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✖コーリング / Dragonfly

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MovieWalkerより抜粋
2003年5月31日(土)公開

【作品情報】
ケビン・コスナー主演によるオカルト風ファンタジー。愛妻に先立たれた医師の周囲で起こる超常現象の謎を描く。スリリングなドラマの果てにはロマンチックな感動が!

【ストーリー】
最愛の妻エミリー(スザンナ・トンプソン)をベネズエラで喪った医師のジョー(ケヴィン・コスナー)。悲しみを忘れようと、不眠不休で仕事に打ち込むが、心に空いた穴は埋めようもない。そんなある日、妻のいた小児科病棟を訪れた彼は、瀕死の少年が必死に自分の名を呼ぶ場面に出くわした。翌日奇跡的に回復した少年は、「エミリーが助けてくれた」と語る。その日から、ジョーの周囲で奇妙な現象が起こる。妻の愛したトンボが季節はずれの空に現れ、封印したはずの思い出の品が、気がつけば元の場所にある。「これは、エミリーからのメッセージだ」。そう確信した彼は単身ベネズエラへ向かう……。

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【作品データ】
原題 Dragonfly
製作年 2002年
製作国 アメリカ
配給 東宝東和
上映時間 105分

【スタッフ】
監督 トム・シャドヤック
脚本 デイヴィッド・セルツァー 、 ブランドン・キャンプ 、 マイク・トンプソン
原案 ブランドン・キャンプ 、 マイク・トンプソン

【キャスト】
Joe Darrow ケヴィン・コスナー
Emily Darrow スザンナ・トンプソン
Mrs. Belmont キャシー・ベイツ
Sister Madeline リンダ・ハント
Pilot ジェイコブ・ヴァルガス



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【マイレビュー】
作品情報では ”スリリングなドラマの果てにはロマンチックな感動が!(MovieWalker)” なんて書いてある。

10年ほど前の作品でケヴィン・コスナー主演だったので観てみたが、この映画ははっきり言って全然良くなかった。
この作品の✖評価はケヴィンに責任があるわけじゃない。
「秀逸シネマ紹介」のブログの主旨には反するが、監督や脚本や製作、それに総合的演出が悪いと映画が台無しになるというサンプルとして今回は紹介する。

この映画、脚本や演出のセンスが極めて悪い。
何故に ”中途半端なオカルト仕立て” にする必要があったのだろう。意味わからん!
原作がどうなっているのかは知らないが、映画化するにあたって首脳スタッフ陣の方向性コンセンサスがしっかり為されていたのか、素人の僕が心配になるほどだ。


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このトム・シャドヤックという監督、いままでの作品をwikiで調べてみたら、なんとジム・キャリーの「ライアー・ライアー」とか故・ロビン・ウィリアムズ主演の『パッチ・アダムス・トゥルー・ストーリー』の監督だった。
『パッチ・アダムス・・・』の評価は僕の「オススメの秀逸映画」★★星二つにランクインしている。

なるほど、おおむねのストーリーとしては『パッチ・アダムス・・・』とこの『コーリング』はよく似ているのだが、映画としての仕上がりが180度違う。
展開としては片やファンタジックに明るく、片やオカルト的に暗いのだ。

『パッチ・アダムス・トゥルー・ストーリー』でおいしい思いをした監督が、『コーリング』で極端な演出をして墓穴を掘った感じだ。首尾一貫性が無いとも言える。2007年の作品以降はまったく監督としての仕事をしていないのもわかる気がする。


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最近のケヴィン・コスナーは僕の一押しである。
特に直近の 『ラスト・ミッション』 のケヴィンは今までの数ある作品の中でいちばん「素に近く、人間っぽくて、気取りがとれて」いて逆に衝撃だった。
こんなちっぽけな僕が偉そうに言うけど、「本当に一流の役者になった」と思う。
言い換えれば、『老いを実感したときの半ば諦め的な潔さ』が出てきたのだ。

この『コーリング』は10年以上前の作品だが、そんなケヴィンの良さをまったく引き出せていなかった。


この作品に関して言えば、主人公の医師のジョー(ケヴィン・コスナー)が話す超常体験を誰一人として真剣に聞く大人が居ないってことに観ていてイライラする。映画なんだし協力しようという友人が普通は居るでしょ、一人ぐらい。そんな周りの反応だって少しは学習しろよって思ってしまう。

それに飼っている変な鳥が意味無くバタバタするし、急に息を吹き返す患者が居たり、早産患者や、自殺願望患者もいる。同僚や親友はクソの役にも立たないし、近所のおばさん(キャシー・ベイツ)にしても彼を宥めるか鳥の世話ぐらいしか出来ない。ベネズエラの胡散臭いパイロットも不自然すぎる行動に出るし。


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そういう場面場面でのやりきれない感覚はある種のビューワーへの狙いだし展開へのフリになるはずなのだ。ふつうはね、ボケが居たらツッコミは必要不可欠なのに、この映画ではもう完全放置。

この映画の特徴は”フリであるべきシーンに意味が無い”という致命的な欠陥だ。ホント気持ち悪いったらありゃしない。


結局はケヴィンが可哀想に”独り相撲”を取ってしまう映画に成り下がっているのだ。好きな俳優なだけに本当に残念でならない。

良かったのは”スリリングなドラマの果てにはロマンチックな感動が!(by MovieWalker)”でお馴染みのラストシーンだけだった(笑)。一度観てもらえばわかると思う。

今回は結構辛口でネタバレ的なことも書いちゃって悪いと思うけど、僕にしたら久々に観た駄作でまだイライラが解消できていないほどだ(笑)


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★マジェスティック

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2002年6月20日(木)公開

【作品情報】
「グリーンマイル」のフランク・ダラボン監督が再び手がけたハートウォーミングな感動作。50年代のアメリカを舞台に、他人と間違えられた若き映画人の新たな人生を描く。

