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★ロボコップ

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MovieWalkerより抜粋
2014年3月14日(金)公開

【作品情報】
ポール・バーホーベン監督が手がけ、近未来的なデザインやハードな描写で人気を博したSFアクションが第1作から27年の時を経て復活。一度は殉職するも、最新のロボット技術により“ロボコップ”として新たな生を受けた警官が巨大な陰謀に立ち向かう姿を描く。監督を務めるのはブラジル人のジョゼ・パジーリャ。

【ストーリー】
2028年、巨大企業オムニコープ社がロボット・テクノロジーの分野で支配的な地位を占めていた。アメリカのデトロイトで愛する家族とともに幸せな生活を送っていた勤勉な警官アレックス・マーフィー(ジョエル・キナマン)は、ある日の勤務中に重傷を負う。生死の境を彷徨いながらも、オムニコープ社の最新ロボット技術によって奇跡的に一命を取り留める。だがそれは、普通の人間ではなく、驚異的な能力を持つサイボーグ警官“ロボコップ”に生まれ変わることを意味していた。新たな命を得て数々の凶悪犯罪に立ち向かうアレックスだったが、やがて予想をもしなかった問題に直面することに……。

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【作品データ】
原題 ROBOCOP
製作年 2014年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 121分

【スタッフ】
監督 ジョゼ・パジーリャ
脚本 ジョシュア・ゼトゥマー 、 ニック・シェンク
オリジナル脚本 エドワード・ニューマイヤー 、 マイケル・マイナー
製作総指揮 ビル・カラーロ 、 ロジャー・バーンバウム

【キャスト】
アレックス・マーフィー / ロボコップ:  ジョエル・キナマン
クララ・マーフィー:  アビー・コーニッシュ
デヴィッド・マーフィー:  ジョン・ポール・ラッタン
デネット・ノートン博士:  ゲイリー・オールドマン
レイモンド・セラーズ:  マイケル・キートン
マドックス:  ジャッキー・アール・ヘイリー
ジャック・ルイス:  マイケル・K・ウィリアムズ
リズ・クライン:  ジェニファー・エール
ポープ:  ジェイ・バルシェル
パット・ノヴァク:  サミュエル・L・ジャクソン



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【マイレビュー】
正義のヒーローものとはちょっと一線を画すこういうちょっと悲しいヒーローシリーズは結構好きだ。
旧ロボコップも好きだったが、このロボコップのほうが頭が小さくスーツが先進的で格好がよかった。

題名を「ロボコップ3」としていないところにも使命感とか気概とかそういったものを製作側の意図として感じていたのだが、画面を通じてそれがあまり伝わってこなかった。

2028年の設定らしくテクノロジーや設備など近未来的な感じはしたが、荒んだデトロイトの町並みなどには現在とそれほどの変化を付けていないところは自然でなんだかとてもしっくりした感じがした。

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この映画では夫婦や親子といった普遍的な愛情、それにロボットには無い人間らしい判断力や選択の仕方、それに正義のあり方など旧作のよい点はしっかり引き継いでいる。奥さんのクララ(アビー・コーニッシュ)はとても綺麗だし自然な演技も上手い。

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難を言えばこの映画、すでにロボット警察がデトロイトの治安を高めている(?)せいか、それほどの悪モノが出てこない

いたとしてもせいぜいヤクザか内輪の話はほとんどだった。
お約束のとおり会社内部に乱暴者がいたり、デトロイト警察署には賄賂を受け取り、やくざに武器や麻薬を横流しする警官や上司がいたり、未完成の機械コップでも株価や企業への評価を得て治安の一元化を謀ろうとする企業とその経営陣がいたり、テレビのワイドショーでも極右翼派の司会者だったり・・・その程度である。

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最初のほうで事故で両腕がなくなってしまったため機械の手を装着したギタリストとその家族に対して、この映画でのキーマンとなるノートン博士(ゲイリー・オールドマン)とのやり取りがある。
このシーンはCGを駆使してはいるが、指使いは押さえるフレットや弾く弦を忠実に再現しているとてもいいシーンなので、是非見て欲しい。
それに終始、ロボコップと家族のことを精一杯考えてくれるノートン博士の気持ちが伝わるシーンである。

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ゲイリー・オールドマンはこれまでいろんな危険人物を演じてきた名優だ。
”気違いに刃物”的な狂気を演じたらこの人の右に出るものはいないほどだ。それがどうしても頭にあったので、立場上やむなく下した操作もあったがノートン博士のロボコップと家族に対する変わらぬ思いやりというのは、いままでのアメリカ映画らしからぬ気持ちのいい裏切りだった。
ゲイリー・オールドマン、それにしてもいい役者である。

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★グランド・イリュージョン

グランドイリュージョン28

MovieWalkerより抜粋
2013年10月25日(金)公開

【作品情報】
奇想天外で壮麗なマジックを披露し、ショーをしながら不可能とも思える強盗を同時に行い、観客を魅了する4人組のスーパーイリュジョニスト。彼らと追い詰めるFBIチームとの攻防を描くサスペンス・スリラー。ジェシー・アイゼンバーグ、ウディ・ハレルソンらがイリュージョニストに扮する。監督は『トランスポーター』のルイ・レテリエ。

【ストーリー】
アトラス(ジェシー・アイゼンバーグ)ら4人のスーパー・イリュージョニスト・グループ“フォー・ホースメン”はラスベガスでショーを行いながら、遠く離れたパリの銀行から金を奪い、観客の度肝を抜く。この複雑に計画された不可解な犯罪に、当局が動き出す。FBI捜査官のディラン(マーク・ラファロ)とインターポールのアルマ(メラニー・ロラン)は、フォー・ホースメンがもっと大がかりな犯罪を行う前に阻止しようとするが、まったく尻尾を掴むことができない。捜査陣は、マジックの種を暴くことで有名なサディアス(モーガン・フリーマン)の協力を仰ぐが、フォー・ホースメンは誰よりも上をいっているのは明らかだった。彼らの最後のショーが終わるとき、フォー・ホースメンのトリックの秘密と彼らの目的が暴かれる……。

