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★★ストレイト・ストーリー

ストレイト・ストーリー06

MovieWalkerより
2000年3月25日(土)公開

【作品情報】
老人の旅を見守る美しい自然に注目。夕焼けに染まるトウモロコシ畑、とこまでも続く一本道など雄大な風景が旅のゆるやかなテンポと相まって心地よい空気を醸し出す。芝刈り機の故障など、道中で様々な困難にあう。旅で出会う人々は彼を奇妙に思いながらも、ある者は助けを惜しまず、ある者は諮詢に満ちたその老人の言葉を得る。

【ストーリー】
アイオワ州ローレンス。73歳の老人アルヴィン・ストレイト(リチャード・ファーンズワース)は家で転倒、杖の世話になることに。そんな矢先、十年前に喧嘩別れをして以来音信不通だった兄ライル(ハリー・ディーン・スタントン)が心臓発作で倒れたという知らせが入る。兄が住む隣のウィスコンシン州マウント・ザイオンまでは350マイル(約540キロ)。車なら1日の距離だが、アルヴィンは車の免許もないうえに足腰が不自由なのでバスにも乗れない。頑固にも自分の力だけで兄の元を訪ねると決めたアルヴィンは、一緒に暮らす娘ローズ(シシー・スペイセク)の反対を押し切り、なんと芝刈機に乗って荷車を引いて出かける。一度は芝刈機の故障で戻ったものの、再び小型のトラクターを買って再出発。かくして、アルヴィンは時速5マイル(約8キロ)の歩みで、6週間の長旅の末、ようやく兄の元へたどりつくのだった。

ストレイト・ストーリー12

【作品データ】
原題 The Straight Story
製作年 1999年
製作国 アメリカ フランス
配給 コムストック配給
上映時間 111分

【スタッフ】
監督 デイヴィッド・リンチ
脚本 ジョン・ローチ 、 メアリー・スウィーニー
EP ピエール・エデルマン 、 マイケル・ポレア
製作 アラン・サルド 、 メアリー・スウィーニー 、 ニール・エデルスタイン
撮影 フレディ・フランシス
美術 ジャック・フィスク
音楽 アンジェロ・バダラメンティ

【キャスト】
Alvin Straight リチャード・ファーンズワース
Rose Straight シシー・スペイセク
Lyle Straight ハリー・ディーン・スタントン


ストレイト・ストーリー08

【マイレビュー】
1994年に「ニューヨーク・タイムズ」に掲載された実話を基にしているとのこと。
この映画に出ているほとんどが「ジジイばかり」だったが、なんとまあ素晴らしい映画だったこと。
映画はゆったりとこうあるべきだと思う。
人によっては退屈極まりない映画だと思うだろう。また観ながら眠ってしまうかもしれない。
心地よい時間の流れに僕さえもウトウトとしてしまった。

いま僕らが生きるこの時代は何から何まで慌しく世知辛い世の中になったものだと逆に痛感する。
人と人とのつながりが希薄で、個人主義で隣の人と話もしない、かといってネットやスマホはプライバシー情報を欲しがり、会った事も無い遠くの人とやたら繋げたがる。とどめは家庭の電化製品までもが「時短」という目的に向かって突っ走っている。
それらがすべて「先進的」な「美徳」のような錯覚をしていて、僕らもその流れの中で踊らされている。

この映画を観て生き急いできた現実を見つめなおすことも出来ると思う。
実は「人生にはもっともっと大切なことが他にいっぱいあるんだよ」ってことをこの映画は教えてくれる。
言い換えれば「人生には何が必要で何が不要なのか」この映画を観ればわかると思う。

トラクターのスピードと同じほどのスローな時間の流れがこの映画全体を包み込んでいる。

ストレイト・ストーリー25

ところで、唐突だが「アメリカという国は本当に大きい。」
アイオワ州の「ローレンス」からウィスコンシン州の「マウントザイオン」までがこの映画の舞台になっていて、観た後に地理を調べてみた。道路が整備された現在でも約300マイルで「約480キロ」の距離の長旅だということがわかる。けっして平坦な道ばかりではなくしかも改造したリヤカーを牽引しての時速7~8キロのおんぼろトラクターでの旅である。
日本なら「東京から」国道1号線でだいたい滋賀県の「琵琶湖」までの距離にあたる。普通なら気が遠くなる。
GoogleMapでストリートビューを使って見てみたが、見渡す限りのトウモロコシ畑の田園風景である。どこまで進んだのかさえよくわからないほどの広大なフィールドである。


少女との会話で行き先である「ウィスコンシン州」の話になったとき「チーズ」が有名な州であることがわかった。
調べたところヨーロッパからの移民がチーズを作りいまや2800ものチーズ工場がウィスコンシン州にあるらしい。アメフトで応援する時もウィスコンシンのチームはチーズ帽子をかぶるようだ。
有名な名産品らしいが、僕ははじめて知った。人と話をすることでアメリカの産業や歴史みたいなものもこの映画で知ることが出来た。



ストレイト・ストーリー20

この映画は、目的地である兄の住む家にたどり着くことが映画の主題では無いと僕は思った。
アルヴァンも決して喧嘩別れした兄と仲直りするために早く会いたかったわけではない。彼自身の話した言葉にもあるが自尊心に逆らいながら旅をすることで、彼自身のわだかまりが解けるまでの時間を必要としていたのである。

「袖すり合うも多生の縁」と言う言葉がある。
それこそがこの旅の大きな糧であり、この映画が伝えたかったことであると思う。

長いたびの途中でいろんな人たちとふれあい、自分よりも若い人には人生訓を教えると同時に、些細なことで兄とけんか別れをしていてそんな昔のことにまだ蟠りを持っている自分にも同じ言葉を言い聞かせてきたのである。老人になろうがまだまだ達観できず人間としての成長過程にあるということである。
そうやって6週間後、晴れて兄に会うことができたのだ。時速8kmのあのおんぼろトラクターのおかげで。

ストレイト・ストーリー16

この映画の中で家出少女との出会いがある。焚き火にあたりながら、持ってきたウインナーソーセージを少女に渡して、小枝に刺して焼いて食べるシーンだ。表情にはあまり出さなかったが彼女はとても美味そうに食べた。少女が妊娠していることがすぐにわかったアルヴィンは「誰もあんたやその子を失っていいほど怒っていない」と諭し、家族とはどういうものかを教える。とてもジーンとするシーンだった。


ストレイト・ストーリー09

また自転車に乗った若者の集団との夜のキャンプのシーンでは
「歳を取って何か良いことってありますか。」とストレートな質問する若者に対して
「目も腰も足も悪くなりいいことは何も無いが、「実」と「殻」の区別がつくようになり、細かなことは気にせんようになる。」
と言ったあとに
「ただ厄介なのは若いころを思い出すってことさ」
と続くのだ。
僕もすこししみじみとしてしまった。

ストレイト・ストーリー22

ついにたどり着いたマウントザイオンの兄の家、兄を呼ぶ声、弟を呼ぶ声。そのあとのたった二言の兄弟の会話、その最後の会話には僕も泣いた。
皆様にはそこは観てのお楽しみということで。

とてもゆったりとした時間の流れの中で「交わす言葉以上に人の想いが伝わる映画」だったと思う。

純粋にただひたすら純粋に 秀逸オススメ映画でした。★★

ストレイト・ストーリー27
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▲レッド・ドーン  Red Dawn

レッド・ドーン01

MovieWalkerより抜粋
2013年10月5日(土)公開

【作品情報】
突如現れた敵から家族や仲間を守るために戦う高校生たちの姿を描き話題を呼んだジョン・ミリアス監督作『若き勇者たち』。同作の敵の設定を共産圏連合軍から北朝鮮に変更し、リメイクしたサバイバル・アクション。北朝鮮による侵略という非常事態に先頭をきって挑む主人公を演じるのは、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワース。

【ストーリー】
アメリカ、ワシントン州スポケーン。高校のアメフトチーム『ウルヴァリンズ』で活躍するマット・エッカート(ジョシュ・ペック)は、その日、恋人のエリカ(イザベル・ルーカス)を伴ってパブに赴いたところ、休暇で戻ってきていた兄で海兵隊員のジェド(クリス・ヘムズワース)と再会。エリカの親友トニ(エイドリアンヌ・パリッキ)がジェドと思い出話に花を咲かせていたところ、突然停電する。どうやら停電はアメリカ北西部全域に渡った大規模なものですぐには復旧しなさそうなので、各々家路につく。ジェドとマットは久しぶりに家族でゆっくり過ごせるかと思ったが、父親のトム(ブレット・カレン)は巡査部長であるため町の見回りに行ってしまう。翌朝、ジェドとマットは大きな振動と音に起こされる。外を確かめると、空一面に戦闘機とパラシュート部隊が広がっていた。

レッド・ドーン04

【作品データ】
原題:  RED DAWN
製作年:  2012年
製作国:  アメリカ
配給:  クロックワークス
上映時間:  96分

【スタッフ】
監督:  ダン・ブラッドリー
オリジナル脚本:  ケヴィン・レイノルズ 、 ジョン・ミリアス 、 カール・エルスワース 、 ジェレミー・パスモア
原案:  ケヴィン・レイノルズ
製作総指揮:  ヴィンセント・ニューマン 、 ケヴィン・ハローラン

【キャスト】
ジェド・エッカート:  クリス・ヘムズワース
マット・エッカート:  ジョシュ・ペック
ロバート・キットナー:  ジョシュ・ハッチャーソン
トニ・ウォルシュ:  エイドリアンヌ・パリッキ
エリカ・マーティン:  イザベル・ルーカス
ダリル・ジェンキンス:  コナー・クルーズ
タナー:  ジェフリー・ディーン・モーガン
ダニー:  エドウィン・ホッジス
トム・エッカート:  ブレット・カレン
ジュリー:  アリッサ・ディアス
グレッグ:  ジュリアン・アルカラス
チョウ大尉:  ウィル・ユン・リー
パク中尉:  フェルナンド・チェン
ジェンキス市長:  マイケル・ビーチ


レッド・ドーン10

【マイレビュー】
北朝鮮に制圧されたワシントンで故郷を守る戦いを描いたもので「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース主演の映画だったが、今売れに売れている彼にこの程度の映画の主演をさせちゃダメでしょ的な映画だった。
全体的な印象としては、昔からの伝統的なアメリカ映画っぽさが前面に出過ぎでストーリーも展開も読めすぎてしまい、ミーハーでゲームやコミック好きな若者向けのただの「爆薬消費映画」だった。


映画に関連してすこし脱線:

東日本大震災で大津波の被害を受けた日本人が、決してパニックになったりせず冷静で秩序正しく行動していることを世界中の人々が評価したり不思議に感じていたことが当時ニュースにもなったりした。
それは不思議に感じる人たちの国には地震が頻繁に起きていないからであると思う。
すべての災害に言える事だが、こと「地震の国」である日本においては、地震や津波には逆らえないという古来からの「達観した無常観」を持っていて、それが災害時の秩序となっているのだと思う。言い方を変えればそれこそが「日本人としての自覚の一部」になっているのだ。

映画の冒頭で「停電シーン」があるが、こんな風にアメリカ全土では地域的に広い範囲で頻度が高く停電することがあるらしく、意外とみんな冷静である。だからこの映画のように実際にもパニックにはならないらしい。
地震ではパニックにならない日本人でも、頻繁に経験の無い「大停電」ではもしかしたらパニックになるかもしれない。

長い目で見ればすべては「慣れ」による行動」なのだと思う。



レッド・ドーン11

映画の話に戻るが、
渋い役者であるジェフリー・ディーン・モーガンらとの合流のタイミングが遅すぎて、せっかくの視聴層の厚みを狙った目論見が「時すでに遅し」という結果だったように思う。彼らもとてももったいない使い方だった。

非常事態に遭遇し、単独行動で仲間の命を危険に晒し、感情的な過去の蟠りや諍いが解けて本当の兄弟愛や親子愛を取り戻すというストーリーはもう何度も観てきた。この映画もまったく同じで、なんの捻りもない。「UFOや宇宙人」とか「天変地異」とか「怪獣」とか描くシチュエーションが違うだけで、何故アメリカ映画というのはこうも「ワンパターン」なのだろう。

レッド・ドーン06

まだやるかっ!って思う。
そしていつもいつも「武器大好き、戦争大好き」なアメリカ人の「正義に犠牲はつきもの」で「最後はみんなでハイタッチ」展開なのだ。
この映画のせいでも無いし、この映画が特に悪いと言うわけじゃないけど、このての「正義の押し売り映画」はもうたくさんという感想だった。

レッド・ドーン13

★エネミー・オブ・アメリカ

エネミー・オブ・アメリカ06

MovieWalkerより抜粋
1999年4月17日(土)公開

【作品情報】
プライバシーを知らぬ間に侵害され追われる身となったひとりの男の苦闘を描くサスペンス。

【ストーリー】
ディーン(ウィル・スミス)は腕のいい弁護士。妻カーラ(レジーナ・キング)と息子エリック(ジャッシャ・ワシントン)とともに成功した人生を歩んでいた。ところが、ある日、偶然大学時代の同級生から暗殺の現場が映ったビデオテープを受け取ってしまう。テープの中身は、国家安全保障局=NSAに出向中の行政官レイノルズ(ジョン・ヴォイト)がテロ防止法案を巡って対立する下院議員を謀殺している場面だった。なにも気づかないまま、NSAから追われるディーン。巨大な管理システムを持つNSAは、ディーンのプライバシーを暴き、失職にまで追いつめる。情報屋のブリル(ジーン・ハックマン)に助けを求めたディーンだが、身体中につけられた追跡装置や盗聴器を指摘され、ブリルに避けられる。だが、仕事仲間のレイチェル(リサ・ボネット)をNSAに殺されたディーンは再びブリルと接触し、共にNSAと戦う決意をする。

エネミー・オブ・アメリカ01

【作品データ】
原題:  Enemy Of The State
製作年:  1998年
製作国:  アメリカ
配給:  ブエナ ビスタ インターナショナル ジャパン
上映時間:  132分

【スタッフ】
監督:  トニー・スコット
脚本:  デイヴィッド・マルコニー
EP:  チャド・オーマン 、 ジェームズ・W・スコッチドポール 、 アンドリュー・Z・デイヴィス
製作:  ジェリー・ブラッカイマー

【キャスト】
Robert Clayton Dean:  ウィル・スミス
Brill (Edward Lyle):  ジーン・ハックマン
Thomas Brian Reynolds:  ジョン・ヴォイト
Rachel Banks:  リサ・ボネー
Carla Dean:  レジーナ・キング
Congressman Albert:  スチュアート・ウィルソン
“Brill”:  ガブリエル・バーン
Pintero:  トム・サイズモア
Agent Hicks:  ローレン・ディーン
Agent David Pratt:  バリー・ペッパー
Bingham:  イアン・ハート
Krug:  ジェイク・ビジー
Jones:  スコット・カーン




エネミー・オブ・アメリカ024


【マイレビュー】

15年近く前の作品だけど現在に完全に通じている。

映画からちょっと逸脱するが(早くも脱線コーナー)、

日本でも個人情報保護法が施行されて早10年、企業はコンプライアンスや情報漏えいを防ぐための危機管理能力を問われる時代になり、電波法改正やら、昨年2013年には特定機密保護法(マスコミ規制法)が国会を通過した。ここ10年で「秘密」に関する法律が立て続けに施行されたわけだが、誰にどのような利益があるのだろうか。
これらは外交上あるいは国際戦略上の「アメリカの戦略布石」と見るのが一番妥当だと思う。

ウィキ情報だが、中央情報局(CIA)、国家安全保障局(NSA)の元職員「エドワード・スノーデン」氏が亡命し内部告発したところによると2013年3月だけで合衆国内で30億件/月、全世界で970億件/月のインターネットと電話回線の傍受が行なわれていたことを明らかにしている。(時を同じくして日本では前述のように「特定機密保護法」が国会を通過している。)
「『テロ対策や国際安全』と言う大義名分でいいから機密事項に関する国内法を早く作ってくださいね。」ってことで、そういう「既成事実」を有耶無耶にしたかっただけのような感じだ。議論もほとんどなく通過させていた法律である。
すでに世界中の情報を握るアメリカの圧力に間違いないだろう。

