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★ティファニーで朝食を

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ティファニーで朝食を
1961年11月4日公開

【作品情報】
トルーマン・カポーティの原作を映画化した都会劇。監督に当たったのは「ペティコート作戦」のブレイク・エドワーズ。脚色担当はジョージ・アクセルロッド。撮影を受け持っているのはフランツ・プラナー。音楽をヘンリー・マンシーニが担当している。出演するのはオードリー・ヘップバーン、ジョージ・ペパード、パトリシア・ニールなど。製作はマーティン・ジュローとリチャード・シェファード。

【ストーリー】
ホリー(オードリー・ヘップバーン)はニューヨークのアパートに、名前のない猫と住んでいる。鍵をなくす癖があり。階上に住む日本人の芸術写真家(ミッキー・ルーニー)に開けてもらう。ホリーの念願は“ティファニー”のようなところで暮らすことだ。ある日、ホリーのアパートにポール(ジョージ・ペパード)という青年が越してきた。

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【作品データ】
原題 Breakfast at Tiffany's
製作年 1961年
製作国 アメリカ
配給 パラマウント映画
上映時間 115分

【スタッフ】
監督 ブレイク・エドワーズ
脚色 ジョージ・アクセルロッド
原作 トルーマン・カポーティ
音楽 ヘンリー・マンシーニ

【キャスト】
Holly_Golightly : オードリー・ヘップバーン
Paul_Varjak : ジョージ・ペパード
2_E : パトリシア・ニール
Doc_Golightly : バディー・エブセン
Cat : パットニー(猫)
Mr._Yunioshi : ミッキー・ルーニー





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【マイレビュー】

名作映画だが違和感あり

オープニングで誰もいない明け方のティファニーのショーウィンドウを見てクロワッサンを口にくわえるシーンがとても斬新だった。
「ティファニーで朝食を」というセンス溢れるタイトルにいきなり感銘した。
原作本は読んでいないがこのシーンは映画のオリジナルだそうだ。このシーンを付け足す効果は絶大だと思う。

有名すぎるほどの名作映画だが実は初めて観た。
オードリー・ヘプバーン映画は僕より一世代上の人たちの間で人気だった。『ローマの休日』もモノクロ映画だったことぐらいの記憶でまともに最後まで観た記憶が無い。
映画も観ていなかったくせにオードリー・ヘプバーンはあまり可愛いとも綺麗とも思っていなかった。好みじゃなかったし写真を見てもなんか痩せぎすのオバサンっぽく僕は感じてた。ところがこの映画を観て当時の彼女の人気が本当に揺るぎなかったことに納得した。

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映画を観て感じた違和感というのを2~3個。ツッコミというわけじゃない。

① とても自由奔放でつかみどころの無いじゃじゃ馬娘役だったけど、階上に引越ししてきたばかりのよく知りもしない男の人を自分の部屋に招き入れたりベッドに座らせたり窓からその男の部屋に忍び込んで『愛人とやったばかりのその男の裸の胸ですやすや』朝まで眠れるかねぇ。いくらなんでもあれは絶対に無い無い。

② 彼も彼女も道行く人も店の連中もみんな『タバコを吸いまくっている』。部屋でも外を歩きながらでもパーティーのごった返しの中だろうとタクシーの中でも。吸殻も平気でその辺に捨てるし人の頭も燃やすし喫煙マナーがハンパ無く悪い。吸ってなかったのは刑務所での面会シーンだけ。僕もタバコは吸うけどあの吸いすぎの連続は嫌悪感すら覚えた。もう尋常じゃないタバコシーンだらけの映画だった。

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③ 日本人役なのか何なのか入れ歯をつけた『変な日本人もどき』が出てくる。あのおかしな日本人のアパート管理人役、わざわざあんな風に出来の悪い香港映画みたいにコメディっぽくする理由があったのかな。『次長課長』の河本のような。戦後15年程度で日本人を多分小馬鹿にしていた時代なんだろうな。あの必然性の無さは意味が分からなかった。


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レビューの最後に
映画の中で彼女がギターを弾いて「ムーンリバー」を歌うシーンがあった。
有名な音源だったが映画の流れとして観たのは今回が本当に初めてだった。TBSの昔のドラマ「時間ですよ」の真理ちゃんも美代ちゃんもこんな風に弾き語りをしていた。多分この映画を真似たのだろう。あの「時間ですよ」は当時小学生の僕には『別の』楽しみがあったのだが、こういう屋根やベランダでギターを弾いて歌うシーンに憧れて当時お年玉で僕もギターを買った。そのルーツはこの映画だったんだってことがわかっただけで大収穫だった。おかげで僕は今でもギターを弾いて好きな歌を歌ってたりする。この「ティファニーで朝食を」が無ければ僕の人生って凄くつまらないものになっていたかもしれない。


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★秘密

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1999年9月25日(土)公開

【作品情報】
死んだ妻の人格を宿した娘と奇妙な夫婦生活を送ることになった中年男の愛の行方を描いたドラマ。監督は「お受験」の滝田洋二郎。99年度日本推理作家協会賞を受賞した東野圭吾による同名小説を、「SF サムライ・フィクション」の斉藤ひろしが脚色。撮影を「お受験」の栢野直樹が担当している。主演は、「鉄道員」の広末涼子と「洗濯機は俺にまかせろ」の小林薫。

【ストーリー】
スキーバスの転落事故で、病院に運ばれた杉田平介(小林薫)の妻・直子(岸本加世子)と高校生の娘・藻奈美(広末涼子)。直子は息を引き取るが、意識不明だった藻奈美は一命を取りとめる。ところが、意識が戻った藻奈美の体には直子の人格が宿っていた。 戸惑いながらも、世間的には父と娘として暮らすことになる平介と直子。だが、17歳の体になった直子はいきいきと若さを満喫する一方、平介は疎外感を感じるばかりか、医大に入学した直子の周りに恋の噂もあって気が気じゃない。そんなふたりの気持ちは、次第にすれ違うようになっていく。そんな折、藻奈美の人格が時折現れ出した。娘が戻ってきたと喜ぶ平介だが、同時にそれは直子の人格が消えることを意味していた・・・。

秘密21

【作品データ】
製作年 1999年
製作国 日本
配給 東宝
上映時間 119分

【スタッフ】
監督: 滝田洋二郎
脚色: 斉藤ひろし
原作: 東野圭吾

【キャスト】
杉田藻奈美 (直子): 広末涼子
杉田平介: 小林薫
杉田直子: 岸本加世子
梶川文也: 金子賢
橋本多恵子: 石田ゆり子
相馬春樹: 伊藤英明
梶川幸広: 大杉漣




秘密01


【マイレビュー】

この映画、いろんな人のレビューを観たがあまり好評価を得ていないように思う。
だけど僕はとても好きな映画である。もう4度目かな。
娘を持つ父親ならこの映画はちゃんと観ておくべきって思う。とてもユーモラスで、とても悲しく、それでいて家族の愛情あふれる映画だと思う。

もともとあまり監督や原作者にはこだわらないで映画を観るほうなので、原作が東野圭吾さんで監督が滝田洋二郎さんという凄いコンビだったってことを解説サイトを見て今回初めて知った。やっぱ映画ってのは役者もさることながら作り手の才能が素晴らしいんだなぁと実感した。


秘密19


広末涼子さんのとても溌剌とした女の子ぶりが全編にわたって発揮されていて特によかった。
中には広末さんが苦手なレビュアー(特に女性)もいるようだ。”気持ち悪い映画”と扱き下ろしている人もいるが、そんな評価しか出来ない人は生まれながらにして愛情不足なんじゃないかなって僕は思ったりする。本当はそんな彼女の持ち前の奔放さに憧れているだけで陳腐なヤッカミからの偏見だってことを知るべきだって思う。映画はもっとちゃんと観たほうがいい。

僕は彼女が、その、ものすごく微妙な妻と娘の境目を演じていてそこが特に素晴らしいって思う。


秘密05


心の変化や気持ちの整理には、ある程度まとまった時間の流れが必要不可欠であって、人は一瞬の決意だけでは変われないものだってことを知るときがくる。たぶんそういう心の変化を幾たび重ねてゆくことで「大人」になるのだと思う。

この映画でも、本当に親子にとって夫婦にとっていちばんいい将来の選択とは何かを、考えて考えて、悩んで、泣いて、貫いてきたその道のりが 『秘密』 というとても苦しく辛いものになった。そんな心の機微を想像するだけで僕は泣けてくる。


秘密04


小林薫さんの男ぶり、夫ぶり、父親ぶりもとても可笑しいくらいの哀愁があふれている。
”妻であり娘である直子” に接するときのあらゆるシチュエーションでのあの『絶妙感』が本当に見事だった。
多分僕もおなじように接してしまうと思う。

ストーリーは分かっているのに毎回泣ける映画だった。
やっぱりあのベンチに座って最後に語らう海の夕焼けの中でのシーン。とてもすばらしい。
音楽と共に涙があふれてくる。


秘密10




★リスボンに誘われて

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2014年9月13日(土)公開

【作品情報】
2004年の刊行以来、世界31カ国で翻訳され、400万部を突破したベストセラー小説『リスボンへの夜行列車』を映画化。偶然手にした古本に心を動かされた大学教授が、リスボンを訪れて人生を見つめ直してゆく姿を描く。監督と主演は、「愛と精霊の家」でもコンビを組んだビレ・アウグストとジェレミー・アイアンズ。

【ストーリー】
スイスのベルンにある高校で、古典文献学を受け持つ57歳の教師ライムント・グレゴリウス(ジェレミー・アイアンズ)は5年前に離婚してからは独り暮らしで、平凡な毎日の繰り返しだった。ところがある嵐の朝、学校へ向かう途中、吊り橋から飛び降りようとした女性を助けたのだが、彼女はすぐに赤いコートを残し姿を消してしまう。彼は、彼女が残した一冊の本に目を通す。そこに綴られた一言一句に、ライムントの魂は大きく揺さぶられる。本に挟まれていた切符を届けるために駅に走ると、何かに取りつかれたように衝動的にリスボン行きの夜行列車に飛び乗る。リスボンに到着して真っ先に訪ねたのは、本の著者アマデウ・デ・プラド(ジャック・ヒューストン)の家。さらにその妹や親友を訪ね歩くにつれて、若くして亡くなったアマデウの人生が徐々に明らかになる。独裁体制下の激動の日々を生きた彼の誇りや苦悩、レジスタンスの同志との友情と裏切り、生涯を賭けた情熱的な恋……。アマデウの人生を辿るその旅は、ライムント自身の人生を見つめ直す旅でもあった。そして遂に、アマデウが本を著した本当の理由に辿り着くが……。

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【作品データ】
原題 NIGHT TRAIN TO LISBON
製作年 2012年
製作国 ドイツ スイス ポルトガル
配給 キノフィルムズ
上映時間 111分

【スタッフ】
監督 ビレ・アウグスト
脚本 グレッグ・ラター 、 ウルリッヒ・ヘルマン
原作 パスカル・メルシェ

【キャスト】
ライムント・グレゴリウス:  ジェレミー・アイアンズ
エステファニア:  メラニー・ロラン
アマデウ・デ・プラド:  ジャック・ヒューストン
マリアナ:  マルティナ・ゲデック
ジョアン :  トム・コートネイ
ジョルジュ:  アウグスト・ディール
年老いたジョルジュ:  ブルーノ・ガンツ
年老いたエステファニア:  レナ・オリン
年老いたアドリアーナ:  シャーロット・ランプリング



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【マイレビュー】

久々の更新で思うことをまず・・・

久々にいい映画を観れたのでアップ主に大いに感謝しながらレビューを書きたいのだが、ちょっとそのまえに。

なんだかとってもご無沙汰してしまった。更新も何ヶ月ぶりだろう。
アレ以来、FC2の動画アップロード規制が相当厳しい状況になってきているのだろうか、みるからにアップを恐がるユーザーばかりになってしまった。キーワードで「映画」とか「洋画」とか検索してもまったく引っかからない。だからここ半年ちかくこのFC2動画はとてもつまらなくなった。もとより、映画を観るだけなら「WOWOW]や「HULU」や「CATV」のほうが遥かにいいに決まってる。

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僕は、あの●エル君みたいな「YouTuber」のように悪ふざけ的動画をアップロードしアフィリエイトポイント稼ぎはしないし、さしずめアダルトだけでも観れればまあ善しとする典型的な「観てるだけ」側の人間で、今後もそのスタイルは変えるつもりはないが、次回の会員更新は絶対にしないつもりだ。

そんなこんなであまりにもアップロード会員人口が減ってしまったために、管理者側が申し訳程度にアップしている完全に『著作権期限切れ』の50年以上の前のモノクロ映画など全く観る気もしない。中には素晴らしい映画もあるのだと思うが、たとえあったとしても古き時代の登場人物に僕自身を投射できるほどの豊かな人間でもない。

まあ比較的新らし目のいい映画をタダで観れる機会がものすごく減ったのはもう時代の流れなのかもしれない。自分が観るだけ聴くだけなら罪は無いという時代もそろそろ限界に来ている感じもする。ガッチガチ規制になる可能性大だ。



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スイス在住の高校の特別教諭グレゴリウス(ジェレミー・アイアンズ)が雨の日、橋の欄干から身投げしようとする赤いコートの女性を救ったことからこの物語は始まる。
ほとんど衝動的に「リスボン行きの夜行列車」に乗り込んでしまう姿は、取るに足らない決まりきった日常から脱出したいという男としての願望の表れのように感じた。言ってみれば『日常からの開放の瞬間』である。


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火曜サスペンス劇場、土曜ワイド劇場とか事件が絡む2時間ドラマなんかを見てもいつも思うが、主人公は日常になすべき事柄を反故にしてその影響や支障には目もくれず、傍若無人に自由に行動することが出来る本当に不思議な人たちだ。事件を独自捜査できるわけでもないのに警察から守秘義務情報を聞き出したりもする。経済的にも時間的にも、また地位的にも 「ある程度」を超越する 『余裕』 が絶対的に必要だ。

やはり現実的にはちょっと考えづらい。
この映画でも、しがない高校教師が担任を放っぽりだしてスイスからポルトガルのリスボンまで1週間~10日程度のいかにも急な思いつきの旅に出るわけだが、お金の余裕も時間の余裕もあるとは思えないし、そのわずかな時間で本に書かれたすべての人に会って途切れた糸をすべてつなげて、何も知らない街の中でいっちょ前に恋愛も経験するわけで・・・。やっぱ出来すぎの感は否めない。
やっぱり小説とは作り物なんだなと思えてしまった。

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ただ特筆すべきはそのキレイなリスボンの街並みや海が見える丘である。建造物は違えど日本で言えば坂の多い長崎のような街の風景に良く似ていたように思う。世界遺産の街並みなどとても美しい。

この映画を観てこういうヨーロッパの端にあるステキなポルトガルの国にも独裁国家から民主国家へ移り変わってきた歴史があるのだと思い知らされた。思えばポルトガルと日本とは古い歴史的つながりがある。1549年日本にキリスト教を伝えに来たフランシスコ・ザビエルもたしかポルトガル人宣教師だったはずだ。でも僕はポルトガルに関することは殆ど知らなかった。また勉強してみようと思う。


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なんだか日本人には「士農工商」という身分制度の廃止からはるかな年数が経過しているせいか、いまだに根強く残るヨーロッパの貴族による階級制度や奴隷制度、民族差別意識とか宗教弾圧、魔女狩りなどというものは、道義的、心情的に相容れない部分がある。ヨーロッパと言う国の殆どの人々は人間のランキングが好きである。
レジスタンス(抵抗)やレボリューション(革命)意識は常に差別される民衆側が備えている武器のようなものだと思う。

市民レジスタンスのアマデウの墓に刻んでいた文字でとても素晴らしい言葉があった。
『独裁が事実だとしたら革命は義務である』と。

頭の中がお花畑で「平和!憲法守れ!」だけを叫ぶバカが多くなった日本人だが、こういう死を賭すほどの革命的意識があまりにも希薄だと思う。
攻められたら無抵抗なのか、脅威にどう対抗するのかを常に備えておくべきなのである。
脇に刺した刀は
抜くものじゃない。常に手入れしておくべきものなのである。



