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★ミケランジェロ・プロジェクト

The Monuments Men14

(MovieWalkerより抜粋)
2015年11月6日(金)公開

【作品情報】
第2次大戦末期のヨーロッパで、ナチスに強奪された美術品を奪還するという使命を受けた美術分野の専門家チームの活躍を描く、サスペンス・アクション。ジョージ・クルーニーが、監督・製作・脚本・主演の4役を担うほか、マット・デイモン、ケイト・ブランシェットら豪華キャストが集結したエンターテインメント作だ。

【ストーリー】
第二次世界大戦が激化する中、ヨーロッパ各国に侵攻したドイツ軍が、大量の美術品略奪を重ねていた。危機感を募らせたハーバード大学付属美術館の館長フランク・ストークス(ジョージ・クルーニー)は、ルーズベルト大統領を説得。歴史的建造物や美術品を守る特殊チーム“モニュメンツ・メン”を結成する。そのメンバーは、リーダーのストークス以下、メトロポリタン美術館で中世美術を管理するジェームズ・グレンジャー(マット・デイモン)、建築家リチャード・キャンベル(ビル・マーレイ)、彫刻家ウォルター・ガーフィールド(ジョン・グッドマン)、ユダヤ系フランス人美術商ジャン・クロード・クレモント(ジャン・デュジャルダン)ら7人。略奪された美術品の追跡、発掘、保護を使命としてヨーロッパへ旅立った彼らは1944年7月、フランスのノルマンディー海岸に到着する。

The Monuments Men13

【作品データ】
原題 THE MONUMENTS MEN
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 プレシディオ
上映時間 118分
映画公式サイトへ

【スタッフ】
監督: ジョージ・クルーニー
脚本: ジョージ・クルーニー 、 グラント・ヘスロフ
原作: ロバート・M・エドゼル
製作総指揮: バーバラ・A・ホール

【キャスト】
フランク・ストークス: ジョージ・クルーニー
ジェームズ・グレンジャー: マット・デイモン
リチャード・キャンベル: ビル・マーレイ
ウォルター・ガーフィールド: ジョン・グッドマン
ジャン・クロード・クレモント: ジャン・デュジャルダン
プレストン・サヴィッツ: ボブ・バラバン
ドナルド・ジェフリーズ: ヒュー・ボネヴィル
クレール・シモーヌ: ケイト・ブランシェット
サム・エプスタイン: ディミトリー・レオニダス




the monumentmen real1


【マイレビュー】
上の写真は実在した「The Monument Men」が美術品を奪還した当時の資料写真である。
第二次世界大戦中の実話なだけに、とても興味を持って観ることが出来た。
ジョージ・クルーニー監督出演作品だが、もともとアメリカ映画によくある「正義の味方」的視点に立った映画なので、若干穿って観た方がよかったかもしれないが、とても良く出来ていたと思う。

彼ら「モニュメント・メン」はとても素晴らしい功績を残したと思う。学者を呼ばれる人たちが、訓練を受けてきた兵隊に混じって苛酷なノルマンディー上陸を果たし内陸戦争を潜り抜けて美術品を取り戻したことは本当に尊敬に値する。
今僕たちが図鑑などでしか見ることのできない多くの有名な美術品は彼らが取り返してくれたものと思っていて間違い無い。

たとえばこんなものとか↓

The Monuments Men15


しかし僕は一方で、あれだけのとてつもない数の美術品を略奪し集めるだけ集め、殺したユダヤ人の死体からさえも「金歯」を抜き、それをぎっしり麻袋に詰め込み、トンネル内に整然と保管していたあの徹底的に統率された「ナチス集団」とはいったい何だったのだろうか・・・この映画ではそっちのほうがはるかに気になった。

要するに 「モニュメントマンの功績の偉大さ」より、 ”ナチス(ヒトラー)の人に対する残虐性、それに美術品に対する凄まじい略奪執念はどこから来たのだろうという興味” のほうが、映画を観たあとの感覚として大きかった。

また敵が火をつけて実際には焼失してしまったり、粉々になってしまった美術品もあると思うが、あの長い長いトロッコつきのトンネルのような場所に隠されていたあれだけの美術品の価値たるや、いったいどれほどのものだったのだろう。


The Monuments Men11


ユダヤ人大量虐殺(ホロコースト)を含め、金銀宝飾品および美術品を略奪した行為は、なんだか「ナチス」という侵略国家の集団的戦争犯罪というよりも 「ヒトラー個人のコレクター的趣味嗜好や破壊欲求を満たすため」 だったのではないかと僕は感じてしまった。
幼少の頃から親に期待されつつも美術的才能を見限られたヒトラー個人の幼少からの根深い劣等感が生み出した欲求不満による破壊行為のような気がしてならなかった。


The Monuments Men08


だからこの映画を観終わった後は、とても知識欲が高まってWikipediaとか色んなサイトをみて読んで回ってそれまでに頭になかったことを数多く勉強することが出来た。
この映画を観たおかげだ。

歴史を知るってことはその当時に生きていた人間を知るということ。
その人にどんな生活の風景があり、どんな日々の想いがあったのか、何を目にしていたのか・・・とか、知識を得た上でそんなことを想像してみるのもとても面白い。

そのときヒトラーが何を考えていたのか・・・さすがにそこは想像できなかったが、その圧倒的で極限的な思想を持つヒトラーの下に敷かれた下の人間がどの様になっていったのかはわりと簡単に想像できる。
「関わり」というものはとても重要な人生のファクターになるのだ。


The Monuments Men06


この映画は2014年秋に公開予定だったが、何らかの事情で中止となり公開未定だったはず。
それがまた急に2015年秋に日本公開となったのだが、今回公開されたものはオリジナルとどこかが変わっていたのかもしれない。
僕はこの映画を2014年の夏に観ている。

もしかしたらあの「ハ●ル・ヒッ●ラー!」の号令でソファーで遊んでいた子供たちが突然ビシッと直立して最敬礼するシーンだったかもしれないな。

あれはすこし厄介な問題が発生する可能性があるシーンかとも思ったが、山小屋に追い詰めたヒトラーの化けの皮を剥がすためのあのハッタリシーンはとても面白かったが、戦争歴史と民族性を茶化す感じが出ていて、この長く無駄な1年という期間にもしかしたらカットされたのかもしれないな。

僕はオリジナルをずいぶん前に観たが、その問題のシーンがこの下の写真である。
映画館で観た人がいれば下のシーンがあったかなかったかは分かると思う。


The Monuments Men07


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●コレリ大尉のマンドリン Captain Corelli's Mandolin

Captain Corellis Mandolin07

2001年9月22日(土)公開

【作品情報】
「恋におちたシェイクスピア」の名匠ジョン・マッデンが、世界的ベストセラー小説を映画化。過酷な戦時下における人生の喜びと悲しみ、運命の恋の行方を描く感動の人間讃歌。

