオドアが彼女サマンサ(声:スカーレット・ヨハンソン 日本語版:林原めぐみ)に話す最初のほうのこのセリフがとても印象的だった。
しかもそのセリフがこの映画全体への『フリ』になっているのだ。


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多分観た人はなぜか分からないけど不思議に感情移入が出来てしまうはずだ。人間の形すらしていないプログラムであるはずの 『サマンサ』に ”エロス”さえも感じ”ぞっこん”惚れてしまうような変な感覚になると思う。
僕は男だから特にそうだった。
この映画を観たのが女性であれば、『her』だけじゃなく 『him』もお願いっ! って一様に思うはずだ。


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脱線話(その55)

別れの原因

この映画では男女の別れのシーンが大小合わせて4つほど出てくる。
これから恋愛や結婚をしたいと思う人、あるいは恋人や夫(妻)と別れたいと思っている人は、それぞれのシチュエーションをよく観察してみるといい。

男女の別れの原因というのは人それぞれと言うかもしれないが、実はそうじゃない。

僕の経験則で言えば、愛情で結ばれた男女が生活を共にしたのちに別れることになるそのきっかけとなるものはほとんどが「つまらない理由」だったりする。

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一緒に生活するようになるとちょっとした相手のクセや変なこだわりとか、違和感のある生活習慣が目に付いたりするものだ。口に出さなくても互いにワガママになりそれを相手のせいにすることが多い。それは育ってきた環境の違いのせいなので、仕方が無いことなのだ。

そもそもの原因はボタンの掛け違いだったり、些細なことの積み重ねだと僕は思っている。
どちらかが一方的に感じていることじゃなく、たいていの場合は”お互い様”なので、ちゃんと話し合って譲り合い許容出来ればそれでいい。

でも、本当の問題はそれを ”後になってから気づく” ってことである。



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ちょっと相手に求めるものが多いキャサリン役のルーニー・マーラだが、この映画でもとても可憐で綺麗である。
もう本当に ”完璧な横顔ライン” を魅せてくれている。
最近では「サイド・エフェクト」も観たし、「ドラゴン・タトゥーの女」ももう一度観てみた。最近もっとも好きな女優さんだ。


この映画ではきれいな音楽も印象的だ。ウクレレやビアノの音楽、それにささやくようなステキな歌・・・。
僕は途中何度かすごくこここちよくて自然にウトウトとまどろんでしまった。

とても秀逸な素晴らしい映画だった。ぜひ劇場に足を運んで”感じて”欲しい。
第87回アカデミー賞にノミネートされた映画だというのが良くわかる。


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何かやらかした?!

battle LA05


『秀逸シネマ紹介中!』 になって1ヶ月半経ちました。

稚拙でグダグダの僕の映画ブログですが、見てくれていつもどうもありがとうございます!

最近ずっと更新できていませんでしたが、映画はちゃんと観てます。
忘れないようにデータはとってありますが、映画が良かれ悪しかれマイレビューを勇んで書きたくなるような作品に残念ながらここ10日ほど出会えていないのです。
今日はちょっとした ”驚き” があったのでそれを報告したいと思います。

以下語調を変えます。

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冒頭の写真は、「エイリアン」とかの戦闘モノ映画には必ずといっていいほど出ている「ミシェル・ロドリゲス」である。
あまり好きではない女優さんだが、結構体を張るアクションものに需要が高い。
『世界侵略 ロサンゼルス決戦』の1シーンである。
改めて観たが、1行程度のレビューをしたい。
戦闘シーンは圧巻だが、いつものアメリカの正義の押し売りで、お決まりストーリーでお腹一杯って感じ。はい終わり。

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そんな昨日のこと。
すわっ!!
一流ブロガーの仲間入りか!!と浮き足立ってしまうことがあった。

なんだかブログランキングが異常に上がったのだ。

もしかしてなんかやらかした?!・・・(笑)

力蔵さんのランキング
映画     84位 (昨日:359位) / 7055人中
レビュー   27位 (昨日:163位) / 2407人中
更新日時:2015/03/20 06:48



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「映画」のジャンルで7055人中84位。「映画レビュー」のジャンルではエントリーが2407人、順位が27位って事だから、言い換えれば『偏差値99』ってことで、これってまじスゴクね。この快挙については率直に嬉しいと思ってしまう僕はやっぱり単純なんだな。


人には得手・不得手がある

僕のブログはFC2会員特典に付属した「完全無料版」である。
”広告スペース” はタグの操作で極力減らして、たった”文字3行”のみとしている。
また、アマゾンとかのDVDや書籍へのリンクとか、収益に繋がるようなアフィリエイトも一切無しのブログだ。
映画レビューブログとしては特殊かもね。
正直なところ、このブログ程度のもので何か収入を得ようとか一切考えたことが無い。

そんな ”生粋の趣味ブログ” なのだが、参考書や読み物としてイッパシに成立しているかどうかは怪しい(笑)。

ただ、映画評論のマイレビューの記事をどこかで誰かが見初めてくれたらいいな~程度のスケベ心は持ちつづけている(笑)


the equalizer02
(映画「イコライザー」の1シーンより。 この映画のレビューは後日)


はなはだ個人的で精神構造に関わる話になるが、
自分の存在をアピールすることで何か恩恵を受けようとするその行動が僕がもっとも不得意とする行為のひとつなのだ。

誤解して欲しくないが、誰も軽蔑しているのではない。
彼らは彼らの得意なことをしているのであって、僕はそういう行為が苦手だというだけのこと。

また自作自演的に『いいね!』を押したり『リツイート』したりとか、ブラウザのタブ操作などで一斉に訪問履歴だけを残し、その足跡を残すことで意図的に訪問者を増やすというような、一時期問題になった 『食べログ』 まがいのオプティマイジングなんかは僕にはまったく無駄なことなのだ。 ”手の込んだ工作 は要らないのである。