【ストーリー】
1951年のハリウッド。新進脚本家のピーター・アプルトン(ジム・キャリー)は、赤狩りの嵐が吹き荒れる中、非米活動委員会から共産主義者だと名指しされる。動揺したピーターは車で事故を起こして川に転落、近くの田舎町ローソンの住人に助けられた。町の人々は彼が第2次大戦に出征して行方不明になっている英雄ルークだと勘違いし、記憶喪失になっていたピーターはルークとして生きることになる。そしてルークの父ハリー(マーティン・ランドー)は、ルークの死にショックを受けてから長らく閉めていた映画館マジェスティックの再建を決意。また、かつてルークの恋人だった法学生アデル(ローリー・ホールデン)が帰郷。ピーターは彼女に心惹かれ、町の人々の温かい気持ちに触れていくうち、次第にルークであることに馴染んでいく。

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【作品データ】
原題 The Majestic
製作年 2001年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース映画
上映時間 153分

【スタッフ】
監督 フランク・ダラボン
脚本 マイケル・スローン
製作総指揮 ジム・ベンケ

【キャスト】
Pete/Luke ジム・キャリー
Harry Trimble マーティン・ランドー
Adele Stanton ローリー・ホールデン
Doc Stanton デイヴィッド・オグデン・スティアーズ
Stan Keller ジェームズ・ホイットモア
Ernie Cole ジェフリー・デマン


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これぞアメリカ映画。

実話でもある「ハリウッド・テン」(wikipedia=共産主義を疑われ列挙された10名の人物は映画産業で働くことを拒否された思想信条差別の一大事件)を絡めた内容になっている。

冷戦や戦後の時代背景でもある政治思想部分を残しつつ、愛と自由と希望の溢れるエンターテイメント映画だった。
アメリカという国の歴史や文化、それに地域に根づいた人々の暖かさや文化を知る意味でもとても勉強になる映画でもある。

ブルックリンあたりの町だろうか、あるいは大掛かりなセットかもしれない50年代の街並みがとてもステキだった。綺麗に彩られているあんな田舎町がアメリカには今も残っているのだろうか。車や建物、アーケードやお店の感じとか、アメリカに住んだことなど無いのにとても懐かしいような郷愁にかられる。


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ジム・キャリーはとても表情が豊かな役者だ。顔の筋肉がとても器用に動かせる。
そんな特長をフルに生かした『マスク』なんかは彼の代表映画だ。
どうもアニメチックなキャラクターものが多くて、ある時期、ジョニー・デップとカブっていた感じがしたのは僕だけだろうか。もっともっと需要があったはずなのだが、ジョニー・デップに殆ど持っていかれたように感じる。素晴らしい俳優なのだがちょっとそこが悲しい。


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この映画には人生の喜怒哀楽がつまっている。
映画のあらすじとしては、信念も何も無くのほほんと生きてきた人間がある出来事を機に得た別の境遇で人生の意味を理解してゆくというものだ。

映画館「マジェスティック」を再建する。
戦争で多くの若者を失ったため、住民達の殆どが老人達だが、こんな普通の田舎町「ローソン」に愛と希望と勇気の笑顔を与えてゆくルーク。映画館の館長も映写技師や売店もみんな素直でかわいらしい老人たちである。



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日本の江戸時代の踏み絵(最近の教科書では『絵踏み』というらしい)じゃないけれど、アメリカでもアカ狩りというものが行なわれていたのが50年代だ。ソ連の破壊的共産主義を徹底排除するための国策でもあった。

「息子は沖縄で死んだ」というセリフも映画の中に出てくるが、どの国でも戦争に狩り出された人たちの苦悩も、恋人も、遺族も気持ちは同じだろう。また傷痍軍人となって帰ってきた人たちの挫折や生き方もしっかり描いてくれている。

太平洋戦争やソ連との冷戦時代の中で、アメリカ文化がどう発展してきたかというものをよく表している。
どちらかといえば閉鎖的な都会よりも、比較的自由奔放な田舎でアメリカ文化や大衆娯楽というものがそこらじゅうで湧き上がる様に発展してきたのだと僕は感じた。


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「グリーンマイル」のフランク・ダラボン監督作品である。グリーンマイル同様、この映画も153分という長めのストーリーだが、どれも外せないシーンばかりだ。

ユワン・マクレガー主演の「ビッグ・フィッシュ」という映画にどこと無く似ていてこの映画もとてもいい映画だと思う。


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●しあわせの帰る場所 / Fireflies in the Garden

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2008/7/17(劇場未公開)

【作品情報】
崩壊した家族の葛藤と再生を、「プリティ・ウーマン」のジュリア・ロバーツ、「デンジャラス・ラン」のライアン・レイノルズ、「スパイダーマン」のウィレム・デフォーら豪華スター共演で描いたヒューマンドラマ。デニス・リー初監督作品。第58回ベルリン国際映画祭正式出品作品。

【ストーリー】
マイケル(ライアン・レイノルズ)は小説家。幼い頃から厳しかった父・チャールズ(ウィレム・デフォー)にいまも反発心を抱いている。家族の集まりをきっかけに17年ぶりに故郷に戻ったマイケルだが、その途中思いがけない事故で、母・リサ(ジュリア・ロバーツ)が亡くなってしまう。大切な存在を失い、深い悲しみに暮れる家族。優しかった母の死により父とマイケルの溝はますます深まっていく。そんな時、遺品整理の途中で、マイケルは母の意外な秘密を見つける…。長い間ばらばらに引き裂かれていた家族の絆は、再び取り戻せるのだろうか? 忘れかけていた愛に気づいた時、家族にある奇跡が訪れる。

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【作品データ】
原題 Fireflies in the Garden
製作年 2008年
製作国 アメリカ
上映時間 99分


【スタッフ】
監督 デニス・リー
製作 マルコ・ウェバー バネッサ・コイフマン シュキー・チュウ
製作総指揮 ジェリー・ハウスファター ミルトン・リウ
脚本 デニス・リー
撮影 ダニー・モダー
美術 ロバート・ピアソン
編集 デデ・アレン ロバート・ブレイキー
音楽 ハビエル・ナバレテ


【キャスト】
マイケル・テイラー:  ライアン・レイノルズ
リサ・テイラー: ジュリア・ロバーツ
チャールズ・テイラー: ウィレム・デフォー
ジェーン : エミリー・ワトソン
ケリー・テイラー: キャリー=アン・モス
ジェーン(young): ヘイデン・パネッティーア
アディソン・ウェスリー : ヨアン・グリフィズ
マイケル・テイラー(young) : ケイデン・ボイド
ライン・テイラー: シャノン・ルシオ