【ストーリー】
1940年、ギリシア。牧歌的なケファロニア島にも戦争の足音が近づき、島の医師イアンニス(ジョン・ハート)の娘ペラギア(ペネロペ・クルス)の人生をも巻き込もうとしていた。彼女の婚約者で島の漁師マンドラス(クリスチャン・ベール)は戦争に行ったきり音沙汰もなく、翌年、ギリシアはドイツ・イタリアに降伏する。傷を負いながらも生還したマンドラスはかつての純真さを失い、敵国への憎しみに燃えるその瞳にペラギアは戸惑う。やがて島に占領軍が到着。イタリア兵の行軍を率いるアントニオ・コレリ大尉(ニコラス・ケイジ)は、奇妙なことに背中にマンドリンを背負っていた。この過酷な戦時下でも人生と音楽を愛することを忘れない陽気なコレリと彼の部下たちに、初めは敵意を見せていた島の人々も心を許していく。ペラギアもまた、コレリの誠実な優しさと、彼の奏でる澄んだマンドリンの音色に抗うことはできなかった。

Captain Corellis Mandolin08


【作品データ】
原題 Captain Corelli's Mandolin
製作年 2001年
製作国 アメリカ
配給 ブエナ ビスタ インターナショナル
上映時間 129分

【スタッフ】
監督 ジョン・マッデン
脚本 ショーン・スロヴォ
原作 ルイ・ド・ベルニエール
音楽 スティーヴン・ウォーベック

【キャスト】
Capt. Antonio Corelli:  ニコラス・ケイジ
Pelagia:  ペネロペ・クルス
Dr. Iannis:  ジョン・ハート
Mandras:  クリスチャン・ベイル
Capt. Weber:  デイヴィッド・モリッセー
Drosoula:  イレーネ・パパス
Carlo:  ピエロ・マッジオ



Captain Corellis Mandolin03


【マイレビュー】
これも時代の流れなのか・・・、本当にFC2にアップされる洋画動画は極めて少なくなった。
当局の監視が厳しいのだろう。アップするのも覚悟が要るからだ。
だから今回の視聴はとてもラッキーだと思うしアップ主さんには感謝以外にない。

この映画を観て強く思ったことは次の二つのことだ。


Captain Corellis Mandolin05


一つ目は『平和というもの』についてである。

「和平」と言う国と国との交渉ごとのような能動的な言葉に対して、『平和』と言う言葉は”戦争や紛争の無い状態”を表した言葉であり、『戦争』の『対義語』として特に戦後社会の中で一般的に使われてきた言葉である。
言葉の源からしてもまさに平和というモノは戦争との対極に存在するものだということである。戦争があった平和があるということで、逆もまた真なりである。


この映画の舞台となったギリシャの小さな島ケファロニア島。現存する島で、島民約35000人とのことだ。
地震が多く島の資源も少ない。まさに第二次世界大戦中の『小さな日本』を描いている映画のように僕には感じられた。

この映画の舞台となったギリシャの小さな島に暮らす人々は主に漁で暮らしを立てている。ほぼ小麦と魚と山菜の食事で決して裕福でもなく貧しすぎるわけでもない。助け合って生きる運命にある人たちを描いている。

第二次世界大戦中の1943年に、島に駐留するイタリア軍が降伏した際、ドイツ国防軍によって将兵117人が虐殺される事件が発生している。ドイツ軍が駐留していた同盟国のイタリア将校たちを虐殺するなど信じがたい史実もあり、そのあたりがストーリー上のバックボーンになっている。


Captain Corellis Mandolin02


~脱線劇場~  安保法案に反対する人たち

安保法案に対して「戦争法案反対!」とか叫ぶ人たちには本当の平和がどのような犠牲のもとで訪れたものなのか、今後どんな危険が迫っているのかを直視しようともせず、「皆んな仲良しお花畑」のノー天気な人たちだと僕は思う。頭の中がお花畑ならまだ救いようがある。極左翼人間が平和とは程遠い過激なテロ行動に出たことなど戦後歴史上枚挙に暇が無い。

彼らが望んでいるのは「本当の意味での『平和』ではなく、『平穏無事』でいたいということ」であり、人と人との関わりよりもむしろ『個人主義』に近い平和ボケ妄想だと僕は思っている。極端に言えば国際平和なんかどうでもいいから自分の家だけが安全ならそれでいい的な自分勝手な人たちの集まりに違いないと思えるのだ。
その人たちの殆どが戦後から今日までの日本の平和が「憲法九条」を遵守した結果だというおバカな人たちだが、憲法九条をいつも紙に書いて持ち歩いている人などこの世に10人もいない。

アメリカに守られていたから、日本人は皆モノ作りや仕事に専念し、結果的に日本が成長できたのだ。日米安保条約があったからこれまで70年も平和だったのである。そんな明白で歴然とした事実をなぜ理解できないのか意味が分からない。


Captain Corellis Mandolin01


日米安保条約が無かったら日本は「ロシア」になっていたかもしれないし、この集団的自衛権法案(安保法案)がなかったら2015年から5年の間に少なくとも沖縄県など「中国」のものになっていたかもしれない。

前述のように平和を掴むには多くの犠牲があったわけで、平和は戦争で落した人の命があったからこそ存在するものなのである。その上に僕らも生を受けている。その尊かった命に報いるために、今我々が時代に合った万全な安保体制を築くということなのである。絵に描いた憲法九条なんかより、攻められない国を作ることのほうが数百倍も崇高な理念なのである

ノー天気な彼らもその人たちの命の上に存在しているくせに、自分の命の使い方を知らなさすぎる。
戦争法案反対などという曲解も甚だしいデモ行進につぎ込んでいる。彼らは無党派層を取り込もうとする共産党や社民党の手先であると断言できる。邪悪な宗教活動にも等しい。




Captain Corellis Mandolin04


もうひとつ。
主演のニコラス・ケイジについて。

主役は彼じゃなくても良かった。っていうか・・・・彼じゃないほうがよかったと僕は思う。
彼のことはけっして嫌いじゃないけど、もっと戦争の理不尽さや風習の違いや文化の違いやそれぞれの国の人たちの特徴を知りたかったのだが、すべての映画に言えることだけど、ニコラス・ケイジが主演だと彼独特の変な色が濃く出過ぎてしまうのである。せっかくのアースカラーの映画が、ちょっとキツメの紫色に染まってしまうような感じ。


原作自体はとてもいい作品だと思う。
だけど映画となると各人物の個性にいまいち一貫性が無い気がする。なんでそこで席を外すかと思われるシーンもあるし、何に惚れて何に涙しているのかとか。戦争で失ったものの人々の心の傷とか、理不尽さや空虚な無常観を表しきれていない。本来感動するはずのいいセリフもとても軽い感じでしか伝わってこないし、重厚感がまったく足りなかったように思う。なぜマンドリンなのか、その意味も音色もあまり生かしきれていなかったように思う。やっぱニコラス・ケイジだったからだって思えてしまうのだ。