多分僕のところにもそういうおざなりな「自動訪問」履歴を残していく人がいると思う。ランキングが上がったのもその人たちのおかげ部分もあるのだが、できれば”ちゃんと読んでくれる人”を僕は歓迎したい。


ドラゴン・タトゥーの女05
(ハリウッド版「ドラゴン・タトゥーの女」より。もう一回観たがとても秀逸な映画だ。)



FC2も嘆くお荷物ブログ

広告収入というのは主となるFC2側に入るものだ。
アフィリエイトとは記事に関連した商品サイトへ誘導する自動バナー枠のことである。
クリックによって第三者をショッピングサイトに誘導し、そこで購買意欲をそそり、売り上げや閲覧実績による一定の歩合をブログ管理者に還元するのもなので、FC2に限らずいろんなブログサイトではプラグインであるアフィリエイトを盛んに推奨する。
”一流のブロガー”というのはそういう人たちの中の頂点に君臨するブログ管理者を指していてサイト運営企業としても社員同様ににありがたい存在なのである。彼らはタレントに匹敵する最高の広告塔なのである。

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それに引き換え、この「秀逸シネマ紹介中!」は僕自身の備忘録代わりの映画鑑賞(視聴)日記に過ぎない。
観た映画のタイトルだけじゃ内容や俳優は覚えきれないし、僕自身がこれを読み返して映画の中身を思い出すためだけのブログなのである。

ときどき話が脱線するが、そんな逸話も書いていて楽しい。
マイレビューは純粋に自分の感想を素直に書いたオリジナルものだが、基本的な作品情報は主に『MovieWalker』さんからの引用させていただいている。また『Wikipedia』からの注釈も時々引用させてもらっている。

お金儲けが下手で苦手な僕はただ日記をつける程度でいいのだ。FC2も嘆く ”お荷物” ブログで十分なのである。


だから昨日のランキング急上昇現象にちょっとおどろき。
本当にびっくりした。
僕が先行視聴してて、話題の人気映画が公開されたとか・・・。

だとしたら時期的に「イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密」あたりが検索された結果かなと思う。
N.Y.のブロードウェイで誰より先に観たんだからしかたない(笑)

力蔵 2015.3.21

The Monuments Men05
(映画「モニュメント・メン」の1シーンより。この映画も観たがもう一回観たい映画だ。日本未公開作品なのがとても惜しい。)






★しあわせな孤独 / Open Hearts

しあわせな孤独01

R-15指定
2004年1月10日(土)公開

【作品情報】
本国デンマークで大ヒットを記録したラブ・ストーリー。突然の不幸に見舞われた2組のカップルを主人公に、彼らのせつなくもひたむきな愛の形をじっくりと見すえていく。

【ストーリー】
23歳の女性コックであるセシリ(ソニア・リクター)は、大学で地理を専攻しているヨアヒム(ニコライ・リー・カース)と、結婚を間近に控えていた。しかしヨアヒムは、交通事故で全身不随になってしまう。彼を轢いたのは、マリー(パプリカ・スティーン)の運転する車。助手席の娘スティーネ(スティーネ・ビェルレガード)と口論していて、前方をよく見ていなかったのだ。絶望したヨアヒムは、セシリに冷たく対応する。それに疲れたセシリは、加害者マリーの夫であるヨアヒムの入院する病院の医師ニルス(マッツ・ミケルセン)に慰めを求め、二人の間柄は、いつしか本気の恋へと変わっていく。

しあわせな孤独02

【作品データ】
原題 Open Hearts
製作年 2002年
製作国 デンマーク
配給 ギャガ
上映時間 113分

【スタッフ】
監督 スサンネ・ビア
脚本 アナス・トーマス・イエンセン
原案 スサンネ・ビア

【キャスト】
Caecilie ソニア・リクター
Niels マッツ・ミケルセン
Joachim ニコライ・リー・コース
Marie パプリカ・ステーン
Stine スティーネ・ビェルレガード




しあわせな孤独03

【マイレビュー】
デンマーク映画だが、北欧の映画はいつもとても質がいい。
デンマークやノルウェー、スウェーデン、(ちょっとフィンランドは除く(笑))が作る映画やドラマは本当にすばらしい。いつもハズレがない。素の人間ドラマを観させてくれる。

北欧人って言うのは、節度があり、冷静で、思いやりに溢れ、なにか日本人感覚にとても近いように感じる。


この物語、ひとつの事故がきっかけで、二組のカップル(夫婦と恋人同士)の関係が微妙に変化してゆくその顛末を描いたものだが、これがまた実に現実的で自然ななりゆきで、時間の経過と共に少しずつ事態が変化してゆく。その流れはけっして大袈裟でもなければ、不自然でもない。
かといって、こういう事態がありえるかといえば、ほぼゼロといっていいとは思うが。

R-15指定なのでセックスシーンは意外に多いが、この映画では特に重要な要素になっている。アメリカ映画にありがちな暴力的な言葉も明らかなヤクザもまったく出てこない。良識ある庶民のお話である。


しあわせな孤独08


映像技術とかあまり高度ではないように思う。
カット割りもそんなに無いし、特に手持ちカメラを多用しており、固定カメラもレールもクレーンも多分使っていない。

その分、手振れなどお構い無しに ”通し” でカメラを回しまくる。
日常のセリフが応酬するところなど本当に素晴らしい。役者の”ノリ”や”なりきり”の感じをとても大事に丁寧に扱っているのが分かる。役者も超一流だ。
まるでやり直し無しのぶっつけ本番の舞台を見ているような感覚になった。