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【マイレビュー】
日本人のファンも多いジュリア・ロバーツ出演作品だが日本では劇場未公開になっている。ベルリン国際映画祭への正式出品作で受賞しなかった結果を踏まえてということだろう。

この作品には通常の家族愛テーマの映画に似つかわしく無い結構ショッキングなシーンが意外とサラッと描かれている。

① 夜中にバトミントンのラケットを振り回す
② 獲った魚のリリース方法
③ 喪主の挨拶時に長男が2階でガタガタ音を立てる
④ ガレージでの出来事


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このあたりは、父と息子の確執の原因でもあり捌け口でもあったりするので、ネタバレになってしまわないように書いたつもりだが、とにかく上の4項目はすこし不自然なくらいだった。
ただ僕は基本的にこういう家族の愛情物語を描いた映画は好きだから、その不自然なシーンをちょうど帳消しにしてしまった。


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家族というのは多かれ少なかれみんなが仲良しではない。それにいつでも和気藹々としているわけでも、すべてが順風満帆でもない。映画としたらどのタイミングを図ってエンディングに持っていくかで、ストーリーはガラッと変わってしまうものだ。

家族というのは全世界共通だと思うし、父親と息子というものにしてもいつの時代もどこの家庭もこんな風にギクシャクした感じになってしまうのではと思う。
結局父が息子にしてきたこと、息子が父にしてきたことなど何が正解で何が間違いかなんて多分一生わからないままだと思う。ただ確執を持ち続け、互いに誤解をしたままというのはやはり気持ち的によくない。どこかのタイミングででちゃんと真剣にぶつけ合うことが男同士という意味でも必要なこととは思う。


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少年のマイケルを救ったのは、母親よりもいとこに近いジェーン叔母さん(エミリー・ワトソン)の存在が大きい。
厳格な父親に反抗する気持ちを養ってくれたのは彼女しか居なかったからだ。
ただ現実的にはこんな話のわかる年上のセクシーねえちゃんなんか居ない。だから日本でも核家族化したうえにストレスを抱えたまま大人になってゆくから家庭内暴力とか幼時虐待とか頻繁に起きたりするんだと思う。

やっぱり向こう三件両隣じゃないけど、隣近所や地域のいろんなことにもっと関心を持つか、あるいはそういう人間同士の関わりが染み付いた田舎に住まないとダメだなって思う。


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ちなみに原題の「Fireflies in the Garden」のファイヤーフライというのは『蛍』のことである。
蛍が庭に舞うような水や空気の澄んだ綺麗な場所は日本にも少なくなってきたなあ。

★ボーン・スプレマシー / ボーン・シリーズVol.2

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MovieWalkerより抜粋
2005年2月11日(金)公開

【作品情報】
この映画シリーズは、ロバート・ラドラムによる長編小説『暗殺者』(The Bourne Identity、1980年)、『殺戮のオデッセイ』(The Bourne Supremacy、1986年)、『最後の暗殺者』(The Bourne Ultimatum、1990年)のボーン3部作を原作としている。マット・デイモン主演の大ヒット・スパイ・サスペンスの続編。恋人を殺され、CIAの陰謀に巻き込まれた元工作員が、追われる者から追う者へと転じ、し烈な闘いを展開する。

【ストーリー】
記憶を喪失したCIAのトップエージェント、ジェイソン・ボーン(マット・デイモン)は過去を捨て、恋人マリー(フランカ・ポテンテ)とともに新たな人生を踏み出した。だが、2年たっても記憶が完全には戻らないボーンを、過去が闘いの場に引き戻す。ベルリンで起きたCIAを震撼させる事件。同時期にCIA内部で不正を働いた者のリストの売り込みがあり、情報屋との取引現場を何者かが襲撃。エージェントと情報屋は殺され、犯人の唯一の手掛かりはひとつの指紋。それはジェイソン・ボーンのものだった。そのころ、インドのゴアでひっそりと暮らしていたボーンは殺し屋キリル(カール・アーバン)に襲われ、マリーが犠牲になってしまう。からくも窮地を脱したボーンは、CIAの仕業と考え、復讐に立ち上がるのだった。

ボーン・スプレマシー07

【作品データ】
原題 The Bourne Supremacy
製作年 2004年
製作国 アメリカ
配給 UIP
上映時間 108分

【スタッフ】
監督 ポール・グリーングラス
脚本 トニー・ギルロイ
原作 ロバート・ラドラム

【キャスト】
ジェイソン・ボーン:  マット・デイモン
マリー:  フランカ・ポテンテ
ワード・アボット:  ブライアン・コックス
ニッキー:  ジュリア・スタイルス
キリル:  カール・アーバン
ダニー・ゾーン:  ガブリエル・マン
パメラ・ランディ:  ジョアン・アレン



ボーン・スプレマシー03


【マイレビュー】
作品情報にもあるとおり、「ボーンシリーズ」3部作の2作目の作品である。
全作ともすべてすばらしい起承転結があり、国家的陰謀というスケールの大きさも感じる。
興行収入的には3作目の『ボーン・アルティメイタム』のほうが遥かに記録的なのだが、僕はこの2作目の「ボーン・スプレマシー」が特に好きだ。


ボーン・スプレマシー01


このボーン・シリーズの特徴としては作品ごとにボーン(マット・デイモン)と台頭する掃除屋(=殺し屋)の存在がある。
ボーンも掃除屋もそれぞれCIAお抱えの生え抜きの殺し屋として同じ最高のスキルを身につけている顔も知らない相手なのだ。いわばボーンは同僚に命を狙われるのである。

このスプレマシーが好きな理由のひとつには掃除屋=殺し屋キリル役の「カール・アーバン」の存在感と頭のよさ、それに手強さがシリーズ中でいちばん強烈だったからだ。

シリーズ中の殺し屋役は誰もが無機質で感情の無い雇われヒットマンという感じだったが、唯一このスプレマシーの「カール・アーバン」だけが憎しみをもって狙って追いつめているようなそんな執念深さと恐さを感じた。