この主役のジェレミー・アイアンズ、とても色んな役柄が出来る。たしか『ダイハード』シリーズではテロリスト役もやったし、『カンパニー・メン』ではリーマンブラザースの会長役もやっていた。役柄のバリエーションが豊富すぎる。そして何よりとても渋くてかっこいい。


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★アバウト・タイム 愛おしい時間について

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2014年9月27日(土)公開

【作品情報】
『ラブ・アクチュアリー』のリチャード・カーティスの監督引退作となるラブストーリー。父親からタイムトラベル能力がある事を知った青年が、恋人を見つけるためにタイムトラベルを重ね、人生における様々な事柄を学んでいく姿がつづられる。アイルランド出身の新鋭、ドーナル・グリーソンが人間味あふれる主人公を熱演する。

【ストーリー】
イギリス南西部でティム(ドーナル・グリーソン)はちょっと風変わりな両親と妹、伯父ら家族とともに暮らしていた。家族との仲は良好であるものの、自分になかなか自信が持てず、恋人ができないでいた。21歳の誕生日を迎えた日、ティムは父(ビル・ナイ)からある秘密を告げられる。それは、一族に生まれた男子にはタイムトラベル能力が備わっているというものだった。はじめは冗談かと思い信じることができないでいたが、能力の使い方を覚えてからは恋人を作るために繰り返しタイムトラベルをするようになる。弁護士を目指すティムはロンドンへ移住、そこで出会ったメアリー(レイチェル・マクアダムス)に恋をする。しかしタイムトラベルしたせいでメアリーと出会っていないことになってしまう。なんとか彼女の愛を得た後も、タイムトラベルを繰り返して人生の成功を掴もうとするティム。やがて、どんなにタイムトラベルをしようと誰にでも起こりうる不運や波乱を避けることはできないことを知り、本当の幸せに気付いていく……。

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【作品データ】
原題 ABOUT TIME
製作年 2013年
製作国 イギリス
配給 シンカ=パルコ
上映時間 124分

【スタッフ】
監督 リチャード・カーティス
脚本 リチャード・カーティス
音楽 ニック・レアード=クロウズ

【キャスト】
ティム:  ドーナル・グリーソン
メアリー:  レイチェル・マクアダムス
父:  ビル・ナイ
ハリー:  トム・ホランダー
シャーロット:  マーゴット・ロビー
母:  リンゼイ・ダンカン




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【マイレビュー】
基本的に僕はこういう作品が好きなのだろう。
SFファンタジックでロマンチックで、ユーモア溢れ、家族愛につつまれた作品だった。

ティム(ドーナル・グリーソン)は取るに足らない日常のなかで自分の行動をいちいち後悔するような弱弱しい青年で、過去に戻って失敗を繰り返しながら幸せの意味を理解し成長してゆく姿を描いたものだ。
そんでもって悪いヤツは一人も出てこない作品だった。
今という時をどのように生きてゆけばよいのか、後悔しない人生とは何か。そういう人生における喜怒哀楽が詰まっていた。

人は誰もがタイミングよく勇気を発揮できないものだ。裏を返せばみんな後悔だらけの人生だということだろう。
だからこれからは日常を淡々と前向きに生きてゆくことが出来ればそれでいいってことなのだと気付かせてくれる。


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ヒロインのレイチェル・マクアダムス、僕はとても好きだ。
いつでも僕を青春時代に戻してくれるようなとてもキュートな役柄である。
彼女は「きみに読む物語」で初めて知った女優だが、そのときからのファンである。とても愛嬌があって素敵だ。

主人公のティム役のドーナル・グリーソンという役者は初めて観た。けっしていい男でも取り立てて魅力的な男でもない普通の青年である。だがとてもその朴訥とした感じがこの映画にピッタリで好い。

僕のお気に入りのシーンはなんと言ってもこのタイムループを繰り返す↓初エッチのシーンである。


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父親役のビル・ナイは「MI5:消された機密ファイル」ではイギリスの老練な情報部員を演じていてダンディーでセクシーで素晴らしい役者さんだと思っていたが、今回の作品のこの役柄ではとてもお茶目で愛情溢れる父親役を演じていた。
本当に役を選ばないとても優れた役者さんだ。


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人と人との出会いと別れ、仕事、運命、家族の絆と愛情、それに喜怒哀楽・・・。雨の日も風の日も晴れた朝も寒い夜もある。そういう当たり前のこと。
それらが一杯詰まった作品だった。
それに会話やしぐさががいちいちユーモア溢れていてオシャレである。吹き出すほどじゃないが、そう、とってもオシャレだ。
観たら ”ほっこり” すること請け合い。


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★ポテチ

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2012年5月12日(土)公開

【作品情報】
『ゴールデンスランバー』などのヒット作を生み出した仙台在住の人気作家・伊坂幸太郎と中村義洋監督の名コンビが、東日本大震災をきっかけに製作した心温まるミステリー・コメディ。一連の伊坂&中村作品の常連である濱田岳を主演に据え、注目の新進女優・木村文乃をヒロインに抜擢。仙台でのオール・ロケにも注目したい。

【ストーリー】
ビルの屋上から飛び降り自殺をしようとしていた若葉(木村文乃)は死ぬ前に恋人に電話をかけた。ところが、留守電に吹き込まれたメッセージを聞いていたのは、彼女の恋人の家に空き巣で入っていた今村(濱田岳)とその親分(中村義洋)だった。“これから死ぬ”という彼女を放っておくことができず、今村は“キリンに乗っていくから!”と、わけのわからない言葉を発して、若葉のいるビルへ向かった。自殺を思い止まった彼女は、今村と同棲を始める。ある日、今村の空き巣の仕事を見てみたいという若葉と忍び込んだマンションの一室は、プロ野球選手の尾崎(阿部亮平)の部屋だった。だが今村は野球漫画を読んだり、ソファでくつろいだり、何かを盗む様子は全くない。そこへ電話のベルが鳴り、尾崎に助けを求めるミユ(松岡茉優)という女からのメッセージが。若葉と出会ったときと似ている、と今回も放っておけなくなった今村はミユの元へ向かう。

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【作品データ】
製作年 2012年
製作国 日本
配給 ショウゲート
上映時間 68分

【スタッフ】
監督:  中村義洋
脚本:  中村義洋
原作:  伊坂幸太郎
音楽:  斉藤和義 
主題歌:  「今夜、リンゴの木の下で」 

【キャスト】
今村忠司:  濱田岳
大西若葉:  木村文乃
黒澤:  大森南朋
今村弓子:  石田えり
落合修輔:  中林大樹
ミユ:  松岡茉優
尾崎:  阿部亮平
親分:  中村義洋
監督:  桜金造



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【マイレビュー】
68分という短い映画だが、内容がぎっしり詰まって喜怒哀楽のあるとてもホノボノとしてユーモラスな作品だった。日本映画なのに会話がとにかくお洒落だったしストーリーもとても秀逸だった。
この映画はDVDで良いので観て感じて欲しい。上映時間も短いのでネタに紐づく話は極力無しにして、今回は出演者にスポットを当てて展開してみたい。

まずはじめに、原作者の伊坂幸太郎さんと主題歌を歌う斉藤和義さんについて。
この二人の関係は意外に大きいんだな。「ベリー・ベリー・ストロング~アイネクライネ~」という楽曲を斉藤和義さんは以前に発売している。斉藤和義ファンを公言していた伊坂幸太郎さんは、最初は作詞を頼まれたものの、「詞は書けないけど、小説なら」と短編を書いたという。それが「アイネクライネ」という短編なのである。なるほど小説のような曲でとてもいい曲である。
この映画でも「今夜、リンゴの木の下で」 という曲を提供している。


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特に主演の濱田岳さんは本当に素晴らしい役者だ。
彼の持つ雰囲気は本当になんて暖かいんだろう。もう彼そのものを演じていると言ったほうが良い。この映画でも如何なく発揮されている。

愛情がハンパ無く大きい。それにすべてにおいて目の付けどころが天才的である。ニュートンの万有引力の法則やピタゴラスの定理などを何の予備知識も無く思いついてしまう。そんな純粋な人間をいとも簡単に演じてしまう役者としての素養は他に類を見ない。完全なる個性だと思う。どんな映画にも役者として必ず需要がある天然素材の優れたキャラクターだ。
この映画でも泣かせてくれる。


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ヒロインの木村文乃さん。人知れず僕は彼女のファンである。
「マザー・ゲーム~彼女たちの階級~」という現在放映中のTBSドラマでも彼女が主演で、僕は毎週欠かさず見ている。
どちらかと言えば若い主婦層向けのドラマでもあるのだが、子役の男の子も最高に可愛くて、それがそれが毎回こんなオヤジを泣かせてくれるいいドラマなのである。

今までのドラマではどちらかと言えばあまり表情を表に出さないクールな役が多かった彼女だけど、このドラマやこの映画のようなチャキチャキした雰囲気の役柄のほうが彼女に合ってるし僕は好きだ。
この映画でも屋上から飛び降りようとしている割にものすごくユーモラスなツッコミを展開している。


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大森南朋さんはその佇まいに風格さえある。
いろんな映画に出ているが、最近では「さよなら渓谷」でも記者役で出演していた。物静かでとても重要な役柄を演じるのが上手いし、この映画では人の気持ちは理解できないが、冷静で切れ者で凄みのある兄貴分を演じている。


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最近注目を集めている女優の松岡茉優さんもこの映画に出ていた。
彼女もつい最近まで「問題のあるレストラン」で引きこもりのシェフ役で出演されていたが、マスクとフードを取り、髪の色を黒に変えた途端に鋭く可愛くなった。まるで別人のようだった。

映画「桐島、部活やめるってよ」とかNHK連ドラ「あまちゃん」にも出演している。それにまた現在フジTVの学園モノの深夜の主演ドラマ「She」にも出演している。
演技が”超自然”で、まるで女版「橋爪功」さんのような感じ(笑)。
彼女が繰り出すアドリブばりの演技は本当に凄いと思う。


ポテチ06



出演している全員が際立つ映画なのだがあともうひとつ。
通行人のエキストラにスッピンの「竹内結子」さんが出ているシーンがある。監督兼親分役で出演している中村義洋さんがビルの下で ”フライ” をはじめて捕るというシーンの後ろに確かに映っている。
そのことを知らなくて最初観たときに、このエキストラ、ちょっとした野次馬的演技がとても自然だなあと感じたのである。竹内結子さんがどこかに出ているとあとで知って僕は直感で「あそこだ!」とわかったのである。
それがこちら↓


ポテチ08


他には石田えりさん。彼女も母親役をやるようになったんだな。あいかわらずオッパイの大きさが目立つ。
何も知らない母親役なのだが、女性としてそれはちょっと不自然ではあると思うが、とてもあっけらかんとした女性を演じている。この親にしてこの子ありというのがわかる親子関係だった。





★オーバー・ザ・トップ

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1987年2月14日(土)公開

【作品情報】
愛する息子のために腕相撲(アーム・レスリング)大会のチャンピオンを目ざすトラッカーを描く。製作・監督は「デルタ・フォース」のメナヘム・ゴーラン、エグゼクティヴ・プロデューサーはジェームズ・D・ブルベイカー、脚本は主演のシルヴェスター・スタローンとスターリング・シリファントの共同執筆、撮影はニック・マクリーンが担当。出演はスタローン、デイヴィッド・メンデンホール、ロバート・ロッジア、スーザン・ブレイクリーほか。

【ストーリー】
リンカーン・ホーク(シルヴェスター・スタローン)は放浪のコンボイ・トラッカー。彼は10年前、義父ジェイソン(ロバート・ロッジア)との確執から追い出されるように家を出た。彼の心には常に妻クリスティーナ(スーザン・ブレイクリー)と息子マイケル(デイヴィッド・メンデンホール)の姿が焼き付いている。行く先々で得意のアームレスリングの賭けゲームに熱中するだけが、彼の孤独をまぎらわす唯一の手段だった。そのホークが陸軍幼年学校を卒業した12歳になるマイケルをトラックで迎えに行った。クリスティーナが重病で入院し、彼女のたっての願いでマイケルとともに病院に来てほしいというのだ。マイケルは教養もなく野卑な父に拒否反応を示し、なつかない。アームレスリングで圧倒的な強さを誇る父を見、ラスヴェガスの世界大会で優勝して、その賞金でトラック会社を設立、親子3人で暮らす夢を話す父に、徐々に心を開いていったのだが・・・。

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【作品データ】
原題 Over the Top
製作年 1987年
製作国 アメリカ
配給 東宝東和
上映時間 94分

【スタッフ】
監督 メナヘム・ゴーラン
脚本 シルヴェスター・スタローン 、 スターリング・シリファント
原作 ゲイリー・コンウェー 、 デイヴィッド・エンゲルバック

【キャスト】
Lincoln_Hawk シルヴェスター・スタローン
Michael_Cutler デイヴィッド・メンデンホール
Jason_Cutler ロバート・ロギア
Christine スーザン・ブレイクリー
Ruker テリー・ファンク




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【マイレビュー】

今観てみると後々にこの映画をパクったような筋書きの映画は世の中に腐るほどあるのに気付く。
この映画さえ本当は”パクリ側”の映画だったのかもしれないが、アメリカンドリームと親子の愛情をつなぎ合わせたような脚本はいつの時代もウケがいいのだろう。
「リアル・スティール」なんかはまさにそう。
すこし時代の流れを受けて、アームレスリングが最新鋭の超合金ロボットに取って代わってはいるが、まさに同じような筋書きドラマである。アメリカ人は好きなんだな、こういうのが。


この映画ではスタローンがかなりいい芝居をしているのに感心してしまった(笑)。
子供に対する愛情がハンパ無いほど伝わってくる。
「ランボー」のソルジャー役や「ロッキー」のボクサー役などに比べ、セリフも多いし表情も豊かで、彼がこんないい役者だったとは逆に驚きだった。それに筋肉も顔も若いしツヤがいい(笑)


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思い出の映画

1987年、僕は27歳で赴任4年目の岐阜にいた。彼女は当時まだ20歳だった。

この映画はその彼女とはじめてのデートで観た思い出の映画だ。映画館は柳ケ瀬東通りの近鉄百貨店に併設されたような小さな映画館だった。たしか「クロコダイル・ダンディー」と二本立てで観た映画だ。
映画の内容は殆ど記憶していなかったのだが、この映画のシチュエーションとはまったく違う意味で彼女の手を強く握り締めた記憶だけはしっかり残っている。
「オーバー・ザ・トップ・・・」とふざけながら。
...................

彼女のことをどうしようもなく好きだった。それまでそんなに愛した人はいなかったと思う。
誘ったのは僕だし、好きになったのも僕のほうだ。

だが決して許されない恋だった。
彼女をとても傷つけてしまった。結局は別れるしかなかった。

彼女は今も覚えているだろうか。
ほろ苦い思い出ばかりじゃなかったけど、あの日々を後悔してはいないだろうか。



今この映画を過大評価するつもりはないのだが、僕の「思い出加点」をさせてもらい、結果★星ひとつ!