しあわせな孤独10


この中に出てくる誰もが素っ頓狂な人間ではない。悪人も居ない。ありふれた普通の善良な人々である。


普通の人々があるきっかけによってそれぞれすこしだけ ”箍が外れて” しまう。ほんのすこしのことだ。
誰もが持っている別人格、あるいは知らず知らず蓄積された渇望とか欲求とか、そういうものが現われるタイミングなのである。
ただ一度その想いが高まれば理性ではなく感情に行動をコントロールされてしまう。

結果的にそれが過ちとか無駄なことでは決して無い。恥じることでも後悔するものでもない。
それも人間としての成長過程のひとつ。

ただ抑えきれない行動を諌めてくれるものは結局、冷静になれるまでの「それぞれの時間」でしかないということなのかもしれない。

それぞれの心の中が手に取るようにわかる秀逸映画だった。


しあわせな孤独12




●ハンニバル・ライジング

Hannibal Rising03

R-15指定
2007年4月21日(土)公開

【作品情報】
「ロング・エンゲージメント」のギャスパー・ウリエルがハンニバルの青年期を演じたシリーズ最新作。「マイアミ・バイス」のコン・リーが「SAYURI」に続き日本人役を好演。

【ストーリー】
1944年リトアニア。名門家の血を引くハンニバル・レクター(アーロン・トーマス)は、危険から逃れるべく一家で城から離れた山小屋に避難するが、戦闘に巻き込まれ両親を失う。幼い妹のミーシャ(ヘイナ・リア・タチョヴスカ)と生き残るも、やってきた脱走兵たちにより妹を連れ去られる。ハンニバルは、夜毎その光景を夢に見るほどに、脱走兵たちへの復讐を誓う。8年後、住んでいた城はソ連の養育施設となり、ハンニバル(ギャスパー・ウリエル)は収容孤児となっていた。構造を知るハンニバルは難なく脱走に成功、汽車を乗り継ぎ、フランスの伯父を頼る。伯父は亡くなっていたが、妻である日本人女性レディ・ムラサキ(コン・リー)が彼を受け入れる。

Hannibal Rising05

【作品データ】
原題 Hannibal Rising
製作年 2007年
製作国 アメリカ・イギリス・フランス
配給 東宝東和
上映時間 121分

【スタッフ】
監督 ピーター・ウェーバー
脚本 トマス・ハリス
原作 トマス・ハリス
製作 ディノ・デ・ラウレンティス 、 マーサ・デ・ラウレンティス 、 タラク・ベン・アマール

【キャスト】
ハンニバル・レクター:  ギャスパー・ウリエル
レディ・ムラサキ:  コン・リー
ポピル警視:  ドミニク・ウェスト
グルタス:  リス・エヴァンス
コルナス:  ケヴィン・マクキッド
幼いハンニバル:  アーロン・トーマス
ミシャ:  ヘイナ・リア・タチョヴスカ



Hannibal Rising08



【マイレビュー】
この「ハンニバル・ライジング」は「羊たちの沈黙」の大ヒットによる ”後付けの後付け” 作品であることは自明である。

たぶん原作者トマス・ハリスが、「羊たちの沈黙」で懐に余裕が出来たために旅行気分で来日して1週間程度は高価で由緒ある旅館に泊まったぐらいのことはしただろう。

どの程度の日本古来文化に触れたかは知らないが、そのとき世話になった老舗旅館に飾られた甲冑や鎧兜を前にして源平合戦とか川中島合戦とか関が原の戦いとか、適当な戦国時代の武者話を番頭さんから聞かされて感動し、それをうまく理解出来ないまま本にした結果だろう。

一夜漬け程度の知識を土産として持ち帰ったとしか思えない作品だった。
日本の描き方がそれはそれは酷すぎる。

「日本」を描くハリウッド映画の悪いクセ

Hannibal Rising12

先祖のヨロイを祀ってそれに祈る慣習や伝統など一般的な家庭レベルで日本にあるだろうか。祭りとかではなく先祖代々の個人の仏事や神事として。
由緒ある ”武家” ならそういう日課もあるのか。聞いた事もない。

薄暗い土間のような場所に、兜の下につける武者面のほか能面や般若、翁のお面を天井からぶら下げて、戦国時代の巻物とともに日本刀を飾り、その日本刀は先祖の誕生日(分かるわけない)だけに手入れが許され、毎夜ろうそくを灯して「鎧兜」に祈りを捧げる・・・。

居るか!そんなヤツ。
逆に日本人じゃない(笑)。

Hannibal Rising19


たとえもしそんな慣習があったとしても、遠い異国(フランス)に嫁いでまでそんな伝統儀式的なものを続けたりしない。
武者の甲冑やお面や具足類、それに日本刀なんかを嫁入り道具として大量に海外に運んで、ブードゥー教のような変なお祈り部屋を嫁ぎ先の家のなかに構えることなど絶対に無い。

本当に日本文化や日本人というものをもう少ししっかり学んでから書いてほしい。あるいは日本人の眼でしっかり検証して欲しい。こんなド素人の僕にさえ分かるほどの違和感を与えて欲しくないのだ。


Hannibal Rising10


殆どの映画では適当に東洋文化をごちゃ混ぜにしているようでいつも鼻につく。たぶんやつらは中国も日本も同じ東洋文化ぐらいにしか思ってないんだろうね。
この映画でも建具や調度品には中華料理屋さんによくある「双喜文」 が書かれているし、万が一でも先祖を祀る慣習を引き継いだ日本武士の末裔では無い。

だからいつも ”一括りでアジア” 一辺倒。 中国、韓国だけじゃなくタイとかフィリピンだって同じだったりする。

ハリウッドは日本を適当に描く ”クセ” がある。他の映画でもそんなシーンは数え切れないぐらい一杯ある。
多分日本だけじゃない。アジアを一括りでバカにしているんだろう。端々にそういうのが見えてしまう。