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マット・デイモンは特に好きな役者だ。
彼の出演しているたくさんの映画を一杯観てきた。彼のファンになったのは『グッド・ウィル・ハンティング』のときからだと言っていい。別にとりたてて色男ってわけじゃない。むしろドイツの名ゴールキーパーの「カーン」に似ていてゴリラみたいで無骨な感じに見えることも多いが、どんな役でもこなせる器用な役者さんだ。なんと名門ハーバード大学に入学したが役者になるために中退していて、それを後になってそうとう悔やんでいるとのことだ。頭のよさはどの映画を観ていてもわかる。


ボーン・スプレマシー13

特にこの映画ではいろんな国のロケをしている。世界中と言っていい。
セリフとはいえ、各国語をとても流暢に話しているし、しゃべりの上手さと聴き取りやすさがピカイチだ。


シリーズは3部作だが、スピンオフ作品として4作目に「ボーン・レガシー」がある。
3部作でいまいちわかりづらかった「トレッド・ストーン作戦」や「ブラック・ブライヤー作戦」の内容がきっちりと明かされ、マスコミや捜査の手が伸びてきたCIAからの委託先である「極秘任務諜報員養成研究機関」に属する別の諜報員を主人公としている。


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シリーズの中でマット・デイモンは前3作に出ているが、4作目の『ボーン・レガシー』は時間軸としては前3作のボーンシリーズと同時進行するスピンオフ映画となっていて、陰謀に気付き、正義に目覚めた別の諜報員アーロン・クロス(ジェレミー・レナー)が主役となっている。共演でレイチェル・ワイズも出ている。

前1~3作でカットしていたCIA策謀のやり取り部分とかボーン誕生までのエピソード部分も交えて、別角度からCIAの真の目的やそれほどまでに消したかった真実が明かされている作品なので是非観て納得していただきたい作品になっている。逆に「レガシー」だけを観た場合はちょっとわからないかもしれないので気をつけて。


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★★鑑定士と顔のない依頼人 / The Best Offer / La migliore offerta

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2013年12月13日(金)公開

【作品情報】
若き女性からの鑑定依頼を受けた美術競売人が不可解な事件に巻き込まれていく姿を描く、『ニュー・シネマ・パラダイス』のイタリアの巨匠ジュゼッペ・トルナトーレ監督によるミステリー。『英国王のスピーチ』のジェフリー・ラッシュが主人公を演じるほか、ドナルド・サザーランド、ジム・スタージェスら多彩な顔ぶれによる一作だ。

【ストーリー】
ヴァージル・オールドマン(ジェフリー・ラッシュ)は、世界中で活躍する一流オークショニア。人間嫌いで結婚もせず友人もいない彼の唯一の楽しみは、自宅の隠し部屋の壁一面に飾った女性の肖像画鑑賞だった。自分が仕切るオークションでパートナーのビリー(ドナルド・サザーランド)と組んで自分のコレクションにしていたのだ。ある日そんな彼の元に、クレア・イベットソン(シルヴィア・ホークス)と名乗る女性から電話が入る。1年前に亡くなった両親が遺した家具や絵画を鑑定してほしいという依頼だった。“広場恐怖症”と呼ばれる病気により、“15歳から外へ出ていない”と告白したクレアに同情したヴァージルは壁越しのやり取りに同意する。自由な出入りを許され彼女が屋敷の隠し部屋で暮らしていることに気付くとある日、陰に隠れて彼女を覗き見してしまう。その一方でヴァージルは鑑定のたびに地下室の床に落ちている歯車のような機械部品を密かに持ち帰り、すご腕の修理屋ロバート(ジム・スタージェス)に調査と組み立てを依頼していた。

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【作品データ】
原題 La migliore offerta
製作年 2013年
製作国 イタリア
配給 ギャガ
上映時間 131分

【スタッフ】
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
プロデューサー アルトロ・パグリア 、 イザベラ・コカッツァ
撮影監督 ファビオ・ザマリオン
美術 マウリツィオ・サバティーニ
音楽 エンニオ・モリコーネ
編集 マッシモ・クアッリア
衣装 マウリツィオ・ミレノッティ

【キャスト】
ヴァージル・オールドマン:  ジェフリー・ラッシュ
ロバート:  ジム・スタージェス
クレア・イベットソン:  シルヴィア・ホークス
ビリー:  ドナルド・サザーランド
フレッド:  フィリップ・ジャクソン



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【マイレビュー】
いやーミステリー映画でこんなに良い映画は久々に観た。
映画を全部観た後に作品データをチェックするのが僕の習慣になっているので気付かなかったが、あの「★★ニュー・シネマ・パラダイス」「★★★海の上のピアニスト」の監督であるジュゼッペ・トルナトーレ作品だった。
脚本がまたすばらしい。たぶん原作や脚本に惚れて監督が自ら腰を上げるのだろう。ジュゼッペ・トルナトーレ監督は原作や脚本を自分の思い描いたように映像にしてゆく天才だと思う。

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この映画では数多くの美術品が使われている。映画なのだから本物は使っていないと思うが実際あったらその価値は相当なものだ。
名画コレクターっていう人種にしかその気持ちはわからないものだと思うが、得てしてこういう自宅美術館みたいな部屋を彼らは持っているんだろうな。どういうルートで手に入れたものかは公には出来ない人が殆どだと思う。

オールドマンは『所有物』以外には素手で触れられないという完璧&潔癖主義のオークショニアだ。
手袋専用クローゼットまである。ちょっとしたカモフラージュになっていて、この映画ではそこが逆に何だかとても物悲しいのだ。
その奥にある部屋は彼の『心の扉』でもある。そこで絵の女性達に囲まれることが女を知らない彼にとって唯一の『解放』の瞬間なのだ。まあおおむね「変態じじい」と言える(笑)

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あまりインパクトが無い顔つきなので僕も見逃しているだけかもしれないが、主役ヴァージル・オールドマン役のジェフリー・ラッシュについてはそれほど知らなかった。
調べてみると1996年「シャイン」という映画でアカデミー主演男優賞受賞も獲っている。「英国王のスピーチ」にも出てるし、「パイレーツ・オブ・カリビアン」ではヘクター・バルボッサという海賊役でも出ている実力派俳優だった。