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★しあわせな孤独 / Open Hearts

しあわせな孤独01

R-15指定
2004年1月10日(土)公開

【作品情報】
本国デンマークで大ヒットを記録したラブ・ストーリー。突然の不幸に見舞われた2組のカップルを主人公に、彼らのせつなくもひたむきな愛の形をじっくりと見すえていく。

【ストーリー】
23歳の女性コックであるセシリ(ソニア・リクター)は、大学で地理を専攻しているヨアヒム(ニコライ・リー・カース)と、結婚を間近に控えていた。しかしヨアヒムは、交通事故で全身不随になってしまう。彼を轢いたのは、マリー(パプリカ・スティーン)の運転する車。助手席の娘スティーネ(スティーネ・ビェルレガード)と口論していて、前方をよく見ていなかったのだ。絶望したヨアヒムは、セシリに冷たく対応する。それに疲れたセシリは、加害者マリーの夫であるヨアヒムの入院する病院の医師ニルス(マッツ・ミケルセン)に慰めを求め、二人の間柄は、いつしか本気の恋へと変わっていく。

しあわせな孤独02

【作品データ】
原題 Open Hearts
製作年 2002年
製作国 デンマーク
配給 ギャガ
上映時間 113分

【スタッフ】
監督 スサンネ・ビア
脚本 アナス・トーマス・イエンセン
原案 スサンネ・ビア

【キャスト】
Caecilie ソニア・リクター
Niels マッツ・ミケルセン
Joachim ニコライ・リー・コース
Marie パプリカ・ステーン
Stine スティーネ・ビェルレガード




しあわせな孤独03

【マイレビュー】
デンマーク映画だが、北欧の映画はいつもとても質がいい。
デンマークやノルウェー、スウェーデン、(ちょっとフィンランドは除く(笑))が作る映画やドラマは本当にすばらしい。いつもハズレがない。素の人間ドラマを観させてくれる。

北欧人って言うのは、節度があり、冷静で、思いやりに溢れ、なにか日本人感覚にとても近いように感じる。


この物語、ひとつの事故がきっかけで、二組のカップル(夫婦と恋人同士)の関係が微妙に変化してゆくその顛末を描いたものだが、これがまた実に現実的で自然ななりゆきで、時間の経過と共に少しずつ事態が変化してゆく。その流れはけっして大袈裟でもなければ、不自然でもない。
かといって、こういう事態がありえるかといえば、ほぼゼロといっていいとは思うが。

R-15指定なのでセックスシーンは意外に多いが、この映画では特に重要な要素になっている。アメリカ映画にありがちな暴力的な言葉も明らかなヤクザもまったく出てこない。良識ある庶民のお話である。


しあわせな孤独08


映像技術とかあまり高度ではないように思う。
カット割りもそんなに無いし、特に手持ちカメラを多用しており、固定カメラもレールもクレーンも多分使っていない。

その分、手振れなどお構い無しに ”通し” でカメラを回しまくる。
日常のセリフが応酬するところなど本当に素晴らしい。役者の”ノリ”や”なりきり”の感じをとても大事に丁寧に扱っているのが分かる。役者も超一流だ。
まるでやり直し無しのぶっつけ本番の舞台を見ているような感覚になった。


しあわせな孤独10


この中に出てくる誰もが素っ頓狂な人間ではない。悪人も居ない。ありふれた普通の善良な人々である。


普通の人々があるきっかけによってそれぞれすこしだけ ”箍が外れて” しまう。ほんのすこしのことだ。
誰もが持っている別人格、あるいは知らず知らず蓄積された渇望とか欲求とか、そういうものが現われるタイミングなのである。
ただ一度その想いが高まれば理性ではなく感情に行動をコントロールされてしまう。

結果的にそれが過ちとか無駄なことでは決して無い。恥じることでも後悔するものでもない。
それも人間としての成長過程のひとつ。

ただ抑えきれない行動を諌めてくれるものは結局、冷静になれるまでの「それぞれの時間」でしかないということなのかもしれない。

それぞれの心の中が手に取るようにわかる秀逸映画だった。


しあわせな孤独12




▲バベル

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2007年4月28日(土)公開

【作品情報】
一発の銃弾をきっかけに、モロッコ、アメリカとメキシコ、日本のドラマが同時進行していく人間ドラマ。ブラッド・ピットや役所広司など各国の俳優たちの競演に注目。PG-12指定。

【ストーリー】
モロッコ。幼い兄弟のアフメッド(サイード・タルカーニ)とユセフ(ブブケ・アイト・エル・カイド)は、山羊を狙うジャッカルを撃つために親が買った一挺のライフルを手渡される。試し撃ちの標的として遠くの山道を走る観光バスを狙った。観光バスに乗っていたアメリカ人夫婦のリチャード(ブラッド・ピット)とスーザン(ケイト・ブランシェット)は夫婦の絆の亀裂を修復できずにいた。ユセフの放った弾丸はスーザンの鎖骨の上に命中する。リチャードは血まみれのスーザンを抱えて医者がいる村へと走った。アメリカに残された彼らの幼い子供たち、マイク(ネイサン・ギャンブル)とデビー(エル・ファニング)は、メキシコ人の乳母アメリア(アドリアナ・バラッザ)に連れられてメキシコに向かう。彼らが急遽帰国できなくなったため、他のベビーシッターも見つからずしかたなくアメリアは息子の結婚式に子供たちを連れていくことにしたのだ。やがて問題のライフルの書類上の所有者が、日本人の会社員ヤスジロー(役所広司)だと判明。彼は最近妻が自殺したことで激しい心労を抱えており、聾唖である高校生の娘チエコ(菊地凛子)との溝が深くなっていた。

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【作品データ】
原題 Babel
製作年 2006年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ・コミュニケーションズ
上映時間 143分

【スタッフ】
監督 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本 ギジェルモ・アリアガ
原案 ギジェルモ・アリアガ 、 アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ

【キャスト】
リチャード:  ブラッド・ピット
スーザン:  ケイト・ブランシェット
サンチャゴ:  ガエル・ガルシア・ベルナル
ヤスジロー:  役所広司
アメリア:  アドリアナ・バラッザ
チエコ:  菊地凛子
デビー:  エル・ファニング
マイク:  ネイサン・ギャンブル
ユセフ:  ブブケ・アイト・エル・カイド
アフメッド:  サイード・タルカーニ


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【マイレビュー】
モロッコ、メキシコ、アメリカ、そして日本というワールドワイドで撮影された大掛かりな作品ではあったが、映画の良し悪しよりも途中で気が滅入ってきて空しさだけが残る映画だった。

僕が感じたようなそういう ”気持ちの通じないやりきれなさ” を伝えたかった映画なのだと思うが、3つのそれぞれの国においてのシチュエーションが執拗でサディスティックで理不尽で残酷すぎるのだ。


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「なにもそこまでしなくても・・・」と思うシーンがいっぱいあったし、「もっと別の選択をすればいいのに・・・」と同情を通り越して腹が立ったりもしてくる。

たぶんビューワーには一律に僕のような反応をさせたかったのだと思う。
それがこの映画監督の狙いであり、僕はまんまとその状態に陥ったわけだ。狙い通りになったという点で映画としては素晴らしいのかもしれないが、なんか釈然としないし、個人的な好みとしてはあまり好きではない映画だった。


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配役に影響されたのかもしれない。
僕が特に好きじゃない女優さんが出ている。ブラピの妻を演じている「ケイト・ブランシェット」である。

脱線コラム
好きじゃない女優

人それぞれの好みだと思うけど僕にはあまり好きじゃない女優さんが3人いる。
あえて言わなくてもいいと思うが、あくまでも僕個人の好みの問題なのであしからず。
あとの二人も映画に関連したときに話したいと思う。


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その1 「ケイト・ブランシェット」 

ソ連時代のロシアを思わせる氷のような女優さんだ。冷たくて、険があり、お高く留まっていて、優しさのかけらも無い顔をしていると思わないだろうか。見ていて「癒し」とは対極にいる女優さんだと思う。アカデミー主演女優賞も獲っており業界的にはむしろとても評価され重宝されている素晴らしい演技力の女優さんだと思うが、残念ながら彼女が出ている映画というだけで僕の中では低評価になる。




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お国柄とか文明の違い、言葉も人との接し方もまったく違う国での悲劇のパターンだったが、日本という国がどれだけ恵まれているかを皮肉っているようにも感じたし、逆に平和ボケの日本に警告を発しているようにも感じた。
なぜこの映画の中に「日本」と言う国のパターンが必要だったかを考えると、そういう結論になる。


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★君を想って海をゆく / WELCOME

君を想って海をゆく16

2010年12月18日(土)公開

【作品情報】
各国の映画祭で評判を呼び、セザール賞の主要10部門でノミネートされるなど、フランスで大ヒットを記録した感動ドラマ。イギリスに住む恋人に会うため、泳いでドーバー海峡を渡ろうとするクルド難民の青年と、ひょんなことから彼に泳ぎを教えることになったフランス人水泳コーチとの心の交流をつづる。

【ストーリー】
2008年2月、17歳のイラク国籍のクルド難民ビラル(フィラ・エヴェルディ)は、恋人ミナが住むロンドンを目指し、フランス最北端の都市カレにやってくる。イギリス渡航を望む多くの難民が、カレの港で住居を持たずに暮らしていた。ビラルは偶然再会した同郷の友人とともに密航を図るが、失敗する。イラクが戦争により荒廃しているため送還を免れたビラルは、英仏海峡を泳いで渡る決心をする。かつては高名な水泳選手だったフランス人シモン(ヴァンサン・ランドン)は、今は市民プールで子供や老人に指導している。ビラルはシモンにレッスン料を払い、クロールの指導を仰ぐ。

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【作品データ】
原題 Welcome
製作年 2009年
製作国 フランス
配給 ロングライド
上映時間 110分

【スタッフ】
監督 フィリップ・リオレ
脚本 フィリップ・リオレ 、 エマニュエル・クールコル 、 オリヴィエ・アダム
撮影 ローラン・ダイアン
音楽 ニコラ・ピオヴァーニ 、 ヴォイチェフ・キラール 、 アルマンド・アマール

【キャスト】
シモン:  ヴァンサン・ランドン
ビラル:  フィラ・エヴェルディ
マリオン:  オドレイ・ダナ
隣人:  パトリック・リガルド
ブルーノ:  ティエリー・ゴダール
警察代理官:  オリヴィエ・ラブルダン
ミナ:  デリヤ・エヴェルディ



君を想って海をゆく12


【マイレビュー】
フランス映画独特の雰囲気の映画だった。
人はみな苦しみや悲しみを抱えて生きている。平たく言えばそういう映画である。

テーマが重たそうな感じがするかもしれないが、実際遠い国で起きているその移民や不法滞在の実態が垣間見れて勉強にもなる。

中国や韓国、フィリピンなどからの移民も多い現在の日本でも他人事では無いし、対岸の火事でもない状況に来ているのだ。


君を想って海をゆく14


この映画の原題タイトルは「WELCOME」という。
なぜそのタイトルにしたのかは僕なりの解釈をしたいと思う。

この映画には人種差別、国の移民政策、不法入国に関する法律、支援ボランティア、地域社会コミュニティーやそれぞれの国柄などすべてのものが映し出されていた。

中近東、アフリカなどから内戦を逃れ多くの不法難民が、トルコを経由して、フランスを北上し、イギリスを目指してイギリスに最も近い最北端の港付近で寝泊りをしている。

イギリスのほうが国籍とか民族に対する差別意識を表わすことはタブーとされ、移民に対する政策が緩和されていて同胞も多いため貨物自動車に紛れての不法入国人気(?)が高いのである。

まだまだ勉強不足なのでわからないが、フランスでは人種や不法入国者、宗教への差別が顕在化している。記憶に新しいがつい先日も宗教を揶揄した風刺漫画がもとで銃の乱射事件があったばかりである。



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この映画のように、現在でもフランスでは不法滞在者に対する援助を行ってはならないという法律になっているらしく、ボランティアの配給サービスにも取締りの触手がきている状況にある。

市民のなかには肌の色や風体など不法滞在者や移民やフランス国籍を取得済みの外国人の区別をすることも無くあからさまに蔑視する人たちも増えている。

現在のフランスは日本人がフランスと聞いてイメージするような白人は、すでにマジョリティ(大多数)ではない。
戦後の出生率低下から労働力の確保という観点でフランス国内への外国人労働力としての移民を認め、家族の呼び寄せも認めてきたフランス国策によって、フランス国内の18歳未満の子供は移民が50%を超えているとのことだ。

フランスでは右派や左派の政権交代がここ30年の間でコロコロと変わっており、いままでの移民政策や法律の不備から一貫性が無く、現在は移民そのものの制限をおこなっており労働移民も認めていない。

出生率が減った大戦後はと労働力受け入れのために移民に多くの労働力を頼った。
現在の日本と同じ状況が戦後のフランスにあったということだ。日本の移民政策は戦後フランスの移民政策の歴史と実態に学ぶのが一番適切だと思う。



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この映画の中に出てくるシモン(ヴァンサン・ランドン)の隣に住む住人はそういった多くの差別主義者のフランス人の一人である。だが玄関マットには「WELCOME」と書いてある。

原題の「WELCOME」とは、過去は快く受け入れ現在は締め出すようなフランス移民政策そのものへのバッシングの意味もあり、「WELCOME」とロゴが入った玄関マットを敷いているくせに、多くのフランス民が持つ差別意識を皮肉った原題であることが解る。
とても意味のあるタイトルだ。

邦題はそれに比べてなんてチープなタイトルだろう。
もう何度目だろう。タイトルにも文化的価値があることを知れ!勝手にタイトルを変えるな、と日本の配給会社に声を大にしていいたい。この映画ではそんなロマンチックな邦題は要らない。ロマンスは二の次、三の次である。



フランス映画はセリフが少ない。
特にこのシモン役のヴァンサン・ランドンは無口な役が多い。
小説で言えば ”行間を読む” ように、映画鑑賞をしたというより、セリフのないところに想いが漂うようなそんな憂いある空間を僕は観ていた気がする。

どんな経緯で17歳のクルド人の彼が海を渡る決意をしたのか、どんな夢を持っていたのか。
そうしてどうしてシモンは彼に手をさしのべたのだろうか。

そのあたりはやっぱり観て感じていただきたい。

  
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●しあわせの帰る場所 / Fireflies in the Garden

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2008/7/17(劇場未公開)

【作品情報】
崩壊した家族の葛藤と再生を、「プリティ・ウーマン」のジュリア・ロバーツ、「デンジャラス・ラン」のライアン・レイノルズ、「スパイダーマン」のウィレム・デフォーら豪華スター共演で描いたヒューマンドラマ。デニス・リー初監督作品。第58回ベルリン国際映画祭正式出品作品。

【ストーリー】
マイケル(ライアン・レイノルズ)は小説家。幼い頃から厳しかった父・チャールズ(ウィレム・デフォー)にいまも反発心を抱いている。家族の集まりをきっかけに17年ぶりに故郷に戻ったマイケルだが、その途中思いがけない事故で、母・リサ(ジュリア・ロバーツ)が亡くなってしまう。大切な存在を失い、深い悲しみに暮れる家族。優しかった母の死により父とマイケルの溝はますます深まっていく。そんな時、遺品整理の途中で、マイケルは母の意外な秘密を見つける…。長い間ばらばらに引き裂かれていた家族の絆は、再び取り戻せるのだろうか? 忘れかけていた愛に気づいた時、家族にある奇跡が訪れる。

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【作品データ】
原題 Fireflies in the Garden
製作年 2008年
製作国 アメリカ
上映時間 99分


【スタッフ】
監督 デニス・リー
製作 マルコ・ウェバー バネッサ・コイフマン シュキー・チュウ
製作総指揮 ジェリー・ハウスファター ミルトン・リウ
脚本 デニス・リー
撮影 ダニー・モダー
美術 ロバート・ピアソン
編集 デデ・アレン ロバート・ブレイキー
音楽 ハビエル・ナバレテ


【キャスト】
マイケル・テイラー:  ライアン・レイノルズ
リサ・テイラー: ジュリア・ロバーツ
チャールズ・テイラー: ウィレム・デフォー
ジェーン : エミリー・ワトソン
ケリー・テイラー: キャリー=アン・モス
ジェーン(young): ヘイデン・パネッティーア
アディソン・ウェスリー : ヨアン・グリフィズ
マイケル・テイラー(young) : ケイデン・ボイド
ライン・テイラー: シャノン・ルシオ



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【マイレビュー】
日本人のファンも多いジュリア・ロバーツ出演作品だが日本では劇場未公開になっている。ベルリン国際映画祭への正式出品作で受賞しなかった結果を踏まえてということだろう。

この作品には通常の家族愛テーマの映画に似つかわしく無い結構ショッキングなシーンが意外とサラッと描かれている。

① 夜中にバトミントンのラケットを振り回す
② 獲った魚のリリース方法
③ 喪主の挨拶時に長男が2階でガタガタ音を立てる
④ ガレージでの出来事


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このあたりは、父と息子の確執の原因でもあり捌け口でもあったりするので、ネタバレになってしまわないように書いたつもりだが、とにかく上の4項目はすこし不自然なくらいだった。
ただ僕は基本的にこういう家族の愛情物語を描いた映画は好きだから、その不自然なシーンをちょうど帳消しにしてしまった。


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家族というのは多かれ少なかれみんなが仲良しではない。それにいつでも和気藹々としているわけでも、すべてが順風満帆でもない。映画としたらどのタイミングを図ってエンディングに持っていくかで、ストーリーはガラッと変わってしまうものだ。