アメリカにわたると「寿司」もまったく別物になってしまうってことなんだ。


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それにレディームラサキとか言って適当な名前をつけちゃって。せめて中国系女優じゃなくて、日本の女優さんを使いなさいよ!
ハリウッドではいつも日本や日本人を描くときに、アメリカ国籍のある中国人か韓国人を使う。見ればすぐにわかる。
そういうところも日本文化の描き方がおかしくなる原因だ。

日本独特の慣習としての「神仏習合」にしても、自然災害を繰り返す歴史ある日本固有の「無常観」というのも、2700年という「世界最長の歴史を持つ国」としての伝統的文化の扱いがテキトーに描かれるのは日本人として本当に許しがたいのだ。

力蔵



Hannibal Rising01


他の作品を観ていなくてもこの作品だけで単体で理解できる内容になっているのが製作者側からのちょっとした親切である。
あの「羊たちの沈黙」のアンソニー・ホプキンス演じたハンニバル・レクター博士の幼いころからの体験から復讐心に燃えた青年期になった頃の話である。ハンニバルシリーズで時系列で言えば一番最初である。

前半には戦時中の空襲や陸戦の悲惨な様子、それに生きるための狂気や略奪の様子がとてもよく描写されていた。侵略戦争の恐ろしさが垣間見れた。とても恐く悲しい戦争体験をしたことが彼の人格形成に障害を残したことは理解できた。


Hannibal Rising02


主演のハンニバル役の「ギャスパー・ウリエルに眼を向けよう。
彼はちょっとイケメン過ぎて無理があったと思う。
演技で言えばもっと ”狂気” と ”怒り” と ”冷徹さ” が欲しかったと思う。


「羊たちの沈黙」では、クラリスや女性連続誘拐殺人犯よりもインパクトがあったハンニバル・レクター博士の類まれな ”頭脳” 。その発育や、医学や犯罪心理学でも天才といわれる部分にはあまり触れていなかったように思う。そのあたりを紐解く部分も描いて欲しかった。

また猟奇的で薄気味悪く何をするか予想も付かないような恐ろしさも描いていなかった。
目標に向けて真っ直ぐすぎると言うか、復讐の方法も、怒りに任せて割りと短絡的で捻りがなかった。
後々のアンソニー・ホプキンスが演じる独特の冷静な頭の回転力と執着性というか、持っている雰囲気そのものがまったくの別人で、なんというか不気味さの ”片鱗” が一切無いのが残念だった。


Hannibal Rising04


日本人役で出ていたレディームラサキこと女優の「コン・リー」だが、誰がどう見ても日本人じゃない。中国人の顔である。白人には区別がつかないのだろう。

ただ僕はこの「コン・リー」、嫌いじゃない。とてもエロいから。

それほど親しい間柄でもないポピル警視(ドミニク・ウェスト)とハンニバルについて話すときに、事情の説明をするだけで顔と顔の距離を15センチに保ち、目と目を合わせて話す日本人は絶対に居ない。しかも乳首が透けそうなシルクの寝間着を着て。完全なる ”誘惑態勢” である。

ただ、ポビル警視はクソ真面目な人格者だったのがとっても残念だった(笑)。


Hannibal Rising06




▲バベル

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2007年4月28日(土)公開

【作品情報】
一発の銃弾をきっかけに、モロッコ、アメリカとメキシコ、日本のドラマが同時進行していく人間ドラマ。ブラッド・ピットや役所広司など各国の俳優たちの競演に注目。PG-12指定。

【ストーリー】
モロッコ。幼い兄弟のアフメッド(サイード・タルカーニ)とユセフ(ブブケ・アイト・エル・カイド)は、山羊を狙うジャッカルを撃つために親が買った一挺のライフルを手渡される。試し撃ちの標的として遠くの山道を走る観光バスを狙った。観光バスに乗っていたアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)は夫婦の絆の亀裂を修復できずにいた。ユセフの放った弾丸はスーザンの鎖骨の上に命中する。リチャードは血まみれのスーザンを抱えて医者がいる村へと走った。アメリカに残された彼らの幼い子供たち、マイク(ネイサン・ギャンブル)とデビー(エル・ファニング)は、メキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラッザ)に連れられてメキシコに向かう。彼らが急遽帰国できなくなったため、他のベビーシッターも見つからずしかたなくアメリアは息子の結婚式に子供たちを連れていくことにしたのだ。やがて問題のライフルの書類上の所有者が、日本人の会社員ヤスジロー(役所広司)だと判明。彼は最近妻が自殺したことで激しい心労を抱えており、聾唖である高校生の娘チエコ(菊地凛子)との溝が深くなっていた。

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【作品データ】
原題 Babel
製作年 2006年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
上映時間 143分

【スタッフ】
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 ギジェルモ・アリアガ
原案 ギジェルモ・アリアガ 、 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

【キャスト】
リチャード:  ブラッド・ピット
スーザン:  ケイト・ブランシェット
サンチャゴ:  ガエル・ガルシア・ベルナル
ヤスジロー:  役所広司
アメリア:  アドリアナ・バラッザ
チエコ:  菊地凛子
デビー:  エル・ファニング
マイク:  ネイサン・ギャンブル
ユセフ:  ブブケ・アイト・エル・カイド
アフメッド:  サイード・タルカーニ


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【マイレビュー】
モロッコ、メキシコ、アメリカ、そして日本というワールドワイドで撮影された大掛かりな作品ではあったが、映画の良し悪しよりも途中で気が滅入ってきて空しさだけが残る映画だった。

僕が感じたようなそういう ”気持ちの通じないやりきれなさ” を伝えたかった映画なのだと思うが、3つのそれぞれの国においてのシチュエーションが執拗でサディスティックで理不尽で残酷すぎるのだ。