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とにかくヨーロッパの名画や彫刻そんな優雅な趣味をお持ちの方にはたまらないミステリーだろう。そんな高尚な趣味の無い僕にとってもとても素晴らしい映画だった。フリとなるシーンをわざと盛り込み、展開をある程度予測できる匂わせ方をするところとか視聴者にとても親切に作られたミステリーだった。B級映画とかサスペンスにありがちないや~な間とか脅かし系はまったく挟んでいない。

キャストは少ないが、脇役がとてもいい。若手のジム・スタージェスとか、ヤな感じ満載のドナルド・サザーランドとか、個性溢れている。準主役のクレア役シルヴィア・ホークスはこの映画では表情があまりない役だがそこが逆にとてもミステリアスでいい。

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配給会社にちょっとした苦言

「タイトルも作品の一部である」

この映画は僕はとても好きな映画だし、ものすごく秀逸で良い映画だと思う。
ただひとつ、難点がある。それが邦題である「鑑定士と顔のない依頼人」である。邦題をつける際の ”いちばんやっちゃいけない悪い例” である。

誰がつけたか知らないけれど、作品への冒涜行為にも匹敵する愚行であると言いたくなる。だいいち宮崎駿かハリーポッターかお前は! センスのかけらも感じないダサダサな邦題だ。僕はたまたま日本語吹き替え版で観たのだがタイトルバックはちゃんと「The Best Offer」となっていた。

「OFFER(オファー)」の意味は色々ある。
テレビタレントへ出演依頼によく「オファー」という言葉を使っている。日本では「要請」とか「依頼」とか、ある意味ビジネスライクでお互いが対等の立場でのやり取りで使われる言葉だが、英語圏での本当のニュアンスは若干違う。
相手に対してもう少し丁寧で、尊敬あるいは謙譲的な意味合いがある。
申込み・進呈・提供、献納、奉納、供え物、貢物とか、はたまた「据え膳食わぬは男の恥」の『据え膳』とかもこの『OFFER』の意味である。だから「The Best Offer」という映画のタイトルはとても意味が深い。

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英語というのは日本語に比べて単語数が少ないから単語に数多くの意味が含まれる。だからセリフでも文字でも会話としても奥行きで引き立つのであって、日本語のように具体的な意味合いに限定してしまうと映画全体の深みすら損ねてしまう。この邦題だと「美術品の」鑑定依頼に完全に限定してしまっている。
もっと彼にとっての”最高の据え膳”があったでしょうが。
もう本当に残念な気持ちになる。

「The Best Offer」・・・・この英語の題名にどれほどの深い意味が隠されているのか、それが映画でちゃんとわかるようになっているのに、である。「The Best Offer」(本当はイタリア映画なので「La migliore offerta」)、せめてそれに忠実につけるべきである。

”題名も作品の一部” であり、そこにもしっかり文化的価値があるものだってことを、日本の配給会社はちゃんと認識したほうがいい。タイトルをわざわざ変えて消費者へインパクトを与えようとするPRの一部にして、映画の興行収入とかDVD売上向上を目論んでいるのが本当にミエミエである。そんな ”余計な商魂” は一切見せるなってこと。
映画は芸術作品である。上映権利を得たからって映画のタイトルにまで手を加えちゃいけないものなんだ。

わかったか!ジャンジャン。

2015.01.17 力蔵



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★ダイバージェント

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2014年7月11日(金)公開

【作品情報】
新人女性作家、ヴェロニカ・ロスによる全米ベストセラー小説を映画化したSFアクション。近未来の地球を舞台に、異端者(ダイバージェント)として生まれたヒロインが自らの運命を切り開いていく姿を描き出す。ヒロインを演じるのは、『ファミリー・ツリー』で数々の映画賞に輝いた新鋭シャイリーン・ウッドリー。


【ストーリー】
最終戦争から100年後の未来。人類は過去の経験から、国家、人種、宗教という概念を捨て、新たな社会体制を作り上げた。それは一生に一度の“選択の儀式”という性格診断テストにより人類を性格別に、勇気ある者の集団【勇敢】、正直者の集団【高潔】、優しい者の集団【平和】、他人を思いやる者の集団【無欲】、論理的で知識が豊富な者の集団【博学】という5つの共同体に分類する社会であった。【無欲】の家庭で育ったベアトリス(シャイリーン・ウッドリー)は、16歳になり診断の時を迎えるが、結果は5つのどれにも当てはまらない【異端者】と判定される。【異端者】は未知の特殊能力を持ち、人類を滅ぼす危険分子とされていた。ベアトリスは【異端者】であることを隠すため、結果を偽って【勇敢】へと加入する。名前もトリスと改名し、軍事・警察の機能を担う【勇敢】での激しい戦闘訓練に耐えながら彼女は肉体面、精神面での強さを徐々に身に付けていくのだった。だがその頃、政権担当の【無欲】に対する抵抗運動が勃発。同時に何者かによる【異端者】暗殺計画が動き始め、トリスの身に危険が迫りつつあった……。

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【作品データ】
原題 DIVERGENT
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 KADOKAWA
上映時間 139分

【スタッフ】
監督 ニール・バーガー
脚本 エバン・ドハーティ 、 ベロニカ・ロス
原作 ベロニカ・ロス
エグゼクティブプロデューサー ジョン・J・ケリー 、 レイチェル・シェーン
音楽 ジャンキー・エックスエル


【キャスト】
トリス:  シャイリーン・ウッドリー
フォー:  テオ・ジェームズ
ナタリー:  アシュレイ・ジャッド
エリック:  ジェイ・コートニー
マーカス:  レイ・スティーヴンソン
クリスティーナ:  ゾーイ・クラヴィッツ
ピーター:  マイルズ・テイラー
アンドリュー:  トニー・ゴールドウィン
カレブ:  アンセル・エルゴート
トーリ:  マギー・Q
ジェニーン:  ケイト・ウィンスレット



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【マイレビュー】
2014年作品映画だった。すこし長めなのだが一気に観られた。