家族というのは全世界共通だと思うし、父親と息子というものにしてもいつの時代もどこの家庭もこんな風にギクシャクした感じになってしまうのではと思う。
結局父が息子にしてきたこと、息子が父にしてきたことなど何が正解で何が間違いかなんて多分一生わからないままだと思う。ただ確執を持ち続け、互いに誤解をしたままというのはやはり気持ち的によくない。どこかのタイミングででちゃんと真剣にぶつけ合うことが男同士という意味でも必要なこととは思う。


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少年のマイケルを救ったのは、母親よりもいとこに近いジェーン叔母さん(エミリー・ワトソン)の存在が大きい。
厳格な父親に反抗する気持ちを養ってくれたのは彼女しか居なかったからだ。
ただ現実的にはこんな話のわかる年上のセクシーねえちゃんなんか居ない。だから日本でも核家族化したうえにストレスを抱えたまま大人になってゆくから家庭内暴力とか幼時虐待とか頻繁に起きたりするんだと思う。

やっぱり向こう三件両隣じゃないけど、隣近所や地域のいろんなことにもっと関心を持つか、あるいはそういう人間同士の関わりが染み付いた田舎に住まないとダメだなって思う。


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ちなみに原題の「Fireflies in the Garden」のファイヤーフライというのは『蛍』のことである。
蛍が庭に舞うような水や空気の澄んだ綺麗な場所は日本にも少なくなってきたなあ。

★友よ、さらばと言おう / MEA CULPA

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MovieWalkerより抜粋
2014年8月1日(金)公開

【作品情報】
デビュー作『すべて彼女のために』がハリウッドでリメイクされるなど、注目を浴びているフランスの俊英、フレッド・カヴァイエ監督によるクライム・アクション。殺しの現場を目撃しマフィアに命を狙われた息子を救うべく戦う父と、かつての相棒の刑事との友情を描く。カヴァイエ監督の過去作で主演を務めたヴァンサン・ランドンとジル・ルルーシュがコンビを組む。

【ストーリー】
南フランスの港町トゥーロン。ある日、任務終了を祝って羽目を外した親友同士の刑事、シモン(ヴァンサン・ランドン)とフランク(ジル・ルルーシュ)は、同じ車で帰宅する途中に激突事故を起こしてしまう。幼い子供を含む3人の命が奪われ、運転席で重傷を負ったシモンは、飲酒運転が発覚して警察を懲戒免職。刑務所送りに……。6年後。刑務所を出たものの、罪の意識から逃れられないシモンは、妻のアリス(ナディーン・ラバキー)と離婚。自堕落な生活を送り、9歳の息子テオ(マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ)に対しても父親らしい役割を果たせずにいた。刑事を続けているフランクが何かと気遣うが、シモンは心を閉ざしたまま。そんなある日フランクが連続殺人事件の捜査を担当することになる。一方シモンの息子のテオは母親達と一緒に行った闘牛場の人気のない死角でマフィアが報復殺人を行なう現場を偶然目撃してしまう。

友よさらばと言おう17


【作品データ】
原題 MEA CULPA
製作年 2014年
製作国 フランス
配給 ブロードメディア・スタジオ
上映時間 90分

【スタッフ】
監督 フレッド・カヴァイエ
脚本 フレッド・カヴァイエ 、 ギョーム・ルマン
製作総指揮 ダビ・ジョルダーノ

【キャスト】
シモン ヴァンサン・ランドン
フランク ジル・ルルーシュ
アリス ナディーン・ラバキー
テオ マックス・ベセット・ド・マルグレーヴ
牧師 ジル・コーエン
ミラン ヴェリボール・トピッチ
ジャン=マルク シリル・ルコント



友よさらばと言おう09


【マイレビュー】
フランス映画独特のセリフ少な目、絶妙な表情で感情表現する映像感覚がとてもシビれる映画だった。親子のゆるぎない愛情、夫婦の絆、そして同僚との友情が絡み合うストーリーは秀逸だった。

撮影技法がとにかく多彩で、ボカシをとても上手く使っているように僕は感じた。惹きつけ方がうまいと言うか。
そのために見逃すまいと最後まで一気に食い入るように見入ってしまった。
ある程度の状況がつかめるまでに時間がかかるが、良い映画かどうかは最初の5分でわかると思う。


友よさらばと言おう01

ただ難点を言えば、10歳の子供の父親にしては主役のシモン(ヴァンサン・ランドン=上の写真右)はちょっと見た目も老け過ぎだと思う。フランス映画によくみられる傾向でもあるが、国として晩婚化が進んじゃっているのか、もしくはフランス映画界としてベテラン俳優に気を使いすぎているように思うが、皆さんはどう思うだろう。

ただ黙々としているため皺に刻まれた悲哀とか、かえってとても良く伝わってくるのだが、格闘シーンでは息が上がることも多く、体力面からも大丈夫かと観ているだけでも心配になる。とっくにやられちゃっていてもおかしくないほどだ(笑)


友よさらばと言おう11


また、特筆すべきは世界的に有名な超高速列車「TGV」を使っていることだ。日本だったら新幹線だし、撮影許可は下りないだろうし、なかなか難しいはずだ。

現在はTGVが走る路線は数多く新設されたそうだが、当初はパリ駅から出発してスイスのリヨン駅までだった。新幹線以上の速度を記録したことで世界的に有名になった超特急である。そんなフランスの権威でもあるTGVの車内での銃撃戦など迫力ある映像は必見。フランス政府ぐるみでTGVまで止めちゃって協力体制をとっているのが凄い。まあ本当に止めたりしてはいないだろうけど。


友よさらばと言おう13


原題の「MEA CULPA」とは「罪は私にあります」とか「私が悪いのです」という意味だそうだ。その原題の理由はラストまでご覧いただければわかるだろう。
悲しくもあり、むなしくもあり、無常でもあるこんな映画の雰囲気はやはりフランス映画ならではだ。

★★プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命

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MovieWalkerより抜粋
PG12
2013年5月25日(土)公開

【作品情報】
数々の映画祭で評判を呼んだ『ブルーバレンタイン』のデレク・シアンフランス監督とライアン・ゴズリングが再びタッグを組んで放つクライムドラマ。妻子を養うために強盗をするバイクレーサーと野心的な警官の物語が、子どもの世代にもわたって描かれる。警官役には、『世界にひとつのプレイブック』のブラッドリー・クーパー。

【ストーリー】
移動遊園地で命懸けのバイクショーを行い、その日暮らしの生活を送る天才ライダー、ルーク(ライアン・ゴズリング)。巡業先で、偶然かつての恋人ロミーナ(エヴァ・メンデス)と出会った彼は、それまでの生活を抜け出し、彼女の住むニューヨーク州スケネクタディにやってくる。ロミーナが密かに自分の子を生んでいたことを知ったルークは、2人を養うため、修理工ロビン(ベン・メンデルソーン)の誘いに乗り、銀行強盗を行う。計画は成功し、大金を手にするルーク。その後も強盗を繰り返していた彼は、ある時ミスを犯して警察の追跡を受け、民家に立てこもる。立身出世に野心を燃やす新米警官のエイヴリー(ブラッドリー・クーパー)はその追跡に加わり、ルークを追い詰めたものの、直接対峙した時に重大なミスを犯してしまう。


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【作品データ】
原題 The Place Beyond the Pines
製作年 2012年
製作国 アメリカ
配給 ファイン・フィルムズ
上映時間 141分

【スタッフ】
監督 デレク・シアンフランス
脚本 デレク・シアンフランス 、 ベン・コッチオ 、 ダリウス・マーダー
製作総指揮 ジム・タウバー 、 マット・ベレンソン 、 ブルース・トウル

【キャスト】
ルーク:  ライアン・ゴズリング
エイヴリー:  ブラッドリー・クーパー
ロミーナ:  エヴァ・メンデス
デルーカ :  レイ・リオッタ
ジェニファー:  ローズ・バーン
コフィ:  マハーシャラ・アリ
ビル:  ブルース・グリーンウッド
アル・クロス:  ハリス・ユーリン
ロビン:  ベン・メンデルソン
ジェイソン:  デイン・デハーン
AJ: エモリー・コーエン



【マイレビュー】
人生に於ける善きも悪しきも 『因果応報』 すなわち、”時を越えても親から子へ受け継がれているもの” を描いた骨太の映画だった。
役者陣は一流俳優ばかりだった。

ストーリーとしてはクライム・サスペンスと言うジャンルになるのだろうが、描きたかったテーマとしてはサブタイトルにもある通り 『宿命』 だったと思う。だから僕が選別するジャンルとしては「愛情、絆、人生、運命、生活、家族」とした。

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ちょっと脱線~~ ”その”ために 何を失うのか ~~

人生において欲しいものすべてを手に入れることは不可能であると僕は思っている。
一つを得れば必ず何か一つを失っている。そういう犠牲のうえに得られるものばかりだということである。
それが人間的に致命的な欠如を招いても、得たいものへの渇望や妄想的価値が膨らむのである。それが『欲』とか『煩悩』というものである。

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お金持ちになりたいヤツに限って真面目に働かない。
もうその時点でそいつは人間として欠如しているといっていい。
悪知恵ばかりがはたらいて、他人のものを盗んだり、ゲームや賭博みたいなことをやって楽して稼ごうとする。右から左へ流すだけの仕事なら「中国人転売ヤー」のほうがまだ体を動かしている分はマシである。

誰に自慢するでもない。誰にうらやましがられるでもなく、健康であれば真面目に働くのが人として正しい道なのだと僕は心から思う。

もうすぐ大晦日だ。鐘を撞かせてもらって、僕も余計な煩悩を流してしまおう。



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『きみに読む物語』で主演を演じた「ライアン・ゴズリング」がこれまたとてつもなく色男でとんでもなくセクシーである。男の僕でも惚れ惚れする。彼はどんどんカッコ好くなっていく。

また、警察内部の腐敗を描いたら「レイ・リオッタ」という役者は絶対に外せない。
本当に悪そうなブツブツ顔である。正視出来ないほどに凄みのある顔だ。沈着冷静で容赦ない冷徹さと狂気が噴き出している。それでもって悪知恵の塊のような顔だ。昔は善人役もやっていたが多分本当はとても良い人なんだろうけどね。あまりフォローになっていない(笑)

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特にストーリーは時代を追うごとの三部構成になっていて、
第一部目は天才バイク乗りのルーク(ライアン・ゴズリング)の荒れた刹那的な生きざまを。
第二部は正義感が強く出世欲も強いエイヴリー(ブラッドリー・クーパー)の生き様と警察の腐敗構造を描いたもの。
そして第三部目はその子供たちであるジェイソン(デイン・デハーン)とAJ(エモリー・コーエン)が絡む因縁。
そうやって脈々と繋がってゆく。

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第三部目の子供たち同士の葛藤劇はとてもイライラするのだが、これは描くべき必要不可欠な人生の回り道というものだろう。
またこの映画の特徴的な点は、完全に父と息子の関係や愛情表現などに重きを置いたストーリーとなっている。他の映画に比べるとすこし異質であり、子が母に対する愛情表現はまったくノータッチである。ジェイソンの母親ロミーナ(エヴァ・メンデス)もジェニファー(ローズ・バーン)も絶えず一方通行的に息子の将来を心配しているのはよく描かれているが。

この映画にデフォルメしすぎの大袈裟な展開は無い。現実的とまではいかないが有り得る現象だと納得することが出来る内容に成っている。良い映画なので少し長いがじっくりご覧いただきたい

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★★相席の恋人 feat. 世にも奇妙な物語



WIKIPEDIAからの抜粋

【ストーリー】
スズ(倉科カナ)は恋人の良樹(佐野和真)と同棲している。しかし、同棲生活は良樹の仕事が多忙なことからすれ違いが生じていた。そんな中、いつも使っている喫茶店で突如めまいに襲われる。ふと気づくと周りの人々はすべて消え、夜のはずが昼になっていた。そして向かいの相席に座った老紳士(宇津井健)はスズに微笑みかけ、名前を呼び「僕はスズの恋人だ」と言い出す。そしてオムライスのマヨネーズ掛けをおいしそうに食べはじめる。次の日も白昼夢のような出来事が続き彼はスズとの思い出話を語り始める。

相席の恋人10

【キャスト】
山田 スズ: 倉科カナ
相席の男 - 宇津井健
近藤 良樹: 佐野和真
ウエイターX - 窪寺昭
ウエイターA - 大竹浩一
由美 - 松山愛里
若い女 - 江奈さやか
広瀬 タカシ - 庄野崎謙

スタッフ
脚本:和田清人
演出:高丸雅隆(共同テレビ)



相席の恋人09


【マイレビュー】
今日は故・宇津井健さんに敬意と哀悼の意味を込めて丁寧口調で書きたいと思います。

珍しく動画リンクを貼り付けてみました。なんと「FC2動画」だけにアップされていましたので貴重な動画になると思います。
アップ主さんに感謝・感謝です。

今回は趣向を変えて映画ではなく短編ドラマを採りあげて見ました。
テレビ版 『世にも奇妙な物語 2012 秋の特別編』 からの 「相席の恋人」 という短編ドラマです。
倉科カナさんと故・宇津井健さん主演で、とてもファンタジックで悲しくて優しさ溢れるドラマになっています。まず主役のキャスティングが見事だと思います。


相席の恋人01


他の「世にも・・」シリーズ同様、20分足らずの短編なのである程度の早足感は否めませんが、ストーリーとして特に秀逸です。『世にも・・・』シリーズはどちらかと言えばおどろおどろしい内容が殆どで、ひとりで観たらチビリそうな、怖いホラー的なドラマが多かったのですがこれはまったく違います。
今まで観た数々の「世にも・・・」の中でいちばん好きなドラマです。しかも圧倒的に。


相席の恋人02


倉科カナさん、笑顔がとてもチャーミングです。何を隠そうこのドラマで僕は彼女のファンになりました。10月に竹野内豊さんとお付き合いしているとの報道もありましたが順調に幸せを育んで欲しいと思います。

あの見ているだけで元気が出そうなチャキチャキした感じとかは世の中広しといえどもなかなか滅多にいない女性だと思います。そのうえ分をわきまえることの出来る器用な性格が顔つきに出ています。今、お仕事がとても充実しているので、愛情を犠牲にしなければ二人の中は大丈夫だと思います。占い師的なこと言っちゃいました(笑)。
ちょうど1987年12月23日 生まれで27歳になったばかりですね。おめでとうございます。


相席の恋人05


宇津井健さんは2014年3月に亡くなられました。大変残念です。僕が宇津井さんを知ったのは「ザ・ガードマン」のときからですのでかれこれ45年近くになります。百恵ちゃんの「赤い」シリーズでも父親役として活躍されるなどドラマは数多く、晩年は「渡る世間は鬼ばかり」で故・藤岡琢也さんの後役として出演されてました。
実直で正義感が強く、熱く、頑固で短気で・・・日本人の親父を代表するようなキャラクターは、昔から殆ど何も変わっていません。晩年はとても穏やかな役でしたが、年相応にとても自然に丸くなっていったような気がします。ご冥福をお祈りいたします。

このドラマでの名台詞は
『年を取るとね。普通のことが幸せになるんだ。』です。

一つ一つの言葉がとても印象的なドラマです。
オススメの短編ドラマなので是非皆様もご覧いただきたいと思います。


相席の恋人06



★★★アイ・アム・サム

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MovieWalkerより抜粋
2002年6月8日(土)公開

【作品情報】
知的障害者である父親と、その幼い娘との絆を描いた感動の物語。ハンディがあるがゆえに娘と引き離されてしまった父親が、幸福を取り戻すために奮闘する姿が涙を誘う。

【ストーリー】
スターバックスで働く7歳の知能しか持っていない中年男サム(ショーン・ペン)は娘のルーシー・ダイアモンド(ダコタ・ファニング)と幸せに暮らしていた。しかし7歳になったルーシーはサムの知的能力を追い抜いてしまい、サムは父親として養育能力がないという判断をソーシャル・ワーカーに下されてしまう。ルーシーは施設で保護されることになり、サムは失意にくれる。彼は法廷で闘う決意を固め、エリート弁護士のリタ(ミシェル・ファイファー)に依頼する。彼の障害者の友人たちは裁判で普通の証言ができず、隣人アニー(ダイアン・ウィースト)も外出恐怖症を乗り越え証言台に立つのだが、相手の弁護士にやり込められて落ち込んでしまう。