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「なにもそこまでしなくても・・・」と思うシーンがいっぱいあったし、「もっと別の選択をすればいいのに・・・」と同情を通り越して腹が立ったりもしてくる。

たぶんビューワーには一律に僕のような反応をさせたかったのだと思う。
それがこの映画監督の狙いであり、僕はまんまとその状態に陥ったわけだ。狙い通りになったという点で映画としては素晴らしいのかもしれないが、なんか釈然としないし、個人的な好みとしてはあまり好きではない映画だった。


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配役に影響されたのかもしれない。
僕が特に好きじゃない女優さんが出ている。ブラピの妻を演じている「ケイト・ブランシェット」である。

脱線コラム
好きじゃない女優

人それぞれの好みだと思うけど僕にはあまり好きじゃない女優さんが3人いる。
あえて言わなくてもいいと思うが、あくまでも僕個人の好みの問題なのであしからず。
あとの二人も映画に関連したときに話したいと思う。


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その1 「ケイト・ブランシェット」 

ソ連時代のロシアを思わせる氷のような女優さんだ。冷たくて、険があり、お高く留まっていて、優しさのかけらも無い顔をしていると思わないだろうか。見ていて「癒し」とは対極にいる女優さんだと思う。アカデミー主演女優賞も獲っており業界的にはむしろとても評価され重宝されている素晴らしい演技力の女優さんだと思うが、残念ながら彼女が出ている映画というだけで僕の中では低評価になる。




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お国柄とか文明の違い、言葉も人との接し方もまったく違う国での悲劇のパターンだったが、日本という国がどれだけ恵まれているかを皮肉っているようにも感じたし、逆に平和ボケの日本に警告を発しているようにも感じた。
なぜこの映画の中に「日本」と言う国のパターンが必要だったかを考えると、そういう結論になる。


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●レッスン!

Take the Lead11

MovieWalkerより
2007年7月14日(土)公開

【作品情報】
NYのスラム街の学校で芽生えたという実話に基づく青春ドラマ。アントニオ・バンデラスがヒップホップ好きの落ちこぼれ生徒相手に奮闘する社交ダンサーを熱演!

【ストーリー】
ニューヨーク、スラム街。社交ダンス教室を経営し、自分も社交ダンサーであるピエール・デュレイン(アントニオ・バンデラス)はある日路地裏に止められていた車をめちゃくちゃに破壊し、逃げ去る高校生ロック(ロブ・ブラウン)に遭遇する。翌日、ピエールは問題児が多いことで有名な高校に赴き、ジェムス校長(アルフレ・ウッダード)に社交ダンスを教えることにより生徒達の更正に貢献したいと申し出る。その日から教室に通い、ピエールはHIP HOPしか知らない生徒たちに社交ダンス音楽とそのステップを教えようとする。彼が本当に伝えたかったのは、社交ダンスを踊るのに必要な、相手を尊重する気持ち。誰も耳を傾けてくれなかった自分達の悩みに親身になってくれるピエールに、生徒たちは徐々に心を開き始める。

Take the Lead01

【作品データ】
原題 Take the Lead
製作年 2006年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
上映時間 117分

【スタッフ】
監督 リズ・フリードランダー
脚本 ダイアン・ヒューストン
製作 ディアーヌ・ナバトフ 、 クリストファー・ゴドシック
音楽 アーロン・ジグマン 、 スウィズ・ビーツ

【キャスト】
ピエル・デュレイン:  アントニオ・バンデラス
ロック:  ロブ・ブラウン
ロレッタ:  ヤヤ・ダコスタ
オガスティン・ジェムス校長:  アルフレ・ウッダード
モガン:  カティア・ヴァーシラス
ラモス:  ダンテ・バスコ
エディ:  マーカス・T・ボールク
サシャ:  ジェナ・ディーワン
ティナ:  ローラ・ベナンティ



Take the Lead02


【マイレビュー】

いかした名セリフが満載だった。
実話で、この主人公の臨時講師ピエル・デュレイン氏は現役ダンス講師として健在である。
アメリカではこの映画をきっかけに ”社交ダンスがハイスクールでの修得科目になった” とのことだ。


ダンス講師のピエル・デュレイン氏を「アントニオ・バンデラス」が演じ、それがとてもはまり役だった。
若者にはキザっぽくてクサくてダサいセリフでも、彼にはサラッと言えてしまうような優雅さがあったし、彼のダンスの技術も高く、相当な練習を積んで臨んだ成果だと思う。

社交ダンスでは 「リードする男性と応じる女性の互いの信頼関係こそが大事だ」 と言う。
男性は女性を支配するのではない。互いの尊重だという。
片や若者は「そんなキザなやり取りは必要ねえ。押し倒してやっちまうだけよ」と反発をする。それに対する彼ピエル・デュレインの ”返し” のセリフが最高にイカしている。


落ちこぼれだけの放課後の居残り組に社交ダンスを教える臨時講師と生徒の成長物語である。
実話をモチーフにしていて、ヨーロッパ古来からの伝統ある社交ダンスとヒップホップ好きな若者たちの文化が融合したとても夢のある作品になっている。


Take the Lead10


僕の感想としては、コンテストに挑む練習までの経過はとても良かったと思う。
彼らの希望や目標意識の芽生え、古い文化を受け入れたり、女性を大切に扱う心の変化がとても好ましく、それに期待を込めて観られた。
だだラストのコンテストシーンだけはちょっと「やりすぎ」だったような気がする。
書けるのはここまでだが、観る人によって変わってくると思うので、落ちこぼれのメンバーだった彼らの希望を描いた成長記録のパターンとしてご覧いただけたらと思う。