原題「DIVERGENT」とは”異端者”のことを指す。日本の歴史で言えば織田信長がそうであったように「旧態依然体制への反発者」ということである。

総合的なレビュワーの評価は決して高くは無い映画なのだが、僕は個人的にとても好きな映画だった。

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核戦争後の地球の悲惨な未来を描いた作品は世の中に数多くあるのだが、この映画のようなシチュエーションとか筋書きのドラマは今まで無かったのでとても新鮮だった。発想としてとても面白いし、バリエーションに富んだ映像が次から次へと出現するので、観ていて全然飽きなかったし、あまり深く考えないで観れることもあり映画として大事な『娯楽』要素が詰まっている映画だった。

「性格テスト」っていう類のものは誰もが経験したことがあるだろう。運勢判断とか血液型診断とか動物占いとか。
そういうものに興味がある人とかはきっと面白いと思う。
原作者は女性ということもありラブストーリーも絡んだ女性目線での映画でもある。

したがって”壁ドン、胸キュン、占い大好き乙女”には特にオススメしたい(笑)。

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最終戦争で生き残った人間の社会秩序を保つため、政府は民衆を5つの派閥に分け、ユニフォームを着て派閥内で共同生活をする。成人式のような儀式の前に、政府が住民を特殊な装置で深層心理テストをして5つの『派閥』のどれにいちばん近いかを一人一人診断する。(この診断がひとつのワナになっている。)

それを踏まえてどの派閥に入るかは自己決断をする。その日から育った派閥や親から離れて自立するというもの。
診断結果や育った環境以外の『派閥』を選ぶことも自由である。

1.勇気ある者の集団【勇敢】
2.正直者の集団【高潔】
3.優しい者の集団【平和】
4.他人を思いやる者の集団【無欲】
5.論理的で知識が豊富な者の集団【博学】

という5つの共同体である。本当ならもっとありそうな感じもするが、いいだろう。

リアル社会で言えば本人の自由である『政党』とか『宗教』みたいなもので、映画において実社会と最も違う点というのは 『派閥によってユニフォーム』 があるってことだ。要するにみんな ”看板を付けている” ってこと、それから各派閥間における交流が殆ど無いってことである。

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難を言えばせっかく派閥に分けたのなら5つの派閥それぞれの特色や長所・短所とか内部事情、他派閥との微妙な力関係とかをもっともっと前面に出して欲しかった。ぶっちゃけ、「高潔」と「平和」に関しては完全に割愛してしまっていたのでそこがちょっと残念だった。

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主役のトリス役の女優「シャイリーン・ウッドリー」がとても魅力的な女性だった。表情も豊かで可愛いのだ。そういう観方で観てたから飽きなかったのかもしれない。
多分彼女、顎のラインとかから判断すると太りやすい体質じゃないだろうか。外人さんは老けるのが早いし、35歳過ぎあたりで体型とかが変わるとすぐにオバサン化してしまいそうなタイプである。なるべく用心したまえよ。

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ちなみに「タイタニック」のケイト・ウィンスレットはやっとスリムになってスクリーンにお目見えした。たしかに劣化はしたがまだまだきれいである。今回は『博学』のトップ役を演じている。


ひさしぶりの脱線劇場

~~異端者たち!目覚めよ~~~

世の中には『異端者』がいる。
ある意味差別的に 『変わったやつ』 呼ばわりされているような人間である。

世の中のすべての異端者が名を残すわけじゃないが、結果論として 「歴史を変えてきたのは異端者」 なのは事実と言える。成功したその時点で異端者ではなくなり 『フロンティア』 と評され、没後は 『偉人』 に変わる。

世界中の偉人を知れば、どこか人間として欠落している異端人間ばかりだ。
『ノーベル賞』を獲った人々を知るとよくわかる。研究に対する情熱は超人的だが、自分では歯も磨けないというような風に。

織田信長じゃないけれど傍目には『うつけもの』であっても、そういう異端者こそドえらい事をやり遂げられる。

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常識に囚われず、集団的な型にはまるのを嫌う性質をもつ異端者は、とかく一般的にコミュニケーション能力には欠けるし、現代社会においてこういう人物は完全に浮く。体制への批判も躊躇しないし、主張も強い。血液型で例えれば完全に 『B型』 的人間である。

もし企業にいたら上司や同僚から見たら ”とても扱いづらく小生意気な” 人間に見えるだろう。
異端者である彼らの頭の中では組織の中での「集団的協調性」、「規律に沿った行動」とか・・・そんな余計なものはまったく 「意味の無い動作」 でしかない。
家庭でも学校でも社会でも集団的生活のために徹底的にルールや社会常識を教え込まれる。
その結果、彼らが描く理想は「空想」でしかなくなる。

このように現代においては殆どの異端者はある意味、家庭環境や社会構造や組織の力によって ”その能力を封じられている” と言える。

逆説的に考えれば、「異端者は封じておくべき存在」 と考える人たちが居るということに他ならない。
異端者の封殺は優位に立つ権力者や大資産家グループによる「秩序のための国策」であると言える。政府や巨大利権グループにとっていちばん恐ろしいのは民衆を率いる 『救世主』 の出現なのだ。

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旧態依然とした官庁とかお役所には異端者は誰一人として居ない。
居ては困るのだ。

天下り、カラ出張、タクシーチケットとか、ナントカ手当てや豪華旅行・・・民衆の血税を食らう過去の悪しき(彼らにとって良き)慣習を次の代まで無事に渡すために。それが彼らの重要な引継ぎなのである。

官僚とは在職中には如何に「何も変えないで」「安泰に」「うまく天下る」ってことが第一なのだ。それを組織ぐるみで次の世代に引き継ぐことをいつも考えている。政治家がどれだけ変わっても結局何も変えられない人たちなのだ。

偽者のエリートが牛耳る社会である。本物の「エリート」だったら何をすべきだろうか。
「目覚めよ異端者たち。自分を解放せよ。」


そんな映画でした(笑)



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★友よ、さらばと言おう / MEA CULPA

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MovieWalkerより抜粋
2014年8月1日(金)公開

【作品情報】
デビュー作『すべて彼女のために』がハリウッドでリメイクされるなど、注目を浴びているフランスの俊英、フレッド・カヴァイエ監督によるクライム・アクション。殺しの現場を目撃しマフィアに命を狙われた息子を救うべく戦う父と、かつての相棒の刑事との友情を描く。カヴァイエ監督の過去作で主演を務めたヴァンサン・ランドンとジル・ルルーシュがコンビを組む。