グランドイリュージョン12

【作品データ】
原題 NOW YOU SEE ME
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 KADOKAWA
上映時間 116分

【スタッフ】
監督 ルイ・レテリエ
脚本 エド・ソロモン 、 ボアズ・イェーキン 、 エドワード・リコート
原案 ボアズ・イェーキン 、 エドワード・リコート

【キャスト】
J・ダニエル・アトラス:  ジェシー・アイゼンバーグ
メリット・マッキニー:  ウディ・ハレルソン
ヘンリー・リーブス:  アイラ・フィッシャー
ジャック・ワイルダー: デイヴ・フランコ
ディラン・ローズ:  マーク・ラファロ
アルマ・ドレイ:  メラニー・ロラン
エバンス:  コモン
サディアス・ブラッドリー:  モーガン・フリーマン
アーサー・トレスラー:  マイケル・ケイン


グランドイリュージョン32

【マイレビュー】
もう最初から最後まで騙されまくっちゃってください!って感じだ。

華やかで痛快で意外過ぎて、それでいてどこかもの悲しくて・・・そんな印象の映画だった。
世界屈指のマジシャンが謎の「Eye」の指示の基にコラボレーションされた「フォー・ホースメン」の世紀のマジックショーが開幕する。
「Eye]とはいったい?

グランドイリュージョン23


もう出演者がとても豪華メンバーであること。本当に嬉しい限りだ。
若手だけじゃなく「モーガン・フリーマン」や「マイケル・ケイン」というベテランのアカデミー俳優が出ているっていうだけで、ものすごく重厚な映画になっている。このあたりの重要な役柄もとても見ものだ。

グランドイリュージョン35


また、かの映画『ソーシャルネットワーク』主演の「ジェシー・アイゼンバーグ」というものすごく個性が際立つ存在感のある若手俳優と、どんな役もこなせる「ウディ・ハレルソン」を中心とした「フォー・ホースメン」のメンバーのパフォーマンスも一流だ。
あの「デヴィット・カッパーフィールド」がこの映画の中心となるイリュージョンマジックの指南役だったそうだ。なるほど、素晴らしいわけだね。

刑事役のカップル「マーク・ラファロ」と「メラニー・ロラン」もとてもいい。この二人の関係もとても重要である。

グランドイリュージョン30

特にメラニー・ロラン、この女優はものすごくチャーミングでかわいい。
タランティーノ監督作品の『イングロリアス・バスターズ』以来のファンだ。

『チェンジリング』で事件解決のキーマンとなったレスター・ヤバラ刑事演じた「マイケル・ケリー」も刑事役で出ている。この役者さんも僕はとても好きな俳優である。

グランドイリュージョン05

お金の掛けようも、スケールもでかいこと。そしてトリックのどれもひとつひとつすばらしい。
電飾もきらびやかで映画でもショーを見ているような錯覚になる。アメリカ全土、ラスベガスからニューオーリンズ、そしてニューヨーク、そしてフランス・パリまでロケ地は広がる。地球全体を巻き込んでいるかのようなショー、カーチェイス、ヘリコプターの空撮とか、スピード感や、躍動感、オリンピックの開会式レベルのスケールだった。

こんな風にお札が空から降ってくるような”ねずみ小僧ばり”の夢のあるマジックショーが本当にあったなら僕も絶対に行きたいと思った。

グランドイリュージョン04

★★パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー10

MovieWalkerより抜粋
1999年3月20日(土)公開

【作品情報】
ジョークを連発するユニークな療法で人々の心と体を癒す実在の精神科医パッチ・アダムスの若き日を描いたヒューマン・ドラマ。出演は「グット・ウィル・ハンティング 旅立ち」のロビン・ウィリアムス、「コン・エアー」のモニカ・ポッターほか。

【ストーリー】
1969年。自殺未遂の果て、精神病院に入院したハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムス)は、ジョークで患者たちを笑わせ、心を癒す能力に目覚める。そんな彼に富豪で天才病の患者アーサー(ハロルド・グールド)は「パッチ(絆創膏)」というニックネームをつける。2年後パッチは精神科医を目指し、バージニア大学医学部に入学。同級生トルーマン(ダニエル・ロンドン)と白衣を着て病院に潜入し、患者たちの心を掴んでいく。パッチの笑いの療法が次第に功を奏で、ベテラン看護婦たちも温かな目で見守ってくれるようになる。しかし、学部長のウォルコット(ボブ・ガントン)はパッチを快く思わず、放校処分に。常に成績がトップクラスのパッチに学長が理解を示し、学校に残ることが許される。一方、つれないそぶりの同級生カリン(モニカ・ポッター)へ思いを募らせるパッチは彼女の誕生日を温かく祝い、いつしか心を通わせるようになる。パッチは病院や医療制度の理不尽さから無料の病院を作りたいと考え、カリンに協力して欲しいと頼む。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー22


【作品データ】
原題 Patch Adams
製作年 1998年
製作国 アメリカ
配給 UIP
上映時間 116分

【スタッフ】
監督 トム・シャドヤック
脚本 スティーヴ・オーデカーク
原作 ハンター・ドゥハーティ・アダムス 、 モーリーン・マイランダー

【キャスト】
Patch Adams ロビン・ウィリアムズ
Truman ダニエル・ロンドン
Carin モニカ・ポッター
Mitch フィリップ・シーモア・ホフマン
Dean Walcott ボブ・ガントン
Dr. Eaton ジョセフ・ソマー
Joletta イルマピー・ハル・ビジョー
Judy リー・マッケイン
Dean Anderson ハーヴ・プレスネル



パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー16



【マイレビュー】

残念なことにこの8月、ロビン・ウィリアムズが自殺し63歳の若さでこの世を去った。初期のパーキンソン病と長期のうつ病だったらしい。
謹んでご冥福をお祈りします。

この映画は彼の追悼で放送されたもので、ずっと前にも観たことはあったが改めて今回観てみた。
愉快で人間味溢れる彼のいちばん良い面がいっぱい詰まった作品だと改めて感じた。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー20