ペネロペ・クルスのわき毛だけが唯一不自然じゃなかった点だ。


Captain Corellis Mandolin06



★★レイルウェイ 運命の旅路


レイルウェイ 運命の旅路 01

4月19日(土)公開
【作品情報】
英国人将校の壮絶な戦争体験や妻の献身的な愛をつづり、「エスクァイア」誌ノンフィクション大賞に輝いたエリック・ローマクスの自叙伝をコリン・ファース主演で映画化したヒューマンドラマ。第2次世界大戦時に日本軍がタイからビルマへの物資輸送のために計画し、多くの死者を出した泰緬鉄道建設にまつわる悲劇がつづられる。

【ストーリー】
鉄道好きな初老の男性エリック・ローマクス(コリン・ファース)。列車で美しい女性パトリシア(ニコール・キッドマン)と相席となり、一目で恋をする。間もなく二人の愛は一気に深まり、エリックはパトリシアへと結婚式を挙げる。退役軍人会のうちのひとり、フィンレイ(ステラン・スカルスガルド)は幸せそうなエリックを複雑な表情で見つめているのだった。エリックは若い頃に旧帝国日本軍の捕虜となり、その際に受けた非道な拷問により今でも心的障害に苛まれていた。日増しに気難しくなり、奇行も増え、自分の殻に閉じこもるようになる。そんな夫をパトリシアは何とか救いたいという一心で、フィンレイを訪ねて救いを求める。だがフィンレイもまた戦争のトラウマから立ち直っておらず、同じ苦しみを抱えていた。そんな中、エリックやフィンレイの悪夢のような体験に深く関わる旧帝国日本軍の永瀬(真田広之)が、今も生きていることを知る。

レイルウェイ 運命の旅路 06

【作品データ】
原題 The Railway Man
製作年 2013年
製作国 オーストラリア イギリス
配給 KADOKAWA
上映時間 116分

【スタッフ】
監督 ジョナサン・テプリツキー
脚本 フランク・コットレル・ボイス 、 アンディ・パターソン
原作 エリック・ローマクス

【キャスト】
コリン・ファース
ニコール・キッドマン
真田広之
ジェレミー・アーヴァイン
ステラン・スカルスガルド
サム・リード
石田淡朗



レイルウェイ 運命の旅路 08

【マイレビュー】
イギリス軍退役軍人の実話ということもあり、第二次大戦中の東南アジアを舞台にしたとても良い映画だった。
戦争体験映画ではあるのだが、ある意味「鉄道マニア」にはとても嬉しい映画だったかもしれない。
もしこれを韓国の”ヒステリック”な大統領が観たら、間違いなく国民をますます「反日」に煽動するだろうし、ありもしない従軍慰安婦を題材に映画化を促進するかもしれない(笑)

レイルウェイ 運命の旅路 04

すこしこの映画に批判的に聞こえるかもしれないが、戦争という人間の生死に関わる極限状態を考える上で間違ってはならないことがあると僕は思う。「そこに大義はあるか」「人道的であるかそうでないか」という判断である。
この映画のように戦争体験を個人個人の体験に基づいて映画化したら、百人百様の戦争映画が出来るだろう。言い伝えられる戦争体験はあくまでその場所でその時におこった個人的な体験の集合体である。それが総じて「戦争は悲惨だった」になるのだ。戦争の歴史をブツ切りにして事象だけを抜き出すようなこともしてはならないと僕は思う。
たしかに日本軍によるタイ・ビルマの『死の鉄道=泰緬鉄道建設』やインドネシアの「死のバターン行進」など、後にBC戦犯として裁かれるべき苛酷な捕虜への扱いもあったと思う。それに「大義があったかどうか」の判断も、である。そのときの隊長が独断的にとった行動であってもあくまでも国がとった行動とみなされ、国際裁判でBC級戦犯として裁きを受け反省しなければならないのは当然でもある。

レイルウェイ 運命の旅路 10

しかしマクロ的に見れば「アメリカや西欧諸国による東南アジアの植民地支配からの解放と独立支援」が大日本帝国の崇高なる思想であり大義であったことは間違いない。それは領土を広げるための侵略戦争などでは決して無い。資源や農産物や労働力だけを目当てにして100年以上続く東南アジアを植民地支配している白人を追い出し、壊れたインフラも整備してやる。そして学校を作り子供たちへの教育もする。だからあとはそれぞれ各国が強くなり独立すればいいという考えであり、私利私欲や東南アジア諸国を奴隷化するなど毛頭考えていない。それが獰猛なアメリカや西欧諸国には解らない日本人独特の『サムライ魂』という思考回路なのだ。
その点も決しておろそかにしてはならないと思う。



レイルウェイ 運命の旅路 11

戦争という大きな全体像の中では事実誤認あるいは作為的に歪められて伝わるものもあり、それが教科書に載ることもある。「勝てば官軍」という言葉通り戦勝国に都合の良い歴史解釈になったりして甚だ一方的になる場合もある。
一番大事なことは、時系列で戦争に至った直接の原因や国の思惑や時代背景をちゃんと記すことだと思う。それは戦勝国も戦敗国も戦争へ突入すべき大義名分はあったことをお互いが認めるということである。

レイルウェイ 運命の旅路 02

この映画は戦争映画ではあるが、イギリスの国内を縦断する鉄道とその車窓に見える美しい景色、曇りや雨の天気が多いエジンバラの海沿いの住宅や海岸線の風景、険しい山間を走る『泰緬鉄道』の美しさなど映像の美しさも素晴らしいの一言である。
カメラワークが独特で、私達の受ける印象とかも含めすべてが計算されつくした素晴らしい構図なのである。
「悲惨な戦争」を描いた映画ではあるのだが、そういう「完璧な構図」の美しさによって観ているほうも癒されることだろう。

レイルウェイ 運命の旅路 07


▲レッド・ドーン  Red Dawn

レッド・ドーン01

MovieWalkerより抜粋
2013年10月5日(土)公開

【作品情報】
突如現れた敵から家族や仲間を守るために戦う高校生たちの姿を描き話題を呼んだジョン・ミリアス監督作『若き勇者たち』。同作の敵の設定を共産圏連合軍から北朝鮮に変更し、リメイクしたサバイバル・アクション。北朝鮮による侵略という非常事態に先頭をきって挑む主人公を演じるのは、『マイティ・ソー』のクリス・ヘムズワース。

【ストーリー】
アメリカ、ワシントン州スポケーン。高校のアメフトチーム『ウルヴァリンズ』で活躍するマット・エッカート(ジョシュ・ペック)は、その日、恋人のエリカ(イザベル・ルーカス)を伴ってパブに赴いたところ、休暇で戻ってきていた兄で海兵隊員のジェド(クリス・ヘムズワース)と再会。エリカの親友トニ(エイドリアンヌ・パリッキ)がジェドと思い出話に花を咲かせていたところ、突然停電する。どうやら停電はアメリカ北西部全域に渡った大規模なものですぐには復旧しなさそうなので、各々家路につく。ジェドとマットは久しぶりに家族でゆっくり過ごせるかと思ったが、父親のトム(ブレット・カレン)は巡査部長であるため町の見回りに行ってしまう。翌朝、ジェドとマットは大きな振動と音に起こされる。外を確かめると、空一面に戦闘機とパラシュート部隊が広がっていた。