驚くことに、電話傍受には『大手通信事業者が協力』しており、NSAは加入者の通話情報を収集していた。標的になった情報は通話者の氏名・住所・通話内容ではなく『メタデータ』と呼ばれるもので、通話者双方の電話番号、端末の個体番号、通話に利用されたカード番号・通話時刻・所要時間、および基地局情報から割り出した通話者の位置情報を収集していた。

またインターネット傍受はクラッキングではなくアプリケーションプログラミングインタフェースのような形のバックドアによるもので、コードネーム「PRISM(プリズム)」と名付けられた検閲システムによって行なわれていた。

標的になった情報は電子メールやチャット、動画、写真、ファイル転送、ビデオ会議、登録情報などだった。

通信傍受には「Microsoft」、「Yahoo!」、「Google」、「Facebook」、「PalTalk」、「YouTube」、「Skype」、「AOL」、「Apple」などが協力させられていたことも事実のようだ。
WIKIにサラッと書いてあったが、とても重大な問題だよ、これは。超一流IT企業は「協力させられていた」はずはない。「喜んで協力した」ってことでほぼ間違いない。なんでもっともっとニュースにならないのか。あの”後付け法律”である「特定機密保護法」のせいで報道できないんだ。
情報を欲しがるのはむしろ商業主義の企業側である。そういう面で国際犯罪やテロ防止を大義名分にした「国」も、顧客の購買意欲を掻き立てたい「企業」も互いの利益が合致したってことだ。世界で1ヶ月970億件だよ。僕たちの情報もすべて収集されているってことだ。


このように私達の生活やプライバシーが直接監視される世の中になってきたのは事実で、それらはブラウザやサイトを介して自動的に行なわれているのだから恐ろしい。いわゆる「ネット検閲」である。音楽や映像の「著作権」問題で逮捕される一般人がそろそろ出てきてもおかしくない。



エネミー・オブ・アメリカ09

アメリカが強く推し進めることはすべて大きな利権や大企業の陰謀が絡んでいると思っていい。TPPも同じだ。「条約」「法律」「協定」「約款」などというわかりづらいものってのは、「全文に意味があるわけではなく、ある一部だけが主目的」になっていて、あとは「ほぼカモフラージュ」だ。僕は特にTPPは大反対だ。間違いなく日本の農業を全滅させてしまう。時すでに遅しだが、絶対に交渉の席に着かないほうがいい。



エネミー・オブ・アメリカ07

「楽天」とかで買い物をした情報が別のサイトでバナーとなって表れたり、検索閲覧していた商品のディスカウント情報メルマガが送られてきたりするのは皆さんもよく目にすると思う。あれもPCのIPアドレスやログインID情報のまとめなどからマーケティング情報(メタ情報をさらに補完する行動情報)として蓄積されている証拠だ。
PCやスマホのネット上での「買い物」「閲覧履歴」「検索履歴」「キーワード」などから、個人の「趣味、嗜好、行動、興味、現在地情報」などを蓄積し分析して「監視」していることはほぼ間違いない。犯罪の抑止にはなると思うが、冤罪の温床にもなってしまう可能性がある。

ただ「監視」と言っても機械的に自動的に行なわれているものであって、そこに策略を持った悪い人間が遠隔操作等で情報を直接収集していると言うことでは無いと思う。
あくまで将来的に『悪いことをしそうな人間』や『テロリスト予備軍』とか『容疑者』にアタリを付けた上で行なう「犯罪予防」や「捜査の一環」だと信じたい。



エネミー・オブ・アメリカ05

映画の話に戻ろう。

迫力がハンパ無い。
これぞアメリカ映画の真骨頂だと思う。ひとつの法案をめぐって行なわれた殺人事件、その証拠を握ってしまった男が体中に発信機や盗聴器を仕掛けられていて、追われる立場になるってストーリーだが、知らぬ間に全身の衣類や小物に付けられたGPS発信機の数は合計7つもある。自宅や車にはカメラや盗聴器がセットされてゆく。さすがにそこまで徹底した追跡は現実的にはありえないが、不用意な行動が彼を窮地に立たせ、家族を危険な目に遭わせることになるのだが、ヘリも飛ばされ、人口衛星によるピンポイント追跡も行なわれたら逃げようがない。

突っ込みどころ満載だが、通信機器やPC環境のモニターがまだ旧式ブラウン管の時代で、ビル管理会社レベル(笑)である。だが逆にすごいのは「防犯ビデオの性能」である。無作為のあるひとつの店の監視カメラの映像やビデオまで操作できてしまい、持ち物の画像さえ360度回転でスキャンして鮮明に映ってしまう。2014年でもまだそこまでの高性能な防犯カメラはない。

「ウィル・スミス」大好きな俳優だ。彼ほど喜怒哀楽を豊かに表現する黒人俳優は他にいないだろう。そこが好きなところだ。親バカぶりも見事で、すでに息子の「ジェイデン・スミス」も「幸せのちから」の親子競演以来、「ベスト・キッド」主演など見事に役者となってる。
この映画のウィルのように、厄介なものに巻き込まれることの無いよう自分を律して行動してほしいものだ。

「ジーン・ハックマン」はこのときにはもうそうとう優しい顔をしている。昔は少し触るだけで怪我をしそうなぐらいに鋭く尖っていた俳優だ。観ていて恐いくらいだった。現在は84歳でまだ健在だが映画出演は2004年作以来出ていない。

あいかわらずオタクキャラが定着している「ジャック・ブラック」。国の情報操作システムのオペレーション操る感じ、とても良い味出してる。

エネミー・オブ・アメリカ023

★★★ ロック・ミー・ハムレット! Hamlet 2

ロックミーハムレット37

WikiPediaより
日本劇場未公開作品

【作品情報】
『ナイト ミュージアム』などで知られるイギリス出身の人気コメディアンスティーヴ・クーガンが主演している。共演には、2度アカデミー賞にノミネートされたキャサリン・キーナーをはじめ、『スクリーム』のデヴィッド・アークエット、コメディアンのエイミー・ポーラー、そしてエリザベス・シューが本人役で脇を固めている。

【ストーリー】
偉大な俳優を目指していたダナ・マーシュス(スティーヴ・クーガン)。しかし現実は厳しく地元のハイスクールの演劇部講師の交通費を浮かせてなんとか生計を立てるしがない男だった。妻のブリー(キャサリン・キーナー)からも愛想をつかされている。ある日、部員が二人しかいなかった彼の演劇クラスに演劇などやる気も興味も無いラテン系の生徒たちがなだれ込んでくる。しかも高校の校長(マーシャル・ベル)からは予算削減のために演劇クラスを閉鎖するという容赦ない通告が届く。なんとか演劇クラスを存続させようと、ダナは悲劇の戯曲として知られるシェイクスピアの『ハムレット』の続編を思いつく。しかしその内容は奇想天外すぎて生徒の父兄からも大反対を受けることに。ダナの熱意に徐々に賛同してきた生徒たちの助けでなんとか上演までこぎつけることが出来たのだが…。

ロックミーハムレット01

【作品データ】
原題: Hamlet 2
配給: フォーカス・フィーチャーズ
公開: 2008年8月27日アメリカ、
上映時間: 91分
製作国: アメリカ
言語: 英語

【スタッフ】
監督: アンドリュー・フレミング
脚本: パム・ブラディ、アンドリュー・フレミング
製作: エリック・アイズナー、アーロン・ライダー、レオナード・ロシェツキン

【キャスト】
ダナ・マーシュズ:  スティーヴ・クーガン
ブリー・マーシュズ:  キャサリン・キーナー
クリケット・フェルドスタイン:  エイミー・ポーラー
ゲイリー:  デヴィッド・アークエット
エリザベス・シュー:  エリザベス・シュー
ロッカー校長:  マーシャル・ベル
イヴォンヌ:  メロニー・ディアス
オクタビオ:  ジョセフ・ジュリアン・ソリア



ロックミーハムレット08

【マイレビュー】
久しぶりに傑作映画を観た気がする。「秀逸」というより「傑作」と呼ぶにふさわしい映画だった。
最近これほどの挫折や苦悩、夢や情熱に満ち溢れた映画を観ていなかった気がする。こんな素晴らしい映画に出会えたこと、そしてそれを紹介できる喜びを感じる。

僕の評価では主演のスティーヴ・クーガンには『アカデミー主演男優賞』のオスカー像を贈呈したいほどだ。もう最初から最後まで引き込まれるように一気に観てしまった。

ロックミーハムレット25

なんでこんな素晴らしい映画が日本で公開されなかったのだろう。
Wikiによれば製作費900万ドルかけて、興行収入は490万ドルと書いてあったが、それは『簿記』でいうところの「損益計算書」であって、作品の出来栄えは数字に表せない。渾身の作品なのに、営業プロモーションが下手すぎて、アメリカでの興行収入が悪かったから、日本の配給会社も買わなかったということだと思う。

意外とたくさんある『日本未公開』と言う映画。しょうもない「B級ホラー映画」か、エコ意識の全く無い「ドタバタ喜劇」ぐらいだろうと思っていた(意外にそういうB級ホラーばかり紹介している人もいるので失礼にならないと良いが)。「日本未公開」の映画の中にはこんなしっかりした作りのエンターテイメント作品もあったんだと認識を新たにしたしその分感動も増した。

そんなわけで実に悲しいことに日本の映画館で観ることができなかった本作品だが、まだそれほどの認知度も高くない。是非DVDを借りてでも観て欲しいと思う。★★★超オススメの傑作映画である。

ロックミーハムレット04

ダナ(スティーヴ・クーガン)は売れない俳優で、芝居への情熱は人一倍でときおり感情も爆発し、行動も暴走する。
その一つ一つが情熱的でコミカルで純粋で、ときにすごく悲しい。

その中の1シーンを紹介する。
妻と一緒に精子検査で訪れた病院。待合室で即興の歌を披露する。そして看護師に転向した元女優のエリザベス・シュー(エリザベス・シュー)と出会い「ハリウッドの裏話」的な部分を訊く。特にそのあたりのドナのリアクションが「俳優」ならではの演技でいちいち「芝居がかっていて」(と言うのもすごく変だが)素晴らしい。

ロックミーハムレット06

作品全体を通じて流れる「音楽のセンス」も抜群でそのあたりのバランスも最高だ。何から何まで「センスの塊」の映画である。

参考までに、
教壇では生徒を前に、実際の映画であるロビン・ウィリアムスが出演した「今を生きる」や、リチャード・ドレイファスが出演した「陽の当たる教室」などを最大評価していて、しばしば「セリフをパクる」ので、この映画を観る前にそれら二つの映画をあらかじめ観ておいたほうがより面白いと思う。

とにかくダナ役のスティーヴ・クーガンの演技は最高だと思う。
役者や俳優を目指している人ならこの映画は一度『バイブル』として観ておくのもいいだろう。
特にそういう『夢の階段の途中』にいる方には、一つ一つのセリフがじんわり「沁みる」はず。

ロックミーハムレット32

●マイティ・ソー ダーク・ワールド THOR: THE DARK WORLD

マイティ・ソー2ダーク・ワールド09

MovieWalkerより抜粋
2014年2月1日(土)公開

【作品情報】
神の世界の戦士、ソーの活躍を描き人気を博したアクションの続編。“アベンジャーズ”の戦いの後、再び地球を襲う未曽有の危機に、ソーとその弟ロキが挑む。前作に引き続き、ソー役をクリス・ヘムズワースが演じるほか、ナタリー・ポートマン、浅野忠信ら主要キャストが出演し、『アベンジャーズ2』へとつながる物語が展開する。

【ストーリー】
ニューヨークに壊滅的な打撃を与えた「アベンジャーズ」の戦いから1年。英国・ロンドンで原因不明の重力異常が発生した。ソーの恋人であり天文物理学者のジェーン(ナタリー・ポートマン)は、その原因調査のためロンドンへと向かう。だがこの怪異は、宇宙が誕生する以前から存在していた闇の力を復活させ、地球侵略を足掛かりにして全宇宙の滅亡を企むダーク・エルフの仕業だった。調査を進める中、ジェーンはその謎に迫るが、宇宙滅亡を導く鍵となる“ダーク・エルフの力”を自らの身体に宿してしまう。その異変に気付いたソー(クリス・ヘムズワース)はジェーンを救うため、故郷アスガルドへ彼女を連れて行く。だが、この行動がアスガルドのみならず全宇宙を危険にさらすことになってしまうのだった。(あとは映画を観てのお楽しみ)

マイティ・ソー2ダーク・ワールド07

【作品データ】
原題:  THOR: THE DARK WORLD
製作年:  2013年
製作国:  アメリカ
配給:  ウォルト・ディズニー・スタジオ・ジャパン
上映時間: 112分

【スタッフ】
監督:  アラン・テイラー
脚本:  クリストファー・L・ヨスト 、 クリストファー・マーカス 、 スティーヴン・マクフィーリー
原案:  ドン・ペイン 、 ロバート・ロダット

【キャスト】
ソー:  クリス・ヘムズワース
ジェーン:  ナタリー・ポートマン
ロキ:  トム・ヒドルストン
オーディン:  アンソニー・ホプキンス
エリック・セルヴィグ:  ステラン・スカルスガルド
ヘイムダル:  イドリス・エルバ
マレキス:  クリストファー・エクルストン
アルグリム:  アドウェール・アキノエ=アグバエ
ダーシー:  カット・デニングス
ヴォルスタッグ:  レイ・スティーヴンソン
ファンドラル:  ザカリー・リーヴァイ
ホーガン:  浅野忠信



マイティ・ソー2ダーク・ワールド06

【マイレビュー】

第1話の「ソー」も最近観たのだが、この2話の「ダーク・ワールド」は1話目ほどの衝撃がなかった。期待感とのバランスが悪かったのか、こんな展開に慣れてしまったのだろうか、最後はCGのオンパレードで飽きてしまった。

今回の舞台はイギリスのグリニッジだった。宇宙や天文つながりで舞台としたのだろう。
歴史ある世界遺産の建物にダーク・エルフの戦艦が地面を切り裂いて着陸する様子はCGながらすごい迫力だった。

これでグリニッジもいままでより多くの観光客を集めるだろう。
こういう映画のロケ地に世界遺産が使われることは今までも数多くあったし、これからも続くだろうが、ハリウッド映画はたとえCGでも有名なランドマークをあまりにも「壊し過ぎ」のような気がする。
「ザ・デストロイヤーかよっ!」

もともとアメリカは戦争が大好きだし、世界的に見ても「壊したがりナンバー1」の国で、しかもロシアを2馬身以上離していると思うが、いつもこういう映画でストレスを発散してる感じさえする。

そのうちユネスコからハリウッドスタジオや各国の世界遺産管理局あてに「やりすぎ警告通達」が送られるかもしれない。「いいことっ!壊すほうもそれを承諾するほうも今度壊したらホントに世界遺産登録を抹消しますわよ!」的な。

マイティ・ソー2ダーク・ワールド11

こういう映画は製作に相当すごく時間がかかる。
この映画はグリニッジ天文台の敷地内で戦闘シーンがメインである。
今回は実際に俳優さんたちがどこでどういうロケをしたのかは全く予想がつかない。グリニッジではハメコミのための背景だけを撮ったのだろうか。あるいは建物の一部をどこかの空き地に建設したり、スタジオに再現したのだろうか。その辺のエピソードはまたどこかで調べてみよう。

撮るならどの部分を実写にするか、CGにするか、スタジオにするのかそれだけでも相当難儀な仕事だったと思う。できあがったシーンのつなぎや編集も一大プロジェクトである。こういう映画は、役者さんというより、そういう職人さんや裏方さんの仕事がメインになる。