こういう医者は出世しないだろう。
いいや、もともと出世するつもりなど無いし、患者と医者にさえ上下関係は無いと思っている。
患者と向き合い彼らを笑顔にすることだけを喜びとしている。だからお金や名声や地位そんな余計なことは眼中に無い医者である。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー19


「死は悪いことではない」
「死と向き合った患者の『人生の質を高める』のが医者の努めだ」
「だから患者と向き合うんだ。」

この映画は実話であり、実在した人物の話である。ロビン・ウィリアムズにしか演じられないほどピッタリとハマッている。
こういう医者たる医者が孤軍奮闘するしかない現実は、本当にむなしいと思う。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー01

「見えないものを見よ 向こう側を見るんだ」
「やる価値があるものは すべて難しいんだ」
「医者だと認めるのは世間じゃない 患者だ」

とても悲しいシーンもあるが、全編を通してユーモアたっぷりの心温まる患者とのふれあい、そしていろんな名言がいっぱい詰まった素晴らしい作品だった。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー09

★リクルート

リクルート06

MovieWalkerより抜粋
2004年1月17日(土)公開

【作品情報】
CIAの非情なルールに揺さぶられる青年の運命を描いたサスペンス。緊迫した展開に加え、若手注目株コリン・ファレルと名優アル・パチーノの火花散る演技合戦も見ものだ。

【ストーリー】
ジェイムズ・クレイトン(コリン・ファレル)は、全米屈指のエリート校・マサチューセッツ工科大学の中でも最も優秀な学生の1人。卒業後はコンピューター業界での成功を約束されている。全てが順調な彼の人生だが、ひとつだけ忘れることのできない過去があった。それは、1990年にペルーの墜落事故で消息を絶った父親のこと。父はシェル石油の社員として世界中を飛び回っていたが、その事故には余りにも不審な点が多く、ジェイムズは今なおネット上で情報提供を求めていた。卒業を控えたある日、ジェイムズは謎めいた男と知り合う。その男、ウォルター・バーク(アル・パチーノ)はCIAのベテラン教官であり、採用担当者。彼はジェイムズに関するあらゆる情報を入手していて、彼をCIAに勧誘しにきたのだと言う。ジェイムズの父が実はCIAであったことをバークは暗にほのめかし、ジェイムズは彼の誘いを無視できなくなる。そして、有名企業の誘いも振り切りCIAの採用試験と面接を突破したジェイムズ。人並み外れた頭脳と俊敏な運動能力、そして冷静な判断力と、いざという時の大胆さ。ジェイムズには、バークが望む全てが備わっていた。しかし、“ファーム”と呼ばれるCIAの特別訓練基地でのトレーニングは想像を絶するものだった。訓練生たちはここで1日24時間、人を欺くための全てを叩き込まれる。極度の人間不信によって人格まで破壊されそうな日々の中、ジェイムズは美しく優秀な訓練生レイラ(ブリジット・モイナハン)に惹かれていく。

リクルート09

【作品データ】
原題 The Recruit
製作年 2003年
製作国 アメリカ
配給 ブエナ ビスタ
上映時間 115分

【スタッフ】
監督 ロジャー・ドナルドソン
脚本 ロジャー・タウン 、 カート・ウィマー 、 ミッチ・グレイザー
製作総指揮 ジョナサン・グリックマン 、 リック・キドニー

【キャスト】
Walter Burke アル・パチーノ
James Clayton コリン・ファレル
Layla Moore ブリジット・モイナハン
Zack ガブリエル・マクト
Ronnie Gibson マイク・レルバ
Dennis Slayne カール・プルーナー



リクルート12

【マイレビュー】
コリン・ファレルつながりで続けてこの映画も見てみた。彼はアイルランド生まれで現在38歳である。この作品は27~8歳ごろの作品になる。10年ほど若いころの作品だが、僕が思うに「ブラッド・ピットを無謀で粗野にした雰囲気」を持っている。
一つ前の「デッドマン・ダウン」という最近の作品も含めてとてもいい役者だと思う。プライベートではいろいろあったみたいだが彼のこれからの役者人生は安泰だろう。

リクルート03


CIAの内部を暴露するような題材でこの作品も興味深く観れて実際面白かった。
もっともっといろんな機械やアイデアいっぱいのスパイグッズを紹介して欲しかったし、もっといろんな手法で騙してほしかった。でもまあこれ以上騙されると世の中のすべて穿ったものの見方になっちゃうこともあるので、このぐらいでちょうどよかったのかも。
難を言えばもっと最初のほうのフリにあるとおり、彼の人生の疑問に応えてやって欲しかったと思う。

リクルート02

アル・パチーノの役どころがとても良かった。「陰謀の代償 N.Y.コンフィデンシャル」でも同様の役柄を演じていたが、年を取っていい感じに枯れてきた彼にちょうどあっている。


リクルート13



★デッドマン・ダウン

dead man down20
MovieWalkerより抜粋

2013年10月26日(土)公開

【作品情報】
コリン・ファレルが妻子を殺され復讐に燃える孤独なヒットマンに扮したサスペンス・アクション。ヒットマンと顔に傷を負った女性が出会い、“復讐”という共通の目的で絆を育んでいく。『ミレニアム ドラゴン・タトゥーの女』のデンマーク人、ニールス・アルデン・オプレヴが監督を務め、同作主演のノオミ・ラパスがヒロイン役に。