レッド・ドーン04

【作品データ】
原題:  RED DAWN
製作年:  2012年
製作国:  アメリカ
配給:  クロックワークス
上映時間:  96分

【スタッフ】
監督:  ダン・ブラッドリー
オリジナル脚本:  ケヴィン・レイノルズ 、 ジョン・ミリアス 、 カール・エルスワース 、 ジェレミー・パスモア
原案:  ケヴィン・レイノルズ
製作総指揮:  ヴィンセント・ニューマン 、 ケヴィン・ハローラン

【キャスト】
ジェド・エッカート:  クリス・ヘムズワース
マット・エッカート:  ジョシュ・ペック
ロバート・キットナー:  ジョシュ・ハッチャーソン
トニ・ウォルシュ:  エイドリアンヌ・パリッキ
エリカ・マーティン:  イザベル・ルーカス
ダリル・ジェンキンス:  コナー・クルーズ
タナー:  ジェフリー・ディーン・モーガン
ダニー:  エドウィン・ホッジス
トム・エッカート:  ブレット・カレン
ジュリー:  アリッサ・ディアス
グレッグ:  ジュリアン・アルカラス
チョウ大尉:  ウィル・ユン・リー
パク中尉:  フェルナンド・チェン
ジェンキス市長:  マイケル・ビーチ


レッド・ドーン10

【マイレビュー】
北朝鮮に制圧されたワシントンで故郷を守る戦いを描いたもので「マイティ・ソー」のクリス・ヘムズワース主演の映画だったが、今売れに売れている彼にこの程度の映画の主演をさせちゃダメでしょ的な映画だった。
全体的な印象としては、昔からの伝統的なアメリカ映画っぽさが前面に出過ぎでストーリーも展開も読めすぎてしまい、ミーハーでゲームやコミック好きな若者向けのただの「爆薬消費映画」だった。


映画に関連してすこし脱線:

東日本大震災で大津波の被害を受けた日本人が、決してパニックになったりせず冷静で秩序正しく行動していることを世界中の人々が評価したり不思議に感じていたことが当時ニュースにもなったりした。
それは不思議に感じる人たちの国には地震が頻繁に起きていないからであると思う。
すべての災害に言える事だが、こと「地震の国」である日本においては、地震や津波には逆らえないという古来からの「達観した無常観」を持っていて、それが災害時の秩序となっているのだと思う。言い方を変えればそれこそが「日本人としての自覚の一部」になっているのだ。

映画の冒頭で「停電シーン」があるが、こんな風にアメリカ全土では地域的に広い範囲で頻度が高く停電することがあるらしく、意外とみんな冷静である。だからこの映画のように実際にもパニックにはならないらしい。
地震ではパニックにならない日本人でも、頻繁に経験の無い「大停電」ではもしかしたらパニックになるかもしれない。

長い目で見ればすべては「慣れ」による行動」なのだと思う。



レッド・ドーン11

映画の話に戻るが、
渋い役者であるジェフリー・ディーン・モーガンらとの合流のタイミングが遅すぎて、せっかくの視聴層の厚みを狙った目論見が「時すでに遅し」という結果だったように思う。彼らもとてももったいない使い方だった。

非常事態に遭遇し、単独行動で仲間の命を危険に晒し、感情的な過去の蟠りや諍いが解けて本当の兄弟愛や親子愛を取り戻すというストーリーはもう何度も観てきた。この映画もまったく同じで、なんの捻りもない。「UFOや宇宙人」とか「天変地異」とか「怪獣」とか描くシチュエーションが違うだけで、何故アメリカ映画というのはこうも「ワンパターン」なのだろう。

レッド・ドーン06

まだやるかっ!って思う。
そしていつもいつも「武器大好き、戦争大好き」なアメリカ人の「正義に犠牲はつきもの」で「最後はみんなでハイタッチ」展開なのだ。
この映画のせいでも無いし、この映画が特に悪いと言うわけじゃないけど、このての「正義の押し売り映画」はもうたくさんという感想だった。

レッド・ドーン13

●ローン・サバイバー

Lone Survivor11


MovieWalkerより
3月21日(金)公開

【作品情報】
05年6月、タリバンのリーダーを狙撃するべくアフガニスタンへ送り込まれたアメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズの隊員4人が、200人超の敵兵の攻撃にさらされ、ひとりの兵士のみが生還した。創設以来最大の惨事と呼ばれている“レッド・ウィング作戦”を映画化した戦争アクション。唯一の生存者役をマーク・ウォールバーグが演じる。
【ストーリー】
2005年6月、国際テロ組織アル・カイーダの重要工作員の暗殺を狙ったレッド・ウィング作戦のため、アメリカ海軍特殊部隊ネイビー・シールズはアフガニスタンに赴く。4人の隊員が山岳地帯で偵察をしていた際、ある判断が200人超のタリバン兵から攻撃される状況を呼んでしまう。絶体絶命の状況下、崖から転がり落ち全身負傷しながら自分と仲間を信じて行動する4人。生死を分ける選択に次々と迫られる過酷な場に立ち向かっていくが…

<ネイビーシールズ隊員実写真↓>
Lone Survivor10

【作品データ】
原題 LONE SURVIVOR
製作年 2013年
製作国 アメリカ
配給 ポニーキャニオン=東宝東和
上映時間 121分

【スタッフ】
監督 ピーター・バーグ
脚本 ピーター・バーグ
原作 マーカス・ラトレル 、 パトリック・ロビンソン

【キャスト】
マーカス: マーク・ウォールバーグ
マイケル・マーフィー: テイラー・キッチュ
ダニー・ディーツ: エミール・ハーシュ
マット’アックス’アクセルソン: ベン・フォスター
エリック・クリステンセン: エリック・バナ


Lone Survivor13

【マイレビュー】
実話なので、ある程度のネタバレありで書いてみる。

実在する「シールズ」というアメリカ海軍特殊部隊の想像を超える苛酷なしごきの兵役訓練風景から映画がスタートする。脱落者は鐘を3回鳴らし、ヘルメットを置いてゆく。あの有名なデミ・ムーア主演の『G.I.ジェーン』でもあった訓練シーンだが、この映画ではその部分にドキュメンタリーフィルムが使われていたこともあり苛酷さが際立っていた。
この訓練を実際見たら引く。

主演のマーク・ウォールバーグの満身創痍の演技が光っていた。足に刺さった破片を抜くために傷の周りをナイフで切って抜き出すシーンは超痛そうで、こっちまでお尻のあたりがムズムズした。
彼は「ラブリー・ボーン」でのやさしい父親役や「テッド」ではコミカルな役柄とか何でもオールマイティーに出来る好きな俳優だ。