マイティ・ソー2ダーク・ワールド10

多分戦闘シーンは背景のハメコミだと思うが、そうだとしても役者さんはグリーンカーテンをバックに天井からワイヤーで吊られまくり、敵もいないのにいると見せかけるほどのテンションで、武器を振り回したり、叩きつけられたり、飛び回ったり、角度を変えて何度何度もも同じシーンを繰り返し、とにかく体を使いまくる。
そのためか、ソー(クリス・ヘムズワース)は1話目より筋肉がパワーアップしている。僕にはそのケは全く無いけど惚れ惚れする筋肉だ。

マイティ・ソー2ダーク・ワールド05

今回のダークワールドでは幽閉されたロキ(トム・ヒドルストン)がどうなるのかそこが見ものである。1話目では完全なヒールだったが、今回もちょっとこっち側が騙されたりする(笑)そこまでしか言わない。
(注:こういうことをサラッとネタバラシするレビューが横行しているが実に嘆かわしい。映画検索サイトやDVD紹介でも、あらすじやストーリーもそこまで書いちゃダメ)

マイティ・ソー2ダーク・ワールド03

前回はあまり感じなかったけどこの映画でのジェーン(ナタリー・ポートマン)は中世ヨーロッパの彫刻のようで顔の造作が完璧すぎてなんだか逆に冷たい感じがする。キレイなのは間違いないけど、なんかそれを強調したがってる感じがした。まだ32歳だし素顔も絶対キレイなはずだが彼女自身がちょっとお年を感じてきたのかもしれない。

最初に書いたが、なんだかわからないけど1作目のほうがよかった。したがって2話ダークワールドは●(及第点)と評価した。コミックヒーローを実写化したこの手のシリーズはもう僕にはいいかな、お腹一杯。

マイティ・ソー2ダーク・ワールド02

★★★ くるみ / Mr.Children


「Mr.Children Official Youtube Channel」より

【マイレビュー】※ご使用の環境にあわせ視聴の際には音量調整してください

今日は映画の紹介じゃなく、僕が今まで観た中で一番好きな音楽PV(プロモーション・ビデオ)を紹介する。
Mr.Childrenの『くるみ』である。

映画と同等いやそれ以上に音楽好きな僕としてはこのPVを紹介せずして映画は語れないと言ってもよいぐらい大好きな作品なのである。「秀逸シネマ紹介」とは趣が違うがあえてここで紹介したい。
観てもらえば理由もわかるはずだ。
この作品はもはや「映画に等しく」挫折、苦悩、未来への希望、それに無常観を含んだ「秀逸な青春ドラマ」であるからである。

「6分間の映画」だと思って観て欲しい。

くるみ23

この作品は教えてくれる。
世の中すべて上手く行くわけではないし、夢などそうそう叶うはずは無い。そんな無常な世界だけどそれでもその中で精一杯青春を謳歌する。たとえ年を取っていたっていい。その生き方こそが人間の生き甲斐なんだと。

それは趣味でもある「音楽」であろうと「釣り」であろうと「映画鑑賞」であろうと関係ない。
心のまま好きなことをやればいい。それは誰かを犠牲にすることじゃない。

「好きで楽しいことをやるためにいちいち上を目指す必要は無い」っていうことだ。

くるみ24

Wikipediaより抜粋

くるみ
作詞・作曲:桜井和寿 
編曲:小林武史 & Mr.Children

【作品概要】
「掌/くるみ」(てのひら/くるみ)は、Mr.Childrenの25枚目のシングル。2003年11月19日にトイズファクトリーより発売

【楽曲エピソード】
NTTドコモ・NTTドコモ東北CMソングで、タイアップは発売後に決まった。
タイトルは「これから来る未来」を「くるみ」という人物に擬人化したもので、桜井は「最初はそう思わなかったけど、この曲がMr.Childrenの原点のような気がする」と語っている。メロディーは桜井が風呂に入っている時に思いついたものらしい。

【PV情報】
PV(丹下紘希監督)は架空のバンドである「Mr.ADULTS」が登場し、終盤で桜井が「Mr.ADULTS」のメンバーが捨てた同バンドの名前と一緒に「Mr.Children」と書かれた紙を拾い、画面に「1989年 Mr.Children結成前日」のテロップが出て立ち去る桜井の後姿で終わる。その紙が「Mr.Children」の由来であったことを示唆している。
このPVは「SPACE SHOWER Music Video Awards 04」で、「BEST VIDEO OF THE YEAR」と「BEST GROUP VIDEO」の2つの賞を受賞した。メンバーも「くるみ」のPVが一番好きと公言している。

【収録アルバム】
『シフクノオト』
『Mr.Children 2001-2005』



くるみ22

★隣のヒットマン

隣のヒットマン16

2001年4月21日(土)公開

【作品情報】
ひとりの殺し屋をめぐる人間関係をコミカルに描いたサスペンス。登場人物誰もが誰かを殺したがっている、複雑に入り組んだ物語が展開。クセ者ぞろいのキャラが魅力的!

【ストーリー】
カナダのモントリオールで歯科医を開業中のオズ(マシュー・ペリー)は、妻ソフィ(ロザンナ・アークェット)の父が残した借金を抱えテンテコ舞いの日々。当然、妻との仲もすっかり冷えきっていた。そんな夫婦の隣に、別名チューリップという殺し屋のジミー(ブルース・ウィリス)が引っ越してくる。シカゴを牛耳るマフィア、ラズロを裏切ったうえ死刑に追いやり、本人は刑期を終えて出所してきたばかりの身。奇妙な隣人をいぶかるオズだったが、なぜか2人の間に通じるものを感じ始める。しかしそれも束の間、ソフィにそそのかされ報酬目当てにジミーを密告する計画を立て、シカゴ行きの飛行機に乗り込む。オズの監視役となったのは、マフィアに囚われの身となっているジミーの妻シンシア(ナターシャ・ヘンストリッジ)だったが、オズは彼女に惚れてしまって二人はベッドを共にする。「友人の女に手を出すヤツは必ず殺す」これがジミーの掟だった。

隣のヒットマン03

【作品データ】
原題 The Whole Nine Yards
製作年 2000年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス
上映時間 99分

【スタッフ】
監督:  ジョナサン・リン
脚本:  ミッチェル・カプナー
製作総指揮:  エリー・サマハ 、 アンドリュー・スティーヴンス

【キャスト】
Jimmy The Tulip Tudeski:  ブルース・ウィリス
Nicholas Oz Oseransky:  マシュー・ペリー
Sophie:  ロザンナ・アークエット
Frankie Figs:  マイケル・クラーク・ダンカン
Cynthia:  ナターシャ・ヘンストリッジ
Jill:  アマンダ・ピート
Janni Gogolak:  ケヴィン・ポラック



隣のヒットマン11

【マイレビュー】
いつも邦題にはダメ出しばかりをしているが、褒めるのも時には必要だろう。
「隣のヒットマン」 とても上手い! 100点満点だ。
この邦題にはものすごくセンスを感じる。そうなんだよね、ちゃんと観てから命名すればいいんだよ。やればできるじゃんって思う(笑)

邦題を決める人のなかには「副題(サブタイトル)を付けたがる変なクセ」をもった人がいるが、そいつにはその仕事を任せるべきじゃないね。配給会社としては、映画館への動員数、DVDやグッズの売り上げなど…映画の命運あるいは社運がかかっているそんな大事な仕事をそんなクセを持ったセンスの無いヤツに任せちゃダメ。

『副題を付けた映画に良い映画はひとつも無い』 
言い方を変えれば 『駄作だから副題を付けたがる』

のだ。これは僕なりの『タイトルの法則』なので、皆さんも参考にしてみてください。

隣のヒットマン09

この映画の話に移ろう。カテゴリ分けがとても困るが「コミカルサスペンス」というジャンル、これが一番シックリくる。コメディーやドタバタほどは軽くないが、これに一番近かったのでカテゴリはこれにする。

全編にわたって歯医者のオズ(マシュー・ペリー)が天然キャラで明るく陽気で正義感も強く誠実なため、それがこの映画をコミカルに引き込まれるように描いてくれている。
役者もそろっていて安心して観れる。

殺し屋ジミー(ブルース・ウィリス)と相棒フランキー(マイケル・クラーク・ダンカン)のコンビも面白い。
ブルース・ウィリスは完全にハマリ役でこの人以外ではありえないと思う。

マイケル・クラーク・ダンカンはすでに2012年に54歳でこの世を去っているが、あの2000年作品「グリーン・マイル」の囚人役ジョン・コーフィを演じているあの黒人巨漢俳優だ。繊細で優しい囚人の役は見事だった。その直後に出演した映画がこの作品となる。

隣のヒットマン02


冒頭の一コマ。
強欲な妻ソフィ(ロザンナ・アークェット)は意地悪な母親と組んで、稼ぎの悪い夫のオズをイビる。その後出勤のためにボロい中古車に乗り込みエンジンを掛けた直後に「彼がとるある行動」。
とても幼稚で他愛も無い行動なのだが、僕はいきなりツボにはまった特に好きなシーンだ。
まあこのとるに足らないシーンだが、これが彼の気持ちとストレス、その後の突拍子も無い行動を予感させる重要なシーンでもあったと思う。
時間の無い人は「ここだけ」でも是非観てほしい(笑)


最後まで気楽に観れるギャグ満載の映画で、得てして滅茶苦茶で辻褄も合わないような作品も多い中、シリアス性も追求し、ストーリー展開にもこだわり、「ものすごく丁寧に作られた映画」である。
また一つ一つの場面切り替えごとにちゃんと「オチ」があり、冴えた漫才ネタのような作品だった。


とにかく歯医者のオズの「キャラクター」がこの映画全体を優しく明るく和ませてくれているので、ちょっと落ち込んだときに元気が出る作品として是非キープしてほしい1本だ。

隣のヒットマン07

●ザ・マン・フロム・アース The Man From Earth

the man from earth10

【作品情報】
日本未公開作品。「スター・トレック」シリーズ第39話『イオン嵐の恐怖』の作者ジェローム・ビクスビーの遺作を映画化した異色のSFドラマ。

【ストーリー】
アメリカ郊外の一軒家、そこの住人である大学教授ジョン・オールドマンがひとりで引越し作業をしているところに突然同僚の大学教授達が集まってくる。ハリー(生物学者)、エディス(信仰心の厚い教授)、ダン(文化人類学者)、サンディ(歴史学者)、アート(考古学者)とその生徒リンダの6人だ。彼がずいぶん急に引越しを決めたので押しかけて引っ越し祝いをすることになったのだ。ジョンがあまり友人達には来て欲しくなかったのは、いろいろと事情を詮索されるのがイヤだったのだ。更にジョンの持ち物の中にはゴッホの絵画にそっくりな絵、本物の石器などミステリアスなものが含まれている事に気づき、案の定彼らの質問攻めが始まる。「今までも10年サイクルで環境を変えてきた。それが一番いいんだ。」その答えに納得がいかない友人達は今度は自分達の専門分野に関する質問をどんどんジョンにぶつけてくる。やがてしぶしぶと切り出して語り始めてゆくのだが、その内容は到底信じることが出来ない突拍子も無いものだった。やがてその内容の異常さを相談したウィル(心理学者)が到着し、さらに事態が混乱してゆく。

the man from earth08

【作品データ】
原題:The Man From Earth
製作国:アメリカ
公開:2007年
日本未公開

【スタッフ】
監督:リチャード・シェンクマン
原作:ジェローム・ビクスビー

【キャスト】
ジョン・ビリングスレイ
デヴィット・リー・スミス
トニー・トッド
エレン・クロフォード
アニカ・ピーターソン
ウィリアム・カット
アレクシス・ソープ


the man from earth07

【マイレビュー】
この作品も日本未公開映画だった。
「EARTH」の前に「The」がつかないことで「地球から来た男」にはならない。このあたりの作者の微妙な表現方法も少し考えてみると面白い。日本語にしたときは「ずっと地球にいる男」という意味のほうがニュアンス的には近いんじゃないかな。

この映画を高く評価している人もいたが、僕はそんなに良い映画とは思わなかった。多分僕自身の想像力の欠如だと思う。
もしその場に僕がいたら話を信じたかも知れないし、一晩や二晩のだけじゃ足りないくらいもっともっと訊きたいことばかりだ。結局は映画としてケツカッチン的にあれもこれも話が中途半端で終わっちゃった。彼ぐらいになれば環境の変化から今後未来がどうなるのかがわかるはずだし、それを踏まえたうえで長期計画(?)として彼がこれからどうするのかそれも知りたかった。

ふむふむ、そう考えると僕自身もこの映画にどっぷりと嵌ってしまったのかもしれない。

ジョンの話を彼らのほとんどは「作り話や冗談」だと思って帰っていったかもしれないが、彼らのその「納得感」すら僕には理解できないと思った。自分の頭が整理できるまでの時間があの短い間で完結し結論付けられるはずが無いって思った。それに頭でしか理解できない学者や科学者が集まった空間に、一人の生徒が眼を輝かせて彼の話を聞いていたから彼の救いになるのかと思いきや、結局は彼女も信じ切れていなかったことがちょっと残念だった。

the man from earth09

この映画は部屋の中でのみんなの会話がすべてで、スタッフや役者のギャラとロケ地の借用費ぐらいで特殊効果とか他に何も無いから編集も楽でかなり低予算で出来た作品だと思う。「十二人の怒れる男」のようにほぼ一空間完結型の映画だった。
こちら側の想像力を試される作品である。僕には一つ一つの状況はわかるけれど、時代を超えて行きつづけて来た男としては体中が傷跡だらけのはずだしそのへん進化しすぎのような気がする。まあこの貧困な想像力ではそこまで追いついてゆけない。だから僕は『映画として観るよりも小説で読んで一つ一つじっくりと思い描いてみたい』と思った。だから僕の映画としての評価は及第点で「●」である。

ただ最後のシーンは少しだけホロリとくる。それだけが彼らの「救い」でもあったし、僕らに与えてくれた「解決」だったような気がする。

the man from earth06

★ディフェンドー 闇の仕事人

ディフェンドー01

【作品情報】
『ディフェンドー 闇の仕事人』は、2009年製作、カナダのアクション・コメディ映画。
特殊パワーを持たないヒーローが悪に立ち向かう異色のアクション・コメディである。日本では公開されず、ビデオスルーとして2010年7月14日にDVDが発売された。

【ストーリー】
アーサー・ポピントン(ウディ・ハレルソン)は、昼間は友人のカーター(マイケルケリー)が現場監督をしている道路工事現場で日雇いで働く純粋で素朴でな男である。彼はすこし頭が弱く夜になると、胸に銀色のガムテープで『D』と書いたタートルを着て、眼の周りを黒く塗り、LEDライトと小型カメラを装着したヘルメットをかぶり、全身黒尽くめで自らが作り出したスーパーヒーロー“ディフェンドー”に変身する。拳銃は弱いやつが持つものだととても嫌っていて、ビー玉、ライムジュース、スズメバチが入った瓶、棍棒そしてパチンコといったお手製の武器を装備し、市民を悪の手から守るという正義のアイデンティティーをもって夜な夜なパトロールをしている。ある夜、ディフェンドーが悪徳警官ドゥーニー(イライアス・コティーズ)に虐待される麻薬常習の若い売春婦キャット(カット・デニングス)を助けたことをきっかけに彼らの奇妙な同棲が始まる。そしてキャットの情報から麻薬密売の元締めで幼いころに母親を殺した“暗黒街の総師”の居場所を突き止め乗り込むのだが、警察による極秘潜入捜査の邪魔をしてしまう。

ディフェンドー10


【作品データ】
原題:DEFENDOR
製作:2009年 カナダ
上映時間:101分
ジャンル:アクション/コメディ

【スタッフ】
監督:ピーター・ステッビングス
脚本:ニコラス・タバロック
製作:デビット・グリーン

【キャスト】
アーサー・ポピントン「ディフェンドー」:ウディ・ハレルソン
カトリーナ・デブロフィコウィッチ「キャット」:カット・デニングス
エレン・パーク:サンドラ・オー
チャック・ドゥーニー:イライアス・コティーズ
ポール・カーター:マイケル・ケリー
ジャック・カーター:ダコタ・ゴヨ