【ストーリー】
ヴィクター(コリン・ファレル)は、裏社会で不動産業を牛耳るアルフォンス(テレンス・ハワード)の信頼厚い寡黙なヒットマン。脅迫文や謎のメモ、仲間の惨殺死体など、何者かの脅しに悩まされるアルフォンスと、そんなボスの悩みを解決してのし上がろうと躍起になる手下のダーシー(ドミニク・クーパー)たちの騒ぎを冷静に見つめていた。一方、ヴィクターは向かいのマンションに住む若い女性ベアトリス(ノオミ・ラパス)が気になっている。ベアトリスは母ヴァレンタイン(イザベル・ユペール)と2人暮らし。交通事故の生々しい傷跡が顔に刻まれた彼女は、近所の子どもたちから“モンスター”と罵られていた。ヴィクターはそんな彼女から手紙を貰い同情し、食事の誘いに乗るが、ベアトリスには目的があった。“あなたが人を殺した現場を見た。通報しない代わりに、私をこんな顔にした男を殺して”。弱みを握られたヴィクターに選択の余地はなかった。

dead man down21

【作品データ】
原題 Dead Man Down
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 プレシディオ(協力 ワーナー・ホーム・ビデオ&デジタル・ディストリビューション)
上映時間 118分

【スタッフ】
監督 ニールス・アルデン・オプレヴ
脚本 J・H・ワイマン
製作 J・H・ワイマン 、 ニール・モリッツ

【キャスト】
ヴィクター:  コリン・ファレル
ベアトリス:  ノオミ・ラパス
アルフォンス:  テレンス・ハワード
ダーシー:  ドミニク・クーパー
ヴァレンタイン:  イザベル・ユペール
ロン・ゴードン:  アーマンド・アサンテ
グレゴール:  F・マーレイ・エイブラハム



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【マイレビュー】
個人的に好きな「ミレニアム」シリーズを手がけたニールス・アルデン・オプレヴのデビュー作ということで観てみた。

「ミレニアム ドラゴンタトゥーの女」のリスベット役、「パッション」のイザベル役のノオミ・ラパスも主演女優で出ているが、この人、表情の乏しさとは裏腹の抜群の表現力と憂いと翳りはなかなか他の女優さんでは出せない雰囲気だと思う。不気味ささえ感じるほどの存在感である。

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最近観た「フォーン・ブース」にも主演していたコリン・ファレル主演作である。公開時期は前後しているかもしれないが、あの作品もとても良かったし、この復讐に燃える心優しき男もピッタリだった。
色気すら感じるほどのこの人の個性も相当なものだ。鳴り物入りでデビューした役者さんというわけでもないが、この人には独特の主演男優となるべきオーラというものがある。また年を重ねるごとに味が出る役者だと思う。


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この映画最初のほうの映像が途切れていて(実際はどうなんだろう)なんだか途中からスタートしていたような感じだったので、しばらく事情が飲み込めなかった。
アメリカにも一時期「地上げ屋」は数多く存在したのだろう。マンションビル全体にヤクザを送り込んで銃をぶっ放し、住民を怖がらせて退去させる。バブル期には不動産の価値がうなぎのぼりだった。そういう背景がこの映画のベースになっている。

満身創痍で愛する人を守るというアメリカ映画特有のありふれた美学押し付けの作品ではあるが、やはり「ミレニアム」シリーズ監督への足がかりとなったこの作品は骨のある作品だった。


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ヴィクターとベアトリス。二人の関係性が次第に変化してゆくその過程もよかった。
お互いに近づいた当初の目的は違っていた。
ベアトリスに惚れていながら依頼人と請負人という関係だけにしておくことで彼女を守ろうとするヴィクター。
ヴィクターのことがたまらなく欲しい。近所のガキどもに「モンスター」と呼ばれ交通事故の後遺症で顔に傷を持ち負い目を感じるベアトリス。だから不確かでまだ信じ切れていない「希望」にしがみつきたくなる気持ちもよくわかる。そういう心の葛藤もよく表れていたと思う。

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●武士の献立

武士の献立02

MovieWalkerより抜粋
2013年12月14日(土)公開

【作品情報】
江戸時代の加賀藩を舞台に、その台所を切り盛りする包丁侍の家に嫁入りした娘と、料理が苦手な跡継ぎが、ぶつかりながら、絆を深めていく姿を描く家族ドラマ。上戸彩と高良健吾が夫婦役に扮するほか、西田敏行、余貴美子らベテランが脇を固める。当時のレシピ集である「料理無言抄」を基に再現された江戸時代の料理も必見だ。

【ストーリー】
江戸時代。優れた味覚と料理の腕を持つが、気の強さが仇となり1年で離縁された春(上戸彩)は、加賀藩六代藩主・前田吉徳の側室・お貞の方(夏川結衣)に女中として仕えていた。ある日、料理方である舟木伝内(西田敏行)にその才能を買われ、息子の嫁にと懇願されて春は2度目の結婚を決意する。舟木家は代々、藩に仕える由緒ある包丁侍の家であったが、跡取りの安信(高良健吾)は料理が大の苦手で、しかも春より4つも年下。春は、姑の満(余貴美子)の力も借りながら、必死に夫の料理指南を始める。様々な料理の基礎を安信に教える春。渋々指導を受けながらも、めきめきと腕をあげていく安信。やがて昇進の機会が訪れ、試験では春が夕餉に出した治部煮をもとに治部の肉の代わりにすだれ麩を足す着想が、節制を重んじる藩から高い評価を得る。昇進した夫の素っ気ない感謝の言葉に小躍りしたいほど嬉しい春。安信の昇進を家族はもちろん、親友の定之進(柄本佑)やその妻・佐代(成海璃子)も喜ぶのだった。嫁入りから1年。江戸詰から家に戻った伝内は隠居を決意。安信に役目を譲り、今後は加賀料理を書に纏めたいと語る。

武士の献立01

【作品データ】
製作年 2013年
製作国 日本
配給 松竹
上映時間 121分

【スタッフ】
監督 朝原雄三
脚本 柏田道夫 、 山室有紀子 、 朝原雄三
製作総指揮 迫本淳一 、 飛田秀一

【キャスト】
舟木春:  上戸彩
舟木安信:  高良健吾
舟木伝内:  西田敏行
舟木満:  余貴美子
お貞の方(真如院):  夏川結衣
大槻伝蔵:  緒形直人
今井佐代:  成海璃子
今井定之進:  柄本佑
前田土佐守直躬:  鹿賀丈史