映画の感想というより、戦争に関する僕の主張になってしまうが…

いつでも『勝利』という事実が欲しいだけのアメリカ。
終戦後の日本にそうしたように、戦争に勝利することによって『正義』が成し遂げられると思っている。
敵がいるとみなした国には勝手に乗り込み、罪の無い尊い人々の命さえも奪い将来への禍根すら根絶やしにする。
それに常に「犠牲はつきもの」だという考えなのである。

一方では、戦闘機、ヘリ、潜水艦、戦車、重火器、武器、弾薬、燃料・・・いわゆる戦争「商品」を消費することによってアメリカという国は成り立つ。『消費こそ需要供給のきっかけ』という図式であり、それは資本主義を掲げる営利企業の社訓と何も変わらない。つまるところアメリカという国は大きな『ウォー・カンパニー(戦争会社)』であり、そこと繋がるハイエナ企業も数知れない。アメリカにとって『戦争』とは、需要を生み出すための「消費行動」であり、最大の「営業活動」なのである。

Lone Survivor15


何も戦争だけに限ったことではない。
アメリカがこだわるのはとにかく『勝つこと』だから、スポーツでもTPPなんかの政治交渉でも何でもそうだ。勝てない試合はしたくない国なのだ。勝てないと分かると勝手にルールを変更するし、正々堂々と負けを認めたり、正式に棄権するでもなく、バッくれて、フテくされて、しまいにゃ事実を完全にすり替える。

日本のように「負けるが勝ち」や「忍び難きを忍び」的な美徳は通用しない。

そういうお国柄がこの映画でもはっきり出ている。
アメリカという国は、勝負に負けたり、失敗したりすることを極端に嫌がり、絶対に認めたくない国なので、本当は「レッドウイング作戦」など『封印したい事実』に違いないのだ。ただ生還兵士が実話著書まで出しちゃっているからしかたない。
その原作を読んでいないので僕には分からないが、ちゃんと忠実に映画化されたのだろうか。

生還した戦士一人をヒーロー扱いにすることで視聴者の目線をずらして、作戦の失敗責任をうやむやにしてしまうようなアメリカ的なアメリカ映画はもううんざりするほど観た。この映画もそれだった。

その点では少し前の紹介で書いた「カンパニー・オブ・ヒーローズ」と全く同じ印象だった。

完全に失敗した作戦のくせに、最後は結局こんな風に「ただの救出劇」で終わらせてしまう映画というのもどうかと思う。

エンドロールで兵士の家族の写真をほんの申し訳け程度に映すのなら、本編でもっと家族への愛情とか、遺族の正直な思いや、兵士本人の後悔とまではいかなくても、何のために戦っているのか疑問を持つ程度のことは最低限’映画としては’描いて欲しかったと僕は思う。

Lone Survivor14

●カンパニー・オブ・ヒーローズ バルジの戦い

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ソニーピクチャーズより引用
【ストーリー】
1944年、第二次世界大戦末期。劣勢に立たされていたナチス・ドイツ軍は、西部戦線・アルデンヌの森において最後の大反撃を開始した。いわゆる「ラインの守り作戦」である。そして、連合国軍はそれを「バルジの戦い」と呼んだ。この壮絶な死闘の最中ヒトラーは逆転勝利をもぎとるため、秘密裏に原子爆弾開発を画策。連絡員からその情報を入手したアメリカ軍精鋭部隊は、計画を阻止するため自らの命を代償に適地へと乗り込んでいく。これは、全世界でシリーズ販売累計400万本の大ヒットを記録した同タイトルゲームを作品の土台に、史実にインスパイアされ描かれた「教科書には載らない」驚愕のストーリー!

【キャスト】
・ ランソム中尉 : トム・サイズモア
・ ネイト・バローズ(ナサニエル・バローズ) : チャド・マイケル・コリンズ
・ ウィロビー : ヴィニー・ジョーンズ
・ コンティ中尉 : ニール・マクドノー
・ グリューネヴァルト博士 : ユルゲン・プロフノウ
・ ディミトリ・ディアチェンコ

【スタッフ】

・ 製作 : ジェフリー・ビーチ、シェリース・ハニー、フィリップ・J・ロス
・ 監督 : ドン・マイケル・ポール
・ 脚本・原案 : デヴィッド・リード、ダニー・ビルソン、ポール・デ・メオ



カンパニー・オブ・ヒーローズ32

【マイレビュー】

この映画、主役はどう考えても、ネイト・バローズ役のチャド・マイケル・コリンズだったが彼の名前は上の写真にもあるとおりDVDの前面にも載っていない。不思議だ。

またこんな男ばかりの映画には極めて重要な「お約束」がある。それはお色気要員の存在である。
彼はそのディミトリ・ディアチェンコ(この女優さん、他であまり観たことがない)のヌードを覗き、惹かれ、最後は故郷の母や姉に紹介するだろう的な恋人同士になったりもする。
腕の良い狙撃兵から信頼を得て小隊長に任命され、「カンパニー・オブ・ヒーローズ」の最後の生き残りとなる。

そんな主役なのに配給のソニーを含むすべての映画紹介サイトには、出演リストの一番上にトム・サイズモアが書かれている。チャドの名前すら無い。完全におかしい。なんだかチャドの影を製作側が消したがっているようにも感じる。パワーバランスなのか、それともなんか、出演後に揉め事でもあったのか、その真相は定かじゃない。

僕は大概、観終わってからウェブを検索し、ストーリーとかを引用するのだが、今回は前述のように「映画の内容」と「広報内容」で主役と脇役が完全に入れ替わってしまっている点、しかも作為的に。それがだいぶ気になったので先に書いておく。
カンパニー・オブ・ヒーローズ

ストーリー的には「バルジの戦い」という史実に基づいてとか書いているとなっているが、いやいやいや・・本当だろうか、かなり疑わしい。ひとつの小隊がヒットラーが研究開発していた原爆を奪い、捉えられていた博士まで救出している。しかも上からの命令は一切無いにもかかわらずだ。
まあ勝てば官軍、なんでも正義にしてしまうアメリカならではの映画という感じがした。
やってることはほとんど敵の虐殺で、アメリカの戦争映画はすべて「ランボー」と変わらない。
もともと戦争など『正義』じゃないし。

そんでもってこういう戦争映画には必ず「無能な上官」がいる。
ニール・マクドノー演ずるコンティ中尉である。
観終った後でこのコンティ中尉を無能で無責任な上官だと思った人がどれほどいただろうか。

「これまでで一番簡単な任務だ」
とか言っちゃって、この無能で見通しの甘い上官は、ドイツと対峙する前線基地の仲間にクリスマスの食料の輸送補給を指示した能天気で無責任なヤツだった。
映画の最初と最後しか出てこないくせに、あんたのせいで一人を残してみんな死んじゃったじゃないか。どうしてくれるのさ、と僕なら言いたかった。