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【作品データ】
原題 I Am Sam
製作年 2001年
製作国 アメリカ
配給 松竹=アスミック・エース(松竹=アスミック・エース エンタテインメント 提供)
上映時間 133分

【スタッフ】
監督 ジェシー・ネルソン
脚本 クリスティン・ジョンソン 、 ジェシー・ネルソン
製作総指揮 クレア・ラドニック=ポルスタイン 、 マイケル・デ・ルカ 、 デイヴィッド・スコット・ルビン
音楽 ジョン・パウエル

【キャスト】
Sam Dawson:  ショーン・ペン
Lucy Diamond Dawson:  ダコタ・ファニング
Ritta Harrison:  ミシェル・ファイファー
Annie:  ダイアン・ウィースト
Turner:  リチャード・シフ
Margared:  ロレッタ・デヴァイン
Ifty:  ダグ・ハッチソン
Randy:  ローラ・ダーン



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【マイレビュー】

「世の中に『純粋』なものほど美しいものは無い。それが形の無いものであればなおさらである。」

それは僕が感じたままの言葉である。

この映画を観てもらえばきっと皆さんにもわかるはずだ。

普段、感想以外のことまでつべこべと書いているが、今日はこれ以上何も言うことは無い。

文句無しの★★★だ。 もうちょっと映画の余韻に浸りたい。
ジョン・レノンの曲を聴きながら。


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とにかく配役と俳優がすばらしい。


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喜怒哀楽すべてがこの映画に込められている。

★幸せへのキセキ

幸せへのキセキ12

MovieWalkerより抜粋
2012年6月8日(金)公開

【作品情報】
なんの知識もなく、動物園の再建に挑み、最愛の人の死から立ち直った男の姿を描く、英国人コラムニストの身に起きた実話をベースにしたヒューマンドラマ。マット・デイモンが子供たちとともに悲しみから立ち直ろうとする父親に扮し、新境地を見せる。監督は『バニラ・スカイ』のキャメロン・クロウ。

【ストーリー】
イギリスのコラムニストであるベンジャミン・ミー(マット・デイモン)は、半年前に妻を亡くし、14歳の息子ディラン(コリン・フォード)と7歳になる娘ロージー(マギー・エリザベス・ジョーンズ)とともにその悲しみから立ち直れないでいた。悲しみからベンジャミンは仕事を辞め、息子は学校で問題を起こし退学処分になってしまう。ベンジャミンは心機一転、新天地での再スタートを望み、郊外に家を購入。その家は、閉鎖中の動物園付きだった。動物園を再建すべく取り組むベンジャミンだが、素人ゆえわからないことだらけでトラブルが続き、かさんでいく修理費や薬代に頭を抱える。しかし飼育員たちや動物園を心待ちにしている地域住民、思いもよらぬ亡き妻からのプレゼントに支えられ、妻とのある約束を果たそうとする――。

幸せへのキセキ05

【作品データ】
原題 WE BOUGHT A ZOO
製作年 2012年
製作国 アメリカ
配給 20世紀フォックス映画
上映時間 124分

【スタッフ】
監督 キャメロン・クロウ
脚本 アライン・ブロッシュ・マッケンナ 、 キャメロン・クロウ
原作 ベンジャミン・ミー
製作総指揮 イローナ・ハーツバーグ
音楽 ヨンシー

【キャスト】
ベンジャミン・ミー : マット・デイモン
ケリー・フォスター: スカーレット・ヨハンソン
ダンカン・ミー:  トーマス・ヘイデン・チャーチ
ディラン・ミー: コリン・フォード
ロージー・ミー: マギー・エリザベス・ジョーンズ
リリー・ミスカ: エル・ファニング
ウォルター・フェリス: ジョン・マイケル・ヒギンズ
キャサリン・ミー: ステファニー・ショスタク



幸せへのキセキ06

【マイレビュー】
友人から紹介されてずっと観たかった映画だったが今回やっと観ることができた。
正直、期待値が大きすぎて自分の中でのハードルが上がっていたこともあって、すこし物足りなさとかストーリー展開に違和感を抱いてしまったところがあった。なので星★は一つどまりにした。日本語吹き替え版だったのでカットしてあったのだろうか、そこはちょっと不明だ。

幸せへのキセキ02


でもこの映画、多分何度観ても笑えるところは笑えて、悲しくなるところや神妙なところはその面持ちにもなり、温まるところはホンワカし、そしてスカッとするところはちゃんとスカッとすると思う。
海外版の夏休み向けの家族映画、例えれば「タスマニア物語」とか・・・そんな「東映まんが祭り」的な映画で、老若男女、大家族で観ても絶対に楽しめるはずだ。しかも使われている音楽のセンスも凄く好いと思った。

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そしてキャストがとにかくいい。動物達も含めて素晴らしいキャストだ。それぞれ個性的でとてもさわやかで見てて心地よい。意地悪な検査官でさえもユニークだ。ストーリー展開もすべて含めて”可愛い”映画だったように思う。

マット・デイモンが不器用な父親役である。一生懸命やっているのはわかるが空回りするようなところや弱みを見せまいとする見栄っ張りなところ、それに娘には甘く、息子への愛情表現がヘタクソ・・・このあたりは日本人にも絶対共通している典型的な父親像だと思う。ある意味世界共通なのだろう。

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絵に描いたような理想の父親ではなく欠点だらけというところが実にいい。マット・デイモンは特に好きな俳優で、どちらかと言うといつも闘っているイメージがあるが、この映画で魅せる彼は今までで一番彼本来の人間らしい部分が出ていてとてもいいと思う。

息子ディラン役のコリン・フォードもとても良かった。父親に対して感情をぶつけるシーンなど目に涙を浮かべながらの演技は真に迫っていて素晴らしかった。父親も痛いところを突かれ言葉に詰まることもあるに違いない。


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娘のロージー役のマギー・エリザベス・ジョーンズはとにかく何をしていても可愛い。おマセで首を傾げて微笑むシーンなど食べちゃいたいくらいである。こんな娘をもった父親なら間違いなく甘やかしたくなるだろう。

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そしてお待たせしました。ケリー・フォスター役のスカーレット・ヨハンソン。
彼女の魅力はこんな野生的なシチュエーションでも決して失われない。飼育員としてのキャリアとか本当に頼もしく、むしろそんな強さが逆にエロいほどである。彼女は最近の僕の中でも赤丸急上昇です。
ただ最後の動物園管理所内での”行為”はフリこそあったが、ちょっとまだ時期尚早という気がしたのは僕だけだろうか。

幸せへのキセキ09


気に入ったセリフがあった。
冒頭で運転中車内で後部座席に座った息子へ叱った言葉である。
「なんだ『別に」とは!いいか。『別に』というセリフは20世紀で一番 『たるんだ』 言葉なんだ。21世紀になってまで聞きたくない。絶対に使うな。」
けっこう的を得た言葉だが、あれ、英語では何て言っていたのだろうか。日本語吹き替えだから「別に」だったが。


最後に
男には冒険の人生を選ぶときが来る。
人生の重大な選択をするとき、「たった20秒ほど」の勇気を出せばいいのだ。

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★21グラム

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MovieWalkerより抜粋
2004年6月5日(土)公開

【作品情報】
ショーン・ペン、ナオミ・ワッツ、ベニチオ・デル・トロら演技派スター競演で魅せる骨太な人間ドラマ。ある事故をきっかけに交錯する男女の運命を通して、生命の重みを問いかける。

【ストーリー】
ニューメキシコ。ある日、クリスティーナ(ナオミ・ワッツ)に不幸な知らせが届く。夫と娘がトラックに轢き逃げされたのだ。悲しみの余り脱力したクリスティーナは、やめていたドラッグにまた手を出してしまう。そのトラックの運転手は、信仰に没頭することで人生をやり直そうとしている前科者のジャック(ベニシオ・デル・トロ)。とっさに逃げた彼だが、事故の真相を知ると、妻マリアンヌ(メリッサ・レオ)の制止を振り切って警察に出頭した。一方、クリスティーナの夫の心臓は、余命1カ月と宣告されていた数学講師のポール(ショーン・ペン)に移植され、彼の命を救った。しかし手術が成功すると、彼は妻メアリー(シャルロット・ゲンズブール)との心の溝が広がっていることを再確認する。そんな中、ポールは調査会社を使ってドナーの身元を突き止める。

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【作品データ】
原題 21 Grams
製作年 2003年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 124分

【スタッフ】
監督:  アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:  ギジェルモ・アリアガ
EP:  テッド・ホープ

【キャスト】
Paul Rivers:  ショーン・ペン
Cristina Peck:  ナオミ・ワッツ
Jack Jordan:  ベニチオ・デル・トロ
Mary Rivers:  シャルロット・ゲンズブール
Marianne Jordan:  メリッサ・レオ
Claudia:  クレア・デュヴァル



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【マイレビュー】
あまりにもズッシリと重いテーマになっている。その重さは「21g」どころではない。そういう映画だった。

途中で気分が滅入るので観るのをやめちゃおうとも思ったのだが、ショーン・ペンの迫真の演技に引き込まれ、それプラス、あまりにもナオミ・ワッツの裸が綺麗で最後まで観てしまった。
しかし今日はこの映画の重さにふさわしく真面目に評論してみたいので不謹慎な目線はちょっと外しておく。

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まず内容はさておき、ストーリーの進行に関してはちょっとイラッと来る。
サスペンス映画でもないのにどこがどう繋がっているのかの理解力を視聴者に完全に委ねている。(デヴィット・リンチに影響されてる?的な)
しかしその技法は単純で、通しで撮影したフィルムを時系列でカットし編集段階でグチャグチャにシャッフルして裏返しにして『神経衰弱』をやるような感覚に近い。
だから、カードが揃いはじめる中盤あたりまでストーリーが繋がらないイライラ感が募る。

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人の運命や愛情、命の尊さをいろんな角度から掘り下げている作品で映画そのものが悪いわけではない。
いい映画の部類に入ると思うが、最初に話したように僕にはすこし重すぎた。
この映画にあるどんなシーンも日常的にあって欲しくないと思えてしまう。観ているだけで罪の意識にさいなまれる感じがどうしても拭えないのだ。
映画自体に笑えるシーンやホッとする癒しが何一つ無い。
要するに娯楽的要素が無い映画だった。

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人生においては「慎ましく正しく生きること」が一番大切なことだと僕は思う。
それは僕の『信条』であり宗教ではない。

この映画には頻繁に教会のシーンが出てくる。
僕は常々思っている。
「宗教」で何が解決するのだろう。熱心に誘ったり、祈ったり、説法を聴く必要がどこにあるのだろう、と。
なんで形の無いものに縋るんだろう。なんで信じて頼ろうとするんだろう。
UFOを信じるほうがずっと夢があるだろって。

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この映画のように熱心なカトリック信者であるとして起こるすべての事象が神の思し召しだとしても説明が付かないことはこの世の中に数多く存在する。出会いと別れ、健康と病気、犯罪と贖罪、幸福や不幸、成功や躓き、世の中の不公平や不条理、はたまた超常現象など。宗教概念さえも超越する『偶然』の存在がある。
人はいったい何を祈るのか、救いとは何か・・・。「宗教」という頼りの無いものに何故人は縋るのか、それすら問題提起している映画のように僕には感じた。


人生とは『偶然』の集まりだ。
そう深く感じる映画だった。

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●アイ・アム・ニューマン 新しい人生の見つけ方

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劇場未公開

【作品情報】
『英国王のスピーチ』で第83回アカデミー賞主演男優賞コリン・ファース × 『オール・ユー・ニード・イズ・キル』でトム・クルーズと共演を果たしたエミリー・ブラントの豪華キャスト共演。脚本&製作は、『セブン・イヤーズ・イン・チベット』の名脚本家ベッキー・ジョンストン。

【ストーリー】
これまでの失敗続きの人生に疲れきったFedEx勤務の元プロゴルファーのウォレス(コリン・ファース)は、偽造IDを手に入れ、自身は海で水死したと見せかけて、新しい自分“アーサー・ニューマン”として生き始める。その夜、ドラッグの過剰摂取で倒れていたミカエラ(エミリー・ブラント)と出逢い“アーサー”は彼女を病院に連れて行き朝まで介抱する。回復した彼女を無理やり自宅へ送ろうとしたものの、どんな鍵でも開けることができる彼女に車のトランクにあった身分証であっさり過去の名前を知られた事から、ゴルフのコーチをする約束になっている自分の次の仕事先への旅に付き合わせる事になる。旅の途中で知り合ったカップルの留守中に家に忍び込んでベットも拝借したりするハチャメチャな旅で次第に二人の距離は縮まってゆく。しかし実は彼女には盗み癖があり、ウォレスと同じように姉の名前で自分を偽っていた。果たしてお互いの偽りの人生はどういう終着点を見つけられるのか。

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【作品データ】
制作年 : 2012年
制作国 : アメリカ
原題 : Arthur Newman
収録時間 : 93分
メーカー : ツイン

【スタッフ】
監督: ダンテ・アリオラ
制作: ベッキー・ジョンストン
脚本: ベッキー・ジョンストン
音楽: ニック・ウラタ

【キャスト】
ウォレス・エイヴリー(アーサー・J・ニューマン): コリン・ファース
ミカエラ・フィッツジェラルド(シャーロット・フィッツジェラルド): エミリー・ブラント
ミナ: アン・ヘッシュ
ケヴィン: ルーカス・ヘッジズ
M・エメット・ウォルシュ
オーウェン: スティーヴ・コールター



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【マイレビュー】

二人の豪華主演キャストには文句のつけようが無いが、いかんせんストーリーがかなり薄っぺらい。

まず自分を死んだように見せかけて他人に成りすますほどの現実の何に嫌気が差したのかその理由さえもはっきりしない。別れた妻に息子、それに現在の妻もいて何不自由なく暮らしているにもかかわらずだ。たとえいろんなことが積み重なっていたにしてももっともっと現実逃避の理由を説明し尽くす必要があると思った。そこがないままストーリーがすすんでゆくので途中で凄い事実があるのかと思いつつ観てたが、結果的にたいした変化も無く最後まで「子供の家出」程度しか思えなかったのが最大の難点だった。そういう意味で劇場未公開映画の理由もなんとなくわかる。

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やはりこの物語でのキーになるのは「息子への愛情」ではあるのだが、その父親を最低だと罵る息子ケヴィン(ルーカス・ヘッジズ)の行動もあまりスッキリしなかった。
思春期の少年の中途半端な女性への興味を描くこともこの映画では特に必要なかったように思う。

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書いてきたようにストーリーのチープさと道中で遭遇する一つ一つのエピソードにも数々の無理があるが、そこは受け入れることにしてむしろ『喜劇』として観るほうがいいかもしれない。

この映画を一言で言えばウォレス(コリン・ファース)とマイク(エミリー・ブラント)の二人の「現実逃避珍道中」記である。

この映画で唯一伝わってきたことは、
「人間は不完全なものである」ということ。だから回り道も決して無駄ではないということである。


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★★HOME 愛しの座敷わらし

愛しの座敷わらし08

MovieWalkerより抜粋
2012年4月28日(土)公開

【作品情報】
2007年に朝日新聞紙上に連載され、好評を博した荻原浩の小説を、監督・和泉聖治&主演・水谷豊という人気ドラマ『相棒』のコンビで映画化。東京から、築200年を数える岩手の古民家に引っ越してきた家族が、東北ゆかりの妖怪・座敷わらしとの出会いを機にひとつになっていく姿をコミカルに描くファミリードラマ。

【ストーリー】
父・晃一(水谷豊)の転勤で、東京から岩手の田舎町へと引っ越してきた高橋一家。晃一が選んだ住まいは、なんと築200年を数える古民家だった。東京での暮らしに馴れていた妻の史子(安田成美)は、突然の田舎暮らしに不安と不満でいっぱい。中学2年の長女・梓美(橋本愛)も転校先の学校生活を考えると心が落ち着かない。また、同居する晃一の母親・澄代(草笛光子)は最近、認知症の症状が始まりつつある様子。唯一、転居を楽しんでいる小学4年の長男・智也(濱田龍臣)は、喘息の持病でサッカーをやりたくてもやれずにいる。どこかぎくしゃくしている一家をやんわりとまとめたい晃一だったが、異動先の支社でも馴れない営業職に悪戦苦闘の毎日だった。そんなある日、不思議な出来事が高橋家に起こり始める。