武士の献立04

【マイレビュー】
上戸彩さんが可愛くて健気で頭が良くて気立てのいい姉さん女房役だった。
とにかく料理の腕、味覚、手際すべてそろっている。そんな料理の腕前を見込まれて『包丁侍』の跡取りに嫁いでゆく。
この女房の話まで本当かどうかはわからないが、加賀藩で実際に存在した役人の話である。

『武士の家計簿』もたしか加賀藩だったと記憶している。あちらの人はこのあたりの伝記を実に几帳面に残している。北陸地方が学力が高いのはこの時代の名残が現在にも生かされているからなのだろう。

武士の献立03


関ヶ原の戦い前後に新しく徳川氏の支配体系に組み込まれた大名のことを「外様大名」と呼び、主に首都圏近辺ではなく地方を治めさせられていたが、いつ将軍家に刃向かうやも知れず、将軍家にとっては常に目の上のたんこぶである。
陰謀などもあり外様大名は主家が滅亡することも多く、長い江戸時代の間には常にお家騒動が絶えないのだった。

だからこのような前田藩も例外ではなくお家存続のための知恵である『包丁侍』も饗応の宴などで将軍家の接待役として重宝がられていたということが歴史認識としてよくわかる。

武士の献立05


難を言えばこの映画、上戸彩さんが主役であること自体がちょっと違う?と感じてしまった。
これでは『女房の献立』である。
武士の家計簿」は堺正人さんが主役で一家の主、そして陰で支える女房役の仲間由紀江さんという江戸時代ならではの自然な構図だったが、この作品は全然違う。
武士である夫(高良健吾)の頼りなさが結局最後まで持続してしまった感じがした。

やっぱ脚本が良くない。
「いい女房がいるから男が出世する」的な部分を強調しすぎだった。要するに「姉さん女房であげまん」風な短絡性が脚本の本筋になっている。女性脚本家が一枚咬んでいるといつもこんな風に結局は前に出たがりで自己満足型のストーリーとなり、なんか映画の本当の焦点もボケる。田島陽子センセみたいで僕は好きではない。
「包丁侍」という役職に誇りが持てないのはわかる気がするが、ケツを叩かれて渋々やったにしても、家督を守り家庭を持ち愛する女房のためにそこは男の気概でやり遂げて欲しいところである。
料理というのが味覚や技術や知識だけあればいいというもんじゃないところなんかは、いちばん伝えるべきだったはずだ。

どうせならもう少し料理の内容にこだわって例えばレシピを紹介するとか、ひとつの料理の完成までの手元だけをクローズアップして5分近く回しっぱなしにするとかして欲しかった。どうせ手元は一流の料理人が吹き替えているのだと思うから。

武士の献立06

●メトロ42

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MovieWalkerより抜粋
5月17日(土)公開

【作品情報】
ロシア国内で25年ぶりに製作されたパニック大作。モスクワの地下に網の目のように張り巡らされた地下鉄を舞台に、事故によって地下に閉じ込められた乗客たちのサバイバルを描く。出演は「夏の終止符」でベルリン国際映画祭銀熊賞(男優賞)を受賞したセルゲイ・プスケパリス、「オーガスト・ウォーズ」のアナトーリー・ベリィ。

【ストーリー】
道路工事ラッシュのモスクワでは、振動の影響によって市内各所で地下水が漏れ始めていた。家庭での断水も相次ぎ、店で水を買い漁る人が続出。ベテランの地下鉄職員セルゲイは、トンネル内の亀裂から水が染み出しているのを発見。上司に点検を促すが、アルコールで問題を起こしがちな彼の発言は取り合ってもらえない。市立病院に勤めるアンドレイ・ガリーン(セルゲイ・プスケパリス)は、優秀で人柄も良いと評判の医師。だが、家では妻イリーナ(スヴェトラーナ・コドチェンコワ)に浮気相手がいることを知りながら、何も言えずにいた。幼い娘クシューシャもそんな父親に立腹。イリーナも、浮気相手の実業家ヴラト(アナトーリー・ベリィ)から、離婚して自分と一緒になるよう迫られて悩んでいた。そんなある朝のラッシュアワー。クシューシャを連れたアンドレイは、文化公園駅からサドーヴァヤ駅へ向かう地下鉄の42車輌に乗車するが、そこには偶然、ヴラトも乗り合わせていた。順調に運行する42号だったが、途中で前方から大量の水が押し寄せてくる。これに気付いた運転手は急ブレーキをかけるが、乗客たちの悲鳴が飛び交う中、車輌は一気に濁流に飲み込まれてゆく。

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【作品データ】
原題 METPO
製作年 2012年
製作国 ロシア
配給 プレシディオ
上映時間 132分
映画公式サイトへ

【スタッフ】
監督 アントン・メゲルディチェフ
脚本 デニス・クリシェフ 、 ヴィクトリア・エヴェシーヴァ
原作 ディミトリィ・サフォノフ

【キャスト】
アンドレイ・ガリーン: セルゲイ・プスケパリス
ヴラト: アナトーリー・ベリィ
イリーナ・ガリーン: スヴェトラーナ・コドチェンコワ



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【マイレビュー】

お金もかかっている。エキストラの数もセットの壮大さも国の協力度合いもスケールが違う。
地下鉄事故シーンやパニックのリアルな恐怖感も迫力も閉塞感もこれまで観た映画でいちばん凄かったと思う。急ブレーキで乗客がいっせいに前方に折り重なって将棋倒しになるシーンとかハリウッド映画の比じゃ無かったしそれはそれは物凄かった。

ただ最後まで観た感想としては・・・とても残念な映画だった。

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たぶん脚本が悪い。
交わされる会話や行動のどれもが不自然すぎる。僕が日本人だからだろうか。いやそんなことはない。
浮気妻と夫と娘、それに浮気相手・・・そんな余計な伏線はこの映画には必要無かったと思う。
しかもそういう設定がこの映画の中でなんの奥深さも醸しだしていなかったし、家族のギクシャクした原因は他でも見出せたはず。その辺の設定は変にハリウッド映画に対抗意識を燃やしすぎていたように思う。
役者の演技も中途半端で、パニックシーン以外はすべて「妥協の集大成」だったことが僕としてはとても残念だった。