敵の原子爆弾を奪ってきたもんだから小隊の大手柄である。
この上官は「この何日かで起こったことは秘密だ。」とか言っちゃって、今昏睡状態から醒めたばかりの「主役」のネイト・バローズ(チャド・マイケル・コリンズ)を黙らせちゃう。ドイツから奪った原爆という大きなお土産で、あんたの戦争責任まで有耶無耶にしてしまった最低の上官だと思った。
だいたい「原爆を奪ったこと」なんか、兵隊達の大手柄であって、あんたの指示は「食糧を笑顔で届けなさい」でしょ。

観る人によっては気づかず「部下思いの優しい上官」のように映るし、もしかしたらこの「コンティ中尉」って人がドイツから原爆を奪ったアメリカの戦争歴史上の「英雄」になっちゃってるかもしれない。あとでウィキで調べとこう。

328379.jpg


まあ、史実に基づいたものらしいのでストーリーはその辺にして・・・
この映画でよかった点は、たった一つ。
「映像アングルとカット割り」が極めて良かった。
あらゆるシーンをどの位置から、どういうカメラで、どういうアングルで撮るか、そのシーンにどういう効果を狙うかをものすごく細かく検討したうえで撮影に臨んでいるように感じた。特に他にはあまり見ない「地面のぬかるみ」のシーンとか、霧が立ちこめるしんとした林の中をゆっくり移動するシーンなど映像的に綺麗な細かなカットを差し込んでいる。もしかしたら日本アニメの研究でもしているんじゃないかと思ったほどだ。

おすすめというほどの映画でもないが、僕が最初に感じた違和感(主役・脇役)は感じてもらえると思う。



★★ブラックブック Zwartboek

ブラックブック4

ブラックブック6「氷の微笑」のポール・バーホーベンが、23年ぶりに故国オランダで監督したサスペンスタッチの戦争ドラマ。昨年のオランダ映画祭で作品・監督・主演女優の3部門を受賞した。
<作品データ>
原題 Zwartboek/Black Book

製作年 2006年
製作国 オランダ ドイツ イギリス ベルギー
配給 ハピネット
上映時間 144分

あらすじ(moviewalkerより転記)
1944年9月、ナチス・ドイツ占領下のオランダ。美しいユダヤ人女性ラヘル(カリス・ファン・ハウテン)はかつて歌手だったが、今はユダヤ人狩りを逃れるためにとあるオランダ人一家のもとに隠れていた。そんなある日、ラヘルが湖に出かけている時に、爆撃機が落とした爆弾が隠れ家を直撃。彼女は、湖で知り合った親切なオランダ人青年ロブ(ミヒル・ホイスマン)のところに身を寄せる。その夜、ひとりの男がラヘルの新たな隠れ家を訪ねてくる。彼は、ドイツ軍が彼女の行方を追っていて、彼女をかくまったロブも逮捕されるだろうと警告する。ファン・ハイン(ピーター・ブロック)というその男は、既に連合軍によって解放されているオランダ南部への脱出を手引きすると約束する。船着場で別のユダヤ人グループと合流し、離れ離れになっていたラヘルの両親や弟のマックスとも再会。ファン・ハインに別れを告げ、一向は船に乗り込む。夜更け、彼らの船の前に突然ドイツ軍の船が現れた。銃弾の雨の中、なすすべなく倒れてゆくユダヤ人たち。両親や弟、そしてロブも殺され、とっさに川に飛び込んだラヘルだけが辛うじて生き残る。レジスタンスに協力する農民に助けられたラヘルは、チフスで亡くなった死体を装って検問を欺くのだった。レジスタンスの青年ティム(ロナルド・アームブラスト)が、彼女を父であるリーダーのヘルベン・カイパース(デレク・デ・リント)に紹介する。ユダヤ人だと分かる名前を捨て、ブルネットの髪をブロンドに染め、今日から彼女は“エリス・デ・フリース”として、レジスタンス活動に身を投じていく……果たして真の裏切り者はどこに? そしてエリスに復讐の機会は訪れるのだろうか?


ブラックブック3

僕を含め、簡単に人を信じすぎる人はこういう映画は観ないといけない。
・・んなこと言って、またこの映画の内容までも信じて疑わない。性善説を信じる単純な人間にはちょうどいいかもしれないが、逆にそんな「いいひと」にはこの映画の二転三転する展開についていけないかもしれない。

いままでは、第二次世界大戦中のユダヤ人迫害だとか大虐殺とか云々、大まかな歴史上の出来事としては知ってはいたがこの映画を観てもう一度よく歴史を勉強したくなった。

この映画のように、国と国の兵隊同士の戦いやその勝敗そのものが戦争なのではなく、本当の意味での戦争とは一人ひとりの記憶のなかに存在する。歴史本や伝記には絶対に書かれない。善か悪ではなく勝ち敗けの結果そのものが戦後の国同士の立場となり、敗戦国は戦勝国のルールに染められてゆく。日本もそうである。

そしてこういう映画や小説によって、戦争という大きな出来事とってはほんのミクロの人間たちにスポットが当たり、やっと日の目を見ることができるのである。人間の欲望、生存本能、下劣さや醜態、残酷さ、気高さ、正義感、・・そういうものがぎっしり詰まった映画である。

ネタバレ情報がネット上には結構出回っているが、観た途端に人に話したくなるようなどんでん返し的ストーリーなので、何も情報を得ない状態で観て欲しい映画である。

ブラックブック5

●史上最大の作戦 The Great Raid

The Great Raid

太平洋戦争下の帝国日本軍が占領するフィリピン。カバナツアン捕虜収容所には、約7千人の犠牲者を出したと言われる“バターンの死の行進”を生き延びた約500名のアメリカ人捕虜が収容されていた。ギブソン少佐をリーダーとする捕虜たちは、過酷な状況下で酷使され続け希望を失いつつあった。そんな中、アメリカ軍司令部は日本軍がカバナツアン収容所の捕虜を皆殺しにしようとしているという情報を得る…。



米軍史上最も成功したと言われるフィリピン・カバナツアン日本軍捕虜収容所からのアメリカ人捕虜救出作戦を描いた戦争映画。

理想主義に燃えた150人の兵士が、1万人以上もの日本兵が守る日本占領下のカバナツアン捕虜収容所を襲撃し、捕虜奪還に燃える。

日本未公開のこの映画を観た感想としては、一方的なアメリカ目線での史実の再現映画であるが、占領下のフィリピンでの日本軍の捕虜に対する所業はやはり常軌を逸していたのではないかと思う。
特に7000人の95kmに及ぶ「バターンの死の行進」があったことなど、僕ははじめて知った事実だった。

僕の歴史観としたら、日本はフィリピンやインドネシアなどの東南アジアの各国が、アメリカやヨーロッパによって植民地化されることから守り、各国が力強く独立できるよう道筋を作ったのが太平洋戦争だと理解していた。