【ストーリー】
南フランスの港町トゥーロン。ある日、任務終了を祝って羽目を外した親友同士の刑事、シモン(ヴァンサン・ランドン)とフランク(ジル・ルルーシュ)は、同じ車で帰宅する途中に激突事故を起こしてしまう。幼い子供を含む3人の命が奪われ、運転席で重傷を負ったシモンは、飲酒運転が発覚して警察を懲戒免職。刑務所送りに……。6年後。刑務所を出たものの、罪の意識から逃れられないシモンは、妻のアリス(ナディーン・ラバキー)と離婚。自堕落な生活を送り、9歳の息子テオ(マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ)に対しても父親らしい役割を果たせずにいた。刑事を続けているフランクが何かと気遣うが、シモンは心を閉ざしたまま。そんなある日フランクが連続殺人事件の捜査を担当することになる。一方シモンの息子のテオは母親達と一緒に行った闘牛場の人気のない死角でマフィアが報復殺人を行なう現場を偶然目撃してしまう。

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【作品データ】
原題 MEA CULPA
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 ブロードメディア・スタジオ
上映時間 90分

【スタッフ】
監督 フレッド・カヴァイエ
脚本 フレッド・カヴァイエ 、 ギョーム・ルマン
製作総指揮 ダビ・ジョルダーノ

【キャスト】
シモン ヴァンサン・ランドン
フランク ジル・ルルーシュ
アリス ナディーン・ラバキー
テオ マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ
牧師 ジル・コーエン
ミラン ヴェリボール・トピッチ
ジャン=マルク シリル・ルコント



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【マイレビュー】
フランス映画独特のセリフ少な目、絶妙な表情で感情表現する映像感覚がとてもシビれる映画だった。親子のゆるぎない愛情、夫婦の絆、そして同僚との友情が絡み合うストーリーは秀逸だった。

撮影技法がとにかく多彩で、ボカシをとても上手く使っているように僕は感じた。惹きつけ方がうまいと言うか。
そのために見逃すまいと最後まで一気に食い入るように見入ってしまった。
ある程度の状況がつかめるまでに時間がかかるが、良い映画かどうかは最初の5分でわかると思う。


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ただ難点を言えば、10歳の子供の父親にしては主役のシモン(ヴァンサン・ランドン=上の写真右)はちょっと見た目も老け過ぎだと思う。フランス映画によくみられる傾向でもあるが、国として晩婚化が進んじゃっているのか、もしくはフランス映画界としてベテラン俳優に気を使いすぎているように思うが、皆さんはどう思うだろう。

ただ黙々としているため皺に刻まれた悲哀とか、かえってとても良く伝わってくるのだが、格闘シーンでは息が上がることも多く、体力面からも大丈夫かと観ているだけでも心配になる。とっくにやられちゃっていてもおかしくないほどだ(笑)


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また、特筆すべきは世界的に有名な超高速列車「TGV」を使っていることだ。日本だったら新幹線だし、撮影許可は下りないだろうし、なかなか難しいはずだ。

現在はTGVが走る路線は数多く新設されたそうだが、当初はパリ駅から出発してスイスのリヨン駅までだった。新幹線以上の速度を記録したことで世界的に有名になった超特急である。そんなフランスの権威でもあるTGVの車内での銃撃戦など迫力ある映像は必見。フランス政府ぐるみでTGVまで止めちゃって協力体制をとっているのが凄い。まあ本当に止めたりしてはいないだろうけど。


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原題の「MEA CULPA」とは「罪は私にあります」とか「私が悪いのです」という意味だそうだ。その原題の理由はラストまでご覧いただければわかるだろう。
悲しくもあり、むなしくもあり、無常でもあるこんな映画の雰囲気はやはりフランス映画ならではだ。

★ザ・インタビュー

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【作品情報】
2014年のアメリカ合衆国のコメディ映画。『ジ・インタビュー』と記載される場合もある。
共同監督のエヴァン・ゴールドバーグ、セス・ローゲン、出演のジェームズ・フランコは、前年の作品『ディス・イズ・ジ・エンド俺たちハリウッドスターの最凶最期の日』から続く組み合わせになる。

朝鮮労働党第一書記金正恩を揶揄する内容であることから、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)祖国平和統一委員会公式ウェブサイト「わが民族同士」は、2014年11月28日、「完全なる現実の歪曲とおかしな想像でつくられた謀略映画の上映は、尊厳高いわが共和国に対する極悪な挑発行為であり、正義の人民に対する耐え難い冒瀆」と非難するとともに、製作者側に対し「われわれの断固たる懲罰を受ける必要がある」と警告した。

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また2014年12月25日の全米公開を皮切りに世界各国で公開される予定だったが、配給元であるソニー・ピクチャーズ・エンタテインメント(SPE)に対して大規模なサイバー攻撃を行なったとされる集団が上映予定の劇場を脅迫したことから、SPEは同年12月17日にビデオ・オン・デマンドを含めた一切の公開を中止すると発表した。その後、同社のCEOであるマイケル・リントン(英語版)は、公開に向けて新たな手段を探っていることを明らかにし、同年12月23日には米国内の一部の映画館で当初の予定通りに12月25日から上映されること、また翌24日には劇場公開に先行してネット配信されることになった。(以上ウィキペディアより)

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【ストーリー】
芸能人のスキャンダルや噂の真相を暴く絶大なアメリカの人気TVショーの司会者デヴィッド・スカイラーク(ジェームズ・フランコ)と番組プロデューサーのアーロン・ラポポート(セス・ローゲン)は朝鮮労働党第一書記金正恩( ランドール・パーク)が自分たちのファンであると知り、ジャーナリストとして北朝鮮に入国し金正恩へのインタビューを試みる。しかし直前になってCIAの訪問を受けた二人は局員のレイシー(リジー・キャプラン)から金正恩の暗殺(Take Him Out)を指示される。北朝鮮には熱烈歓迎を受け、特別な待遇を受けるデヴィットは金正恩と友好的関係を築く一方でそれをアーロンは苦々しく感じながらギクシャクとした数日間が過ぎる。ある晩、散歩に出たデヴィッドは送迎の車の中から見たスーパーマーケットがハリボテであることに気づき、二人で今一度当初の暗殺計画を練り直す。そして運命の金正恩独占インタビューTVショーが北朝鮮全土を含め全世界に向けてオンエアされる。