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ただこの映画では首都圏の危機管理の重要さと地下鉄の恐ろしさをまざまざと見せ付けてくれる。
東京都内の地下鉄も例外ではない。
日本は安全基準がしっかり徹底されていると思うが、自然な「老朽化」も怖いが、都内の地下鉄はすでにあらゆる場所で立体交差している。当初予期していない「3D重ね工事」がどんどん行なわれているように感じる。
地上では大きなビル、そんな重さに都心の真下のアリの巣のような地下は耐えられるのだろうか。しかも自然災害が多い日本でどれだけ安全なのか危険なのかはっきりしない。

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この映画のように川を横断している地下鉄もあるわけで、地下鉄の天井が侵食され川底から一気に川の水が流れ込んだら、それこそこの映画のように地下鉄が水路のようになり大変なことになる。100%安全なんてことは絶対に無い。

大雨でもこんな風にならないとも限らない。東京メトロで通う僕としてはちょっと電車が怖くなった。

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★★舟を編む

舟を編む03

2013年4月13日(土)公開

【作品情報】
2012年度の本屋大賞で第1位に輝いた、三浦しをんの同名ベストセラーを松田龍平&宮崎あおいの主演で映画化したヒューマンドラマ。15年の歳月をかけて、24万語収録の一冊の辞書を作り上げていく主人公と、老若男女揃った個性豊かな辞書編集部の仲間たちの姿を丁寧に描き出す。監督は『ハラがコレなんで』の石井裕也。第37回日本アカデミー賞作品賞はじめ6部門受賞作品。

【ストーリー】
玄武書房という出版社の営業部に勤める馬締光也(松田龍平)は、真面目すぎて職場で少々浮いている。しかし言葉に対する卓越したセンスを持ち合わせていることが評価され、新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の編纂を進める辞書編集部に異動となる。今を生きる辞書を目指している『大渡海(だいとかい)』は見出し語が24万語という大規模なもの。曲者ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は作業にのめり込む。ある日、ひょんなことから知り合った女性(宮崎あおい)に一目で恋に落ちた馬締。なんとかして自分の思いを彼女に伝えたいが、なかなかふさわしい言葉が出てこず苦悩する。そんな中、会社の方針が変わり、『大渡海』の完成に暗雲がたちこめる……。

舟を編む15

【作品データ】
製作年 2013年
製作国 日本
配給 松竹=アスミック・エース
上映時間 133分

【スタッフ】
監督 石井裕也
脚本 渡辺謙作
原作 三浦しをん

【キャスト】
馬締光也: 松田龍平
林香具矢: 宮崎あおい
西岡正志: オダギリジョー
黒木華
渡辺美佐子
池脇千鶴
鶴見辰吾
伊佐山ひろ子
八千草薫
小林薫
加藤剛



舟を編む13

【マイレビュー】
この映画のレビューを書く前に僕の他愛も無い人生論にお付き合いいただきたい。

■ 出会い ■

僕は常に思っていることがある。

『人生とは出会いである だから面白い』 と。

僕自身あまり人付き合いが上手くはない。どちらかといえば気遣いや気配りは下手で苦手で、特に面倒くさがりなほうだ。
だけど『人生は出会い』だと思う。

僕が言う「出会い」とは何も「人と人」に限ったことでもなく、親戚とか近所づきあい系なそんな大袈裟なことでもない。仕事や学校、遊び、行き帰りの道程、それに日々の生活においていつでも『出会い』があるということである。

たとえばテレビやラジオや街角で流れている歌を聞いたときにビビビッと電撃が走る的なことは誰でもあるはずだ。それで家に帰って早速検索してみる。そして曲名と歌手を知る。繰り返し聴くうちにその歌手の世界に導かれているっていうような。
また劇的に美味いラーメンに出会ったり、オススメされた本や映画を観て感動して触発されるとか、偶然行った展示会上で一生の職業を見つけたり、異性に一目惚れしたりとか・・・。

舟を編む07


そういう普段の何気ないことが人生においていろんな『選択肢』になる。
「自分の未来を変えるのは今この瞬間にやっていることそのもの」であり、要するに「未来とは今」なのだ気づくのである。
僕はすこし気づくのが遅かった(笑)

ただ、けっして良いことばかりでもない。
人の嫌な面を垣間見たり、裏切られたり、争いに巻き込まれたり、魔が差したりすることだって往々にしてよくある。その結果、臥せがちになったり、人嫌いになって家を出なくなったりするようなこともある。でもそんなことさえ全然無駄じゃないのが人生だ。全くもって大丈夫だ。
だって別に人に会わなくていいし、人に合わせる必要も無いし、規則なんてどうでもいいことなんだから。
本当の意味で「外の空気に触れる」だけでいい。空を見上げるだけでいいってことだ。
それだけで人生は変わるし、それさえも「出会い」なのだ。

人生はそういうふうに他人あるいは出会ったものが自分の行動や心理や欲求や感情を左右することばかりである。図らずも自分自身が他者によって変えられる瞬間でもあるし、そのほとんどはプラス方向に導いてくれる。
渡辺美里の「マイ・レボリューション」みたいなものか、違うかっ(笑)

そんな喜怒哀楽溢れた人生の基礎となるもの、それはやっぱり『出会い』なのだと思う。

とりわけ僕の一番の楽しみは 「良い映画との出会い」 である。
こんなオチもすでにお察しいただけたと思う。



舟を編む08


第37回日本アカデミー賞受賞作である。やっぱ日本の作品ならではである。本当にいい映画だった。

辞書を作る(舟を編む)すべての作業に『地味』さ加減が相当よく描かれていた。
最後のほうは徹夜作業を強いる大勢の学生連中のアルバイトの姿に、さながら昭和40年代の古い大学生寮や運動部の部室のような男くさい事務所の雰囲気まで伝わってきて映画じゃなく本当に地味な作業をしているようなリアルな臨場感もたっぷりだった。