戦争は事実が国によって曲げられたり、勝ち負けの結果論だったり、事実自体があいまいだったりすることも多い。
しかも戦争「体験」というものは、個人個人それぞれ全く違う。
その体験の集合体が「悲惨だった」という一言になるのである。

戦場なんかには最初から行きたくなかった人がほとんどだと思うし、規律や命令違反しても家族の元に逃げ帰った人もいるだろう。
戦場で病気になったり、怪我で動けなかったり、出血によってそのままそこで一生を終えた人もいるだろう。
逆に戦争でありながら全く戦地を体験しなかった人も多いだろう。

真実がどうであれ、映画にする以上は、ある程度の捏造はしかたない。
実話と名がつく映画は世の中にはとても多いが、本当の実話とは、今現在起きている「ナレーションの無い現実だけ」であると僕は思う。





●チェチェン・ウォー Voyna

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ロシア映画だった。丁寧に日本語字幕を入れてくれたものだったが、英語を話す英国人の会話を女性のナレーションでロシア語通訳しているのが逆に気になりすぎて違和感があった。

物語はチェチェン軍に捕虜としてつかまっていたロシア軍大尉と舞台女優の英国人の女性の人質救出劇だったが、戦争の悲惨さを忠実に表現していたと思うが、戦って生きて帰った者が武勇伝を語りたがる部分とか、戦争という極限状態なのに、どちらが善人で、どちらが悪人で・・という風に区別をつける演出振りが、やっぱりロシア映画じみていて少し違うんじゃないかと思ったりした。
どちらがテロリストかを大数の法則で決められている現実に、僕としてはもっと疑問点を投げかけて欲しかったりした。

ランボー4よりも少し火薬の量は少なかった(笑)が、それでもたくさんの銃弾をつかっている映画だ。


見事なソルジャーぶりへの変貌をとげた薪割り捕虜だった若きロシア兵イワン、映画会社のスポンサーをつけビデオカメラを片手に身代金を腰に巻いた心優しき舞台俳優のジョンが、残った人質を救出するため、再び敵陣へ潜入する。途中でチェチェン軍のランドローバーを襲撃して奪い、途中で会ったチェチェン軍の羊飼いの男を奴隷代わりにして道案内をさせる。

人質となっていたジョンの婚約者マーガレットは救出されたが、案の定チェチェン軍に輪姦されたあとで、背中に傷を負ったロシア軍の大尉に最初から惚れていて、助けてくれたジョンのことなどもう見向きもしない。
画になっていない部分でのジョンのやりきれなさは推し量ることもできるが、絶えずイワンのタバコの量がハンパ無いこととか、決してユーモアではないだろうが、娯楽映画としても見どころいっぱいである。

二人の主役「ジョン」と「イワン」って’JOHN’っていう綴りで外国名は同じである。
性格も立場も違えど生まれた国が入れ替われば、どちらも同じ境遇になる素質があるってことも、この監督は狙っていたのであろうか。僕の考えすぎかな。

僕が一気に観てしまったぐらいだから、やっぱいい映画だったんじゃないかな。




★トレーター~大国の敵 TRAITOR 

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中東イエメンで、プラスティック爆弾を輸送中に逮捕されたサミール(ドン・チードル)。
投獄先で彼を尋問したFBIのクレイトン(ガイ・ピアース)は、サミールを突破口にテロリストの計画の全貌を探ろうとしていた。──投獄中のサミールはある日、オマール(サイード・タグマウイ)と知り合う。奴は世界中でテロを計画中で、サミールにも誘いの手を向ける。そしてオマールの手引きによって刑務所が急襲され、サミールとオマールは脱獄に成功する。一方アーチャーは、サミールが元アメリカ陸軍の特殊部隊に属し、爆弾の製造にも詳しい人物であることを調べ上げ、アフガン戦線に参加したことから、テロに目覚めたと推測した・・・・。
そんな中、サミールとオマールは遂に行動を開始する。



真夜中なのに一気に観てしまった。
ハラハラ感がハンパ無いし、ストーリーも完璧に僕の好みにドンピシャな映画だった。

まさに秀逸映画である。

潜入捜査官モノとしては相手がヤバ過ぎである。「やくざと警察」レベルではない。
実際にアメリカ領事館で遠隔爆弾を爆発させてテロリストの大ボスを信用させたりするのだ。

この映画の中でオマールというテロリストと親友になるが、その男同士の友情シーンがさりげなく描写されていてとても良かった。オマールとの友情は、潜入捜査官としての孤独なサミュエルのひとつの救いだったが・・。
そういう微妙な心理部分もしっかり読み取れる映画だ。

観終わった感想として、「テロは悪」には違いないが、宗教や信心が絡んだ場合、双方の善悪など本当は誰にも決められるものではないと感じた。
「アメリカもイギリスに向けてテロを仕掛けたことがあるが、そんなこともやつらは忘れている」というオマールの台詞もシーンの中にある。「被害や犠牲が非対称なものが戦争」である以上、憎しみの連鎖は終結しないものだ。

主役のドン・チードルは、2004年のアカデミー作品賞の「CRASH(クラッシュ)」でも重要な刑事役として存在感があったが、同じその年の「ホテル・ルワンダ」では主演を演じ、アカデミー賞主演男優賞にノミネートされている。
この映画でさらに磨かれたドン・チードルの熱演は見事だと思う。
寡黙で表情もさほどないのだが、心情が手に取るようにわかる絶妙演技なのである。
将来必ずアカデミー主演男優賞を獲れる俳優さんだと思う。


★ジー・アイ・ジェーン G.I.Jane

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とても好きな映画だ。
この映画はもうずっと15年前に公開されたもので、デミ・ムーアが一番輝いていた時期である。


『G.I.ジェーン』(G.I. Jane)は、1997年に製作されたアメリカの映画。リドリー・スコット監督作品。

アメリカ海軍情報局に所属するジョーダン・オニール大尉は、男女差別雇用撤廃法案を唱えるデヘイヴン上院議員の要請で、志願者の60%は脱落すると言われる最難関の海軍特殊部隊 (実在のSEALsをモデルにした架空の偵察部隊) の訓練プログラムに挑むことになる。彼女を待っていたのはウルゲイルたち訓練教官による想像を絶するしごきと、女性であるが故の訓練生たちからの軽蔑の視線だった。しかし、彼女は驚異的な頑張りで、12週間に及ぶ地獄の訓練プログラムを闘い抜いてゆく・・・。



女性政治家の陰謀の駒として、デミ・ムーア演じるオニール大尉が送り込まれる。訓練所で女性だけにはハンディ(ダブルスタンダード)があることを知ったオニール大尉(デミ・ムーア)は怒り、自ら他の兵士と同じ訓練基準を熱望する。そして自らバリカンで髪を切り丸坊主になる。(このシーンには全くCGが無く、本当に映画の中で丸坊主になっている。)
訓練に根を上げないオニールと他の兵士は互いに信頼関係を築いてゆく。