ディフェンドー05


【マイレビュー】
日本未公開映画なのでアマゾンDVD紹介のほうから検索したが情報がほとんどなくストーリーは僕が補筆した。

かなり面白かったし、最後はホロリときた。
キャラクターヒーローものであり、しかも強くないし、おつむが若干弱いヒーローということで、あの『キックアス』にもよく似てはいるが、それほど子供向けではなく、配役もベテランぞろいで、ちゃんとした大人のためのコメディータッチヒーロー映画だった気がする。たぶんこの手の映画はハマるひとはハマるんじゃないかな。
僕もそのうちの一人だ。

ディフェンドー07


彼が警察に逮捕され、「デフェンドー」と名乗る彼に対して警官が「ディフェンダーだろ」と突っ込んだところものすごくキレられたと上司に報告するシーンがある。それから後に、売春婦のキャット(カット・デニングス)がまた「ディフェンダーでしょ」と突っ込んでしまったのだ。どんなキレ方するのかはここは絶対見て欲しい。フリの部分が効いている答えあわせである。あれは笑った。

ディフェンドー03


それから、デフェンドーが悪徳警官ドゥーニー(イライアス・コティーズ)をパチンコで気絶させて手錠でつなぎ、倉庫に運んで拷問をする際に彼が使用した「意外な武器」には、僕は鼻からコーヒーを噴出してしまった。
あれは拷問されるほうも笑っちゃってたが、口を割っちゃいそうな効き目ある拷問だった(笑)

とにかく銃が嫌いで、『銃を持つやつは臆病者だ』と言い切るディフェンドー。駄洒落なのか、ディフェン「ドッグ」やディフェン「ドアー」まで出てくるのでその辺も笑いながら観ちゃって下さい。


主役はあの「ナチュラル・ボーン・キラーズ」のウディ・ハレルソンである。完全に反則だ(笑)。
サッカーで言えば背後から完全に「けずり」にきているが「レッドカード」出しちゃもったいない。ちょっと「デフェンドー」つながりで褒めてみたが、わかったかな(笑)。数多くいる俳優さんの中から、よくまあ彼を選んでくれたって思う。その眼力に脱帽である。

ディフェンドー12


●天使の処刑人 バイオレット&デイジー

天使の処刑人10


2013年10月12日(土)公開
【作品情報】
シアーシャ・ローナンとアレクシス・ブレーデルというハリウッド期待の若手女優2人が、美しき殺し屋に扮したバイオレンス・アクション。いつも通りにお手軽なはずの仕事を請け負った2人が思いも寄らぬ事態に巻き込まれていく姿が描かれる。『プレシャス』でアカデミー賞最優秀脚色賞に輝いたジェフリー・フレッチャーの初監督作。

【ストーリー】
ニューヨーク。バイオレット(アレクシス・ブレーデル)とデイジー(シアーシャ・ローナン)は、お手軽な仕事だけを請け負うティーンエイジャーの殺し屋。ある日、仕事仲間のラス(ダニー・トレホ)から、報酬アップの楽な仕事を依頼された二人は一度はあっさりと断るが、雑誌の記事に掲載されていた彼女たちのアイドル“バービー・サンデー”の新作ドレスに惹かれ、そのドレス欲しさに仕事を引き受けることに。ターゲットは、自ら電話で殺して欲しいと頼んできた男だという。ターゲットの部屋に忍び込むことに成功した二人は、ひとりソファで寝ているターゲットの中年男、マイケル(ジェームズ・ガンドルフィーニ)を発見。だが、早く殺して欲しいと願うマイケルにバイオレットとデイジーは動揺を隠せないでいた。時を同じくして、別の殺し屋の男たちがマイケルの部屋へと向っていた。

天使の処刑人15


【作品データ】
原題 Violet & Daisy
製作年 2011年
製作国 アメリカ
配給 コムストック・グループ
上映時間 88分

【スタッフ】
監督 ジェフリー・フレッチャー
脚本 ジェフリー・フレッチャー
製作総指揮 ジョン・ペノッティ 、 ジェームズ・スコッチドープル

【キャスト】
バイオレット: アレクシス・ブレーデル
デイジー: シアーシャ・ローナン
マイケル: ジェームズ・ガンドルフィーニ
ラス: ダニー・トレホ



天使の処刑人00

【マイレビュー】

シアーシャ・ローナン大好きなこの僕がこの映画を見逃していた。
ストーリーはともかく彼女の可愛らしいこと。いつ観ても可憐だ。瞳の色とセリフを超えた表情が大好きだ。
この映画の設定では彼女はプレイボーイ誌に載っていそうな「下半身ジョーク」も理解できないほどのウブな女の子である。

今回もあの「HANNA」と同様に彼女は瞬きもせず拳銃を撃ちまくる。

お菓子もアーティストもファッションも大好きな二人の女子という設定が奇抜で面白かった。
バイオレット(アレクシス・ブレーデル)とデイジー(シアーシャ・ローナン)の美少女ペアの暗殺請負人である。
シスターの格好をして、清掃員の格好で、とにかく弾倉が空になるまで撃ちまくる。

天使の処刑人07


ある日、有名なアーティストのドレスが欲しくて暗殺依頼を受け、忍び込んだターゲットの部屋のソファーで二人とも眠りこけてしまう。その家の主マイケル(ジェームズ・ガンドルフィーニ)が毛布を掛けて二人が起きるのを待つ。そのイレギュラーなシチュエーションでターゲットといろいろと話をするうちに二人とも情が移ってしまう。

部屋の中でのマイケルとバイオレット、デイジーの3人が時間を過ごすうちに、それぞれの持つ悩み、家族への不信、トラウマ…それらが次第に溶けてゆく様がとても人間的でユーモアもあり、そしてほのぼのとしてくる。

天使の処刑人08


ロストガールでも見せてくれたジェームズ・ガンドルフィーニの演技はいつもとても好きだ。
以前は政治モノの「オール・ザ・キングス・メン」でも愛嬌のある悪役もやったことがあったが、ロストガールと同様にこのように人間味溢れる父親役というのが彼に一番ぴったりである。ただ見るたびに太ってゆく。ソファーに掛けるのも一苦労だ。もっともっといろんな映画が出来るよう、健康のためにも少し痩せたほうがいい。

天使の処刑人05



★消えた天使 The Flock

消えた天使21

2007年8月4日(土)公開

【作品情報】
「インファナル・アフェア」のアンドリュー・ラウ監督がハリウッド進出を果たした、戦慄のサイコ・サスペンス。リチャード・ギア扮する監察官が、少女誘拐犯の心の闇に迫る。

【ストーリー】
性犯罪登録者の監察官である公共安全局のエロル・バベッジ(リチャード・ギア)は、18年間続けてきたその仕事を退職するように言い渡されていた。納得できないバベッジだが、後任となるアリスン・ラウリー(クレア・デインズ)の指導を任された。バベッジはアリスンを連れ、担当している登録者たちの元を訪れる。強姦罪で摘発された男、バラバラ殺人で死刑になった男の妻……執拗とも思える尋問や前科者に対する偏見にアリスンは嫌悪感を覚える。そこにバベッジの担当地域での誘拐事件の知らせが入ってくる。被害者の名前はハリエット・ウェルズ(クリスティーナ・シスコ)で大学近くの線路脇で乗馬ブーツが発見されたのだ。バベッジは「自分が監視し続けている登録者たちの中に犯人がいる」と確信していた。バベッジの強引で自己中心的な行動にアリスンはついていけないと激しい言い合いを重ねるが、彼の心の葛藤を知り、渋々ながら共に犯人を追うことになる。

消えた天使03

【作品データ】
原題 The Flock
製作年 2007年
製作国 アメリカ
配給 ムービーアイ
上映時間 105分

【スタッフ】
監督 アンドリュー・ラウ
脚本 クレイグ・ミッチェル 、 ハンス・バウアー
製作総指揮 デイヴィッド・ゴートン 、 カリン・ベア他

【キャスト】
エロル・バベッジ:  リチャード・ギア
アリスン・ラウリ:  クレア・デインズ
ビオラ・フライ:  ケイディー・ストリックランド
ベアトリス・ベル:  アヴリル・ラヴィーン
ボビ・スタイルズ:  レイ・ワイズ
エドマンド・グルムス:  ラッセル・サムズ
グレン・カスティス:  マット・シュルツ
ハリエット・ウェルズ:  クリスティーナ・シスコ



消えた天使15

【マイレビュー】
う~ん、リチャード・ギア。とても渋い役者さんになった。以前はダブルのスーツをびしっと来たダンディーな役柄ばっかりだったが、この映画での彼は男の僕が観ても憧れだ。こんな風に年齢を重ねたいと思う。
物言わぬ寂しげな目が、人生の苦しみや挫折を味わいつくし、悟りの境地にいるような優しい雰囲気を醸しだしている。

エロル・バベッジ(リチャード・ギア)は性犯罪登録者の監察官(公務員)である。職務に実直で持ち前の正義感から執拗で行き過ぎの監視・監察を繰り返す。そのせいで性犯罪登録者からの苦情が殺到し、上司には煙たがられクビを言い渡されていて、後任も決まっている。たいした仕事もしない同僚には陰で笑われる。そんな役柄である。

性善説を尊び、更正を信じる後任のアリスン(クレア・デインズ)に対する引継ぎで、性犯罪の前科がある者らは「決して更正しない」と断言し、「必ず再犯する」と教える。次の犯罪がおきてからでは遅いということである。
彼は卑劣な性犯罪者を心から憎んでいる。彼らを心理的に執拗に追い込み、時には善悪の境目の区別が出来ず、銃も持ち、憎しみが弾けてバットも振り回す。両刃の剣だ。

監察官にはそこまでの権限は無い。警察官でもないため、捜査もできない。
だから最大限の範囲で「性犯罪を未然に防ぐ」。それが本来の監察官の役目であり、彼の使命なのである。
身の危険も顧みず、犯人を追い詰めるのだ。

消えた天使06

「アメリカでは2分に1人、女性や児童が性的暴行を受けている」
「監察官は1人あたり1000人の性犯罪者を監視しなければならない」と冒頭でテロップが流れる。
その監視システムなのだが、
「性犯罪登録者サイトは市民より性犯罪者たちの役に立っている」や、
「外面はすべてを隠す。目に見える生活態度や外面では何もわからない」というセリフも出てくる。

アメリカのたどる道を日本もたどるとしたら、このような性犯罪もこんな狭い日本で増えてゆくのだろうか。昔に比べて確かに「悪の温床」がたくさんある時代になったとは思う。アメリカほどの攻撃性は日本人には無いような気はするが、セリフにもあるとおりこういう犯罪だけは「見た目」とか「生活態度」ではわからない。
現にそういう犯罪も起きている。

消えた天使18

性犯罪者は卑劣で卑怯で陰湿で姑息で男として最低最悪だと僕は思う。
だから罰はすべて「陰茎切除術」がよい。
命は助けてやるかわりに、お前の不要なチンポを根元から切って再犯の可能性を極限まで下げてやるってことだ。もしもこんな罰だったら怖くて絶対犯さないと思うし、余計な監視システムなんか不要だ。人間としての尊厳は全うできるけど男の尊厳は与えないってことだ。

詐欺も窃盗も性犯罪も「なにもかも一律に懲役刑」にしてどうするって思う。罪に応じた罰になっていない。それで更正して真っ当な人間になるはずが無い。日本は死刑がある国なんだからそんな罰だって実現可能だろって。


警視庁や警察による検挙率が上がったとか、そんなのはたいしたことじゃない。
「犯罪が起きている」って事のほうが問題なわけだ。

大事なことは、システムとかナントカ機構とか、そういう形じゃなくて、2分に1回こんな犯罪が起きる前にやはり「人間と人間の関わりの中で犯罪を未然に防ぐこと」それが一番大切なんだと思うのだ。

消えた天使17

▲ノーベル殺人事件 Nobel's Last Will

ノーベル殺人事件06

【作品情報】
映画版「ミレニアム」3部作を放ったスウェーデンのスタッフが世界的ベストセラー“アニカ・ベングッソン”シリーズの1本を映画化。タブロイド紙の女性事件記者アニカはノーベル賞晩餐会を取材するが、舞踏会で銃撃事件が発生。特ダネを狙うアニカは独自に犯人を捜そうとするが……。

【ストーリー】
ストックホルムの市庁舎で行われていたノーベル賞の受賞パーティの会場で、ノーベル医学賞受賞者であるイスラエルの医学者とノーベル賞選考委員会の代表が銃撃されるという事件が発生する。会場を取材中だった新聞記者のアニカ(マリン・クレピン)は偶然犯人と思われるゴールドのドレスの女を目撃していたため、警察から箝口令を敷かれ記事を書かないように圧力をかけられてしまう。翌日アルカイダより犯行声明が出され、受賞者を狙ったテロとの見方が強まる中、アニカは独自に調査を進めていくうちにノーベル委員会の内部犯行であると確信する。関係者が次々に不審な死を遂げていく中、次第に真実が明らかになり黒幕を突き止めたが、女暗殺者はアニカをターゲットに忍び寄る。

ノーベル殺人事件09

【作品データ】
原題 Nobel's Last Will
製作年/製作国/内容時間 2012年/スウェーデン/90分
ジャンル サスペンス/ミステリー

【スタッフ】
監督 ピーター・フリント
製作 ジェニー・ジルベルトソン
脚本 パーニラ・オリルンド
撮影 エリック・クレス

【キャスト】
アニカ・ベングッソン: マリン・クレピン
スピーケン: レイフ・アンドレ
パトリック: エリック・ヨハンソン
ソレル: ペール・グラフマン



ノーベル殺人事件03


【マイレビュー】
スウェーデンのミレニアムシリーズ映画とのことで、期待が大きかったのかもしれない。なんだかありふれたストーリーで展開も先読みできてしまい、あまりにも物足りなすぎてとてもつまらない映画だった。
例のごとく観終わった後でまたWiki等で調べたが、ノーベル賞の由来とか、ノーベルの遺言のことを詳しく知っていたとしても、あまりこの映画では深みを増さない。



すこし脱線。

山中教授のiPS細胞の研究がノーベル生理学医学賞を受賞したのが2012年。
そしていま浮上しているのが、小保方晴子さんの「STAP細胞」の発見論文に関する問題である。

ホントに、引用したとか、写真が無断で使われたとか、そういうくだらないことで余計なヤツが欲丸出しでしゃしゃり出てくるなって僕は思う。多分それらの人たちは自分の研究を横取りされたぐらいに思ってるんだろね。
マスコミも「サムラゴウチ」の騒ぎの後だからってごっちゃになってないか。
捏造とか盗用とかゴーストライターだとか全部一緒にしちゃいかんって。

科学者にしたら無理も無い。
論文の中身こそ権威なんだろうな。

僕にはその研究論文なんか全くわからないしどうでもいい。
一番重要なことはその「STAP細胞」を『誰が発見したのか』そして『それは本当にあるのか』ってことであって、それ以外の余計な侃侃諤諤の理論展開は偉そうなセンセー方だけでやってくれって思ってしまう。

あのマスコミを前にした「STAP細胞」の研究発表は小保方晴子さん自身の名誉のためにも「先にやっといてよかった」と僕は思う。あれがすなわち「最初の発見者」ってことの既成事実になる。
僕が覚えているのは「弱酸性の液(薄めのオレンジジュースぐらい)に浸すことで細胞が初期化される」ってことぐらいだけどね。スキンケア用品の宣伝をしているような発表内容だった。
発見や発明や創作は常に「ヒラメキ」の賜物だったりする。
ゴリゴリに頭が固くなっている学者や理事たちには考えもつかなかった「単純さ」が、なんだかとても普通っぽくて僕はとても好感が持てる。