舟を編む02

主演の松田龍平さんは最高だった。
寡黙で真面目で朴訥とした人柄で、組織ではどちらかといえば浮きがちになるが、実はものすごく向いている場所がある。そこに抜擢(?)された彼の物語である。
人には人に合った「適材適所」があるのだ。これも運命の『出会い』である。

■最近の企業の特徴■
まず第一に企業の品格の維持を目的とし、世間の評価を下げることを極端に嫌う。
プライバシーマークだ、やれコンプライアンスだの個人情報保護だの・・・そんなものが最優先で、従業員の私的な行動も制限、監視され、従業員の個性など全く必要とされず、出すぎた真似もせず、マニュアルどおりの規則正しい仕事をしてくれればそれでいい的なクソ面白くない会社がほとんどである。企業は人で成り立っている。従業員の個性を生かせなくなった時点で企業の未来は明るくない。ぜひ「原点回帰」してほしいと思わざるを得ない作品だ。


彼は『探偵はバーにいる』でも大泉洋さんとコンビを組んでいるが双方ともすごくいい。
彼の演技が彼自身の持つ雰囲気をそのまま映し出しているような役柄であり、すでに役者として「彼でしか出せない雰囲気」、要するに『確立した個性』が存在していると僕は思う。
オダギリジョーさんも良かった。小林薫さんも加藤剛さんもよかった。八千草薫さんも相変わらず可愛らしい。

舟を編む05


『辞書編纂』も大きなテーマでもあるが、人生をともに歩む『夫婦』というものにも大きくスポットを当てている。まさに『出会い』の最たるものである。
出会いの最初は言葉が重要になる。気持ちを伝えることの手段としてである。
そのうち何百万語もある辞書とは対照的に、お互いに理解し合えた夫婦の間には言葉は必要ない。そのあたりの気の利いた人生の機微もとてもよく描かれている。

舟を編む06


欲を言えば全編を通して「すまし顔」の宮崎あおいさんに、観ているこっちが崩れてしまうほどのやさしい笑顔が1シーンだけでも欲しかった感じがした。原作のキャラを押し通そうとして言葉少なな似たもの夫婦のような感じを出したかったのだと思うが、どうせなら映画では宮崎さんの可愛らしさを生かしてあまりそこにはこだわらなくて良かったんじゃないかなと思ってしまった。
そう感じたのは僕だけかもしれないが。

とても良い「出会い」を感じる映画である。

舟を編む14

★★★海の上のピアニスト

海の上のピアニスト06

1999年12月18日(土)公開
【作品情報】
豪華客船の上で生まれ育ち、一度も船を降りなかった天才ピアニストの一生を描いた感動作。アレッサンドロ・バリッコの同名戯曲(白水社刊)を、「明日を夢見て」のジュゼッペ・トルナトーレの監督・脚本で映画化。出演は「ライアー」のティム・ロス、「エンド・オブ・バイオレンス」のプルート・テイラー・ヴァンスほか。

【ストーリー】
第二次世界大戦の終戦直後、マックス・トゥーニー(プルット・テイラー・ヴィンス)は愛用のトランペットを金に換えるため古い楽器店を訪れる。安い代金でしぶしぶ手を打ったが最後にもう一度だけトランペットを吹かせて欲しいと頼む。彼の演奏を聴いた店主は、同じ曲がピアノで刻まれたレコード原盤を持ち出し、曲と演奏者の名前を尋ねた。すると彼は生涯ただ1人の親友である「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」という名の男の物語を語り始める。
大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号には自由の国アメリカを夢見るヨーロッパからの移民で溢れていた。その船上で産み捨てられた赤ん坊を拾った黒人機関師のダニー・ブートマン(ビル・ナン)は、その子に自分の名前、捨て置かれていた箱の名前、生まれた西暦などから「ダニー・ブードマン・T.D.レモン・1900」と名付けて大切に育てていた。しかしある日ダニーは機関室のクレーン事故で帰らぬ人となる。1900は船上での葬儀で流れた音楽に惹かれ、ピアノを弾き始める。1927年、成長した1900(ティム・ロス)は嵐の夜、船内のダンスホールで運命的にマックスと出会い、共にバンド演奏をすることになる。天才的なピアノ弾きの噂は乗客を通じて瞬く間にニューヨークの街に広がった。
ある日、レコード会社が1900の音楽を商売にしようと録音にやってきた。録音中、偶然窓越しに美しい少女(メラニー・ティエリー)の姿を捉えると彼は一瞬で恋に落ち、同時に奏でたピアノの旋律には愛が溢れていた。

海の上のピアニスト14

【作品データ】
原題 The Legend of 1900
製作年 1999年
製作国 アメリカ イタリア
配給 アスミック・エース エンタテインメント=日本ビクター
上映時間 125分

【スタッフ】
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
原作 アレッサンドロ・バリッコ
音楽 エンニオ・モリコーネ 、 ロジャー・ウォーターズ
編曲 マッシモ・クアリア

【キャスト】
Novecento ティム・ロス
Max プルット・テイラー・ヴィンス
The Girl メラニー・ティエリー
Danny Boodmann ビル・ナン
Music Store Owner ピーター・ボーガン
Jelly Roll Morton クラレンス・ウィリアムス・サード



海の上のピアニスト08

【マイレビュー】
長く映画鑑賞をしてきた経験から、冒頭のタイトルバックを観た瞬間から秀逸シネマだと直感する映画がある。
この映画がまさにそうだった。
もう本当に素晴らしい映画である。久々の3つ★映画である。

まだ観ていない皆様には是非観てほしい映画なのでストーリーとかもあまり映画解説サイトからの丸写しはせず肝心な部分や後半のストーリー記述はカットした。

もしかしたら実話なのかとも思ったが、そうでは無いらしい。それにしてはものすごくストーリーがしっかりしているし、脚本も秀逸である。映像もセピアがかっているように、とても雰囲気がある。