愛しの座敷わらし07

【作品データ】
製作年 2012年
製作国 日本
配給 東映
上映時間 109分

【スタッフ】
監督 和泉聖治
脚本 金子成人
原作 荻原浩
音楽 池頼広

【キャスト】
高橋晃一 水谷豊
高橋史子 安田成美
高橋智也 濱田龍臣
高橋梓美 橋本愛
高橋澄代 草笛光子



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【マイレビュー】
テレビ放映があったのでビデオにとっておいたこの邦画をじっくりとと観てみた。
数々の映画レビューサイトによる個人の感想については全体的に酷評されていたように思う。しかし僕にとっては久々に感動モノの邦画だった。まるで漫画でよく描かれる滝のような涙がダダ漏れし、泣き過ぎて頭まで痛くなったほどだ。

主演の水谷豊さん、もはや何も言う事は無い。この映画でも「素晴らしい」の一言だ。
僕は「傷だらけの天使」のときから水谷豊さんのファンである。
もう40年近くにもなるが彼の持ち味は全く変わらない。「熱中時代」とかでは歌も歌っていて「カリフォルニア・コネクション」なんかも大好きな曲である。

キャンディーズの蘭ちゃんと結婚し、「相棒」シリーズで再ブレークし、その後も第一線で活躍していて俳優としてものすごく息が長い。音楽界で言えばこれまた大ファンであるサザンオールスターズの桑田さんのような感じである。
俳優としての素質とか才能というより彼の人間性が素晴らしいからここまで人気があるのだろう。とても真面目で笑顔にはやさしさがにじみ出ている。これからもずっと活躍できる俳優だと思う。


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とんねるずの木梨憲武さんの奥様であり、「風の谷のナウシカ」で歌手デビューした安田成美さん、綺麗に年を重ねてきた彼女のキャラもとてもいい。この映画ではとても優しくてチャーミングな母親を演じている。田んぼに頭からダイブするシーンはとてもお茶目でかわいい。この映画で僕が一番好きなシーンはこの写真のシーンで、台所で見えない「六ちゃん」をおんぶしてやさしく揺らすシーンである。ものすごく優しく癒されるシーンだった。

母親役の草笛光子さんも素晴らしい。
認知症が表れるシーンでは本当にボケちゃったのではないかと思うほど真に迫っている。
母親に認知症状が突然現れ、その姿が信じられなくて悲しくて哀れで仕方ない。息子の水谷豊さんが泣くシーンでは本当に僕も泣けて泣けてどうしようもなかった。僕がいちばん泣けたのはこのシーンだった。息子が母親を思う気持ちがものすごくよく表現されていた。

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営業先のチェーンスーパー店長役の段田安則さんもとてもいい味を出している。仏頂面の裏側にある人情に触れた気がした。

~脱線劇場~

営業の極意

僕もこの映画の水谷豊さんと同じように20年ほどの営業経験あるが、その経験からの真理をすこし披露してみようと思う。
担当の営業先でいつもニコニコしていてオープンで愛想が良い人がいる。一応話もちゃんと聞いてくれるが大概「それまで」の人である。誰にでもいい顔をしたがる人っていうだけで心はいつまでたっても意外と開かないし、そんなに善い人というわけでもない。営業トークなんかにはまったく靡かないからニコニコしていられる人なのだ。成約見込みはいつまでたっても「Cランク」だったりする。

逆にいつも無愛想な人は攻められると弱いからバリアを張って警戒している。心の琴線に少しだけ触れれば話はとんとん拍子にすすむし、他人事でも本当に真剣になってくれる人だったりする。真面目で地道な営業活動はちゃんとその人には伝わっている。そういう裏の無い活動で信頼を得ることで大いなる後援者にもなってくれる。

営業先での観察力と思いやりを持った心からの営業の誠意は必ず伝わるものだ。営業の極意は上っ面な自分の欲望なんかじゃない。つまるところ自社製品に自信を持った『熱意と誠意』しかないのだ。



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この映画で使われた古民家はものすごくいい。
家の中は撮影のセットだったのかもしれない。外観と内観が同じ古民家かどうかは僕らにはわからないが、こういう築200年の古民家はどんどん廃れていってしまうのだろうと思うと、とても残念だ。
世界遺産の白川郷ばかりじゃなく、こういう古民家は手入れして使って住んでいって欲しいと思うし、僕もド田舎じゃなければできるなら住みたいと思った。
僕が一番欲しいと思ったのはあの家族が囲んだ『囲炉裏』である。囲炉裏はもっともっと後世まで伝えるべき日本の素晴らしき文化財だと思う。今や田舎でも囲炉裏のある家など100軒中1軒あるかどうかだろう。備長炭がパチパチと音を立てて火花を散らし、そこでなべを囲んで家族で食事をしてみたいと思った。

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★★★キャスト・アウェイ

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MovieWalkerより抜粋
2001年2月24日(土)公開

【作品情報】
ロバート・ゼメキス監督&トム・ハンクスという「フォレスト・ガンプ 一期一会」コンビ再び。長い年月を無人島で過ごすことになる男の苦悩をドラマティックにつづった感動作。

【ストーリー】
宅配便フェデックスのシステム・エンジニア、チャック・ノーランド(トム・ハンクス)は、恋人ケリー(ヘレン・ハント)と久しぶりに時間を過ごした後、南米行きの飛行機へ乗り込んだ。しかしその飛行機は、太平洋上で墜落。ふと気がつくと、チャックは無人島に流れ着いていた。近くを通る船はなく、彼はたった一人で、さまざまな工夫を凝らし、無人島で生活する術を身につけていく。友達はバレーボールのウィルソンだけだった。

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【作品データ】
原題 Cast Away
製作年 2000年
製作国 アメリカ
配給 UIP
上映時間 144分

【スタッフ】
監督 ロバート・ゼメキス
脚本 ウィリアム・ブロイルス・ジュニア
製作総指揮 ジョーン・ブラッドショウ

【キャスト】
Chuck Noland:  トム・ハンクス
Kelly Frears:  ヘレン・ハント
Stan:  ニック・サーシー
Becca Twig:  ジェニファー・ルイス
Maynard Graham:  ジョフリー・ブレイク
Yuri:  ペター・フォン・バーグ
Jerry Lovett:  クリス・ノス
Bettina Peterson:  ラリ・ホワイト



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【マイレビュー】
いやー、良かった。とにかくとても良い映画だった。★三つで観てもらいたい。
ロバート・ゼメキス監督作品だからなのかな。トム・ハンクスだからかな。とにかくこの映画の素晴らしさは是非観て納得してもらいたい映画。

FedEx(フェデックス)という世界最大手の物流会社の全面協力で出来上がった映画だそうだ。このアメリカの宅配会社が最初から物語の主役である。いたるところに会社のロゴが登場する。実話じゃないのかなと思ってみたのだが、後で解説を観るとそうではないらしい。
ロビンソン・クルーソーの現代版のような映画である。

この映画は僕らの今の生活がどれほど恵まれているかを教えてくれる。

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いつもの脱線劇場

~なんせこの映画を観た後だったから!~

2014年10月15日(水)早朝、東京メトロ丸の内線阿佐ヶ谷駅で、始発に駅の営業が間に合わなかったとのことだ。
シャッターも閉まっていて、始発に乗るために出勤してきた計38人が駅の中に入れず締め出され、一方で電気もついていない真っ暗な阿佐ヶ谷駅で始発電車を降りた2人の客は駅の改札を通れなかったらしい。結局阿佐ヶ谷駅は30分遅れで営業を開始したそうだ。
原因は二人の当直の駅員が4時半の目覚ましでいったん起きたがまた『二度寝』してしまったことによる。
それをうけて今日の朝、阿佐ヶ谷駅の始発の時間に出勤してきた人たちにテレビのレポーターが尋ねていた。

「そのせいで仕事に間に合わなかったもんな」
「もう何を信じていいのかわからない~って感じ?」
「ほんっとにたるんでるわね」
「公共の交通機関なんだからしっかりしないとダメよね」


とか言ってたけど 『 あんたら何様? 』って僕は思ったね。
駅員に対してじゃないよ。
インタビューを受けたこのオヤジや女子高生やおばはんたちに。

「いつもいつも、ありがとよ。こういうことも無いとさ、普段の 『ありがたみ』 を忘れちまうからな。いいよ、寝坊ぐらい。ドンマイ ドンマイ」ってね。
なんせ「Cast Away] この映画を観た後だったから!

*****************************cast away08

当たり前のしあわせ

家があって、窓も開閉できて、あたたかい布団で寝られる。
蛇口を捻れば水も出るし、お湯まで出る。
鍋もヤカンもある。
冷蔵庫には卵や牛乳や野菜やお肉、冷凍餃子もあるし氷もできてる。
タバコを吸って、コーヒーを飲みながら大好きな音楽も聴ける。
暗くなれば明かりをつけるし暑ければクーラーもある。
テレビも携帯もパソコンもある。
愛する奥さんがいて、子供も元気ですくすくと育つ。
仕事もあって、帰りに一杯飲んでもいいし、電車は決まった時間に来るし、休日なんか旅行にも行ける。

当たり前って言えば、日本じゃ当たり前だけど、それってものすごく幸せなことである。



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物流関係や航空会社でお仕事をされている人たち、サバイバル生活を目指す人たち(笑)には是非とも観てもらいたい映画である。
航空会社やFedEeその他物流会社に在籍している方にはすこし心が痛む部分もあるだろう。人間としてあるいは会社の社員としてのモラルも試される映画にもなっている。

嵐の夜の太平洋のど真ん中、貨物飛行機墜落事故のシーンはものすごく真に迫っていたと思う。本当に怖かった。
火を噴いたジェットエンジン、尾翼部分が不気味なほどゆっくりと沈んでゆくシーン。激しい嵐の真っ暗闇の中の遭難シーンはものすごく怖かった。
唯一の命綱は木の葉のようなゴムボートだけ。聞こえるのは激しい波と雨と風それに雷の不協轟音、あたりは漆黒の闇である。稲妻の瞬間だけがフラッシュ的にあたりを照らす。
映像としては「暗闇のリアリティー」を追求している感じがした。この映画で最も優れた点だと思う。

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チャック(トム・ハンクス)は墜落事故現場の海上とははるか離れた無人島に半分空気の抜けたゴムボートで命からがら流れ着く。無人島でたったひとりで生きる術など、当然ながら誰も知らない。だが、僕にはとても彼のその後の行動が自然に思えてきたからなんか不思議だ。
そんな極限の状態のなかでもユーモアとか遊び心を忘れていないし(っていうか普通の精神では耐えられない)、そういうアイデア溢れる行動がとてもおもしろいし、サバイバルの参考にもなる。クソの役にも立ちそうにないものの利用とか。

彼はそんな極限状態の中でもまだ社会人としての責任を全うしようとする。
墜落した飛行機に積んでいたFedExの荷物が何箱か島に漂着していて、それらを拾い集めてしばらく箱のまま、シート代わりに空気の抜けたゴムボートを被せて保管したのだ。

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島の状況を確認しようと、足に傷を負い、結局食料も水も何も無く、体力も気力も奪う微妙な日数が経過してゆく。もうそのあたりの絶妙な演出は見事と言うしかない。
時折ドサッ、ドサッと何かの足音がする。観てのお楽しみに。
そして椰子の実の汁を飲むまでの過程もとにかく面白い。このあたりはなんだか笑える。

なにせ魚を突くモリも、火をつけるライターも、鍋も、調味料も、木を切るナイフも無い。テレ朝の人気番組とは違う、リアル「無人島サバイバル生活」である。いやいや、実話じゃないからリアルってことは無かった(笑)。

生き延びるために仕方なくFedExの荷物を解いてゆく過程など、モラルの限界まで我慢し続けたところなどの実直性も感じられる。荷物の中身は・・・・道具としては、どれも役に立たないものばかりだったが、その利用法は興味深いから是非観てみてほしい。

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また物が配送されるその過程における人の役割はもちろん、FedExの箱につめられたその贈り物に対する贈り主の気持ち、それに受け取る側の人々にあてた想いそんな贈り物に秘めた小さなドラマも描かれている。

最後まで開けなかった荷物が果たして何だったのか、それは観る側の感性にも任せている。

最後に彼が友人に話す言葉はとても悲しみに溢れている。だが次の言葉がこの映画のすべてを物語っている。

これからどうすべきかわかっている
息をして生きることだ
あしたも日は昇るんだからな
潮が何を運んでくるかはわからない


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★★スリーデイズ

the next three days10

2011年9月23日(金)公開

【作品情報】
フランスのサスペンス映画『すべて彼女のために』を『クラッシュ』のポール・ハギス監督、ラッセル・クロウ主演でリメイク。無実の罪で投獄された妻を奪還すべく夫が企てた脱獄計画の行方を、緻密な脚本でスリルたっぷりに描く。米国最大の高層刑務所などロケ地ピッツバーグの特色を生かした、息もつかせぬアクションに注目だ。

【ストーリー】
ある朝、愛する妻子とともに幸せな毎日を過ごしていた大学教授のジョン(ラッセル・クロウ)の家に警察が突入、殺人の容疑で妻のララ(エリザベス・バンクス)が逮捕されてしまう。それから3年。ジョンは一人で息子を育てながら、妻の無実を証明するため懸命に奔走していた。だが、裁判では彼女に不利な証拠が提出され、覆ることなく遂に殺人罪は確定。絶望し、獄中で自殺未遂を起こした妻をみてジョンはある決断を下す。「彼女の人生と家族の幸せを取り戻す」それは命を懸けた決断だった。

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【作品データ】
原題 THE NEXT THREE DAYS
製作年 2010年
製作国 アメリカ
配給 ギャガ
上映時間 133分

【スタッフ】
監督 ポール・ハギス
脚本 ポール・ハギス
製作総指揮 アニエス・メントル 、 アンソニー・カタガス

【キャスト】
ジョン・ブレナン:  ラッセル・クロウ
ララ・ブレナン:  エリザベス・バンクス
ジョージ・ブレナン:  ブライアン・デネヒー
ナブルシ警部補:  レニー・ジェームズ
ニコール:  オリビア・ワイルド
ルーク:  タイ・シンプキンス
グレース・ブレナン:  ヘレン・ケアリー
デイモン・ペニントン:  リーアム・ニーソン
マイヤー・フィスク:  ダニエル・スターン
ムース:  The RZA
アレックス:  ケヴィン・コーリガン
ハリス巡査部長:  アラン・スティール



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【マイレビュー】
ポール・ハギス監督作品でもあり、あのアカデミー賞の『クラッシュ』は僕も三ツ星をつけた。
この『スリーデイズ』はフランス映画の『すべて彼女のために』という映画のリメイク版ということで、ハリウッドが二番煎じを求めた意味もよく理解できる脚本作品だ。すばらしい人物描写もできている。

迫力もあり、ストーリー展開が全く読めぬ意外性もあり、ハラハラドキドキの連続の中にホッとした安らぎもある・・・そんな秀逸映画だった。

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とにかく主演のラッセル・クロウの持ち味である”渋さ”によって、グラディエーター並の意思の強さが感じられる。とても役柄に合っている。
何度か彼の出演する映画を観ているが、彼はオールマイティー俳優である。(ちょっと最近は太りすぎだが)役柄によってはものすごくかっこよく見えたり、逆に妙にフーテンな感じでみすぼらしく見えたりもする。そのギャップというか『落差』を出せるってことが役者としての『器量』であり、監督やスタッフからの人気を得るのだと思う。


the next three days13

また彼の父親役をしたブライアン・デネヒー、表情がとにかく素晴らしい。セリフはほとんど無い。セリフを超えた大きな包容力である。血を分けた親子だからわかっているその何気ない父親の愛情や息子への信頼がとても心強く感じる。