理解者も支援者も大勢いたと思うが、所属する理化学研究所の上の連中にはもっとしっかり根回ししておくべきだったと思う。大きな功績も無い老練の研究者や理事たちにとって彼女の『若さ』は最大の「脅威」であり、彼女にとっては最大の「弱点」になってしまったように感じる。
どんな検証ややり直しをするのか知らないが、論文のためにまた膨大な日数を費やしたりしなければならないのだろう。

この幹細胞再生分野は、バイオ技術やクローン技術と同じような「倫理問題」も提議される。
それに加えてこの映画のように製薬会社や医療機器メーカーそれに医療団体で利権をめぐっての争いも起きるし、法整備段階や厚労省認可にも政治家が企業と癒着しながら絡んでくる。
実際の医療現場で見られるのはいつになるのだろうか。



ノーベル殺人事件02

この映画の話にやっと戻るが、もともと誰かのために役に立ちたいとか、平和に人々が暮らせるために純粋に作られたものが、お金を生み出すものとなり、それが争いの原因になる。
つまり「発明者の意思が置き去りにされること」それが一番悲しいことだと僕は思う。

ノーベルが最後に記した遺言には莫大な遺産だけが取りざたされるがそれだけの遺書ではない。
彼は平和を愛した。そして国境を分け隔てなく誰にも栄誉を与える道を開いた。
それが平和賞を含んだノーベル賞なのである。


スウェーデン映画であり「ドラゴン・タトゥーの女」と同様の秀逸作を期待して観た映画だったが、サスペンス好きの方にはちょっと満足できない作品だと思う。ひねりが全く無いといっても過言ではない。

ただこの映画を観てまたひとつ偉人について勉強できたし、ノーベルのふるさとであるスウェーデンのストックホルムの美しい風景や夜景も見られた点、そこだけが良かった。

ノーベル殺人事件01



★クリミナルズ  La peur de l'eau

クリミナルズ13

【作品情報】
カナダ映画。フランス語の常用地域であるケベック州マドレーヌ諸島が舞台。ジャン・レミューの「水の恐怖(Lapeur de l'eau)」を若いガブリエル・ペルティエ監督が映画化。
海に囲まれた島で起きた不可解な殺人事件…明らかになる幾つもの動機、疑惑、愛憎…。複雑に絡まり合った難事件に刑事達が挑む、緊迫のサスペンス・ミステリー

【ストーリー】(amazonDVD参照)
周りを海に囲まれたカナダ東部のマドレーヌ諸島のカップオームル市。2日前から行方不明になっていたロザリー・リシャール(ステファニーラ・ポイント)がレイプの末に崖の下で惨殺死体で発見される。ロザリーは市長の愛娘で十八歳になる娘だったが、素行不良でボーイフレンドも多く薬の売人もやっていた。漁業しか産業のない寂れた街で殺人事件を扱った事の無いマグダレン島の警察署は直ぐにモントリオールに捜査依頼を要請し、本部のジングラ捜査官(ノルマン・ダムール)が率いる捜査チームが島に上陸した。的確なプロファイリングをするジングラ捜査官により容疑者は徐々に絞られるがその指示に従う一方で、アンドレ・シュプレナン巡査部長(ピエール・フランソワ・ルジャンドル)は捜査方法やその方向性に僅かな疑問を抱き始める。そしてアンドレは、パートナーのジュヌベーブ・サボア巡査(ブリジット・ポゴナ)とともに初めて担当する殺人事件を独自のやり方で捜査して行くうちに、島が持つもう一つの顔に気づき始めるのだった…。

クリミナルズ14
(マドレーヌ島の海岸風景)

【作品データ】
原題:La peur de l'eau (英題 [Fear of Water])
2011年
カナダ作品フランス語
122分

【スタッフ】
監督:ガブリエル・ペルティエ 
制作:ニコール・ロバート 
脚本:ガブリエル・ペルティエ/マルセル・ボーリュー
原作:ジャン・レミュー

【キャスト】
アンドレ:シュプレナン: ピエール・フランソワ・ルジャンドル
ジュヌベーブ:サボア: ブリジット・ポゴナ
ジングラ巡査部長: ノルマン・ダムール
エリーズ・モレンシー: パスカル・ビュシエール
ロザリー・リシャール: ステファニーラ・ポイント
マジェラ: エヴァン・ジェリン



クリミナルズ10

【マイレビュー】
この作品はあまり詳しく掲載されているサイトがなく、自力でフランス語を翻訳しながら配役とかを書き足したのでカタカナにしたときの発音が違う場合があるがご容赦を。

この映画、ストーリーとそれにまつわる一つ一つの意味するところの奥深さが尋常じゃない。
この作品を普通に通り一ぺん観ただけでは作品の奥深さは多分判らないだろう。特に日本人には。

僕は気にかかったことはすぐに調べたくなる癖がある。別に悪い癖じゃないが(笑)
映画についてもそうで、なぜあの時あのセリフだったんだろうとか、あの風景はどこだろうとか、なぜみんな道路を横切るんだろうとか、あの見たことも無いキッチン用具は何だったんだろうとかちょっとした違和感や疑問はほぼ全部調べ倒す。
そしてコピペしてメモ帳に貼り付けておく。それですっかりまた忘れる。その繰り返しだ(笑)。
だからそのとき感じたものを湯気が出ているうちにブログにしたためるようにしたのがこの拙い映画評論のきっかけである。まあ僕自身の備忘録ってわけなので、皆様の観たい映画の参考に利用価値があるかどうかは判りませんのであしからず。

クリミナルズ02

この映画を観てまず感じた違和感はこうだった。
なぜカナダ映画なのに「フランス語」なんだろう。

僕の知識不足だったが、カナダと言えば『英語』常用だと思っていた。いままで全く知らなかったが、逆に知らなかったからこの機会にもう少し突っ込んで調べてみた。
この作品の舞台になった「マドレーヌ諸島」を含むケベック州ではフランス語が唯一の公用語になっているとのこと。地理的にはカナダの最東端あたりになる。このマドレーヌ諸島というのは昔々、400隻という難破船の生き残りが住み着いた島だということだ。またヨーロッパの植民地争い中から迫害されてきた人たちがこの島に逃げてきて漁業でひっそりと暮らしてきた。風景も美しい島々である。英語ではマドレーヌ諸島だが、フランス語では「マグダラン諸島」となる。それは「マグダラのマリア」というキリストに仕えた聖女を意味する言葉としても用いられ、ルカによる福音書に登場する『罪深い女』や『娼婦』の意味もあるという。

余談だがこのマドレーヌ諸島の南方には1543年にフランスの探検家ジャック・カルティエによって発見された「プリンスエドワード島」がある。『赤毛のアン』を書いたL・M・モンゴメリが住んでいた島として有名で観光名所にもなっていて、そこでは英語を主な公用語としている。

このようにこの映画の舞台になったマドレーヌ諸島(マグダレン諸島)の歴史や地理、産業、言語、日本人には判りづらい信仰にまつわる逸話などを知っておいたほうが、この映画をもっともっとスリリングかつ興味深く観れるはずだ。

クリミナルズ06

主人公のアンドレ・シュプレナン巡査部長(ピエール・フランソワ・ルジャンドル)は、妻と別居し娘と二人で暮らしており、水を恐れるパニック症候群で抗うつ剤を手離せない。どちらかと言えばメタボで柔和だがそれほど精彩もなく実直さだけが取り柄の男である。通っている心理カウンセラーのエリーズ(パスカル・ビュシエール)に「思い切って飛び込んでみることも必要よ」と説得される。
けっしてかっこよくない主人公の配役からして僕は好きである(笑)

相棒の女性警官のジュヌベーブ・サボア巡査(ブリジット・ポゴナ)は仕事に誠実な彼にあこがれていて、職場ではアシスタントのマジェラ(エヴァン・ジェリン)と恋の火花を散らすシーンもある。ジュヌベーブは常に歯の矯正ワイヤーを装着しているので、彼の前では極力笑わないようにして口を結んでいる姿が健気でいじらしい。だけど顔は長い。

モントリオール本部警察のプロファイリングでも、アンドレの捜査でも、島民や酒場の連中など、次から次へ怪しいやつがとにかくいっぱい出てくる。そのへんが「クリミナルズ」と邦題を付けた理由だろう。
だけどやっぱり、犯行の『動機』がこの映画の一番のキーポイントなのである。

『なぜカナダ映画なのに「フランス語」なんだろう。』
この疑問を抱いていなければこの映画の奥深さに僕はずっと気づかなかったと思う。

田舎警察の真面目な警察官がコツコツと捜査してゆく姿には、人間生きてゆくなかで、数多くの逆境や誘惑が待ち構えているけれど、「常に真面目に生きなさい それが一番大事なことですよ」 と教えてくれているように思う。
とてもストーリーのしっかりしたサスペンスミステリーなので、これでどっぷりと映画の中に浸かることが出来ると思う。ただ次々に出てくる怪しい人物の名前がいたるところで会話に多用されているので、誰が誰なのか整理しきれないかもしれない。ただ何気ないシーンや会話の一つ一つも伏線となっているのでぜひお見逃し(お聴き逃し)無く。
「横溝正史」の金田一名探偵シリーズにすこし似ていて、最後まで犯人が分からない展開なので、そういう推理小説好きの方も必見だと思う。

クリミナルズ07

●マージン・コール Margin Call

マージン・コール05

【作品情報】

2008年の世界金融危機(リーマン・ショック)を題材に、ウォール街が崩壊へと向かう緊迫の24時間を金融マンたちの視点から描いた社会派サスペンス。ウォール街の投資会社で大量解雇が発生。その対象となったエリックは、意味深な言葉と共に後輩のアナリスト、ピーターにUSBメモリーを託す。その晩、USBメモリーに記録されたデータを調べたピーターは、会社倒産にも繋がる衝撃の事実を知る。キャストには、ケビン・スペイシーをはじめ実力派俳優が集結。第84回アカデミー賞で脚本賞にノミネート。

【ストーリー】
ウォール街のとある投資銀行。ある日、突然の大量解雇が発表される。リスク管理部門でも多くのスタッフがオフィスからの退去を命じられる中に、リスク管理部門の責任者エリック・デール(スタンリー・トゥッチ)の姿もあった。彼は「用心しろ」という意味深な言葉とUSBメモリーを部下であるピーター・サリヴァン(ザカリー・クイント)に手渡した。その晩、残されたデータを分析したピーターは、会社が全資産を超える損失に繋がりかねないリスクを内包した大量の金融商品(不動産担保証券、いわゆるサブプライム商品)を抱えている、という結論に達する。即座に新たに上司となったウィル・エマーソン(ポール・ベタニー)を呼び出し状況を説明するピーター。既に状況は逼迫しており、明日にもリスクが顕在化する危険があった。ウィルと上司のサム・ロジャース(ケヴィン・スペイシー)は緊急役員会の招集を進言する。会社の存亡の瀬戸際で役員達が導き出した結論は、市場が気付く前に全ての不良資産を早急に売りさばくことだった。

マージン・コール15

【作品データ】
原題 Margin Call
製作会社  ビフォア・ザ・ドア・ピクチャーズ
配給  ロードサイド・アトラクションズ、アメイジングD.C.
公開  2011年1月25日 アメリカ
上映時間  109分
製作国 アメリカ合衆国

【スタッフ】
監督 J・C・チャンダー
脚本 J・C・チャンダー
製作 ロバート・オグデン・バーナム他
製作総指揮 ジョシュア・ブラム他

【キャスト】
サム・ロジャース: ケヴィン・スペイシー
エリック・デール: スタンリー・トゥッチ
ウィル・エマーソン: ポール・ベタニー
ピーター・サリヴァン: ザカリー・クイント
セス・ブレッグマン: ペン・バッジリー
ジャレッド・コーエン: サイモン・ベイカー
サラ・ロバートソン: デミ・ムーア
ジョン・チュルド: ジェレミー・アイアンズ



マージン・コール22

【マイレビュー】

鑑賞していて途中でムカついてきた。この手の大手の投資会社、大手銀行や証券会社破綻劇はすでにたくさん映画化もされているが、実態がここまで酷いとは知らなかった。あきらかに『悪行三昧』っである。
役者が上手すぎて余計に腹が立つ(笑)

好きな女優さんである『デミ・ムーア』は「G.I.ジェーン」のときが一番ステキだった。最近。相当劣化しているけど、このときはギリOKかな。まだ色気たっぷりだ。ただ彼女の色気は全くこの映画では生かされる場面がなかったが、結局事なかれ主義を選んだ役員の一人だったが最後はやっぱり社長から裏切られる。

それから『ケビン・スペイシー』、「セブン」で不気味で頭の良い連続殺人犯役もやったが、クールで物静かで雰囲気のあるとても好きな俳優だ。彼もこの映画では最終的には魂を売った中間管理職の役をしている。

『スタンリー・トゥッチ』ちょっと見だとわからないが「ラブリーボーン」の犯人役だった。この人もいろんな役柄が出来るすごいキャパの広い俳優さんだ。彼が一番先にクビになるが、なんでもっと早く告発しない!?

『ザカリー・クイント』まだまだ若い。ここでは有能な部下を演じていたが、上司に楯突くこともなくやはりサラリーマンだった。どうせクビだし潰れる会社なら、上司もへったくれも無い。正義感出して食って掛かればいいのに、それでも男か、バカモン!あの「スター・トレック」のスポック役とゲイの道でカミングアウトしてしまったことで有名。

『ジェレミー・アイアンズ』とにかく一番ムカついたのがこの人演じる社長。さすが名優、最悪の社長を演じるのにも最後まで憎たらしいほどの威厳を保っている。破綻した当日の朝だと言うのに「ホテルの最上階でワインを片手にステーキ朝食を食っている」ほどの余裕をぶちかましてくれちゃってるし。


作品の評価はとても難しいが、僕がムカついた分はマイナス(笑)。
監督、脚本、撮影など映画としての基本部分については問題なし。専門用語だらけの会議は難しかったが、会話のやり取りの中で素人向けにも解説してくれていた。そういう親切なところは★だし、役者が上手すぎるのも★。総合的には、実話なだけに「娯楽性」は無く、2回は観なくてもいいかなって事で及第点の●かな。。

マージン・コール03

破綻したリーマン・ブラザースの最後の一日を克明に記した映画でありほぼ実話に等しいようだ。こんな無茶苦茶なことが実際に行われていたのだから、証券取引だとか資産運用だとか全く関係ない一般人たちさえもトバッチリを受けないはずが無い。
こういう大バカ野郎な連中が資産運用を担っていて、金融経済を動かしているわけだ。
最後には自分達の保身だけを目的に市場を動かして虚偽取引で損失補填に走る行為はさながら血迷った通り魔のようだ。

どこかで事前に察知できるシステムが「社外に」絶対に必要である。役員クラスの政府スパイを金融機関に潜入させたり、解雇されたサリヴァンのような優秀で冷静な人がFBIとか金融庁や財務省にいつでも内部告発できる「証人保護システム」のような仕組みを「国際的に」作ったほうがいいし、こういう事態になったら、まずはじめに「企業トップ&役員の資産差し押さえ」を緊急発動すべきだ。「超法規措置」ってやつである。

マージン・コール17

だってもともとお金で解決する問題なのだから、余計な記者会見とか、刑事告訴手続きとか逮捕状請求とかは二の次だし別次元だと思う。行動制限を発令して逮捕なんかしなくてもいいぐらいだ。
それよりまずはじめに企業の社長、会長、専務ら役員らの資産を即刻凍結して、一切のお金も左右できないようにするほうが理にかなっていて重要でまともなやり方だと思うわけだ。破綻の当日の朝でもいつもと変わらず優雅にワインを開けステーキ朝食を食ってる役員は、即刻身ぐるみ剥がして保釈金も払えない資産ゼロのどん底へ突き落とすべきだと思うね。あの堺雅人がキャバクラで宇梶をやっつけたように。