類似作品としては僕のブログにもあるが、「ロック・ミー・ハムレット」「スクール・オブ・ロック」だろう。

リンクをつけたのでそちらも関連作品として紹介しておこう。


Take the Lead15



★君を想って海をゆく / WELCOME

君を想って海をゆく16

2010年12月18日(土)公開

【作品情報】
各国の映画祭で評判を呼び、セザール賞の主要10部門でノミネートされるなど、フランスで大ヒットを記録した感動ドラマ。イギリスに住む恋人に会うため、泳いでドーバー海峡を渡ろうとするクルド難民の青年と、ひょんなことから彼に泳ぎを教えることになったフランス人水泳コーチとの心の交流をつづる。

【ストーリー】
2008年2月、17歳のイラク国籍のクルド難民ビラル(フィラ・エヴェルディ)は、恋人ミナが住むロンドンを目指し、フランス最北端の都市カレにやってくる。イギリス渡航を望む多くの難民が、カレの港で住居を持たずに暮らしていた。ビラルは偶然再会した同郷の友人とともに密航を図るが、失敗する。イラクが戦争により荒廃しているため送還を免れたビラルは、英仏海峡を泳いで渡る決心をする。かつては高名な水泳選手だったフランス人シモン(ヴァンサン・ランドン)は、今は市民プールで子供や老人に指導している。ビラルはシモンにレッスン料を払い、クロールの指導を仰ぐ。

君を想って海をゆく01

【作品データ】
原題 Welcome
製作年 2009年
製作国 フランス
配給 ロングライド
上映時間 110分

【スタッフ】
監督 フィリップ・リオレ
脚本 フィリップ・リオレ 、 エマニュエル・クールコル 、 オリヴィエ・アダム
撮影 ローラン・ダイアン
音楽 ニコラ・ピオヴァーニ 、 ヴォイチェフ・キラール 、 アルマンド・アマール

【キャスト】
シモン:  ヴァンサン・ランドン
ビラル:  フィラ・エヴェルディ
マリオン:  オドレイ・ダナ
隣人:  パトリック・リガルド
ブルーノ:  ティエリー・ゴダール
警察代理官:  オリヴィエ・ラブルダン
ミナ:  デリヤ・エヴェルディ



君を想って海をゆく12


【マイレビュー】
フランス映画独特の雰囲気の映画だった。
人はみな苦しみや悲しみを抱えて生きている。平たく言えばそういう映画である。

テーマが重たそうな感じがするかもしれないが、実際遠い国で起きているその移民や不法滞在の実態が垣間見れて勉強にもなる。

中国や韓国、フィリピンなどからの移民も多い現在の日本でも他人事では無いし、対岸の火事でもない状況に来ているのだ。


君を想って海をゆく14


この映画の原題タイトルは「WELCOME」という。
なぜそのタイトルにしたのかは僕なりの解釈をしたいと思う。

この映画には人種差別、国の移民政策、不法入国に関する法律、支援ボランティア、地域社会コミュニティーやそれぞれの国柄などすべてのものが映し出されていた。

中近東、アフリカなどから内戦を逃れ多くの不法難民が、トルコを経由して、フランスを北上し、イギリスを目指してイギリスに最も近い最北端の港付近で寝泊りをしている。

イギリスのほうが国籍とか民族に対する差別意識を表わすことはタブーとされ、移民に対する政策が緩和されていて同胞も多いため貨物自動車に紛れての不法入国人気(?)が高いのである。

まだまだ勉強不足なのでわからないが、フランスでは人種や不法入国者、宗教への差別が顕在化している。記憶に新しいがつい先日も宗教を揶揄した風刺漫画がもとで銃の乱射事件があったばかりである。



君を想って海をゆく05


この映画のように、現在でもフランスでは不法滞在者に対する援助を行ってはならないという法律になっているらしく、ボランティアの配給サービスにも取締りの触手がきている状況にある。

市民のなかには肌の色や風体など不法滞在者や移民やフランス国籍を取得済みの外国人の区別をすることも無くあからさまに蔑視する人たちも増えている。

現在のフランスは日本人がフランスと聞いてイメージするような白人は、すでにマジョリティ(大多数)ではない。
戦後の出生率低下から労働力の確保という観点でフランス国内への外国人労働力としての移民を認め、家族の呼び寄せも認めてきたフランス国策によって、フランス国内の18歳未満の子供は移民が50%を超えているとのことだ。

フランスでは右派や左派の政権交代がここ30年の間でコロコロと変わっており、いままでの移民政策や法律の不備から一貫性が無く、現在は移民そのものの制限をおこなっており労働移民も認めていない。

出生率が減った大戦後はと労働力受け入れのために移民に多くの労働力を頼った。
現在の日本と同じ状況が戦後のフランスにあったということだ。日本の移民政策は戦後フランスの移民政策の歴史と実態に学ぶのが一番適切だと思う。



君を想って海をゆく09


この映画の中に出てくるシモン(ヴァンサン・ランドン)の隣に住む住人はそういった多くの差別主義者のフランス人の一人である。だが玄関マットには「WELCOME」と書いてある。

原題の「WELCOME」とは、過去は快く受け入れ現在は締め出すようなフランス移民政策そのものへのバッシングの意味もあり、「WELCOME」とロゴが入った玄関マットを敷いているくせに、多くのフランス民が持つ差別意識を皮肉った原題であることが解る。
とても意味のあるタイトルだ。

邦題はそれに比べてなんてチープなタイトルだろう。
もう何度目だろう。タイトルにも文化的価値があることを知れ!勝手にタイトルを変えるな、と日本の配給会社に声を大にしていいたい。この映画ではそんなロマンチックな邦題は要らない。ロマンスは二の次、三の次である。



フランス映画はセリフが少ない。
特にこのシモン役のヴァンサン・ランドンは無口な役が多い。
小説で言えば ”行間を読む” ように、映画鑑賞をしたというより、セリフのないところに想いが漂うようなそんな憂いある空間を僕は観ていた気がする。