多感な時期の息子役のタイ・シンプキンスの演技もとても自然で素晴らしかった。あまりしゃべらなくて人見知りだし、どちらかと言うととっつきにくい子供役だった。しかし、こよなく両親を愛している、そういう雰囲気がとても良く出ていた。

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鑑賞していると、彼らを応援したい気持ちになってくるのだが、何故か服役中の奥さんに漂う翳りが気になってしょうがない。冒頭に出てくる友人とのディナーの席でのイザコザがその伏線になっているようでとても怖い感じがする。
それも演出なのだろうと思うが・・・これ以上はご覧いただきたい。

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とにかくサスペンス、アクション、凶悪犯罪、裁判や警察機構、カーチェイスや逃亡など・・・映画の押さえとなる要素がとにかくふんだんに詰まった映画だと思う。それにリーアム・ニーソンとかオリビア・ワイルドとか・・・有名なハリウッドスターやアーティストがチョイ役で数多く出演している。

オススメ映画に付き★二つ。

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★★ニュー・シネマ・パラダイス

ニューシネマパラダイス04

MovieWalkerより抜粋
1989年12月16日(土)公開

【作品情報】
戦後間もないシチリアの小さな村の映画館をめぐる人人の映画への愛を描く。エグゼキュティヴ・プロデューサーはミーノ・バルベラ、製作はフランコ・クリスタルディ、監督・脚本は本作品が日本での一般公開第一作になるジュゼッペ・トルナトーレ、撮影はブラスコ・ジュラート、音楽はエンニオ・モリコーネが担当。出演はフィリップ・ノワレ、ジャック・ペランほか。89年カンヌ映画祭審査員特別大賞受賞。後に170分の「完全オリジナル版」がビデオグラムで発表されている。

【ストーリー】
現在のローマ。夜遅く帰宅した映画監督のサルヴァトーレ・ディ・ヴィータ(ジャック・ペラン)は、留守中に母(プペラ・マッジョ)からアルフレードが死んだという電話がかかっていたことを知らされる。その名を耳にした途端、サルヴァトーレの脳裏には、シチリアのジャンカルド村での少年時代の思い出が甦るのだった--。当時、母マリア(アントネラ・アッティーリ)と妹の三人暮らしだったサルヴァトーレ(サルヴァトーレ・カシオ)はトトと呼ばれ、母親に頼まれた買物の金で映画を観るほどの映画好きだった。そんなトトを魅了していたのは映画館パラダイス座の映写室であり、また映写技師のアルフレード(フィリップ・ノワレ)たった。(以下省略)

ニューシネマパラダイス05


【作品データ】
原題 Nuovo Cinema Paradiso
製作年 1989年
製作国 イタリア フランス
配給 ヘラルド・エース=日本ヘラルド映画
上映時間 123分

【スタッフ】
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
製作総指揮 ミーノ・バルベラ

【キャスト】
Alfredo:  フィリップ・ノワレ
Salvatore:  ジャック・ペラン
Salvatore (child):  サルヴァトーレ・カシオ
Salvatore (adolescent):  マリオ・レオナルディ
Elena:  アニェーゼ・ナーノ
Elena(middle): ブリジット・フォッセー
Maria (old) : プペラ・マッジョ
Maria (young):  アントネラ・アッティーリ
Anna:  イサ・ダニエリ



ニューシネマパラダイス21

【マイレビュー】
劇場版(120分)を観た後、すこしもやもやとした感じだったので、その後すぐ完全版(170分)を観た。
完全版のほうでやっと心に引っかかっていた部分が取れた。

イタリア映画の中で最高傑作とまで言われ、評判が高い映画であることは、いろんな映画評論などで知っていたが、僕は今まで一度も観ていなかった。
この映画を ”生涯で一番素晴らしい映画” と絶賛する友人は、僕に気を遣って奥歯に物が挟まった映画評論しかできなくて、「とにかく観てくれ」の一点張りだった。これで何とか彼のジレンマを解放させてやれそうだ。

ニューシネマパラダイス01

まず音楽がいい。
イタリアの町並みや自然たっぷりの風景がいい。
そして古い白黒映画に興じる人間達の描写が素晴らしい。
戦後間もない時代背景はこの映画に無くてはならない重要なバックボーンである。

ニューシネマパラダイス02

僕は自分に厳しく生きてきただろうか。
何かを埋めるように一つの事に情熱を燃やし続けたことがあっただろうか。
何年も何年も待ち続けたことがあるだろうか。
僕はこれほどまで人を愛したことがあるだろうか。


そんなことを考えさせられる素晴らしい映画だった。
人生とはけっして満たされないものである。それが愛ならなおさらだ。

ニューシネマパラダイス10


30年ぶりに帰郷したトトが昔撮った8mmのフィルムを観ている。
母親がそっと部屋のドアを開けるが、気づかれないように締める。
翌朝トトが老いた母親と二人、食卓で話す場面がある。

地味なシーンだが僕が特に好きなシーンである。
(劇場版にあったかな?それとも完全版だけかな、ちょっと忘れた。)

「僕が小さなころ、ママは年寄りに見えた。子供はみんなそうなのかな?」と話しを切り出す。
そこからの会話の中身がとても秀逸である。
母が子に対する愛情、子が母に対する愛情、その両者の深さとその比重バランスの絶妙が描かれている。


ニューシネマパラダイス06


”ぽっかり開いた穴を何で埋めるか”あるいは”人生の岐路に立ったとき、どう選択するか(どう選択させるか)”
それがこの映画の主題になっていると思う。

これ以上は内緒にしといたほうがいいだろう。

劇場版と完全版の決定的な違いは・・・僕にはわかっているが敢えて言わない、お楽しみってことで。

ニューシネマパラダイス15

★★パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー10

MovieWalkerより抜粋
1999年3月20日(土)公開

【作品情報】
ジョークを連発するユニークな療法で人々の心と体を癒す実在の精神科医パッチ・アダムスの若き日を描いたヒューマン・ドラマ。出演は「グット・ウィル・ハンティング 旅立ち」のロビン・ウィリアムス、「コン・エアー」のモニカ・ポッターほか。

【ストーリー】
1969年。自殺未遂の果て、精神病院に入院したハンター・アダムス(ロビン・ウィリアムス)は、ジョークで患者たちを笑わせ、心を癒す能力に目覚める。そんな彼に富豪で天才病の患者アーサー(ハロルド・グールド)は「パッチ(絆創膏)」というニックネームをつける。2年後パッチは精神科医を目指し、バージニア大学医学部に入学。同級生トルーマン(ダニエル・ロンドン)と白衣を着て病院に潜入し、患者たちの心を掴んでいく。パッチの笑いの療法が次第に功を奏で、ベテラン看護婦たちも温かな目で見守ってくれるようになる。しかし、学部長のウォルコット(ボブ・ガントン)はパッチを快く思わず、放校処分に。常に成績がトップクラスのパッチに学長が理解を示し、学校に残ることが許される。一方、つれないそぶりの同級生カリン(モニカ・ポッター)へ思いを募らせるパッチは彼女の誕生日を温かく祝い、いつしか心を通わせるようになる。パッチは病院や医療制度の理不尽さから無料の病院を作りたいと考え、カリンに協力して欲しいと頼む。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー22


【作品データ】
原題 Patch Adams
製作年 1998年
製作国 アメリカ
配給 UIP
上映時間 116分

【スタッフ】
監督 トム・シャドヤック
脚本 スティーヴ・オーデカーク
原作 ハンター・ドゥハーティ・アダムス 、 モーリーン・マイランダー

【キャスト】
Patch Adams ロビン・ウィリアムズ
Truman ダニエル・ロンドン
Carin モニカ・ポッター
Mitch フィリップ・シーモア・ホフマン
Dean Walcott ボブ・ガントン
Dr. Eaton ジョセフ・ソマー
Joletta イルマピー・ハル・ビジョー
Judy リー・マッケイン
Dean Anderson ハーヴ・プレスネル



パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー16



【マイレビュー】

残念なことにこの8月、ロビン・ウィリアムズが自殺し63歳の若さでこの世を去った。初期のパーキンソン病と長期のうつ病だったらしい。
謹んでご冥福をお祈りします。

この映画は彼の追悼で放送されたもので、ずっと前にも観たことはあったが改めて今回観てみた。
愉快で人間味溢れる彼のいちばん良い面がいっぱい詰まった作品だと改めて感じた。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー20


こういう医者は出世しないだろう。
いいや、もともと出世するつもりなど無いし、患者と医者にさえ上下関係は無いと思っている。
患者と向き合い彼らを笑顔にすることだけを喜びとしている。だからお金や名声や地位そんな余計なことは眼中に無い医者である。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー19


「死は悪いことではない」
「死と向き合った患者の『人生の質を高める』のが医者の努めだ」
「だから患者と向き合うんだ。」

この映画は実話であり、実在した人物の話である。ロビン・ウィリアムズにしか演じられないほどピッタリとハマッている。
こういう医者たる医者が孤軍奮闘するしかない現実は、本当にむなしいと思う。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー01

「見えないものを見よ 向こう側を見るんだ」
「やる価値があるものは すべて難しいんだ」
「医者だと認めるのは世間じゃない 患者だ」

とても悲しいシーンもあるが、全編を通してユーモアたっぷりの心温まる患者とのふれあい、そしていろんな名言がいっぱい詰まった素晴らしい作品だった。

パッチ・アダムス トゥルー・ストーリー09

★★舟を編む

舟を編む03

2013年4月13日(土)公開

【作品情報】
2012年度の本屋大賞で第1位に輝いた、三浦しをんの同名ベストセラーを松田龍平&宮崎あおいの主演で映画化したヒューマンドラマ。15年の歳月をかけて、24万語収録の一冊の辞書を作り上げていく主人公と、老若男女揃った個性豊かな辞書編集部の仲間たちの姿を丁寧に描き出す。監督は『ハラがコレなんで』の石井裕也。第37回日本アカデミー賞作品賞はじめ6部門受賞作品。

【ストーリー】
玄武書房という出版社の営業部に勤める馬締光也(松田龍平)は、真面目すぎて職場で少々浮いている。しかし言葉に対する卓越したセンスを持ち合わせていることが評価され、新しい辞書『大渡海(だいとかい)』の編纂を進める辞書編集部に異動となる。今を生きる辞書を目指している『大渡海(だいとかい)』は見出し語が24万語という大規模なもの。曲者ぞろいの辞書編集部の中で、馬締は作業にのめり込む。ある日、ひょんなことから知り合った女性(宮崎あおい)に一目で恋に落ちた馬締。なんとかして自分の思いを彼女に伝えたいが、なかなかふさわしい言葉が出てこず苦悩する。そんな中、会社の方針が変わり、『大渡海』の完成に暗雲がたちこめる……。

舟を編む15

【作品データ】
製作年 2013年
製作国 日本
配給 松竹=アスミック・エース
上映時間 133分

【スタッフ】
監督 石井裕也
脚本 渡辺謙作
原作 三浦しをん

【キャスト】
馬締光也: 松田龍平
林香具矢: 宮崎あおい
西岡正志: オダギリジョー
黒木華
渡辺美佐子
池脇千鶴
鶴見辰吾
伊佐山ひろ子
八千草薫
小林薫
加藤剛



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【マイレビュー】
この映画のレビューを書く前に僕の他愛も無い人生論にお付き合いいただきたい。

■ 出会い ■

僕は常に思っていることがある。

『人生とは出会いである だから面白い』 と。

僕自身あまり人付き合いが上手くはない。どちらかといえば気遣いや気配りは下手で苦手で、特に面倒くさがりなほうだ。
だけど『人生は出会い』だと思う。

僕が言う「出会い」とは何も「人と人」に限ったことでもなく、親戚とか近所づきあい系なそんな大袈裟なことでもない。仕事や学校、遊び、行き帰りの道程、それに日々の生活においていつでも『出会い』があるということである。

たとえばテレビやラジオや街角で流れている歌を聞いたときにビビビッと電撃が走る的なことは誰でもあるはずだ。それで家に帰って早速検索してみる。そして曲名と歌手を知る。繰り返し聴くうちにその歌手の世界に導かれているっていうような。
また劇的に美味いラーメンに出会ったり、オススメされた本や映画を観て感動して触発されるとか、偶然行った展示会上で一生の職業を見つけたり、異性に一目惚れしたりとか・・・。

舟を編む07


そういう普段の何気ないことが人生においていろんな『選択肢』になる。
「自分の未来を変えるのは今この瞬間にやっていることそのもの」であり、要するに「未来とは今」なのだ気づくのである。
僕はすこし気づくのが遅かった(笑)

ただ、けっして良いことばかりでもない。
人の嫌な面を垣間見たり、裏切られたり、争いに巻き込まれたり、魔が差したりすることだって往々にしてよくある。その結果、臥せがちになったり、人嫌いになって家を出なくなったりするようなこともある。でもそんなことさえ全然無駄じゃないのが人生だ。全くもって大丈夫だ。
だって別に人に会わなくていいし、人に合わせる必要も無いし、規則なんてどうでもいいことなんだから。
本当の意味で「外の空気に触れる」だけでいい。空を見上げるだけでいいってことだ。
それだけで人生は変わるし、それさえも「出会い」なのだ。

人生はそういうふうに他人あるいは出会ったものが自分の行動や心理や欲求や感情を左右することばかりである。図らずも自分自身が他者によって変えられる瞬間でもあるし、そのほとんどはプラス方向に導いてくれる。
渡辺美里の「マイ・レボリューション」みたいなものか、違うかっ(笑)

そんな喜怒哀楽溢れた人生の基礎となるもの、それはやっぱり『出会い』なのだと思う。

とりわけ僕の一番の楽しみは 「良い映画との出会い」 である。
こんなオチもすでにお察しいただけたと思う。



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第37回日本アカデミー賞受賞作である。やっぱ日本の作品ならではである。本当にいい映画だった。

辞書を作る(舟を編む)すべての作業に『地味』さ加減が相当よく描かれていた。
最後のほうは徹夜作業を強いる大勢の学生連中のアルバイトの姿に、さながら昭和40年代の古い大学生寮や運動部の部室のような男くさい事務所の雰囲気まで伝わってきて映画じゃなく本当に地味な作業をしているようなリアルな臨場感もたっぷりだった。

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主演の松田龍平さんは最高だった。
寡黙で真面目で朴訥とした人柄で、組織ではどちらかといえば浮きがちになるが、実はものすごく向いている場所がある。そこに抜擢(?)された彼の物語である。
人には人に合った「適材適所」があるのだ。これも運命の『出会い』である。

■最近の企業の特徴■
まず第一に企業の品格の維持を目的とし、世間の評価を下げることを極端に嫌う。
プライバシーマークだ、やれコンプライアンスだの個人情報保護だの・・・そんなものが最優先で、従業員の私的な行動も制限、監視され、従業員の個性など全く必要とされず、出すぎた真似もせず、マニュアルどおりの規則正しい仕事をしてくれればそれでいい的なクソ面白くない会社がほとんどである。企業は人で成り立っている。従業員の個性を生かせなくなった時点で企業の未来は明るくない。ぜひ「原点回帰」してほしいと思わざるを得ない作品だ。


彼は『探偵はバーにいる』でも大泉洋さんとコンビを組んでいるが双方ともすごくいい。
彼の演技が彼自身の持つ雰囲気をそのまま映し出しているような役柄であり、すでに役者として「彼でしか出せない雰囲気」、要するに『確立した個性』が存在していると僕は思う。
オダギリジョーさんも良かった。小林薫さんも加藤剛さんもよかった。八千草薫さんも相変わらず可愛らしい。

舟を編む05


『辞書編纂』も大きなテーマでもあるが、人生をともに歩む『夫婦』というものにも大きくスポットを当てている。まさに『出会い』の最たるものである。
出会いの最初は言葉が重要になる。気持ちを伝えることの手段としてである。
そのうち何百万語もある辞書とは対照的に、お互いに理解し合えた夫婦の間には言葉は必要ない。そのあたりの気の利いた人生の機微もとてもよく描かれている。

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欲を言えば全編を通して「すまし顔」の宮崎あおいさんに、観ているこっちが崩れてしまうほどのやさしい笑顔が1シーンだけでも欲しかった感じがした。原作のキャラを押し通そうとして言葉少なな似たもの夫婦のような感じを出したかったのだと思うが、どうせなら映画では宮崎さんの可愛らしさを生かしてあまりそこにはこだわらなくて良かったんじゃないかなと思ってしまった。
そう感じたのは僕だけかもしれないが。