お金は「プラマイなんぼ」の世界だから役員の資産凍結ぐらいで負債がトントンにはならないとは思うが、それである程度解決できれば一番いい。それが「損失補てんの本来の形」である。


「マージン・コール」とは資産運用取引における用語のひとつとのことだが、調べてみても僕にはちんぷんかんぷんだった。別に知らなくてもいいし、この先この言葉が役立つとも思えない。
そのぶん、いくつかの「孔子の格言」でも実行したほうが人生のためになるはずだ。

マージン・コール06

証券取引、FXやデイトレードなど専門的分野に長けている方であれば、この映画の中の最後のやりとりは面白すぎて腰を抜かすんじゃないかな。普通だったら笑えないんだけど笑ったりしてさ、ああそんなヤツ気持ち悪い。
それに毎日椅子に座り机の上の何枚ものモニターを見ながらお金を右から左、左から右へスライドさせているだけの”デイトレーダー”と言われる連中は、僕から言わせたらただの「グータラのゲーマー」でしかない。そんなんでいくら大金持ちだろうといい家に住んでようと人として超かっこ悪い。全く尊敬に値しないし、はっきり言って軽蔑する。画面上の数字の桁が何億だろうと関係なく、人間としての義務や資質や品格が欠如している。

「やつらはマネーゲームが無かったら他のギャンブルにでものめりこんでる連中さ、どうってことない」
ってセリフもこの映画にある。本当にそのとおり。

朝からどこにも行かず椅子に座って画面を見ながらキーボードをカチャカチャやっているその間、額に汗して一生懸命働いている人たちがいる。その人たちが世の中を動かし、世の中を良くしている人たちである。
こつこつと毎日当たり前のように働いているそういう人たちが、マネーゲームのトバッチリを受けるような世の中になってはけっしていけないと僕は思う。

今日は映画のレビューではなくただの主張になってしまいましたが、あしからず。

P.S.
先日ビットコイン取引所の破綻があったが、もともとあんなのおかしいに決まってる。
コインの価値が変動したころは機関投資家が介入し始めたってことに相違ない。一気におかしな連中が顔を出してきてあの破綻だ。むしろこっちにまで被害が無くて早く破綻してくれてよかった。

マージン・コール09

★マイティ・ソー THOR

マイティ・ソー20

MovieWaklerより抜粋
2011年7月2日(土)公開

【作品情報】
『スパイダーマン』『アイアンマン』などで知られるマーベルコミックの人気ヒーローのドラマを、シェイクスピア作品などで知られるケネス・ブラナーが監督し、実写映画化。神の世界に生を受けし最強ながらも傲慢なソーが地球へ追放され、真のヒーローとして成長していくドラマが展開される。ソーの仲間役で浅野忠信が共演。

【ストーリー】
神の世界アスガルドの王オーディン(アンソニー・ホプキンス)の息子ソー(クリス・ヘムズワース)は、選ばれた者しか持つことのできない伝説の武器“ムジョルニア”を手に、最強の戦士としてその力を誇っていた。しかし強すぎるあまりその傲慢さから、氷の巨人の世界へ身勝手に攻め込み、アスガルドを戦乱の危機に陥れる。その行為に怒ったオーディンはソーの力とムジョルニアを奪い、地球へと追放する。地球の荒野で目覚めたソーは、天文学者ジェーン(ナタリー・ポートマン)たちの乗った車に撥ねられる。ソーは慣れない人間生活を送るが、ジェーンとの出会いによって人間の痛みや弱さを学び、彼女に心を奪われていく。一方そのころ神の世界では、邪神ロキ(トム・ヒドルストン)がアスガルド征服を狙い、陰謀を企てていた。

マイティ・ソー27

【作品データ】
原題 THOR
製作年 2011年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント ピクチャーズ ジャパン
上映時間 114分

【スタッフ】
監督 ケネス・ブラナー
脚本 アシュリー・エドワード・ミラー 、 ザック・ステンツ 、 ドン・ペイン
原案 J・マイケル・ストラジンスキー 、 マーク・プロトセヴィッチ

【キャスト】
ソー: クリス・ヘムズワース
ジェーン・フォスター: ナタリー・ポートマン
ロキ: トム・ヒドルストン
エリク・セルヴィグ: ステラン・スカルスガルド
ローフェイ: コルム・フィオール
ヴォルスタッグ: レイ・スティーヴンソン
ヘイムダール: イドリス・エルバ
ダーシー: カット・デニングス
ホーガン: 浅野忠信
フリッガ: レネ・ルッソ
オーディン: アンソニー・ホプキンス



マイティ・ソー17


【マイレビュー】
シリーズ最新作もあるようだが、これは3年前の「THOR」第一作目の作品だった。
僕があまりすすんで観ないコミックの人気ヒーローものということで、すこし敬遠していたこともあり希少な鑑賞となった。各映画紹介サイトではあまり高い評価はされていないようだが、掛け値なしに面白かった。
アメリカンな勧善懲悪のヒーローもので、王の継承争いも絡んだよくあるストーリーではあったが、その分安心して最後まで観れた。

CGがほとんどの映画なのだが、その映像美は見事で細部に至り見惚れてしまった。本当にすごい進歩だ。
シリーズ最新作まで是非観てみたい。

マイティ・ソー21

僕の視聴順なので公開時期が前後するが、主役のクリス・ヘルムワースは2014公開の「RUSH」でレーサーのジェームス・ハント役をやっていてとてもいい役者さんだと思っていたが、なるほど、3年前のこの作品で人気が出たのは間違いないだろう。本当に華がありそれでいて翳があり、筋肉も惚れ惚れする。カリスマ性を持った役者さんだと思う。

僕が好きな『LEON』で13歳でデビューし『ブラック・スワン』で主演したナタリー・ポートマンも出ていて、まあ超キレイでチャーミングな大人の魅力であふれている。

マイティ・ソー23

エリク役には『ドラゴン・タトゥーの女』のステラン・スカルスガルドという渋く一癖のある俳優もでていた。

それにオーディン王に『羊たちの沈黙』のアンソニー・ホプキンスという言わずと知れた最高の名優も健在だ。

マイティ・ソー14

またなんと四銃士の中に浅野忠信さんも出演していたのにはびっくりだった。
豪華メンバーの競演ですばらしく重厚な作品になっていたと思う。

気になった俳優さんが一人いた。
『ハート・ロッカー』で主役をしたジェレミー・レナーである。
いろいろ選択出来る武器類からわざわざボウガンを選んでクレーンで吊ったゴンドラに乗って狙撃するスナイパー役をしていたが、彼がなんであんな誰でも出来るチョイ役だったのだろう。その後の展開も全くなかったし。2作目3作目で活躍するのだろうか、その伏線かもしれない。


配役的にもこれはアニメ好きや子ども対象だけの作品ではなかったこともよくわかった。★ひとつ進呈します。

マイティ・ソー08

●チャーリーとパパの飛行機 L'Avion

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MovieWalkerより抜粋
2007年9月1日(土)公開

【作品情報】
「ロベルト・スッコ」の鬼才セドリック・カーン監督の最新作はコミックにヒントを得た愛と感動のファンタジー。子役のロメオ・ボツァリスのかわいらしい表情が涙を誘う。

【ストーリー】
チャーリー(ロメオ・ボツァリス)へのクリスマスプレゼントは、大好きなパパのピエール(ヴァンサン・ランドン)が何日もかけて作った模型の飛行機だった。しかし自転車が欲しかったチャーリーは何の変哲も無い飛行機のプレゼントにとても不満だった。しかしその数日後、パパは事故にあってこの世を去ってしまう。ママはすっかり落ち込み、チャーリーはパパの最後のプレゼントの飛行機をそっと抱きしめて眠った。翌朝、目が覚めたら飛行機は、チャーリーには手が届かないはずなのに、いつのまにかパパが置いた場所に戻っていた。喪が明けてママは仕事に戻り、チャーリーもあの飛行機と一緒に、学校に再び通いはじめた。クラスで皆が飛行機にいたずらしようとすると、飛行機はひとりでに床を滑り出し、チャーリーのもとへ戻った。さらに家に帰って飛行機に話しかけると、まるで生きているように赤く点滅し、優雅に滑空するのだった。ママが仕事に出かけヘルパーが来て掃除をしている間に飛行機でいたずらを仕掛けたりする。そしてパパがいる天国に行ってみたいと思いチャーリーは屋根のてっぺんに上りそこから飛行機に乗って飛ぼうとするが・・・。

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【作品データ】
原題 L'AVION
製作年 2004年
製作国 フランス
配給 ワイズポリシー
上映時間 100分

【スタッフ】
監督 セドリック・カーン
脚本 セドリック・カーン 、 イスマエル・フェルーキ 他
原作 マグダ・セロン 、 ドゥニ・ラピエール

【キャスト】
チャーリー: ロメオ・ブツァリス
カトリーヌ:  イザベル・カレー
ピエール: ヴァンサン・ランドン
グザビエ: ニコラ・ブアンソ
メルセデス: アリシア・ジェマイ



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【マイレビュー】
ストーリーはとてもよかったと思う。ただ大人より子供向けのファンタジック映画だと思った。
作品として評価すると脚本、脚色、人物描写、伏線などいろんな箇所がB級映画っぽくて雑だった。

ほとんどの人がそうだと思うけど「チャーリーと○○○○」と聞くと「チョコレート工場」のほうがピンとくるし、そういう面では主人公の名をフランス語の発音っぽく「シャーリーとパパの飛行機」とかにしたほうが良かったかもしれない。本当は「パパの飛行機」だけでも良かったのに、配給会社はいつも有名映画のタイトルを適度にパクる便乗商法が常套手段だ。そういう「一枚咬ませて」的で商魂が見え透いちゃってるやり方は僕はどうも好かん。

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フランスの田舎の田園風景がすごく良かった。空気も綺麗そうな場所で、なだらかな緑の丘は観ていて癒される。
フランスの田舎って本当に美しい。
チャーリーはそれはそれは可愛らしい。純真無垢な7~8歳の子どもだった。撮影の途中でもしかしたら前歯が抜けちゃってる?映画の初めと終わりでちょっと表情が違っているように感じたが僕の気のせいかもしれない。

大好きな父親に伝えたいことがあると言ってたそんな可愛い彼が発した最後の言葉でうかつにも泣いてしまった。
「自転車欲しい」とか言っちゃったらどうしようと思ってハラハラしたが。


適度に大人のエゴを絡ませたストーリーだったが、パパがいた研究所、そこがなんの研究施設なのか、結局その飛行機はパパの何だったのか、そこでパパは何をやっててどんな事故に遭い、どんな秘密があったのか。何も明かされなかったし家から出てきた日記帳でも全然解決していない。それに連中の悪だくみは果たして何だったのかすら分からなかった。そういう重要と見せかけた伏線、それが何だったのかを子どもに訊かれても大人も答えようが無いのだ。

だから子どもと一緒に観てもいいけど、子どもに訊かれる質問を想定しその答を準備しておくためにも、親が最初に一度見ておく必要があるね(笑)。

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★バンテージ・ポイント

バンテージ・ポイント01

2008年3月8日(土)公開

【作品情報】
大統領暗殺の意外な真実を、警護官や観光客ら8つの異なる視点で事件の前後をリピートして描いた斬新なサスペンス・アクション。主演のシークレットサービスをデニス・クエイドが務めるほか、デニスの同僚役にはテレビドラマ「LOST」主演のマシュー・フォックスが演じる。ほかにも『ラストキング・オブ・スコットランド』でアカデミー賞最優秀主演男優賞を受賞したフォレスト・ウィッテカーや『エイリアン2』のシガーニー・ウィーヴァーら一流のスターが名を連ねる。斬新なストーリー展開と8つの視点から導き出される驚がくの結末に息をのむ。大統領狙撃事件の意外な真実を映し出すサスペンス・アクション。

【ストーリー】
スペインのマヨール広場は群衆によって埋め尽くされ、演壇ではテロ撲滅の国際サミットに参加している米国のアシュトン大統領(ウィリアム・ハート)のスピーチが始まろうとしていた。その時、何者かの凶弾によって大統領は狙撃され、続いて大爆発が起こる。その瞬間を撮影したハワード(フォレスト・ウィッテカー)をはじめ、パニック状態に陥る群衆の中で、シークレット・サービスのバーンズ(デニス・クエイド)は最も恐れていた事態が現実となったことを理解した。かつて大統領の護衛中に被弾した経験を持つ彼にとって、今回の復職は1年ぶりのものだった。(以下はネタバレにつき省略)

バンテージ・ポイント17

【作品データ】
原題 Vantage Point
製作年 2008年
製作国 アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
上映時間 90分

【スタッフ】
監督 ピート・トラヴィス
脚本 バリー・L・レヴィ
製作 ニール・モリッツ

【キャスト】
トーマス・バーンズ: デニス・クエイド
ケント・テイラー: マシュー・フォックス
ハワード・ルイス: フォレスト・ウィテカー
レックス・ブルックス: シガニー・ウィーヴァー
ヘンリー・アシュトン大統領: ウィリアム・ハート



バンテージ・ポイント02

【マイレビュー】
この手のお金がかかったアクション映画はやっぱりアメリカが一番優れている。お金を掛けなきゃアクション映画は撮れないんだろうな。他の国の映画に比べて貧乏くささを全く感じない。ホント、惜しげも無く使いすぎである。

闇の部分であるサスペンステイストよりド派手なカーチェイスを選んでしまう国なんだろうな。ストーリー性よりもお金を掛ければ臨場感や迫力でごまかしが利くし、大統領を救うために何人を犠牲にするかは度外視してヒロイズムだけを追求している。アメリカのアクション映画は徹底的なワンパターンで逆に気持ちいいぐらいである。

皮肉たっぷりに書いたけど、僕も意外と好きだからついつい眠気も覚めて観てしまうんだなぁ。

バンテージ・ポイント15

スペインのサラマンカを撮影場所にしているが、マドリードからも近いその「サラマンカ旧市街全体」はユネスコの『世界遺産』に登録されていて、いくらCGだからってその最たる建造物であるマヨール広場にエキストラを1万人以上詰め込ませて爆破しちゃうような映像って本当にいいの?って思った。協力するほうもするほうだけどユネスコの許可下りてるのかな。世界遺産取り消されちゃうよ(笑)

ウィキで調べたところサラマンカはスペイン屈指の大学街でもあるらしいので、マドリードばかり行ってしまう観光客のお裾分けを狙った市の観光対策の一環で大勢の学生たちに声を掛けて、
「ここにハリウッド映画を呼ぼう!!」なんて言ってエキストラ役をしこたま集めちゃったのかも。
多分そうだろ。世界遺産のサラマンカ市街を知ってもらおうってんで街おこしのタイアップ企画ってわけだ。

「おためしかっ!」か「温泉おかみの事件簿」みたいなもんか。ちがうか。

爆破シーン以外はCGじゃないと思うんだけど、それもよく分からない。もう映像では判別できないほどのCG技術の発達である。実際キャプチャ写真にあるとおり、空撮シーンで街全体を俯瞰で撮っていたがそれはそれはマヨール広場はぎゅうぎゅう詰めで、人々がパニクって爆破で蜘蛛の子を散らしたように逃げるシーンではグッチャグッチャで多分本当に血を見た人も出たと思う。心配になっちゃうんだよね、いまさらながら。

ド迫力だったカーチェイスも同じサラマンカで撮ってるのかな。
石の壁やら階段やらバコン!バコン!と車をぶつけ、交差点には濃い目のタイヤ痕を付けながら世界遺産のサラマンカ旧市街を破壊しまくってるんだけどいいのかよっ、弁償じゃ済まないぞって。

「007スカイフォール」だったかな、あれは確かイタリアだった。そこも多分世界遺産の街で、文化的景観の屋根瓦の上をオートバイでバリバリと走ってゆく。屋根瓦をいたるところでバリンバリン落としながらだ。
そんなシーンによく似たこのカーチェイスだった。