どんな経緯で17歳のクルド人の彼が海を渡る決意をしたのか、どんな夢を持っていたのか。
そうしてどうしてシモンは彼に手をさしのべたのだろうか。

そのあたりはやっぱり観て感じていただきたい。

  
君を想って海をゆく07

★イントゥ・ザ・ストーム

into the storm11

MovieWalkerより抜粋
【作品情報】
超巨大竜巻に襲われた人々が体験する衝撃を描く。ハンディカメラなどを使用したドキュメンタリータッチの映像でリアリティあふれるシーンを創出する。監督は『タイタニック』などで第2監督を務め、“ジェームズ・キャメロンの右腕”とも言われる『ファイナル・デッドブリッジ』のスティーヴン・クエイル。

【ストーリー】
アメリカ中西部シルバートンの町に地球史上最大規模の超巨大竜巻が襲来。最悪の事態はまだこれからだと専門家たちが予測する中、気まぐれで恐ろしい巨大竜巻を前に町の人々は為すすべもない。ほとんどの住民はシェルターに避難するが、竜巻を追って観測する研究者=ストーム・チェイサーたちは、生涯に一度の観測のためにあえて竜巻の渦に向かっていく。そんな中、二人の息子が通う高校の教頭(リチャード・アーミティッジ)は、生徒や家族を守ろうと懸命の努力を続けていた……。

into the storm02

【作品データ】
原題 INTO THE STORM
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 89分

【スタッフ】
監督 スティーヴン・クエイル
脚本 ジョン・スウェットナム
製作総指揮 リチャード・ブレナー 、 マーク・マクネア 、 ブルース・バーマン
製作 トッド・ガーナー

【キャスト】
ゲイリー:  リチャード・アーミティッジ
アリソン:  サラ・ウェイン・キャリーズ
ジェイコブ:  ジェレミー・サンプター
テリー:  ナザン・クレス
ピート:  マット・ウォルシュ
ドンク:  カイル・デイヴィス
ドニ―:  マックス・ディーコン
ケイトリン:  アリシア・デブナム=ケアリー




into the storm08


【マイレビュー】
3D映画館で観なければこの「ド迫力」がわからないかもしれない。PC画面を通じた視聴だったためとても残念だった。

竜巻作品は今までに何度か観てきたが、この映画を越えるほどのリアリティーは無かった。
いや、”リアリティー”と言っても僕自身、竜巻をこの目で実際に見ていないので本当のところは定かではないが、日本でも関東で3年前にあった竜巻映像とかを見る限り、この映像の迫力や細かなディティールはハンパ無く群を抜いているように思う。

僕はあまりファウンドフッテージと呼ばれる素人が撮ったようなハンディーカメラを多用したドキュメンタリータッチの作品は目が回るので好きではない。YouTubeにあるUFO映像のような感覚だ。その点この作品は車載カメラでの映像を思わせる定点カメラや通常のレールやクレーン、それに空撮映像などもしっかりあって、色んな角度から竜巻の迫り来る様子を映してくれていたのでよかった。


into the storm10


本当に凄い映像の数々だった。
架空の竜巻をあれほどリアルに描く技術はとても高度だと思う。
ついに”捏造”もここまできたかって感じだ(笑)。

有名な俳優は一切出演していない。なのでストーリーとしてはアメリカ映画にありがちな災害を通じての家族や親子、地域社会との絆を描いたものでやや陳腐ではあるのだが、やっぱり自然の猛威ってのが主軸であるためストーリーとしては仕方ないかな。


into the storm07


若干のネタバレになるが・・・

この映画に出てくる能天気で危険な映像をネタにして、大金持ちを目指しているユーチューバーたちの軽薄な傍若無人加減も、腹が立つのを通り越えてとても愉快に描いていたと思う。この二人の命知らずの若者による映画全体におけるスパイス加減とフォロー具合はとても良かったと思う。

奇想天外な点としてよかったのは ”竜巻の目” の中に入った ”つかの間の静寂” を描いたこと。それに ”絶景” を見て一瞬微笑むシーンである。
災害映画における抑揚というか振り幅をうまく描いていたと思う。


into the storm15


ただ、ひとつだけ難点があった。
竜巻シェルターに避難していた大勢の市民をわざわざスクールバスに分乗させて再度脱出避難させたあと、彼らはどうなったのか、その顛末がとても気になった。そう感じたのは僕だけじゃないと思う。

あまり詳しく掛けないので、以上は観てのお楽しみということで。


into the storm09


こんな日本という自然災害の宝庫の国に住んでいてとても不謹慎なことを言うようだけど、地震や津波、暴風雨や雷や台風とか、そういう自然の猛威にワクワクするという人も中にはいると思う。
直接的あるいは間接的な被害に遭っていないのだと思うが、地域災害情報や自らの命の危険を察知する力を過小評価しないことだ。
”備えあれば憂い無し” である。
この映画に出てくるYouTuberとか、能天気だけは最悪、本当にダメだ。


into the storm16



★イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

イミテーション・ゲーム04

3月13日(金)公開

【作品情報】
第87回アカデミー賞ノミネート作品。ベネディクト・カンバーバッチが実在の天才数学者を演じ、その数奇な運命を描く人間ドラマ。第二次世界大戦時、解読不可能と言われたドイツ軍の暗号“エニグマ”の解読に挑んだ英国人数学者アラン・チューリング。戦争時の機密事項のため、英国政府が50年間も隠し続けていたチューリングの知られざる人物像が明らかになる。