海の上のピアニスト16

イタリア映画とのことだが全くイタリア映画っぽくない。英語だし、むしろアメリカ映画のような印象だった。また画面を通じアイルランド映画のような「埃っぽさ」も感じた。
まだなお残る階級制度が根強い時代設定で、痩せた大地のスコットランドやアイルランドから、自由の国アメリカに新天地を求めてやってきた3等客室の移民たちは早々とデッキに溢れ、靄にかかった自由の女神に向かって「アメリカだ!」と一様に歓声を上げる。

この映画で全編に亘り流れるのがピアノの旋律である。
1900(ナインティーンハンドレッド)の弾くピアノは彼の指先からほとばしる情熱の旋律だ。もうそれだけでも特筆モノの素晴らしさなのだが人物像がとにかく魅力的この上ない。
まず頭脳明晰かつ純真無垢で、人間観察力が鋭く、鼻っ柱が強くて、素っ頓狂で、そのくせ感傷的で臆病な井の中の蛙である。だが法律上に戸籍もなく下船したことも無い彼の特殊な境遇のことを僕の軟弱な頭で精一杯考えたとき、切な過ぎるというか気の毒に思えてきてしかたがなかった。

親友のコーン(コーン社製のトランペットを吹く男マックス)も彼をどうにかして助けたかっただろう。その気持ちも痛いほど伝わってきた。掛け値なしで二人の友情に泣けるシーンも多かった。

海の上のピアニスト09

■ すこし脱線 ■

海の上のピアニスト10

■著作権は何を守るもの?

「著作権」というのは本来その創作物および創作者の財産を守るための権利であり、「著作権者」を守るための法律が「著作権法」である。音楽に関していえば”音楽文化の発展を目的として”著作権法が存在する。

ほとんどの楽曲の著作権はアーティスト(作詞者・作曲者・実演者)本人ではなく、レコード会社が持っている。著作権をレコード会社に譲渡しているからだ。音楽を出版し商業路線に乗せるための契約である。(この契約が後のトラブルになることがしばしば見られる。)
すなわち創作者であるアーティストに著作権が無い以上、自分が作詞作曲した曲だからといって気軽にテレビや路上ライブでさえ歌うことも許されない。これが殆どの音楽アーティストの実態だ。

「著作権法」は著作権者および著作物に関わる者の権利を多く認める、いわゆる『商業主義を是』としたものである。平たく言えば本来の創作者よりもむしろそれを商売とするレコード会社や出版社、あるいは管轄する協会(JASRAC)を保護するための法律が「著作権法」なのである。アーティスト本人は蚊帳の外である。既得利権を認めた最悪の法律といっていい。

音楽産業とは『芸術や文化』とはまったくかけ離れている商業主義と欺瞞に満ちた集団なのである。
才能に群がるハイエナを保護するのが著作権法だからである。

(ちなみに著作権ビジネスは大正時代から続いている大きな利権である。総元締めは『JASRAC(日本音楽著作権協会)』である。JASRACは文化庁管轄であり文部科学省OBの天下り機関となっているのが実態である。)

海の上のピアニスト17


■誰かのために創作する それが芸術家

今は汚れた政治家だって誰もが最初は純粋で崇高な政治思想があったはずである。名声や財産目当てではなかったはずだ。(あの号泣会見の市議会議員だって、最初から経費をごまかす目的で政治家を目指したわけじゃない。社会を少しでも良くしようとして立ち上がったはずだ。立場が変わると人も変わるという悪い見本の典型ではあるが。)

誰かのためだけに書いた音楽や小説を、特定のレコード会社や出版社の誘いで魂を売り渡し、あわよくば名声や富を得ようとした時点で『芸術家(アーティスト)』では無くなっていると僕は思う。

もはやその人たちにとって創作物とは「芸術」ではなくお金を得るための「飯のタネ」であり、売り上げに応じた「印税」を貰いその収入で生活の糧としているという「仕事」なのである。

素人からすればそれこそ夢のような印税生活であり、音楽をやる理由にもなるのだろうが、動機が不純である。最初からそれはちと違うんじゃねと僕は思う。

僕がここでどうしても言いたかったのは、「真の芸術家」とは沸き立つ情熱に従順に純粋に自分のためあるいは愛する人のためにこの世でたった一つのものを作り上げる人のことを指すのであり、それは間違っても名誉とか富を目的としていないものだということだ。

むしろ本当の芸術とは金儲けとは無縁のところにあると僕は思う。

※作家であり詩人の 高村光太郎 は『知恵子抄』の中でこう書いている。
『製作の結果は或は万人の為のものともなることがあらう。けれども製作するものの心はその一人の人に見てもらひたいだけで既に一ぱいなのが常である。』



海の上のピアニスト02

この映画を観て特に僕が感じた部分にちなんで脱線をしてしまった。
ここで映画の話に戻る。ひとつだけネタバレをお許しいただきたい。ごめんなさい。
僕がいちばん好きなシーンがある。

この映画の中で、演奏のあとでレコード会社の契約を一方的に破棄し原盤を奪うシーンである。
理由は「これは僕の曲だ」それだけである。
なんと美しいことか!

彼「1900」が一目ぼれした彼女への気持ちを表した旋律である。愛しの君だけに捧げたい曲なのだ。
その純粋な音楽を、どこの誰かも知らない不特定多数の人に広めようなどとは思わないし、もちろん名声も富にも何の興味も無いし要らない。
自分の音楽を冒涜されたような気分になって嫌悪の気持ちを表すシーンである。

前述したようにそういう意味では彼は音楽家というより画家のほうがはるかに近い。
頑固な陶芸家が窯から取り出したばかりの出来の悪い壷をたたき割るみたいなものかな。

海の上のピアニスト11

いろいろ見どころたくさんの映画でものすごく楽しめる映画だ。

僕が今まで観てきた中で最高の映画だと思う。




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プロフィール

力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
ニコール・キッドマン
ルーニー・マーラ
ナタリー・ポートマン

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