とても良い「出会い」を感じる映画である。

舟を編む14

★★★海の上のピアニスト

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1999年12月18日(土)公開
【作品情報】
豪華客船の上で生まれ育ち、一度も船を降りなかった天才ピアニストの一生を描いた感動作。アレッサンドロ・バリッコの同名戯曲(白水社刊)を、「明日を夢見て」のジュゼッペ・トルナトーレの監督・脚本で映画化。出演は「ライアー」のティム・ロス、「エンド・オブ・バイオレンス」のプルート・テイラー・ヴァンスほか。

【ストーリー】
第二次世界大戦の終戦直後、マックス・トゥーニー(プルット・テイラー・ヴィンス)は愛用のトランペットを金に換えるため古い楽器店を訪れる。安い代金でしぶしぶ手を打ったが最後にもう一度だけトランペットを吹かせて欲しいと頼む。彼の演奏を聴いた店主は、同じ曲がピアノで刻まれたレコード原盤を持ち出し、曲と演奏者の名前を尋ねた。すると彼は生涯ただ1人の親友である「1900 (ナインティーン・ハンドレッド)」という名の男の物語を語り始める。
大西洋を往復する豪華客船ヴァージニアン号には自由の国アメリカを夢見るヨーロッパからの移民で溢れていた。その船上で産み捨てられた赤ん坊を拾った黒人機関師のダニー・ブートマン(ビル・ナン)は、その子に自分の名前、捨て置かれていた箱の名前、生まれた西暦などから「ダニー・ブードマン・T.D.レモン・1900」と名付けて大切に育てていた。しかしある日ダニーは機関室のクレーン事故で帰らぬ人となる。1900は船上での葬儀で流れた音楽に惹かれ、ピアノを弾き始める。1927年、成長した1900(ティム・ロス)は嵐の夜、船内のダンスホールで運命的にマックスと出会い、共にバンド演奏をすることになる。天才的なピアノ弾きの噂は乗客を通じて瞬く間にニューヨークの街に広がった。
ある日、レコード会社が1900の音楽を商売にしようと録音にやってきた。録音中、偶然窓越しに美しい少女(メラニー・ティエリー)の姿を捉えると彼は一瞬で恋に落ち、同時に奏でたピアノの旋律には愛が溢れていた。

海の上のピアニスト14

【作品データ】
原題 The Legend of 1900
製作年 1999年
製作国 アメリカ イタリア
配給 アスミック・エース エンタテインメント=日本ビクター
上映時間 125分

【スタッフ】
監督 ジュゼッペ・トルナトーレ
脚本 ジュゼッペ・トルナトーレ
原作 アレッサンドロ・バリッコ
音楽 エンニオ・モリコーネ 、 ロジャー・ウォーターズ
編曲 マッシモ・クアリア

【キャスト】
Novecento ティム・ロス
Max プルット・テイラー・ヴィンス
The Girl メラニー・ティエリー
Danny Boodmann ビル・ナン
Music Store Owner ピーター・ボーガン
Jelly Roll Morton クラレンス・ウィリアムス・サード



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【マイレビュー】
長く映画鑑賞をしてきた経験から、冒頭のタイトルバックを観た瞬間から秀逸シネマだと直感する映画がある。
この映画がまさにそうだった。
もう本当に素晴らしい映画である。久々の3つ★映画である。

まだ観ていない皆様には是非観てほしい映画なのでストーリーとかもあまり映画解説サイトからの丸写しはせず肝心な部分や後半のストーリー記述はカットした。

もしかしたら実話なのかとも思ったが、そうでは無いらしい。それにしてはものすごくストーリーがしっかりしているし、脚本も秀逸である。映像もセピアがかっているように、とても雰囲気がある。

海の上のピアニスト16

イタリア映画とのことだが全くイタリア映画っぽくない。英語だし、むしろアメリカ映画のような印象だった。また画面を通じアイルランド映画のような「埃っぽさ」も感じた。
まだなお残る階級制度が根強い時代設定で、痩せた大地のスコットランドやアイルランドから、自由の国アメリカに新天地を求めてやってきた3等客室の移民たちは早々とデッキに溢れ、靄にかかった自由の女神に向かって「アメリカだ!」と一様に歓声を上げる。

この映画で全編に亘り流れるのがピアノの旋律である。
1900(ナインティーンハンドレッド)の弾くピアノは彼の指先からほとばしる情熱の旋律だ。もうそれだけでも特筆モノの素晴らしさなのだが人物像がとにかく魅力的この上ない。
まず頭脳明晰かつ純真無垢で、人間観察力が鋭く、鼻っ柱が強くて、素っ頓狂で、そのくせ感傷的で臆病な井の中の蛙である。だが法律上に戸籍もなく下船したことも無い彼の特殊な境遇のことを僕の軟弱な頭で精一杯考えたとき、切な過ぎるというか気の毒に思えてきてしかたがなかった。

親友のコーン(コーン社製のトランペットを吹く男マックス)も彼をどうにかして助けたかっただろう。その気持ちも痛いほど伝わってきた。掛け値なしで二人の友情に泣けるシーンも多かった。

海の上のピアニスト09

■ すこし脱線 ■

海の上のピアニスト10

■著作権は何を守るもの?

「著作権」というのは本来その創作物および創作者の財産を守るための権利であり、「著作権者」を守るための法律が「著作権法」である。音楽に関していえば”音楽文化の発展を目的として”著作権法が存在する。

ほとんどの楽曲の著作権はアーティスト(作詞者・作曲者・実演者)本人ではなく、レコード会社が持っている。著作権をレコード会社に譲渡しているからだ。音楽を出版し商業路線に乗せるための契約である。(この契約が後のトラブルになることがしばしば見られる。)
すなわち創作者であるアーティストに著作権が無い以上、自分が作詞作曲した曲だからといって気軽にテレビや路上ライブでさえ歌うことも許されない。これが殆どの音楽アーティストの実態だ。

「著作権法」は著作権者および著作物に関わる者の権利を多く認める、いわゆる『商業主義を是』としたものである。平たく言えば本来の創作者よりもむしろそれを商売とするレコード会社や出版社、あるいは管轄する協会(JASRAC)を保護するための法律が「著作権法」なのである。アーティスト本人は蚊帳の外である。既得利権を認めた最悪の法律といっていい。

音楽産業とは『芸術や文化』とはまったくかけ離れている商業主義と欺瞞に満ちた集団なのである。
才能に群がるハイエナを保護するのが著作権法だからである。

(ちなみに著作権ビジネスは大正時代から続いている大きな利権である。総元締めは『JASRAC(日本音楽著作権協会)』である。JASRACは文化庁管轄であり文部科学省OBの天下り機関となっているのが実態である。)

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■誰かのために創作する それが芸術家

今は汚れた政治家だって誰もが最初は純粋で崇高な政治思想があったはずである。名声や財産目当てではなかったはずだ。(あの号泣会見の市議会議員だって、最初から経費をごまかす目的で政治家を目指したわけじゃない。社会を少しでも良くしようとして立ち上がったはずだ。立場が変わると人も変わるという悪い見本の典型ではあるが。)

誰かのためだけに書いた音楽や小説を、特定のレコード会社や出版社の誘いで魂を売り渡し、あわよくば名声や富を得ようとした時点で『芸術家(アーティスト)』では無くなっていると僕は思う。

もはやその人たちにとって創作物とは「芸術」ではなくお金を得るための「飯のタネ」であり、売り上げに応じた「印税」を貰いその収入で生活の糧としているという「仕事」なのである。

素人からすればそれこそ夢のような印税生活であり、音楽をやる理由にもなるのだろうが、動機が不純である。最初からそれはちと違うんじゃねと僕は思う。

僕がここでどうしても言いたかったのは、「真の芸術家」とは沸き立つ情熱に従順に純粋に自分のためあるいは愛する人のためにこの世でたった一つのものを作り上げる人のことを指すのであり、それは間違っても名誉とか富を目的としていないものだということだ。

むしろ本当の芸術とは金儲けとは無縁のところにあると僕は思う。

※作家であり詩人の 高村光太郎 は『知恵子抄』の中でこう書いている。
『製作の結果は或は万人の為のものともなることがあらう。けれども製作するものの心はその一人の人に見てもらひたいだけで既に一ぱいなのが常である。』



海の上のピアニスト02

この映画を観て特に僕が感じた部分にちなんで脱線をしてしまった。
ここで映画の話に戻る。ひとつだけネタバレをお許しいただきたい。ごめんなさい。
僕がいちばん好きなシーンがある。

この映画の中で、演奏のあとでレコード会社の契約を一方的に破棄し原盤を奪うシーンである。
理由は「これは僕の曲だ」それだけである。
なんと美しいことか!

彼「1900」が一目ぼれした彼女への気持ちを表した旋律である。愛しの君だけに捧げたい曲なのだ。
その純粋な音楽を、どこの誰かも知らない不特定多数の人に広めようなどとは思わないし、もちろん名声も富にも何の興味も無いし要らない。
自分の音楽を冒涜されたような気分になって嫌悪の気持ちを表すシーンである。

前述したようにそういう意味では彼は音楽家というより画家のほうがはるかに近い。
頑固な陶芸家が窯から取り出したばかりの出来の悪い壷をたたき割るみたいなものかな。

海の上のピアニスト11

いろいろ見どころたくさんの映画でものすごく楽しめる映画だ。

僕が今まで観てきた中で最高の映画だと思う。




★ビーイング・フリン Being Flynn

エグザイル01

【作品情報】
2012年にアメリカ合衆国で制作されたドラマ映画。ニック・フリンが、自身の父親と過ごした日々を記したノンフィクション小説『路上の文豪、酔いどれジョナサンの「幻の傑作」』を原作にしている。(注釈:原作については『Another Bullshit Night in Suck City(直訳:最悪な街でのクソみたいな一晩)』。と記述されていたサイトもあった。どちらかは不明)脚本・監督はポール・ワイツ。

【ストーリー】
作家志望の青年ニック(ポール・ダノ)は、幼い頃から父親の愛を知らずに母親のジョディ(ジュリアン・ムーア)と一緒に暮らしてきた。ニックが幼い頃に証券偽造で刑務所に入った父親ジョナサン(ロバート・デ・ニーロ)はマーク・トゥウェイン、J.D.サリンジャーと並ぶ三大文豪を自称し、まともに働こうとせず周囲とトラブルを起こしては職を転々としていた。18年も会っていないそんな父親から、突然ニックに連絡が入る。アパートを追いだされたから、荷物の整理を手伝えと言うのだ。差別主義で酷く落ちぶれた父親の姿を見たニックは、同じく職についていない自分の姿と重ねて彼を激しく嫌悪し、酷い言い争いをして別れるのだった。それから月日が経ち、ニックはホームレス・シェルターでソーシャルワーカーとして働いていた。仕事にやりがいを感じ、生きる意義を見出し始めたニックの前に、ホームレスとなった父親が姿を見せる。

エグザイル10

【作品データ】
邦題: DVDタイトル「ロバート・デニーロ エグザイル」
原題: Being Flynn
全米公開: 2012年
DVDジャンル: 親子、人生
日本未公開: スターチャンネルにて 「ビーイング・フリン 〜僕と父さんをつなぐもの〜」として配信
販売元: アメイジングD.C.

【スタッフ】
監督: ポール・ワイツ
脚本: ポール・ワイツ
原作: ニック・フリン

【キャスト】
ジョナサン・フリン: ロバート・デ・ニーロ
ニック・フリン: ポール・ダノ
ジョディ・フリン: ジュリアン・ムーア
デニス: オリヴィア・サールビー
ジョイ: リリ・テイラー

(WikiPedia、その他映画紹介サイトからの抜粋、修正)


エグザイル06

【マイレビュー】
とてもいい映画なのに日本では未公開となっている。本当にもったいない。

DVDのタイトルは「ロバート・デニーロ エグザイル」である。
タブーさえも超えた”DVD映画タイトルに俳優の名前を入れる”というとんでもない暴挙である。
(しかもDVDジャケットにはデニーロの出世作である『タクシードライバー』に引っ掛けてイエローキャブTAXIIまで映っている。この映画でもタクシーは無関係ではないがポスターでは明らかに作為的だと思う)

エグザイル07

まあ事情はわからなくも無いよ。
『エグザイル』だけじゃ「ツカミが無い」からってことだろうよ。
「エグザイル」っていうタイトルだけで検索したとき、当然あの「EXILE」がズラ~~ッと出てきちゃうからこの映画になかなかたどり着けない。日本未公開だし検索するのが難しいからもう一つのキーワードである「ロバート・デニーロ」を入れちゃえ的なタイトルであることはほぼ間違いない。本当に浅はかである。アサハカ見附である(笑)。

そうすることによって、映画の中身を台無しにしてしまうことにさえ気づかない。
タイトルで惹きつければ映画の感想なんてどうでもいいってことに他ならない。
要するにアメイジングD.C.という販売元の「DVDさえ売れてくれればいいんだ」・・・という浅ましい儲け商魂がもうミエミエである。

エグザイル04

ほとんどの映画は「原題タイトルにこそ映画の主題が隠れている」のだ。
邦題をつけるときにはもっと原題を大切にしたほうがいい。

この映画のタイトルは何といっても原題の「ビーイング・フリン」しか無い。
この映画でいちばん伝えようとしていることは親から子へ続いてゆく「ビーイング」なのだから。
何が続いてゆくのか。
「血」であり「才能」であり「考え方」や「生き様」である。そして信じたことを「やり通す」ってことである。

差別主義者のジョナサンがとる一連の言動はアメリカという国の根っこに蔓延る社会の膿の部分である。彼はそういう偏見や差別をしっかり表に出しているからまだわかりやすい。

エグザイル03

【差別やイジメについて話そう】

差別感情差別意識は100人いたら100人、誰の心にも存在すると僕は思う。今の日本の深層心理の中にもドッカリと居座っている。そのうえ日本人は感情や思想を抑え込まれ慣れしすぎている。国家的な言論統制であり、態のよい平和主義を押し付けられているのである。
差別感情や左右思想を表に出すことは公共の秩序を乱すということに直結し日本人の人々の多くはそのことを極端に嫌う。だが本当はそんな日本人独特の「飾られた奥ゆかしさ」などこの先いつか爆発すると僕は思っている。

「イジメを無くそう」なんて言っている時点で、そいつは本気で無くそうなどと考えていない。

そういうヤツこそ信用してはいけないと僕は思う。
お前はファンタジーか! 絵空事を抜かすな。馬鹿じゃないのって思う。

エグザイル02

要するに間違いなく 「差別は存在する」 し 「イジメも存在する」 。 
太古の昔からだ。そんな歴史あるものがこの先すぐに無くなる筈が無い。人類が生きている限り未来永劫続くものだ。
そんな道理もわからないやつがよくも「イジメを無くそう」などと言えたものだ。

差別やイジメは今この瞬間もこの先も必ずあるのだ。
だからそれらと向き合って『どう付き合うか』ってことを徹底的に議論し真の道徳教育をすべきで、そこを本気で考えることなのである。「集団的自衛権」をめぐる『論議』みたいなものだ。イジメや差別意識は抑え込むのではなく吐き出させることが必要だということである。たまにはステージ上に上がって堂々とちゃんとパフォーマンスさせてみる。アングラ部分に日の光を当ててやるのだ。だってそれが人間の自然な感情なのだから。

今の日本人のほとんどが抱え込むストレスとは「抑え込まれた感情」である。そういうふうにみんな育ってきたからだ。これからはそれらを吐き出す「術」(すべ)を学び、それとうまく付き合うことがいちばん大切なのだと思う。

ちなみにほとんどの人間関係のストレスはジョークやユーモアのセンスを磨くことで解決できると僕は思っている。



この映画、「ビーイング・フリン」を観て僕の主張にも拍車がかかったようだ(笑)

ちなみに下の写真、路上でウンコをしているロバート・デニーロである。彼は面倒くさがりでこの格好(衣装?)のままで彼の所有するホテルに宿泊しに行って警備員に追い返されそうになったらしい。まあ当たり前といえば当たり前だが。

エグザイル09

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プロフィール

力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
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