【ストーリー】
1939年、英国がヒトラー率いるドイツに宣戦布告し、第二次世界大戦が始まる。ケンブリッジ大学特別研究員で、27歳の天才数学者アラン・チューリング(ベネディクト・カンバーバッチ)は、英国政府ために独軍の誇る難攻不落の暗号エニグマ解読に挑むことになる。英国海軍のデニストン中佐(チャールズ・ダンス)は6人の精鋭を解読チームとしてブレッチリー・パークに集めるが、チューリングは一人で仕事をしたいと訴える。MI6のスチュアート・ミンギス(マーク・ストロング)はチーム一丸となることを求めるが、チューリングにとって暗号解読は自分の能力を試すゲームに過ぎなかった。リーダーのヒュー・アレグザンダー(マシュー・グード)のもと奇襲作戦やUボート情報の暗号文を分析するチームを尻目に、チューリングは一人でマシンを作り始める。

イミテーション・ゲーム03

【作品データ】
原題 THE IMITATION GAME
製作年 2014年
製作国 イギリス アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 115分
映画公式サイトへ

【スタッフ】
監督 モーテン・ティルダム
脚本 グラハム・ムーア
原作 アンドリュー・ホッジス

【キャスト】
アラン・チューリング:  ベネディクト・カンバーバッチ
ジョアン・クラーク:  キーラ・ナイトレイ
ヒュー・アレキサンダー:  マシュー・グード
ロバート・ノック探偵:  ローリー・キニア
デニストン司令官:  チャールズ・ダンス
ステュワート・メンジース:  マーク・ストロング
ジョン・ケアンクロス:  アレン・リーチ
ピーター・ヒルトン:  マシュー・ビアード
ジャック・グッド:  ジェームズ・ノースコート
シュタール軍曹:  トム・グッドマン=ヒル



イミテーション・ゲーム01


【マイレビュー】

『誰も期待しない変わり者こそが不可能を可能にする。』

とても面白かった。
実在した人工知能の父と呼ばれた天才数学者アラン・チューリングについての物語でありこういう作品は特に好きなジャンルだった。

今僕たちの生活に無くてはならないPCやスマホの基礎となるのだから本当にすごい貢献である。
クロスワードパズルとか将棋とかチェスとか、そういうゲーム的な要素も絡む暗号解読はたとえシロウトの僕でも興味深い内容で本当に一気に観れる映画だった。


イミテーション・ゲーム05



アラン・チューリング (wikipedia)
(Alan Mathison Turing, 1912年6月23日 - 1954年6月7日)

イギリスの数学者、論理学者、暗号解読者、コンピュータ科学者。第二次世界大戦の間、ブレッチリー・パークにあるイギリスの暗号解読センターの政府暗号学校でドイツの暗号を解読するいくつかの手法を考案し、英国の海上補給線を脅かすドイツ海軍のUボートの暗号通信を解読する部門 (Hut 8) の責任者となった。ドイツが使用していた、エニグマ暗号機を利用した通信の暗文を解読する(その通信における暗号機の設定を見つける)ための機械 「bombe」(この映画では「クリストファー」) を開発した。



イミテーション・ゲーム12


エニグマを解析した功績というよりも、まさにデジタル・コンピュータ開発の第一人者だったことのほうが今となっては大きい。最終的に暗号を解いたのはアランと一体になったコンピューターの「クリストファー」(実際は「bombe」)である。

コンピュータの名前については映画としての脚色だがとても秀逸な設定でなんとも切なかった。
「クリストファー」とは少年時代の彼の初恋の相手である。

少年期にイジメから救ってくれたクリストファーに対する同性愛に目覚めるアラン。暗号学の本を読むクリストファーに 「暗号と会話はどう違うのか」 とアランが尋ねるシーンがある。

そのときの二人の間での会話がとても秀逸だった。この部分は観て感じていただきたい。


イミテーション・ゲーム09


wikipedia「エニグマ」より

64年ぶりの解読

2006年2月、未解読のままになっていた三つの暗号文の内の一つが、ドイツのアマチュア暗号解読家とインターネット上の仲間による共同プロジェクトM4 Projectによって解読された。M4 Projectは、分散コンピューティングを使用したブルートフォースアタック(総当たり攻撃)によってエニグマ暗号文を解読しようとするプロジェクトで、解読された内容はUボートが発信した「敵を追跡している」という内容のものであった。




イミテーション・ゲーム15


特に主演のベネディクト・カンバーバッチの演技が素晴らしい。
こんな天才数学者の役も、無機質な悪役も ”にじみ出る知性” でこなしてしまう役者さんである。「スマート&エリート」って感じだ。

アランと婚約したジョアン・クラーク役のキーラ・ナイトレイについてはちょっと役柄的に中途半端で不満が残ったが、実話に則しているらしいからしかたない。いつも思うけど彼女は綺麗なんだけど何にも色気が無い。

戦争映画でも必ず登場するのが無能な上官である。たぶん美談を作るためには必要不可欠な悪なのだろう。それが憎らしければ憎らしいほど良い。デニストン司令官役のチャールズ・ダンスである。
もっともっと無能振りを晒して欲しかったし、仕返ししてギャフンと言わせたかった。ギャフンって古っ!


イミテーション・ゲーム10


エニグマの解析を遂げて、戦争を2年も早く終わらせ1300万人の命を救った人工知能の父と呼ばれるアラン・チューリングの功績は戦後50年以上もイギリス政府によって伏せられていた。
暗号解読は軍の最高機密事項でもあるため、彼は天才であるにもかかわらずずっと同性愛の罪人扱いで一生が終わった。
遅きに失したがその戦後の彼に対する非礼の数々を公式にイギリス政府が謝罪している。

こうしてPCが普及したのも彼のおかげである。
もっと言えば僕が今打っているキーボードの文字配列も彼の発明なのだ。


つい最近おこなわれた第87回アカデミー賞では「脚本賞」に輝いた。
是非観て欲しい秀逸映画である。


イミテーション・ゲーム21




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プロフィール

力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
ニコール・キッドマン
ルーニー・マーラ
ナタリー・ポートマン

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