バンテージ・ポイント14

この映画に最大の特徴がある。
上映時間は『90分』なのにストーリーそのものは『ほんの20~30分間の出来事』だということである。
上映時間よりストーリーが短いこんな奇抜な映画を今まで僕は観たことがない。他にあったら教えて欲しい。
当事者や目撃者の8人の目線で何度も反復しながら進んでゆく映画である。すこししつこいぐらい反芻する。
視点や視線の違い、場所、そばにいる人間の違いや、見る角度の違い、それから何を目的としているかの違い。そういう別目線の8つのドラマを見ているのである。

同じシーンを何度も反復する映画は『8ミニッツ』で観たことがあるが、設定がそれとは全く違う。

その手法の奇抜さは必見だ。


バンテージ・ポイント05

★★きみに読む物語 The Notebook

The Notebook09

MovieWalkerより抜粋
2005年2月5日(土)公開

【作品情報】
ニコラス・スパークスのベストセラー小説を映画化した正統派の青春ラブ・ロマンス。身分違いの若い男女の愛の軌跡が、ある老人の回想を通して詩情豊かにつづられる。

【ストーリー】
とある療養施設に暮らす初老の女性(ジーナ・ローランズ)は、アルツハイマー病によって過去の思い出を失ってしまっている。そんな彼女のもとに、デュークと名乗る男性(ジェームズ・ガーナー)が定期的に通って、とある恋の物語を読み聞かせてやっている。1940年、ノース・カロライナ州シーブルック。家族とひと夏を過ごすためにこの土地にやってきた良家の子女、17歳のアリー・ハミルトン(レイチェル・マクアダムス)は、材木工場で働く地元の青年ノア(ライアン・ゴズリング)と恋におちる。しかしアリーの両親は2人の交際を認めず、夏の終わりと共に彼らの仲は引き裂かれた。アリーは学校へ、ノアは勃発した第2次世界大戦へ出兵。やがてアリーは、戦時下にボランティアで看護した元兵士のロン(ジェームズ・マーデン)と新たな恋におちる。富裕な弁護士であるロンとの縁組に、今度はアリーの両親も大賛成。そしてロンとの結婚式が目前に迫ったある日、アリーは地元の新聞に掲載された写真にノアの姿を見つける。

The Notebook01

【作品データ】
原題 The Notebook
製作年 2004年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 123分

【スタッフ】
監督 ニック・カサヴェテス
脚本 ジェレミー・レヴェン 、 ジャン・サルディ
原作 ニコラス・スパークス

【キャスト】
Alice Hamilton: レイチェル・マクアダムス
Noah Calhoun: ライアン・ゴズリング
Duke: ジェームズ・ガーナー
Alice Calhoun: ジーナ・ローランズ
Lon Hammond Jr.: ジェームズ・マースデン
Frank Calhoun: サム・シェパード
Anne Hamilton: ジョアン・アレン


The Notebook02

【マイレビュー】
う~ん、恋愛映画と言ってしまうのはちょっと違うかな。「究極の愛情物語」って表現がぴったりだ。
でも僕はところどころ、「それは違うんじゃないか??」って思える部分も多々あったが、民族の違いなのかもしれないと思い直した。

自由奔放で快活なアリス(レイチェル・マクアダムス)といつも淋しげで翳りがあるノア(ライアン・ゴズリング)、僕は自然とノア側に立って観たが、本当にやりきれない日々を過ごしたんだろうなって思う。それほどまで引きずったり惚れ倒すことってまさに一生に一度っていうか一生モンだ。
彼女には確かに素晴らしい魅力がある。(っていうか女優さんなんだから当たり前と言えば当たり前なんだけど、)「惚れてまうやろ~」と思う。しかもこの映画の中の彼女はとても自然だし、二人とも演技でやっているとは思えないぐらいで本当にこの二人は愛し合ってるぞ~なんて思えるシーンが数多くある。

画像検索すると雨の中のキスシーンが多く、もっと彼らのいろんな表情の画像が検索できたらいいのになって思った。
これらも拾い画像を加工して載せたものだが、もっともっと秀逸なシーンは数多くあったはずなのだがほとんどヒットしなかった。この映画観たのは二度目だが今日はたまたまCATVで観たのでキャプチャが保存できなかったのが痛い。

The Notebook04

老人同士が語り合う。そしてじいちゃんのデューク(ジェームズ・ガーナー)がハードカバーの本を読み、ばあちゃん(ジーナ・ローランズ)がそれを聴いている。このばあちゃん、認知症で入院しているのだが、どういう関係でこの物語に絡んでいくかは最後のほうできちんと明かされる。なのでそれはここでは伏せておこう。果たしてじいちゃんのその「ひたすら」な思いがばあちゃんに通じるのだろうか。
役柄としてちょっとじいちゃんとばあちゃんのキャラクターのイメージが違いすぎる気がしたが、それはそれでまあ良しとしておこう。

キスシーンが多く、小さな子供にはちょっと見せられないかも。だから早く寝かしつけて、少し冷めたぐらいの夫婦でご覧いただくのがいいかもね(笑)。
総合的にはとっても秀逸な映画だと思う。

鼻をかむティッシュか、涙拭きのタオルハンカチを用意しておきましょう。

The Notebook08

★ロッテルダム・ブリッツ~ナチス電撃空爆作戦~

Het Bombardement29

ロッテルダム・ブリッツ ~ナチス電撃空爆作戦~

【作品情報】
ナチスドイツの電撃戦、その最も成功した形と言われるファル・ゲルプ作戦の、1940年5月10日の開始から5月14日ロッテルダム大襲撃にいたる数日間の想像を絶する状況下で繰り広げられる人間ドラマ。

【ストーリー】
1940年5月10日、ファル・ゲルプ作戦始動。空から降下してくるナチスドイツ軍にオランダ中が大混乱に陥る。奇しくもその時、ドイツ人女性エヴァ(ルース・ヴァン・エルケル)がオランダ人実業家ダークとの結婚の為ロッテルダムを訪れていた。ナチスの台頭を予測してドイツ人を妻に迎えておこうというダークの打算による政略結婚だった。しかしこの戦争の勃発によりドイツ国籍の彼女の家族がオランダ警察により逮捕されてしまう。ダークの力でエヴァは逮捕を免れたものの、戦火のさなかに勾留されている家族を救い出さねばならない。その時名乗りを上げたのが、彼らが定宿にしているホテルのボーイ、ビンセント(ジャン・スミット)だった。彼には肺病の兄クリス(マイク・ウェルツ)をアメリカで手術させるための金が必要だった。無事家族を連れ帰ることと引き換えに、必要な金をダークから得ることになったビンセントはエヴァとともに両軍が激しくにらみ合う前線を越えて家族の救出に向かう。しかしその間にオランダ側からナチスのスパイだとみなされ、ビンセント自身が追われる立場に。激しく状況が交錯する中、何とかロッテルダムに戻ってきたその時、激しい空爆が始まった。

Het Bombardement30


【作品データ】
原題: Het BOMBARDEMENT
製作年: 2012年
製作国: オランダ
収録時間: 104分

【スタッフ】
監督: アート・デ・ジョン
脚本: アート・デ・ジョン

【キャスト】
ビンセント: ジャン・スミット
エヴァ: ルース・ヴァン・エルケル
クリス(兄): マイク・ウェルツ



Het Bombardement14

【マイレビュー】

この長い邦題タイトル。誰がつけたか知らないが、センスのかけらも無い。もうその仕事辞めたほうがいい。
映画を観ないで付けるから、いつもそうなっちゃう!観ていたとしたらバカだ。ああ、僕もこのセリフ何度目だろ、また言っちゃった。

この邦題タイトルだと完全な戦争映画になっちゃう。サブタイトルは絶対に要らない。オランダ映画なのに邦題はドイツ寄りだし。
女性など戦争映画なんか全然興味ない人だっている。だからもしかしたらレンタルビデオ店でもけっして手に取らないかもしれないし、戦争映画の棚に入っちゃうだろうな。逆に男の僕なんかは戦争映画を期待していただけにドラマの進行に完全に拍子抜けしたぐらいだ。
この映画を邦題にするなら「ロッテルダム」だけでいい。

この映画のストーリーを別の映画で例えるなら「タイタニック」とほとんど同じだと言える。
豪華客船の難破か、戦争時の空爆かというシチュエーションが違うだけである。

Het Bombardement22

老人がテレビを見ている。ロッテルダムの町で第二次大戦時のドイツ空軍が落とした不発弾が発見されたというニュースから回想が始まる。この辺も「タイタニック」の冒頭シーンとカブる。
ナチスの台頭を予測しドイツ人の妻を娶ることで商売の安泰を図るオランダ人の建設会社社長の策略、その結婚式のためにオランダにやってきたお嬢様とホテルのボーイという身分の違う二人が互いに惹かれあう。出現する数多くの難関、エロティックなシーン、激しい空爆の中を逃げるシーン、戦火の中での宴、音楽、ダンス、ラストシーンに至るまで、全体の回想部分を含めたストーリー構成はやはり「タイタニック」と同じである。

「タイタニックを観ていないとは言わせねえよ!」ってツッコミたくなるほどの酷似した脚本である。


ただこの映画ですごかったのは空爆のシーンだった。けっこうなド迫力だった。ほとんどが石造りのビルなので粉塵がハンパ無い。そういうところはとても丁寧にリアルに描いていて、役者さんたちも危険を顧みず撮影に臨んでいたと思う。CGはある程度使われていたのだが、実写部分が多く相当なリアリズムを追求していたと思う。

Het Bombardement27

オランダのロッテルダムで実際に行われたナチスドイツの1940年5月の電撃空爆の様子がよく描かれていた。落下傘部隊の兵士が次々に降下してくるところや、空にびっしりと埋め尽くす爆撃機など、敵の進撃が本当に脅威を感じるほどの迫力があった。

こういう戦火の中でもヨーロッパ独特の階級制度や身分制度を尊重する社会構造を描くのがとても上手い。身分が高かったり成り上がりの金持ちはどこまでも高慢で憎たらしいほどで、それに比べて貧乏人はとてもやさしかったりする。

ただやはりこれは戦争映画じゃなく恋愛映画色のほうが完全に強い。空爆ではたくさんの死傷者が出たと思うが、そのあたりについてはもっと凄惨で生々しく描くべきところかと思う。ドイツに対する批判的なものは一切なく、娯楽映画になっていた。ドイツと隣り合わせの国だから、そこまで描けなかったのだろうか。
最後にロッテルダムの町の風景が写真で流れる。戦争前、空爆後、そして現代と3つの写真である。そこで戦争映画に無理やりもっていこうとしたように僕は思った。

邦題は✖、ストーリーとしては●、映画全体としては★ぐらいかなって思う。

Het Bombardement09

★カンパニー・メン

COMPANY MEN19

2011年9月23日(金)公開

【作品情報】
リーマンショックの後リストラされた三人のカンパニー・メンの挫折と再生を描く人間ドラマ。
ベン・アフレック、トミー・リー・ジョーンズ、クリス・クーパー、ケヴィン・コスナーの4人のアカデミー賞スターが結集。『ER 緊急救命室』など人気テレビシリーズを手がけたジョン・ウェルズ監督のもと、それぞれが個性を生かした味わい深い演技を披露。

【ストーリー】
ボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)は、ボストンに本社を構える総合企業GTX社のエリート社員。37歳にして販売部長の座に就いた彼は12年のサラリーマン人生で大邸宅に住み、ポルシェを乗りまわしゴルフに興じる生活を築きあげた。だがGTX社は大規模なリストラを敢行。その中にボビーも含まれていた。一方、GTX社造船部門の重役ジーン・マクラリー(トミー・リー・ジョーンズ)は、自分の出張中にリストラを行った最高経営責任者ジェームズ・サリンジャー(クレイグ・T・ネルソン)に対して苦々しい思いを募らせながらも、浪費家の妻との生活を維持するためイエスマンにならざるをえなかった。そんな中、GTX社で再び5000人のリストラが行われた。その中のひとり、フィル・ウッドワード(クリス・クーパー)は、溶接工から重役にのし上がった勤続30年のベテランだった。納得のいかないフィルは、上司であり昔からの仕事仲間でもあったジーンに詰め寄るが、ジーンも解雇リストに入っていた。同じ頃、ポルシェも家も手放すことになったボビーは、マギーの兄で小さな工務店を営むジャック・ドーラン(ケヴィン・コスナー)に「働かせてくれ」と頭を下げていた……。

COMPANY MEN10

【作品データ】
原題 THE COMPANY MEN
製作年 2010年
製作国 アメリカ
配給 日活
上映時間 104分

【スタッフ】
監督 ジョン・ウェルズ
脚本 ジョン・ウェルズ
エグゼクティブプロデューサー バーバラ・A・ホール

【キャスト】
ボビー・ウォーカー: ベン・アフレック
ジーン・マクラリー: トミー・リー・ジョーンズ
フィル・ウッドワード: クリス・クーパー
ジャック・ドーラン: ケヴィン・コスナー
マギー・ウォーカー: ローズマリー・デウィット


COMPANY MEN12

【マイレビュー】
僕の話で恐縮だが、勤めていた生保会社を25年勤務をきっかけに早期退職制度を利用して2.5年分の手当てをもらい辞めたまでは良かったが、それを1年半で使い切ってしまった経験もあり、安易に考えていた再就職先もなかなか見つからず、とても苦労した経験があるので、こういったシチュエーションの映画は妙にトラウマ感をもたげさせられ苦々しい思いをしながら観ることになった(笑)。

ボビー・ウォーカー(ベン・アフレック)のようなエリートだったらリストラされるわけが無いし、されたとしてもこんなに再就職に苦労をするはずがないとは思ったが、実際のアメリカ事情は一時期このぐらい厳しかったのかもしれない。
初老のフィル・ウッドワード(クリス・クーパー)が再就職の面接で若い人たちの間に挟まれて椅子に座っている姿も物悲しく痛々しかったし、会社の初期メンバーで重役のジーン・マクラリー(トミー・リー・ジョーンズ)が当時一緒に会社を興したパートナーの現社長に食って掛かる場面も切なかった。ジーンはとても人を大切にしていたが社長の方針とは180度違った。だからいつのまにか社長には疎まれる存在になってしまったわけだ。
なんだかんだ言っても会社が成り立つのは従業員達がいるからであり、武田信玄じゃないけど『人は石垣、人は城』ってことと同じで、人を大切にしない会社は潰れても仕方ないし必ず衰退してゆくものだ。

COMPANY MEN16

関連脱線:
日本でも1990年代のバブル崩壊からの長いトンネルを抜けかけ景気も上昇傾向にあった時だった。サブプライムローンという不良債権をいかにも優良資産のように見せかけて売りまくった結果のリーマンブラザースの破綻劇は当時の日本でもかなり深刻な事態だった。破綻やリストラは連鎖する。結局は失業しても借金がそのまま残る庶民が一番の打撃を受けるのだ。アメリカでは公的資金投入を受けた大企業のトップは相変わらず社用ジェット機や社用車を持ち最高級のスーツを着てフォーブスの長者番付に載ったまんまだった。庶民は直接的に何も恩恵を受けることは無いし、元を辿れば「公的資金」なんてものは庶民の働いた給料や資産から差し引かれていた税金だ。
またちょっと堅い話に逸れてしまった。

ただ不老不死の薬が存在しない限りは人間の『寿命』というのは金持ちも貧乏人も同じだ。
その命を全うすることはやっぱり人間の努めなんじゃないかな。
その短い間になにをするかってのは自由だし、どれひとつをとっても同じものは無いはずだ。
地位や名誉やお金に執着するのも自由だし、自然を愛し人を愛するも善しってことだ。


COMPANY MEN06

僕が好きなシーンは・・・
再就職が上手くいかず、家も車も手放したボビーが帰宅後に妻のマギー(ローズマリー・デウィット)に詫びる。
「期待を裏切ってごめん」と。
するとマギーがすこし驚いたように「ちっとも裏切ってなんか無いわ」と言って微笑むシーンだ。
このあとマギーがボビーをベッドに誘うのだが、その「カモン」もとても可愛いので是非観てほしい。