【作品データ】
製作会社 Point Grey Pictures
配給 SPE/コロンビア映画
公開 2014年12月25日(限定)
上映時間 112分
製作国 アメリカ合衆国

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【スタッフ】
監督 エヴァン・ゴールドバーグ セス・ローゲン
脚本 ダン・スターリング(英語版)
原案 エヴァン・ゴールドバーグ セス・ローゲン ダン・スターリング

【キャスト】
デヴィッド・スカイラーク: ジェームズ・フランコ
アーロン・ラポポート: セス・ローゲン
レイシー: リジー・キャプラン
金正恩: ランドール・パーク
スーク: ディアナ・バング

【カメオ出演】
エミネム - 本人
ロブ・ロウ - 本人
ビル・マー - 本人


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【マイレビュー】
幸運なことにこの映画をPC上でノーカットで観ることができた。

このレビューを書いている最中、何度もカクカクと止まってしまうような変な現象があった。北朝鮮によるキーワード検閲サイバー攻撃なのだろうか(笑)。映画の拡散阻止のためのSNSサーバー攻撃とか。

やっぱこの映画、なんだかんだ言っても世界中に宣伝効果抜群だった。ソニー(SPE)による自作自演なんじゃないのという噂で持ちきりだけど。
やっぱ優先的に観たくなる。観ちゃいけないっていうものを観たがるのは当たり前の人間心理である。

マイケル・ムーア監督映画のようなドキュメンタリータッチでもなく、完全なツクリモノのコメディーではあるのだがパロディーではない。完全な『実名』でその人物を表しているからである。まだちょっと体重が足らない感じだが金正恩役のランドール・パークというアジア系アメリカ人俳優も命がけだ。

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普通に考えて作品内で十分すぎるフォローをするか、された側のよほどの人間的おおらかさや余裕が無い限りは、青筋立てて怒られても仕方がない内容になっている。

「ジョーク」というのは真実が混じっているから面白い。監督も脚本も主要スタッフもそのへんの”配合割合”がよくわかっている人たちなんだろうとは思うが、一国の長である金正恩氏に対して、割と鋭角な刃で余計な挑発をしすぎた感じはした。

北朝鮮と言う国はアメリカよりも、むしろ日本のほうが距離的にも近く、「後が無く追い詰められた切迫観」が支配する独特な気質というものを日常茶飯事的によく知っている。そう考えるとアメリカ人より日本人のほうがこの映画に興味が沸くかもしれない。

この映画では金正恩目線で南朝鮮(韓国)を非難している作品でもあるので、戦後、38度線で分断された朝鮮半島事情も察して観て欲しい。

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(なるほど。あれは「バスケ」のせいなんだね。ちょっと噴いた。)


北朝鮮国内にもすでにこの作品の流入が始まっているとニュース記事になっていたが、国民が観たら将軍様に対する眼差しはどう変化するのだろうか。また南朝鮮(大韓民国)の人たちの評価も見てみたい。

だが結果的に火をつけさせてサイバー攻撃もされて炎上して知名度がさらに上がり、逆に儲かる仕組みを確立しちゃった。作為的だとしたらマーケティング能力は抜群である。オバマ大統領までこの映画の宣伝マンになっちゃったことになる。本当にすごい興行収入である。


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しっかし、・・・いや~ネットの世の中ってホントに便利と言うか、瞬時に海賊版が出回るんだな。こんなホヤホヤの話題騒然のいわくつきの新作映画をネットで間髪入れず観れたってのは本当に奇跡だ。もうすでにアップ主自ら削除して跡形も無いのだが、映像は荒かったがストリーミングでノーカットで観れたのは本当にラッキーだった。

しかも僕が観たのは「日本語字幕入り」だった。
こういうコメディー映画っていうのは特に”翻訳が命”である。
目の状態が悪く引退をされるという戸田奈津子さんの後釜でも狙っているのだろうかと思うほどだ。ユーモアのセンスは戸田さんを「10」にして比べたら「2」ぐらいのお粗末な翻訳ではあったが、この素早い対応とサービス精神は「グッジョブ」だった。

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いよいよ映画の中身に入っていこう。この映画は観ていない人が圧倒的だと思うので、極力感想も控えよう。
僕のレビューは普段どおり「ネタバレ無し」である。

中盤以降のストーリー展開は映画のバックボーンであるので、皆様が映画を観る前にネタを知ってしまうことによって潜在意識の中で期待感や失望感を膨張させてしまわないようにという映画好きならではの配慮からである。だから無駄話も多くなるのだが(笑)

長距離弾道ミサイル打ち上げ式典(本当にあるのかわからないが)で、洗脳された児童の薄気味悪い歌から映画がスタートする。一方アメリカではエミネム(本人)が番組内で想定外のものすごいカミングアウト宣言をする。そんな予期しないスキャンダルから、ヅラ疑惑とかが本人出演でバンバンと飛び出てくる。ツカミはOKって感じである。


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ジェームズ・フランコ演ずるデイヴのキャラ立ちがいい。ものすごいテンションを持続している。彼本来のキャラでは無いと思うが、こんなコメディーで観るのは初めてだ。つい先日、彼がすごい悪役だった映画も観たばかりだが、こんなにふざけた役もこなせるとは流石だ。

セス・ローゲン演じるプロデューサーのアーロンも朴訥とした感じでとても懐が深く癒されるキャラである。デイヴのマネージャーも兼ねていて常に二人三脚で番組を盛り上げている。

番組はスカイラーク(アホウドリ)の名がついている。すこしオバカな二人がタッグを組んで芸能人相手なら若干の悪ふざけも鋭い切れ込みもすべてOKのインタビュー番組なのだが、政治ネタだけはいままで手がけたことが無い。彼らの危険な冒険の結末はいかに。

戦車の中で仲良く談笑するシーンでかかる音楽はケイティー・ペリーの「FIREWORK」(花火)が使われている。以下にYouTUBE動画を貼り付けておこう。





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プロフィール

力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
ニコール・キッドマン
ルーニー・マーラ
ナタリー・ポートマン

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