実弾も飛び交う養成所での訓練は残酷なまでに厳しい。とうとう実践訓練で失敗し、捕虜となって拷問されるオニールと鬼軍曹との決闘シーンが見ものだ。

そして最後の訓練で潜水艦に乗りこむが・・・・。

観たことの無い方は是非一度ご覧あれ。


●ゼロ・ダーク・サーティ ZERO DARK THIRTY

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2/15公開のこの映画を一足先に観た。
この映画はドキュメンタリー作品で、予告でもあらすじは語っているので、すべてネタバレで感想を書きたい。

公開前なのに、この映画を観れた僕はラッキーであり、アップしてくれた人は一瞬にして消えてしまったが、本当に神である。どなたか知りませんがありがとう。
あんなに聴きとりにくい無線の音声まできっちりと翻訳してくれていて本当にスゴ技だ。

監督は、かのアカデミー作品賞候補となった戦争映画「ハート・ロッカー」のキャスリン・ビグローである。
筋書きは9.11テロからオサマ・ビン・ラディン(UBL)を追い詰めてゆく切れ者の女性と、周囲の人間関係、報復までの経過を題材にしたもので、ほぼ真実と言われている内容だけに、テロへの報復へのアメリカの執念と、さらなるテロ(ジハード)を世界各国で仕掛けるイスラム原理主義アルカイダ軍団との対決である。

特に2008/9/20パキスタンのイスラマバードにあるマリオットホテルでの爆破テロのシーンは、もの凄かった。
爆発の瞬間まで、ホテル内のカフェで食事をしている人々。主人公ともう一人の女性もそこで食事をしている。
そこに突然トラックが突っ込み、いきなりホテルが大爆発するシーンは、物が一瞬にして粉々に壊れ、人々が宙を舞い、床や壁に叩きつけられる。映画史に残るほどの大迫力シーンである。誰もが度肝を抜かれるはずだ。
この実際の事件では、けが人こそ多数出たが、死亡した人は少なかったため、シーンの撮影が可能だったのではないかと思うが、よくあんな危険な撮影ができたと思う。

アメリカによる残虐な拷問シーンや、UBL潜伏先の情報を頼りにアメリカの特殊部隊が赤外線スコープを使って、闇の建物の中で罪の無い人々の命さえも奪う決死の突入の様子など、良くある「アメリカだけが正義」とした映画ではない。そのあたりは「ハート・ロッカー」の監督の真骨頂ではある。
また『娯楽性』という面では、ほぼ『皆無』に等しいほどのドキュメンタリー映画である。

この映画が事実なのかどうか僕にはわからない。
「報復」という行為が「正義」なのか、ならば、そもそもどちらが先に手を出したのか。
9.11が始まりだとしたら・・のストーリーである。
お決まりのアメリカの独善だったのか、9.11の報復のためにどれだけの人が死んだのか・・・そういう最終的な部分はやっぱりウヤムヤだったように思う。


写真は最後のシーン。一人でヘリコプターに乗りこんだ鉄の女である主人公が、その任務を終えて、多くの友人を失い初めて感情を表したシーンである。




★セントアンナの奇跡

セントアンナの奇跡

【映画】セントアンナの奇跡【洋画・日本語字幕】

その「つかみ」で僕は釘づけになった。
若干ネタバレ的な映画鑑賞批評になるが、とにかく観ていただきたい映画だ。

アメリカの郵便局で定年間近の局員が、20セント切手を買いに窓口に来た男を銃で殺すところから始まるこの映画。

家宅捜索をしたところ、イタリアの有名な彫刻家が450年以上も前に創った白い石像の頭部分が見つかる。鑑定によれば時価500万ドル相当(約5億円)の価値がある。イタリア・フィレンツェのアルノ川に架かるサンタ・トリニータ橋 (Ponte Santa Trinita) にあったプリマヴェーラ像で、第二次世界大戦時にドイツ軍に橋を破壊された際に失われたものだった。

これが新聞記事になると、複雑な過去と運命の糸が解かれ始める・・・・。

舞台は1944年ヒトラーナチスの攻め込むイタリアのトスカーナ地方。
「眠る男」伝説のある小さな村に黒人アメリカ兵4人とイタリアの孤児1人が辿りつく。

ドイツ兵、地元民、地元のゲリラ部隊などの感情の衝突と男女の交流。
よく居る無能な上司のあからさまな人種差別と、隊を分断するほどの大いなる判断ミス。
セントアンナ教会で起きたドイツによるイタリア人大虐殺事件と裏切り者の存在。
ドイツ兵にビクビクしている緊迫した村人たちの交流や、お守りのように石像の頭を大事に抱えたアメリカ偵察隊の一人の大男と、山小屋で助けた9歳の男の子とのほのぼのとしたちぐはぐな会話やあらゆる奇跡など、どれも緊張感の中に素晴らしく描かれている。

戦勝と戦争の終結を一様にキリストに祈るドイツ兵、イタリア民間人、アメリカ兵。
宗教の違いが無くても、自分たちの都合のいいように解釈が捻じ曲げられている。
いったい何のために起きた戦争なのかを根本から考えさせられる映画である。


そして、そもそも郵便局員が殺した相手は、彼にどう関わった人間だったのか。
少年はどうなったのか。
そして「眠る男」とは?

実話小説からの映画化作品であり、ぜひ観てほしい映画である。





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力蔵

Author:力蔵

こんにちは、『秀逸シネマ紹介中!』管理人の大の映画ファン「力蔵」と申します どうぞよろしくおねがいします 
辛口批評を多く含んだ映画レビューを書かせていただいてます 
甚だ僭越なのですが僕なりの評価点がわかるように各映画タイトルの頭に6段階の記号を付けています 記号の意味は以下の通りです

★★★ 超とびきり秀逸シネマ!
★★ お勧め秀逸シネマ
★ 秀逸シネマ
● そこそこシネマ
▲ いまいちシネマ
✖ がっかりシネマ


僕は主に洋画が好きでアクション・サスペンス・ミステリー・パニック・SF・スパイ・政治・戦争モノなどで「ストーリー性」重視な作品をよく観ます あまり好みで無いジャンルはホラーやオカルトやコミカルドタバタ系です ゾンビ・バンパイヤなどの怪物系や幻想・魔法系それにアニメもあまり観ません ただ食わず嫌いもありますので僕が観ないジャンルにお勧めの映画があればぜひ教えて欲しいと思います

記事には気に入ったカットシーンを何枚か貼り付けています ネタバレは極力避けるように心がけていますが作品情報については「MovieWalker」さんから大まかに引用させていただいています 是非観て欲しい肝心なお楽しみの部分は皆さまにしっかり残しておきます

こんな拙い僕の映画評論が皆様の参考になれば幸いです



好きな男優:
マット・デイモン
ショーン・ペン
デンゼル・ワシントン
ケヴィン・コスナー


好きな女優:
シアーシャ・ローナン
ナオミ・ワッツ
ニコール・キッドマン
ルーニー・マーラ
ナタリー・ポートマン

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