苦しくても二人で協力し合って頑張っているお互いへの思いやりを素直に見せるとても秀逸なシーンだと思う。
現実的にはあまりこういう穏やかでエロティックなシチュエーションは無いかもしれないが(笑)

この映画は現実を直視し、原点に還るための映画だった様に思う。
希望や夢やプライドは捨て去るときには何も残さず真っ白にしたほうがいいってことでもある。そこに人間の価値が出るのだと思う。
自分が守るべきもの、愛するものたちのために今日も働く。それが正しい生き方なんだと教えてくれる。

P.S.
この映画ではケビン・コスナーがとても自然でいい味を出している。ホント、いい味なんだよね。

COMPANY MEN04

★スタンドアップ / North Country

スタンドアップ04

スタンドアップ
2006年1月14日(土)公開

【作品情報】
鉱山で働くシングルマザーが、嫌がらせやセクハラを受け、“立ち上がる”までを描く。実話ベースのリアリティと、アカデミー賞女優シャーリーズ・セロンの迫真の演技は圧巻。

【ストーリー】
夫の暴力に耐えかね、幼い子供二人を連れて家を出たジョージー(シャーリーズ・セロン)は、生まれ故郷の北ミネソタの町に戻る。そこは古くからの鉱山町で、10代でシングルマザーとなったうえにまた出戻ってきたジョージーに、周囲の視線は冷たい。“あばずれ”というレッテルを貼られ、父親ハンク(リチャード・ジェンキンス)からも信用されず、母のアリス(シシー・スペイセク)が繰り返すのは、夫とやり直すために辛抱しろという言葉ばかり。しかしジョージーは自分の力で子供たちを養って生きていこうと決意し鉱山で働こうと決める。ベテラン鉱山労働者である父は猛反対し、父娘の溝はさらに深まったが、病気の夫に代わり長年鉱山で働いてきた旧友グローリー(フランシス・マクドーマンド)は、ジョージーを励ます。しかし仕事は思った以上にきつく、同僚である男たちは、子供じみた悪戯や卑猥な言葉をジョージーに投げつけてくる。中傷の果てに息子までがいじめられ、数少ない同僚の女性たちも状況がさらに悪化することを恐れ、味方になってはくれなかった。耐えられなくなったジョージーは、勇気を振り絞り会社を相手取りセクハラ訴訟を起こす。

スタンドアップ14


【作品データ】
原題 North Country
製作年 2005年
製作国 アメリカ
配給 ワーナー・ブラザース
上映時間 124分

【スタッフ】
監督 ニキ・カーロ
脚本 マイケル・サイツマン
原案 クララ・ビンガーム 、 ローラ・リーディー・ガンスラー

【キャスト】
ジョージー・エイムズ: シャーリーズ・セロン
カレン・エイムズ: エル・ピーターソン
サミー・エイムズ: トーマス・カーティス
ハンク・エイムズ: リチャード・ジェンキンス
アリス・エイムズ: シシー・スペイセク
グローリー: フランシス・マクドーマンド
カイル: ショーン・ビーン
ビル・ホワイト: ウディ・ハレルソン


スタンドアップ02

【マイレビュー】
セクハラ裁判で女性の地位向上に革新的な判例となった実話をもとにしたストーリーである。

主演のシャーリーズ・セロンつながりで連続で視聴した。
実は僕はこの映画ではじめてシャーリーズ・セロンという女優さんを知りそれ以来大ファンになった。アカデミー主演女優賞候補にもなったこの映画が2005年作なので約8~9年前になる。ひとつ前の『バガー・ヴァンスの伝説』の5年後であり、彼女がこのときだいたい29~30歳で、もう最高に美しい頃の作品になる。

ただこの作品では炭鉱で働く女性役で顔はススだらけ、服装は汚いタールまみれの作業着に、粉塵防止メガネにヘルメット姿である。おまけに暴力夫から受けた暴行の後で顔には青あざまで作って。
それでも普通にキレイなんだからすごいね、女優さんって。

スタンドアップ10

脚色はあると思うがこれは記録にもある実話映画なので、今回は趣向を変えてネタバレのストーリーに言及した形で感想を述べてみたい。

この作品で僕が一番感動したシーンがある。
最後のほうの組合の会議の場で父親が娘をかばってみんなの前でスピーチしたシーンである。

母と娘と違って、『父と娘』というのはお互いに理解しにくく、ぎこちなくてうまく分かり合えない関係なのかも知れないが、僕には年頃の娘もいるのでこのシーンにはとても胸が熱くなった。

なかば勘当状態で厳しい父親に理解されないまま16歳で私生児となる子供を産み、別の男と結婚して二人目の子供を産み、その夫の暴力に耐えかねて離婚して出戻ってきた娘である。彼女に対する世間の偏見もあり、自分と同じ炭鉱で働くことを反対したのも当然で、男ばかりの劣悪な職場環境というだけの問題じゃなく、これ以上同僚達にも家庭事情を探られたくないということも僕にはよく分かる。

スタンドアップ03

この映画を観てその父親もずっと苦しんでいたのだということを理解できた人はあまり多くは無いだろう。
父と娘の微妙な距離感というのもとてもよく描かれていた。言葉が少なくても娘のことは誰よりも理解したいし、それはそれは深く愛しているのだ。
だから世の中にいる娘を持つ父親なら100人いたら100人、あの会議の場で職場の全員を敵に回してでも娘をかばうはずだ。それが僕だとしたら気丈に振舞う健気な娘への愛しさと職場全員への憎さで号泣してしまい声すら出ないだろうけど。



体力的に勝る男が女に優しくするのは当たり前のことだ。
セクハラも最近では減ってきてはいるんだろうけど、男の本質などそうそう変わるもんじゃない。
世の女性達、男の僕が言うのも変だけど、セクハラとか痴漢とかするやつにはキンタマを思い切り蹴飛ばしてやればいいんだよ。何も恐れることは無い。

けっしてこの女性は強くない。とにかく悲しくても嬉しくても泣いてばかりいる普通の女性である。
辛辣で汚くてハンパ無い嫌がらせとか卑猥な表現が多い映画だけど、女性なら一度は観ておくべき映画かなって思う。

スタンドアップ16

★★★バガー・ヴァンスの伝説

バガー・ヴァンスの伝説15

バガー・ヴァンスの伝説
2001年3月3日(土)公開

【作品情報】
ロバート・レッドフォードの監督作。落ちぶれたゴルファーと放浪者の交流を描きつつ、ゴルフを通して人間と自然の調和をうたった感動作。

【ストーリー】
1928年、ジョージア州のサヴァンナ。かつて地元の若き天才ゴルファーと謳われていたジュナ(マット・デイモン)は、第一次大戦での悲痛な体験がもとで、ゴルフも恋人アデール(シャーリーズ・セロン)も捨てて隠遁生活を送っていた。一方アデールは、大恐慌で自殺した父の後を継いで、アメリカ最高のゴルフ・リゾートを完成させ、ゴルフ・マッチを企画した。ジュナは2人のスター・ゴルファーに対する地元からの挑戦者として、この試合に引きずり出されるが、廃人同様の彼は受け入れようとしない。そんな時、ジュナの前にバガー・ヴァンス(ウィル・スミス)と名乗る不思議な男が現われ、5ドルでキャディーを請け負おうと提案する。

バガー・ヴァンスの伝説10


【作品データ】
原題 The Legend of Bagger Vance
製作年 2000年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 126分

【スタッフ】
監督 ロバート・レッドフォード
脚本 ジェレミー・レヴェン
原作 スティーヴン・プレスフィールド

【キャスト】
Bagger Vance: ウィル・スミス
Rannulph Junuh: マット・デイモン
Adele Invergordon: シャーリーズ・セロン
Hardy Greaves(old): ジャック・レモン
Hardy Greaves(young): ジェイ・マイケル・モンクリーフ
Walter Hagen: ブルース・マクギル
Bobby Jones: ジョエル・グレッチ



バガー・ヴァンスの伝説06

【マイレビュー】
久しぶりに僕評価で★★★星3つの作品を紹介する。この作品は以前に一度だけ見たがもう一度改めて観てみた。
個人的に大好きな3人の俳優、マット・デイモン、ウィル・スミス、シャーリーズ・セロンが出ている。
しかも僕が好きなスポーツ『ゴルフ』を人生のテーマに捉えた感動作である。

ゴルフが大好きな少年ハーディー(ジェイ・マイケル・モンクリーフ)がキャディーのバガー・ヴァンス(ウィル・スミス)のアシスタントをしてジュナ(マット・デイモン)一緒にラウンドするところからこの物語は盛り上がる。
挫折の末に10年以上も放ってしまった恋人アデル(シャーリーズ・セロン)とジュナの行く末も気になる。

バガー・ヴァンスの伝説14


「感動作」と書いたが、実はこの作品にはゴルフを通じて人に生き方をいろいろ教えてくれている。

自然との調和を大切にすること、勝ち負けではなくプレーすること、正しく生きること、感じたことに素直に従うこと、人は誰でも唯一のスイング(生き方)があるということ…。
また挫折することは誰にでもある。そこからどう生きるかには二つの選択がある。前を向いて歩き続けるか、立ち止まるかである。
この映画を観て何を感じるかは個人の心にある。
だからこの僕程度の人間が『感動作』と言い切ってしまうことには少し抵抗を感じたりもする。

バガー・ヴァンスの伝説17

少しストーリーに触れるが、数多くのシーンの中で僕が特に秀逸だと感じたシーンがある。

最初の18ホールを終わって12オーバーと調子が上がらず、上昇への「きっかけ」もつかめないジュナ。
ロッカールームのなかで幼いハーディーがジュナに、不況のあおりで父親が惨めに箒を持って道路掃除をしている姿をみっともない嘆く。それに対してジュナが
「それを恥ずかしいと思うのか?破産宣告をして何もしないでプライドだけを保とうとするヤツなんかよりよっぽど立派だ。君の父さんは箒を持って逆境と戦っているんだ。」と彼に諭すシーンがある。
そして「ゴルフがそんなに好きか?」とハーディーに訊く。
するとハーディーは目を輝かせてこう話す。
「ゴルフは最高だもの。難しいけど楽しいゲームだ。戦う相手は緑の芝生とボールと自分だけ。自分にペナルティーを課すゲーム。誰もが正直にスコアをつける。そんなゲームがほかにある?」とジュナを勇気付ける。
こうしてお互いに光と勇気を与えるシーンだ。大人と子供の会話だがとても多くを教えてくれていると思う。

バガー・ヴァンスの伝説16

ウィル・スミス演じる謎のキャディーのバガー・ヴァンスの言葉のすべてに意味がある。彼は本当に実在していたのか、それとも幻だったのか、僕はすべて自分の心の中にいる別の自分なのではないかと思った。

僕は彼の言葉の一言一句聞き逃すまいと映画を観ながら必死でメモを取り続けたほどだ。

ゴルフが全く分からない人よりも少しでもゴルフを楽しんだことのある人のほうがこの物語の流れやラウンド中の展開がよく理解できると思う。僕のレビューとしては最高点の3つ星★★★映画である。

バガー・ヴァンスの伝説02
バガー・ヴァンスの伝説01





●フローズン・グラウンド

The Frozen Ground_4

2013年10月5日(土)公開

【作品情報】
12年間で24人以上の女性を拉致監禁し、彼女らを人間狩りのような手口で殺害していた連続殺人犯ロバート・ハンセン。現在も461年の刑で服役中の彼と事件を追うアラスカ州警察の巡査部長との激しい攻防を描く実話サスペンスミステリー。ハンセンをジョン・キューザック、巡査部長をニコラス・ケイジが演じるなど、ベテラン同士の熱演に注目だ。

【ストーリー】
1983年、アラスカ・アンカレッジ。17歳の娼婦シンディ・ポールソン(ヴァネッサ・ハジェンズ)が、モーテルの部屋で手錠に繋がれ叫び声を上げているところを警察に保護された。彼女は指名した男に殺されそうになったと警察に話すが、その男、ボブ・ハンセン(ジョン・キューザック)にはアリバイがあり、町の善良市民と言われている人物であった。そんな彼を警察は疑う余地はなく、娼婦の客とのトラブルということで事件を握りつぶそうとする。だが彼女を助けた警官は納得がいかず、事件の調書書類を上司に黙って州警察に送るのだった。同じ頃、ニックリバー沿いの平原で身元不明の少女の無残な遺体が発見された。事件を担当するのは、退職間近のアラスカ州警察巡査部長ジャック・ハルコム(ニコラス・ケイジ)。彼はここ最近立て続けに変死体が見つかっていたことから、同一犯の仕業ではないかと考える。

【作品データ】
原題 The Frozen Ground
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 ブロードメディア・スタジオ
上映時間 105分

【スタッフ】
監督 スコット・ウォーカー
脚本 スコット・ウォーカー
撮影 パトリック・ムルギア

【キャスト】
ジャック・ハルコム: ニコラス・ケイジ
ロバート・ハンセン: ジョン・キューザック
シンディ: ヴァネッサ・ハジェンズ
ライル: ディーン・ノリス
ジョディ・ブランドン: オルガ・バレンティナ


The Frozen Ground_3

【マイレビュー】
うんうん、3日前に観た「殺しのナンバー」に出ていたジョン・キューザックより、こんな女性連続殺人犯であるこっちのほうが彼に合っていると思った。彼自身もともと善人の顔をしているが、表情が豊かではない分こういう無機質で冷血で小賢しい犯人役が逆に恐ろしさが増してとても合っていたと思う。

このストーリーは実話に沿ったサスペンスである。
ロバート・ハンセンでググればズラーッとヒットする。24人の女性の殺人で最終的に「461年」の刑だと。
罪の大きさを量ったり、他の罪と比較する度合いにはなるだろうが、「461年?なんじゃそりゃ」って感じだ。

「地元の警察がなぜ同じような前科もある彼に対してノーマークだったか」

当初はきな臭い感じで隠蔽癒着的な匂いを漂わせていたが、結局地元警察が無能ってことで何も暴かれていなかったのは解せなかった。アラスカ州立警察のジャック、まさしくニコラス刑事(笑)にちゃんとそのあたりまで一緒に暴いて欲しかった。本当はしっかり撮っていたのに、出来あがった映画に警察が圧力を掛けたのかもしれないな。スルーされる点じゃない。

そのもたついている間にたくさんの犠牲者が出ても、最後の犯人逮捕でハイタッチ&ハグハグ&拍手喝采するのが(基本的にはアメリカ国内で大ウケする)アメリカ映画なのだ。
いつも誰かをヒーローにして「強引」にハッピーエンドに持っていく。こういうところがすごく適当なのがアメリカ映画の特徴だ。

The Frozen Ground_7



「インディペンデンス・デー」にしても「アルマゲドン」にしても戦って死んだ父親の娘や息子がそこにいるのに、あたりの大人たちがみんなで「わ~~ついにやったぞ!!これで地球は救われた~!おめでとう。(拍手喝采、ハイタッチ&ハグハグ)」である。遺族に対する無神経な行動は日本では逆に顰蹙を買う。



ちょっと中盤のもたつく感じとか、そのあたりは犯人を追い詰める緊迫感が伝わってきたが、実話の割りに映画としての脚色が相当入っているように僕には思えた。それにやっぱりいつもの「ニコラス・ケイジの映画」になりすぎてたように思う。

犯人逮捕のきっかけになるはずの17歳のシンディー(ヴァネッサ・ハジェンズ)の行動にはいちいちイライラしたが、配役的にもあまり可愛げが無い女優さんだったなあ。もっとクロエ・モレッツまでとはいかなくても可愛げがあって、ちょっとだけ問題児程度がこなせる女優さんがいなかったのかな。たくさんのシーンを彼女に裂いている分、僕にはとても残念だった。


The Frozen Ground_1
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プロフィール

力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
ニコール・キッドマン
ルーニー・マーラ
ナタリー・ポートマン

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